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2010年 72巻6号
外科
ISSN
:
0016-593X
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特集【研修医必読 外科感染症のup to date】
1.わが国のinfection control team(ICT)システムの背景と現況
(熊崎智司)
p.
571–575(5)
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わが国の感染対策チーム(infection control team:ICT)の背景と現況について述べる.感染対策への関心の増加とともに,院内感染対策は,国の推奨から通知,医療法の改正,診療報酬の見直しを経て,すべての医療機関でその整備と充実が求められている.ICTの機能と業務,システム,さらに求められる能力について概説する.感染対策における地域連携は今後さらに重要性を増すと考えられる.
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2.Infection control team(ICT)における外科医の役割
(東口高志)
p.
576–580(5)
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以前より術後感染症は外科医にとってもっともいやな相手であった.手術時の清潔操作をしっかり実施していても,長時間で高侵襲の手術での術後感染症はほぼ必発であった.このような現状であっても感染症を減らそうという活動は続けられ,医師だけでなく看護師,薬剤師たちが一致団結して感染と対峙するチーム医療(ICT)が誕生した.本稿では,このICT における外科医の役割について最近の感染症対策とともに述べる.
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3.外科感染症早期診断法
(遠藤重厚)
p.
581–584(4)
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感染症の早期診断は,特異的治療の早期実施のため重要である.特に敗血症では全身性炎症の臨床的および検査的徴候が伴って起こるが,非感染性炎症の症例も類似した徴候と症状を示すことがあり,臨床所見のみに基づいて感染を診断することはむずかしい.細菌培養の結果を得るまで時間を要し,また敗血症の臨床徴候と同時に現れないこともある.したがって,早期診断を可能とし,早期の特異的治療介入が可能となるようなマーカーを同定することが重要である.
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4.薬剤耐性菌に対する抗菌薬療法
(草地信也)
p.
585–590(6)
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日本の外科感染症治療を含めた術後合併症の治療成績が欧米と比較して明らかに高いレベルにあるために,欧米のエビデンスやガイドラインがそのまま導入できないことを理解する必要がある.日本独自のエビデンスを確立することが急務である.
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5.感染症対策としての栄養管理
(福島亮治)
p.
591–596(6)
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栄養不良があると術後感染性合併症発生率が高くなることは古くから知られており,周術期の栄養管理は術後感染対策としてきわめて重要な位置を占める.完全静脈栄養(TPN)は術前栄養障害を有する患者に術前7日以上施行すると術後感染など合併症防止効果が認められる.一方,栄養障害がない場合や短期投与では逆効果となることも指摘されている.免疫増強経腸栄養剤(IED)の術前投与は,術前の栄養状態に関係なく,術後感染性合併症の発生を約50 %減少させる.術後の栄養管理では,早期経腸栄養,特にIED を用いた早期経腸栄養の有用性が種々報告されている.
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6.院内感染アウトブレークへの対応
(竹末芳生)
p.
597–600(4)
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病院内における耐性菌対策に関し,Centers for Disease Control and Prevention(CDC)のガイドラインでは画一的な対応しか示されていない.われわれは,病院感染管理上重要な耐性菌を以下に示す3段階に分類し,対応もそれに応じて行っている.またメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)においてはactive surveillanceが一部の施設で行われている.レベル1:日常検出される耐性菌(MRSA など),レベル2:日常検出される耐性菌ではないが,有効な抗菌薬が存在し,予後も良好なもの〔extended-spectrum beta-lactamase(ESBL)産生菌など〕,レベル3:日常検出される耐性菌ではなく,感染が発症した場合に有効な抗菌薬が少なく重篤となる可能性があるもの〔multiple drug resistant Pseudomonas aeruginosa(MDRP)など〕である.このレベル別分類を用い,アウトブレークの初期消火を日常実践している.
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7.外科の立場からみたSurviving Sepsis Campaign guidelines
(宮下正夫)
p.
601–604(4)
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Surviving Sepsis Campaign guidelines (SSC guidelines)2008,すなわち改訂版ガイドラインで外科医にもっとも密接なものは,感染源の診断と局所治療に関する記載である.診断では,適切な培養検査と侵襲の少ない画像診断が強く推奨され,感染部位の局所治療には早急な感染部位の評価と低侵襲な治療法の選択,感染原因となる血管カテーテルへの対応が推奨される.これら改訂版SSC guidelinesの中で外科医の立場から重要と思われる点を解説する.
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8.高リスク例の感染予防対策
(川本雅樹)
p.
605–608(4)
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感染に対する高リスク例においてはいったん感染が生じると急速に重篤化しやすく,手術侵襲が加わる場合,そのリスクはさらに上昇することから重症化の危険率は増す.そのため,このような症例に対する適切な予防的抗菌薬投与および術前の感染予防対策は非常に重要となる.また病態別にさまざまな対策が提唱されており,本稿では進行担癌状態,肝硬変,腎不全,糖尿病,慢性呼吸器疾患,および高齢者における術前感染予防対策および予防抗菌薬の投与法について概説した.
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9.消化器外科手術に用いる縫合糸と感染
(貞廣莊太郎)
p.
609–614(6)
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最近抗張力の保持期間や吸収速度,表面形状などに特徴を有する吸収性縫合糸が登場してきた.創感染の発生は吸収性糸で低率であるため,原則として感染環境では吸収性monofilament 糸が適している.また縫合糸は一定期間腹腔内に異物として残存し,特に感染環境では高率に癒着発生の原因となる.したがって,消化器外科手術で用いる縫合糸の選択は感染の有無,用いる部位別に必要な抗張力の持続期間と縫合糸の特徴を勘案して決定すべきである.
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10.感染症におけるドレーンの功罪
(渡邊裕策)
p.
615–618(4)
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多くの消化器手術に対するドレーンの弊害がランダム化比較試験(RCT)で証明され,わが国でも省略される傾向にある.一方で,腹膜炎など感染症においては,わが国ではドレーンを留置することが半ば常識である.海外では,感染症においてもドレーンは必要ないというコンセンサスが得られているが,確立されたエビデンスはない.今後,感染症におけるドレーンに対する質の高いエビデンスが望まれるが,その中でも各症例に対して柔軟にドレーンが必要か不必要か判断できることも肝要である.
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連載
画像Q&A
(吉田 修)
p.
619–622(4)
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臨床経験
食道癌手術における吸収性ポリ乳酸製骨固定ピンを用いた肋骨内固定法
(松谷 毅)
p.
623–626(4)
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大腸若年性ポリープの検討
(桂 守弘)
p.
627–631(5)
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症例
S-1/cisplatin を用いた術前化学療法により根治A 手術が可能となった十二指腸浸潤胃癌の1 例
(渡邉伸一郎)
p.
632–635(4)
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多発胃石の落下による小腸イレウスの1 例
(北野義徳)
p.
636–640(5)
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胃切除後34 年目に発症したBraun 吻合部逆行性空腸重積症の1例
(角 泰雄)
p.
641–644(4)
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術前に診断した回腸脂肪腫による腸重積に対して腹腔鏡下手術を施行した1 例
(富沢賢治)
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645–648(4)
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小腸放線菌症の1 例
(宮澤智徳)
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649–651(3)
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急性虫垂炎様症状で発症した原発性虫垂癌の1 例
(猪狩公宏)
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外来での抗生物質療法で治癒した穿孔性虫垂炎の1 例
(結城 敬)
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腸管壁内に瘻孔を形成し狭窄を呈したS 状結腸憩室炎の1 例
(大谷弘樹)
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Direct Kugel 法を用いて修復したSpigel ヘルニアの1 例
(大山健一)
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門脈枝塞栓後に広範な肝壊死をきたした肝内胆管癌肝門浸潤の1 例
(北田浩二)
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縦隔内膵仮性嚢胞に対する経皮経肝的嚢胞ドレナージ後のPartington手術の1 例
(岡田慶吾)
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前方陥入型内膀胱上窩ヘルニアの1 例
(塚本好彦)
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678–682(5)
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