Volume 110,
Issue 4,
2012
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特集 【症候から学ぶ感染症診療と抗菌薬治療】
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内科 110巻4号, 522-524 (2012);
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内科 110巻4号, 525-528 (2012);
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グラム染色を行えば,起因菌がみえ,感染巣がわかりやすく,狭域抗菌薬を選びやすくなり,治療効果も判定できる.グラム染色は誰でも行うことができる迅速で簡便な手技である.グラム染色は感染症診療の楽しさを教えてくれる.
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内科 110巻4号, 529-533 (2012);
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血液培養検査は,感染症診療の流れの中で位置づけることが重要である.発熱の有無を問わず敗血症が疑われるとき,特定臓器の感染症が疑われ原因微生物が明らかでないとき,何らかの感染症が疑われるが臓器や微生物の特定ができないときは血液培養採取のよい適応である.検査結果の解釈には,適切な手順で 2 セット以上採取することが必要である.より早期に検出微生物に関する情報を得るには,微生物検査室とのコミュニケーションが勧められる.各施設が共通の統計指標に基づいて血液培養検査の質向上に関する議論をすることが必要であり,適切な精度管理指標の検討は今後の課題である.
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内科 110巻4号, 534-536 (2012);
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発熱はもっともよくみられる主訴であり,原因は多岐にわたる.一見原因不明にみえる場合の診断のポイントは 2 つある.①病歴や身体診察を丁寧に行い,小さな手がかりを見逃さないこと②安易に抗菌薬やステロイドを使用しないこと本稿では古典的不明熱のみではなく,一見原因不明の発熱患者をどのように診療するかを,感染症内科の立場からまとめた.
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内科 110巻4号, 537-541 (2012);
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感染性心内膜炎は鑑別疾患として想起しなければ診断が困難なことが多く,不明熱の原因となりうる疾患である.不明熱に対して「何となく」抗菌薬が開始されてしまうと,さらに診断を難しくする危険性がある.まれな疾患ではあるが致死率が 1~2 割と高い疾患であり,見落としや診断の遅れは避けなければいけない.感度・特異度に優れた特徴的な身体所見や検査所見に乏しく,適切な血液培養検査や心臓超音波検査が診断に占める重要性は非常に高い.外科治療の必要性についての評価を早期に行い,必要があれば外科へコンサルトする.治療開始後も新たな合併症の出現などに注意を払いつつ,予後不良因子のある症例ではより慎重な経過観察が必要である.
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内科 110巻4号, 542-545 (2012);
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「急性上気道炎」はよく使われる病名だが,ゴミ箱診断として利用されることも多い.それは急性上気道炎の定義を明確にしていないために起こる.成書によりその定義に幅はあるが,シンプルに定義することで,他疾患との区別,とくに細菌感染かウイルス感染かの判断に役立つ.明日から急性上気道炎といってよいときとよくないときをはっきりさせることで,その定義による区別から,見逃してはいけない疾患群も理論的に区別できるようになる.
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内科 110巻4号, 546-550 (2012);
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咽頭痛は一般外来で頻度の高い症状であるが,大部分は抗菌薬治療の適応とならない.臨床像や Centor criteria を用いて抗菌薬治療が必要な咽頭炎を峻別する.危険な咽頭痛(急性喉頭蓋炎・扁桃周囲膿瘍・咽後膿瘍・顆粒球減少症)を示唆する情報に留意する.性感染症も咽頭炎の原因になりうることを念頭に置く.HIV 感染症も忘れない.「治らない咽頭痛」に対しては漫然と抗菌薬を投与せず,非感染性原因も含め原因を検討する.
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内科 110巻4号, 551-553 (2012);
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咳・痰は一般外来でもっとも多い主訴の一つであり,原因となる疾患は多岐に渡るが,持続時間ごとに分けて考えると鑑別診断を絞り込みやすい.急性咳嗽では急性気管支炎と肺炎の鑑別が重要となるが,バイタルサインが正常であり,発熱がなく,胸部聴診所見も正常であれば肺炎よりも急性気管支炎の可能性が高い.個々の病歴や身体所見で肺炎を診断できるものはなく,個々の病歴や身体所見を組み合わせたスコアリング法が提唱されている.亜急性咳嗽・慢性咳嗽の原因の多くは UACS,咳喘息,GERD などの非感染性疾患であり,肺結核はこれらに比べるとまれな原因であるが,発熱を伴う湿性咳嗽や体重減少,盗汗,血痰などの所見がみられれば早期から肺結核を疑い積極的に検査を進めるべきである.
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内科 110巻4号, 554-558 (2012);
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腹痛は,外来診療でもっとも遭遇する機会の多い症候の一つであり,原因となる疾患も多岐にわたる(Table 1).腹部の疾患は他の身体の部位と同様に,感染症とそれ以外の疾患を同時に考えながら診断・治療を進めていく必要がある.まずは丁寧に病歴と身体所見をとる必要がある.高齢者では,重篤な状態でも身体所見や検査所見の異常がそれほど顕著でない場合もあり,注意を要する.
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内科 110巻4号, 559-562 (2012);
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嘔吐(悪心),下痢は日常の外来診療で多くみる症状の一つである.感染症によるものが多いが,非感染症によるものも多く,原因も全身のさまざまな異常に由来することが多い.診療にあたっては広く鑑別疾患をあげる.嘔吐,下痢のいずれの症状でも,体液の喪失による脱水と電解質異常の補正が初期診療では重要である.
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内科 110巻4号, 563-566 (2012);
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下部尿路症状は特異的だが上部尿路症状は非特異的である.症状がない場合に尿混濁のみで尿路感染症と診断してはならない.
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内科 110巻4号, 567-571 (2012);
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皮膚軟部組織感染症(SSTIs)は,病巣の深さ,原因微生物を 2 つの軸として考える.壊死性軟部組織感染症(NSTI)を迅速に診断し,外科的デブリドマンを行うことが救命のカギである.
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内科 110巻4号, 572-577 (2012);
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関節に腫れと痛みなどの炎症所見がある場合,重要なのは,解剖学的にどの構造物にどのような感染,炎症が生じているかを見極めることである.化膿性関節炎だけではなく,化膿性滑液包炎,蜂窩織炎,筋や腱への感染,骨髄炎などが生じていないか,背後に心内膜炎などがないかを検討し,診断に応じた適切な治療方法を選択する.とくに急性単関節炎では培養検査などで否定できるまでは化膿性関節炎として扱うことが重要である.
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内科 110巻4号, 578-581 (2012);
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jolt accentuation と neck flexion test の両者陰性で,髄膜炎をほぼ除外できる.髄膜炎を完全に否定するには腰椎穿刺が必要である.症例の背景,疾病素因から起炎菌を想定し,抗菌薬を選択する.
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内科 110巻4号, 582-585 (2012);
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本稿では全身性の発疹を伴う感染性疾患について診療の実際を解説する.①緊急的な対応が必要かどうか,②隔離処置が必要かどうかの 2 点を確認することが肝要である.発熱とともに発疹をきたすウイルス疾患には季節性を有するものが多く,日頃から地域の流行状況に気を配ることが診断の一助となる.①皮疹のタイプ,②皮疹の分布,③皮疹の進展,④発熱と皮疹出現のタイミング,⑤他の随伴症状の有無の 5 点を中心に情報を収集すると鑑別を絞りやすい.患者の症状に耳を傾けるとともに,注意深く理学的所見をとることがもっとも重要である.
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内科 110巻4号, 587-591 (2012);
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内服抗菌薬では,bioavailability が良好なものを選択する.市中感染症でもっとも頻度の高い微生物を理解し,確実に効果のある内服抗菌薬を選択する.内服抗菌薬の薬物相互作用を理解する.
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内科 110巻4号, 592-595 (2012);
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薬物治療モニタリング(TDM)とは,有効性・安全性の指標となる血中濃度をもとに,薬物の用量調節を行う手法である.TDM が推奨される抗菌薬は,グリコペプチド系薬(vancomycin,teicoplanin),アミノグリコシド系薬(gentamicin,amikacin,arbekacinなど)である.グリコペプチド系薬はトラフ値が有効性・安全性の指標となり,アミノグリコシド系薬はピーク値が有効性・トラフ値が安全性の指標となる.2012 年に発表された抗菌薬 TDM ガイドラインを参考にしながら,多職種の連携のもとに抗菌薬治療を個別化していくことが重要である.
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内科 110巻4号, 596-600 (2012);
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抗菌薬使用における有害反応は薬理学的効果の過剰反応,免疫的反応,薬剤特有の効果に分けるとわかりやすい.ほとんどの抗菌薬は,薬物の既知の薬理学的あるいは毒性学的特性に基づいて,有害反応の予測が可能である.
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内科 110巻4号, 601-605 (2012);
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抗菌薬を投与する際は,腎機能を評価することを習慣づける.血清 Cr値が基準値内にある場合でも,必ずしも腎機能が正常であるとは限らない.評価した腎機能をもとに抗菌薬の用法・用量を調整し,腎機能の変動に応じてその都度,投与計画を見直す.とくに急性腎障害(AKI)合併により持続的腎代替療法(CRRT)を要する重症患者では,短期間で腎機能が変動しやすいため細心の注意を払う必要がある.腎障害のある患者に抗菌薬を投与する際は,抗菌薬との薬剤間相互作用を有する免疫抑制薬を内服していないかを確認する.
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内科 110巻4号, 607-610 (2012);
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①発熱がないことをもって感染症を否定しない.②“ いつもとの違い”から病歴聴取を始める.③診察の工夫で乏しい所見を enhance する.④診断のために必要な検査は怠らない.⑤はっきりしないときは早めに不明熱の鑑別で進める.⑥高齢者であることのみで耐性菌をカバーする理由としない.⑦抗菌薬を開始する前に定期内服薬との相互作用をチェックする.⑧使うと決めたら抗菌薬はしっかり投与する.⑨面談では「わかりました」を鵜呑みにしない.⑩ワクチンで予防できる感染症は予防する.
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内科 110巻4号, 611-614 (2012);
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近年では国際化や交通機関の発達に伴って,海外渡航は身近なものとなり,国内では診療する機会が少なかった疾患に遭遇することが増えている.帰国者の発熱を診療するうえでもっとも重要なことは渡航歴の聴取である.渡航に関する期間,地域,目的,曝露歴,予防対策などの情報から,感染リスクの高い疾患を類推できる.熱帯熱マラリアは罹患率と重症度から,帰国後診療でもっとも注意を要する疾患であり,診断や治療が困難な場合には速やかに専門機関に相談する必要がある.またマラリア以外の輸入感染症のほか,一般的な疾患も忘れてはならない.海外帰国者の発熱診療では,国内外の疾病に対する診療のほか,次の渡航の予防対策を含め,総合的な対応が重要である.
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内科 110巻4号, 615-619 (2012);
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グラム陰性桿菌の多剤耐性化は深刻な問題である.多剤耐性菌は保菌に終わる場合も多いが,免疫不全患者において感染症の原因菌となった場合は致死的になる.グラム陰性桿菌の耐性メカニズムは複雑であり,多剤耐性菌感染症に対して特定の推奨される治療レジメンは存在しない.MDRP 感染症に対しては,aztreonam と amikacin などの併用療法が試みられているが,エビデンスは不十分である.colistin や tigecycline(tigecycline は緑膿菌には活性なし)を,日本においても早期に保険認可することが期待されるが,これらへの耐性株もすでに出現している.感染症の原因菌であることが疑われた際には,専門家へのコンサルトが勧められる.
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内科 110巻4号, 621-631 (2012);
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臨床ノート:症例から学ぶピットフォール
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内科 110巻4号, 640-642 (2012);
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目でみる症例
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内科 110巻4号, 643-648 (2012);
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比較で学ぶ病理診断 ミニマル・エッセンシャル
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内科 110巻4号, 649-654 (2012);
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診断力をみがく イメージトレーニング
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内科 110巻4号, 655-658 (2012);
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Photo Report
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内科 110巻4号, 659-659 (2012);
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臨床経験
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内科 110巻4号, 661-664 (2012);
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症例
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内科 110巻4号, 665-668 (2012);
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内科 110巻4号, 669-672 (2012);
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内科 110巻4号, 673-677 (2012);
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内科 110巻4号, 679-682 (2012);
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内科 110巻4号, 683-686 (2012);
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VIew Spot
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内科 110巻4号, 586-586 (2012);
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Research 最前線
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内科 110巻4号, 606-606 (2012);
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内科 110巻4号, 620-620 (2012);
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Book Review
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内科 110巻4号, 632-632 (2012);
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内科 110巻4号, 660-660 (2012);
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内科 110巻4号, 678-678 (2012);
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