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2006年 68巻7号
外科
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0016-593X
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特集【甲状腺,副甲状腺,副腎の外科—最近の諸問題】
1.最近の甲状腺疾患診断における諸問題— PET~エラストグラフィ~濾胞癌の鑑別診断など
(鈴木眞一; 福島俊彦; 阿美弘文; 中野恵一; 岩舘学; 竹之下誠一)
p.
745–753(9)
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甲状腺分化癌の術前診断としてPET は有用ではないものの,術後のスクリーニング,さらに未分化癌,甲状腺悪性リンパ腫でのstagingや治療効果判定などには有用である.エラストグラフィでは癌が有意に硬く表示され,良性結節との鑑別が可能であった.濾胞癌の鑑別診断には多くの遺伝子やマーカーが検討されているが,小濾胞性腺腫のような前癌病変ともいえるものが存在し,診断を困難にしている可能性がある.
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2.甲状腺腫瘍の病理組織分類における問題点
(坂本穆彦)
p.
754–757(4)
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病理組織学的診断はとりわけ腫瘍性病変の診療には不可欠であり,病理診断は患者の診断・治療・経過観察の要ともいえる.ところで,このたび「WHO 甲状腺腫瘍組織分類」が改訂され,それと連動して,「甲状腺癌取扱い規約」も改められた.この機会に本稿では病理組織分類における問題点を取り上げる.一つは,濾胞性腫瘍の鑑別,つまり腺腫と癌の鑑別であり,他の一つは,新しい疾患概念として登場した低分化癌についてである.
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3.新TNM 分類と甲状腺癌取扱い規約からみた甲状腺癌の治療方針—欧米のガイドラインと日本の実情
(宮内昭; 伊藤康弘)
p.
758–763(6)
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甲状腺乳頭癌に対する手術としてわが国では伝統的には甲状腺亜全摘+同側の保存的頸部郭清術を標準とする施設が多かった.欧米では,同様の意見の大家もいるが,全摘を重視し,リンパ節郭清を軽視する傾向があった.それぞれにそれを主張する根拠がある.医学的根拠以外に社会的,医療経済的背景が実際の医療に影響する.『甲状腺癌取扱い規約(第6 版)』のTNM 分類について解説し,当院において現在行われている手術方針を説明する.
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4.甲状腺微小乳頭癌の取扱い—非手術経過観察の妥当性
(杉谷巌)
p.
764–768(5)
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甲状腺微小乳頭癌の多くは生涯無害に経過する一方で,原発巣が微小でありながら巨大なリンパ節転移や遠隔転移のために不幸な転帰をたどる症例も存在する.超音波検査の多用により無症候性の微小癌が発見されるケースが増えており,その対処法についてのエビデンスは十分ではない.当科においては1995 年以降,無症候性微小癌患者に対しinformed decision に基づき非手術経過観察を行うようになった.これまで経過中に明らかな腺外浸潤や遠隔転移を生じた症例はなく,1 年以上経過観察(平均4.3 年)した156 病巣中,腫瘍が明らかに増大したのは10 病巣(6%)のみであった.
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5.難治性甲状腺癌(高危険度癌~未分化癌)の最新治療—基礎から臨床へ
(前田茂人; 兼松隆之)
p.
769–772(4)
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甲状腺癌の約10%は高危険度癌である.その高危険度癌を予測する因子は,年齢,腫瘍径,被膜外浸潤,遠隔転移などであり,諸家の分類法(AGES,AMES,MACIS,癌研)が報告されている.それら予後因子を十分に理解し,高危険度癌と判断される症例に対しては,甲状腺全摘術+頸部リンパ節郭清術+術後内照射療法+TSH 抑制療法を行う必要がある.一方,未分化癌に対しては,本邦や欧米にも標準的治療法はないが,基礎的研究では有効な薬剤が報告され,なかでも現在臨床試験中の新規薬剤に期待が寄せられている.
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6.甲状腺癌に対する放射性ヨード内用療法—治療効果のエビデンスと日本における問題点
(横山邦彦; 絹谷清剛; 道岸隆敏; 利波紀久; 河合昂三)
p.
773–776(4)
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転移のある症例や非治癒手術例では131 I によるアイソトープ内用療法が予後改善に必須である.再発ハイリスク群や局所進展例では,腫瘍の残存や転移がなくても131 I ablation 治療が必要とされる.欧米では標準治療であるにもかかわらず,わが国では治療が容易でない.本稿では131 I 治療の現状と問題点を検討する.
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7.甲状腺内視鏡手術の有用性と限界
(清水一雄)
p.
777–782(6)
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常に露出された前頸部に手術創を置く甲状腺手術において,衣類で隠れる位置に切開創のはいる内視鏡手術は整容面できわめて有用性が高い.女性に多い疾患であることから,今後その需要はさらに増していくものと思われる.一方,易出血性の実質臓器で,重要神経,血管が近接する甲状腺に対する内視鏡手術は,既存腔のない前頸部に新たに操作腔を作成し狭いスペースで手術操作を行うことから高度な技術を要する.良性および悪性腫瘍,Basedow 病が対象疾患となるが,各疾患の手術適応と限界を冷静に見極め,外科的治療の本来の目的を見失わないことを考慮しつつ内視鏡手術に臨む必要がある.
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8.遺伝性・家族性甲状腺・副甲状腺診療における最近の諸問題—非髄様癌の遺伝から多発性内分泌腫瘍症まで
(内野眞也; 野口志郎)
p.
783–788(6)
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近年の分子内分泌学の成果として,多発性内分泌腺腫症 1型と 2型の原因遺伝子発見があげられる.これらの遺伝子診断が可能となったという新たな時代を迎えた.また近年の臨床病理学的知見の積み重ねにより,家族性非髄様甲状腺癌の病態が明らかとなりつつある.しかし一方では,原因遺伝子が解明されたものでは,遺伝子診断にかかわる諸問題も生み出すこととなり,甲状腺・副甲状腺腫瘍に関する遺伝性・家族性腫瘍の診療において無視できない問題となってきた.
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9.無症候性原発性副甲状腺機能亢進症の新しいNIH 手術適応のガイドラインの妥当性
(高見博)
p.
789–793(5)
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1990 年10 月にNIH(National Institute of Health)にて,Consensus Development Conference on the Management of Asymptomatic Primary Hyperparathyroidism が開催され,そのガイドラインの結果が刊行された.その後,数ヵ所の施設において検討がなされ,現行のガイドラインに対する批判がなされてきた.NIH は2002 年に新ガイドラインを作成した.その結果,手術適応は拡大され,とくにカルシウム高値と骨密度低下の程度は低く抑えられ,経過観察の間隔も広がった.しかし,経験豊富な外科医側からみるとまだ手術適応症例は限られすぎているという.ガイドラインはあくまでも参考であり,絶対的なものでないことを念頭に,各外科医は自己の医療能力を勘案し,対処すべきである.
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10.機能性副甲状腺癌の病態と治療
(飯原雅季; 岡本高宏; 小原孝男)
p.
794–798(5)
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副甲状腺癌に対して局所の根治を図るためには,術前の臨床所見から副甲状腺癌を見逃さず腫瘍と周囲組織を含めたen bloc 切除を行うことがもっとも大切である.とくに, 1.触診で頸部に腫瘤を触れる, 2.汎発性線維性骨炎を起している, 3.血清カルシウム値が12 mg/dl 以上の3 項目を満たしている場合は副甲状腺癌を強く疑うべきである.副甲状腺癌再発による副甲状腺機能亢進症は内科的治療に抵抗性であり,可能な限り再発病変を摘除することが症状の改善にもっとも効果的である.近年,副甲状腺の発癌にHRPT2遺伝子が関与していることが明らかになり注目されている.
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11.原発性アルドステロン症—選択的静脈サンプリングの有用性と限界
(柴田有宏; 今井常夫; 菊森豊根)
p.
799–803(5)
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当科では原発性アルドステロン症にて手術を試行した84 例中17 例(20%)に副腎静脈サンプリング(AVS)が試行された.左12 例,右5 例と左右差を認め,AVS の手技上の問題が示唆された.副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)負荷は行っていないが,アルドステロン比が腫瘍の局在に一致して2 を超える症例では片側性の病因である可能性が高いと考えられた.今後,特発性アルドステロン症の増加に伴いAVS の適応が増えると予想されるが,手技上の問題,ACTH 負荷の適応など検討すべき課題は多いと思われる.
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12.副腎偶発腫瘍と副腎皮質癌における病理組織診断の問題点
(笹野公伸)
p.
804–807(4)
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近年画像診断の発達によりなんら内分泌異常を呈さない副腎腫瘍が多く認められるようになり,副腎偶発腫と呼ばれるようになってきた.この副腎偶発腫の病理組織学的診断にあたっては,その腫瘤が副腎皮質由来であるのか否か,皮質由来である場合には癌なのか腺腫なのかという2 点がきわめて重要になる.副腎皮質由来かどうかの診断にはAd4BP/SF-1 の免疫組織化学が有効で,良悪性の鑑別にはWeiss の指標を用いる病理組織診断がきわめて有用である.
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13.多発性内分泌腺腫症 1型に発生する膵島腫瘍の診断と手術法に関する新たな展開
(土井隆一郎; 上本伸二; 塚田俊彦)
p.
808–814(7)
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多発性内分泌腺腫症 1型(MEN 1)に発生する膵島腫瘍にはガストリノーマ,インスリノーマ,グルカゴノーマ,非機能性腫瘍などがあり,多発傾向がある.遠隔転移がない場合の治療方針は根治的切除術であるが,正確な局在診断が根治術の成否にかかわる重要な問題であり,動脈内刺激物注入試験がもっとも有用である.1997 年に原因遺伝子MEN1が同定され遺伝子診断が可能になった.MEN 1型は40 歳までの浸透率がほぼ100%であり,遺伝子診断によって確定した保因者に対する遺伝カウンセリングが重要になる.
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臨床と研究
内痔核に対する粘膜下電気焼灼法(矢田式)
(矢田義比古; 坂手洋二; 杉生隆直; 浜崎啓介; 平野義郎)
p.
815–818(4)
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臨床経験
高齢者(85 歳以上)の腹部緊急手術症例の検討
(岩井和浩; 川崎亮輔; 妻鹿成治; 松村祥幸; 市之川正臣; 高橋透)
p.
819–822(4)
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症例
腹腔鏡下に修復した腹壁瘢痕ヘルニアの1 例
(中川国利; 白相悟; 村上泰介; 遠藤公人; 鈴木幸正; 桃野哲)
p.
823–826(4)
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合併する急性胆嚢炎に対する胆嚢摘出術と同時に修復術を行ったMorgagni 孔ヘルニアの1 例
(環正文; 大下和司; 宇山正)
p.
827–831(5)
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乳癌との鑑別が困難であったdiabetic mastopathy の1 例
(朝蔭直樹; 小林滋; 佐々木森雄; 塚田健次; 鈴木貴久; 山崎滋孝)
p.
832–838(7)
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早期乳癌に合併した乳腺過誤腫の1 例
(徳岡優佳; 平尾隆文; 富永修盛; 松田泰樹; 小林哲郎)
p.
839–842(4)
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乳腺紡錘細胞癌の1 例
(梶浦由香; 吉田博希; 杉本泰一; 林諭史)
p.
843–846(4)
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胸部上部食道部分切除~端々吻合した悪性食道顆粒細胞腫の1 例
(吉田真規; 東山洋; 浮草実)
p.
847–851(5)
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結腸憩室炎に起因したS 状結腸膀胱瘻の2 例
(太田博文; 山崎惠司; 豊田泰弘; 遠藤和喜雄; 上田進久; 前浦義市)
p.
852–855(4)
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非拡張型膵・胆管合流異常症に合併した総胆管結石症の1 例
(森本純也; 小山剛; 貝崎亮二; 松村雅方)
p.
856–861(6)
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膵癌骨格筋転移の1 例
(平沼知加志; 山村浩然; 橋爪泰夫; 笠島里美)
p.
862–866(5)
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