Volume 115,
Issue 3,
2015
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特集 【高齢者のリウマチ・膠原病はこう診る】
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Editorial
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内科 115巻3号, 354-356 (2015);
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Special Article
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内科 115巻3号, 357-361 (2015);
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・発症年齢の平均が65 歳以上に分布しているリウマチ・膠原病疾患は,顕微鏡的多発血管炎(MPA),巨細胞性動脈炎(GPA),リウマチ性多発筋痛症(PMR)があげられる.・関節リウマチ(RA),全身性エリテマトーデス(SLE),多発性筋炎(PM)/皮膚筋炎(DM)は,平均発症年齢は65 歳未満だが,罹病率,有病率のピークは65 歳以上である.・日常診療においてRA とSLE は疾患自体が心血管イベントのリスク因子であることを認識する必要があり,リスク軽減のためには他の動脈硬化リスク因子の管理と疾患活動性の管理が重要である.・ RA,SLE,PM/DM は悪性腫瘍の頻度が一般人口と比較して多いことにも留意が必要である.とくに高齢発症の間質性肺炎を合併していないDM は頻度が多い.
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内科 115巻3号, 363-367 (2015);
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・高齢者に発症する関節リウマチや全身性エリテマトーデスは,通常の症例(若年者)と臨床像がやや異なる.・高齢発症リウマチの鑑別診断として,リウマチ性多発筋痛症,RS3PE 症候群,変形性手関節症が重要である.・高齢者における不明熱では,巨細胞動脈炎や顕微鏡的多発血管炎などの血管炎症候群も念頭に置くべきである.
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プライマリケアで遭遇するリウマチ・膠原病へのアプローチ
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内科 115巻3号, 369-374 (2015);
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・高齢者の不明熱では,若年者と比較して診断が確定することが多い.・病歴が大切になる疾患で,病歴を聴取できないことがある.・症状がはっきりしないことや,非特異的な症状しか認めないこともある.・発熱の原因が複数ありうる.・結核,感染性心内膜炎,リンパ腫といった疾患は最後まで鑑別に残る.
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内科 115巻3号, 375-380 (2015);
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・多くの関節痛は問診と身体所見で診断可能であり,定式化(パターン化)することにより鑑別診断が容易となる.・初診時は,確定診断をすることより,深刻な病態(化膿性関節炎)の可能性から考えて診療する.
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内科 115巻3号, 381-385 (2015);
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・ 訴えがない=「症状がない」ではない.高齢者では患者自身が症状に気付いていないことがある.・ 臨床的に改善した後で「以前はどうだったか?」と繰り返し尋ねることで気付かれなかった症状の存在が明らかになることがある.・まれに,最初から最後まで「症状がない」症例がある.・所見がある=「疾患の存在証明」ではない.・「時間」はときに最大の診断ツールになりうる.・加齢による変化というバイアス(フィルター)は患者・医療者の両方に起こりうることを理解しておく.
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高齢者で頻度の高いリウマチ・膠原病:診断と治療各論
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内科 115巻3号, 387-391 (2015);
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・近年,関節リウマチは治療進歩に伴い予後が著明に改善した.・関節リウマチの発症年齢が上がっていることが報告されており,長寿化も伴って,高齢の関節リウマチ患者は増加している.・高齢者の関節リウマチは,症状が若年者とは異なる特徴があるため診断が困難であり,身体機能や各臓器機能低下から,治療薬による副作用が出やすく副作用の重症化も多いなどの特徴がある.高齢の関節リウマチでは,診断・治療両面で特徴を理解し,注意することが大切である.
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内科 115巻3号, 393-397 (2015);
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・ リウマチ性多発筋痛症(PMR)の診断はステップを踏むことが重要である.まずPMR 症候群として捉え,類似疾患を除外する.PMR は,少量ステロイドに対する治療反応性が良好である点もその特徴である.・高齢発症RA や傍腫瘍症候群が,PMR 類似疾患のなかで頻度が高い.・ 巨細胞性動脈炎の緊急症状は虚血性視神経炎による失明のほか,まれだが大動脈瘤や大動脈解離があげられる.・巨細胞性動脈炎の診断には側頭動脈生検が必須であり,ステロイド開始後であっても積極的に行う.
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内科 115巻3号, 399-401 (2015);
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・高齢発症SLE の特徴として,漿膜炎,呼吸器疾患,血球減少などがみられやすい.・薬剤誘発性ループスの除外のため薬剤歴の聴取に留意すべきである.・長期罹患の高齢SLE では,ステロイド性骨粗鬆症などに注意が必要である.・ SLE のクラスター解析では,年齢によって臨床的特徴が区別できる可能性が示された.
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内科 115巻3号, 403-406 (2015);
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・ 高齢者では30%近くが口腔乾燥感を自覚しているといわれている.乾燥症状を問診,診察,検査でしっかり捉えることが重要で,服用中の内服薬の副作用の影響にも留意する.・ 成人女性に好発し,自己免疫疾患の代表的疾患の1 つであるが,ステロイドによる分泌腺機能の改善は期待できない.多くの場合,患者の主訴である乾燥症状に対する対症療法に留まる.・ 抗ガンマグロブリン血症,膠質反応陽性,RF 陽性,赤沈高値などを検診で指摘され受診することがある.・2015 年1 月より厚生労働省の指定難病に認定された.
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内科 115巻3号, 407-411 (2015);
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・PM/DM は,筋,皮膚,肺に高頻度に自己免疫性炎症をきたす疾患である.・ 筋力低下が主症状であるが,高齢者では日常生活の活動性が低下しているために症状が出にくく,嚥下障害による繰り返す誤嚥性肺炎が初発症状となりうる.・しばしば合併する悪性腫瘍の検索は,とくに高齢者で重要である.・ 治療は,悪性腫瘍合併例では悪性腫瘍の治療を優先し,それ以外では,副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬が中心となる.・急速進行性間質性肺炎ないしそれが疑われる場合には,両者を初期から併用する.・高齢者では免疫力低下による有害事象を招きやすいことを考慮し,日常生活に支障をきたさない程度の低疾患活動性を治療目標にすることも正当化されうる.
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内科 115巻3号, 413-417 (2015);
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・ 全身性硬化症(SSc)では,長い罹病期間を経た高齢者で機能障害が顕性化することが多い.・ 変形性関節症による手指腫脹,Dupuytren 拘縮など加齢に伴う変化があるとSSc の診断が難しい場合がある.・高齢者では動脈硬化が末梢循環障害を悪化させる.・高齢発症の抗RNA ポリメラーゼⅢ抗体陽性例では悪性腫瘍の存在を疑う.・肺高血圧症では,肺動脈性肺高血圧症に加えて心筋拡張障害など多彩な病態が併存して複雑な病態を呈する.
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内科 115巻3号, 419-424 (2015);
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・わが国では抗好中球細胞質抗体(ANCA)関連血管炎の顕微鏡的多発血管炎(MPA)が多い.・高齢者の不明熱や進行性腎障害では必ず鑑別する必要があり,ミエロペルオキシダーゼ(MPO)‒ANCA 検査は有用であるが,寡免疫性の半月体形成性糸球体腎炎など小型血管炎の病理組織学的証明が診断に重要である.・寛解導入には副腎皮質ステロイドとcyclophosphamide または抗CD20 抗体rituximabの併用が基本になるが,高齢MPA に対してはステロイドおよび免疫抑制薬の用量・用法ともに慎重な調節が必要である.
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高齢者で注意が必要な合併症対策
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内科 115巻3号, 425-428 (2015);
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・痛みは,侵害受容性疼痛,神経障害性疼痛,心因性疼痛に分けて治療を検討する.・鎮痛薬は,作用点の違いを利用して併用を考慮し,各薬剤の有効性と安全性を高める.・高齢は,消化管障害や心血管イベントの危険因子であり,また腎機能低下があるため,とくにNSAIDs 使用時には用量や薬剤選択の工夫が必要である.
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内科 115巻3号, 429-432 (2015);
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・高齢者では生理機能の低下や併存疾患により,若年者と比べてステロイドの副作用にはより注意が必要である.併存疾患や内服薬については,ステロイド使用前によく確認しておく.・副作用では,とくに早期では精神への影響,高血糖,不整脈,浮腫などに,中期~長期の使用では感染症,骨粗鬆症,白内障・緑内障,筋症,消化性潰瘍,心血管・脳血管合併症に注意する.
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内科 115巻3号, 433-437 (2015);
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・ 関節リウマチをはじめとする種々の免疫疾患で,生物学的製剤は劇的な治療成績の改善をもたらし,さらにANCA 関連血管炎に対する抗CD20 抗体療法など適応を拡大しつつある.・ わが国では高齢化の急速な加速に伴い,高齢者に対する安全かつ有効な医療の提供は重要な課題である.・ 高齢者における免疫疾患では,免疫疾患自体による障害と併存症による不可逆性の障害が,治療適応の決定に重要である.・ 加えて,高齢者では,有害事象とくに感染症に対する危険性が高く,事前のリスク評価と適切な予防策を行うことが大切である.・高齢者における課題を熟知したうえで,生物学的製剤の適応判断と治療管理を行うことで,より多くの患者に生物学的製剤の恩恵を提供することが期待される.
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トピックス
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内科 115巻3号, 439-443 (2015);
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・ロコモティブ症候群は,運動器障害のために要介護となる危険の高い状態である.・ロコモティブ症候群の原因疾患には,関節リウマチや変形性関節症などがある.・ロコモティブ症候群の女性患者の多くはビタミンD 不足と思われる.・ロコモティブ症候群の骨粗鬆症治療には,新規薬剤が有用である.・ロコモティブ症候群の診療には,内科医と整形外科医との協力が重要である.
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鼎 談
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内科 115巻3号, 445-453 (2015);
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連載
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内科 115巻3号, 455-461 (2015);
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内科 115巻3号, 463-467 (2015);
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約70 年ぶりに国内流行が発生したデング熱は,最終的に162 名の患者が報告された(2014 年52 週時点).2014 年8 月から10 月にかけて,東京の代々木公園,またはその周辺で感染したと推定される症例が大部分であった.その媒介蚊はヒトスジシマカであり,かなり多数の蚊に刺された患者がおり,代々木公園に生息するヒトスジシマカが多数であったことが推測される. その原因となったデングウイルスは血清型1 型のウイルスであり,遺伝子解析からは同一のウイルスによる流行であったと考えられる.今後のデング熱国内流行を防止する対策としては,媒介蚊の発生を抑えることが重要である. ヒトスジシマカの活動は5 月から10 月であり,8 月がそのピークである.海外からのデング熱輸入症例も8 月,9 月がピークであり,この時期が国内流行の可能性が高い時期となる. デング熱は突然の高熱で発症し,その症状は,発熱・発疹・痛みが3 主徴である.したがって,とくに7 月から9 月にかけてこのような症状の患者を診た場合は,デング熱を疑う必要がある.
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内科 115巻3号, 468-472 (2015);
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内科 115巻3号, 473-477 (2015);
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投稿
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症例
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内科 115巻3号, 479-482 (2015);
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内科 115巻3号, 483-485 (2015);
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内科 115巻3号, 487-490 (2015);
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内科 115巻3号, 491-495 (2015);
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内科 115巻3号, 498-502 (2015);
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内科 115巻3号, 503-506 (2015);
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内科 115巻3号, 507-510 (2015);
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内科 115巻3号, 511-514 (2015);
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Photo Report
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内科 115巻3号, 462-462 (2015);
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内科 115巻3号, 478-478 (2015);
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Book Review
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内科 115巻3号, 444-444 (2015);
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内科 115巻3号, 486-486 (2015);
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内科 115巻3号, 497-497 (2015);
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内科 115巻3号, 515-515 (2015);
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