Volume 123,
Issue 6,
2019
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特集【神経疾患の現在 とこれから】
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特集のねらい
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内科 123巻6号, 1212-1213 (2019);
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Overview:神経疾患common disease の現在とこれから
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内科 123巻6号, 1215-1218 (2019);
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▪診断後のサポートについて十分配慮する必要がある.▪非薬物療法と薬物療法を組み合わせて行うことが重要である.▪非Alzheimer 型認知症が注目されている.▪ 専門医に紹介すべき場合として,若年性認知症が疑われる場合,認知症の行動・心理症状(BPSD)の対応が困難な場合,軽度認知障害(MCI)か認知症かの判断に迷う場合などが考えられる.
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内科 123巻6号, 1219-1225 (2019);
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▪ 血栓回収療法は急性期脳主幹動脈閉塞に対する高い転帰改善効果が示され,標準治療の地位を確立した.▪非心原性脳梗塞に対する急性期・慢性期2 剤併用抗血小板療法の有効性が示された.▪ 経口抗凝固療法の中和薬などの新規薬剤や診断・治療機器(Reveal LINQ®(植込み型心電図記録計),AMPLATZER PFO Occluder(経皮的卵円孔閉鎖機器),Watchman(経皮的左心耳閉鎖機器)など)が導入(予定)されている.▪ 脳卒中診療は,新たなエビデンスの公表とともに新規薬剤,診断・治療機器が次々と導入されており,変革の時期を迎えている.
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内科 123巻6号, 1227-1232 (2019);
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▪Parkinson 病は多彩な運動症状と非運動症状を呈する神経変性疾患である.▪ 選択可能な薬剤も増え,levodopa 登場後は患者のQOL が飛躍的に改善し生命予後を伸ばすことができた.その一方で,長期罹患の経過中にみられる治療関連運動合併症や精神症状に対する治療に難渋する症例も多くなってきた.▪ 新薬の登場で多様化するParkinson 病診療の標準化を目的として2018 年に診療ガイドラインが改訂された.▪ 今後のParkinson 病診療における方向性は,個々で異なる臨床表現型や患者背景にあるさまざまな要素を考慮した個別化治療を目指し,エビデンスに基づいて包括的ケアを提供するプレシジョン・メディシンを確立していくことにある.
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内科 123巻6号, 1233-1239 (2019);
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▪「 てんかん診療ガイドライン2018」は,てんかんを専門としない医師を主な読者と想定して作成されており日常診療で有用である.▪ てんかん診療では,正確な診断や治療方針の決定はもちろん,個々の患者の身体的・社会的状況や希望に合わせて対応していく必要がある.
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内科 123巻6号, 1241-1246 (2019);
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▪ 頭痛診断は国際頭痛分類に準拠して行い,一般診療では1~2 桁レベルの診断が通常用いられる.▪ 二次性頭痛が否定された場合は,一次性頭痛のなかでも片頭痛であるかどうかを見極めることが大切である.▪ カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)やCGRP 受容体を標的にしたモノクローナル抗体が片頭痛の新規治療薬として開発中である.▪片頭痛の急性期治療薬として選択的5‒HT1F作動薬の開発が進行する.▪ 頭痛頻度や急性期治療薬の服薬頻度が増えるなど,診断や治療で苦慮する場合は頭痛専門医と連携を取ることが望ましい.
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診療の最前線
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内科 123巻6号, 1247-1252 (2019);
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▪多発性硬化症(MS)は,自己免疫機序が関与する中枢神経系の炎症性脱髄性疾患である.▪MSの疾患修飾薬(DMD)は,症例に合わせてリスクとベネフィットを考慮して選択する.▪ 視神経脊髄炎類縁疾患(NMOsd)は,抗アクアポリン4(抗AQP4)抗体が関与し,視神経や脊髄に病巣の主座がある中枢神経系炎症性疾患だが,抗AQP4 抗体陰性例でも特徴的な脊髄・脳病変でNMOsd と診断される例がある.▪ MS とNMO は再発寛解を繰り返し類似した臨床像をとるが,再発抑制のための治療法が異なるため両者を注意深く鑑別することが重要である
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内科 123巻6号, 1253-1257 (2019);
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▪ 重症筋無力症(MG)では死亡例,重症例は減少したが,症状改善レベルやQOL の不十分な患者が少なくない.▪ 全身型MG の完全寛解はまれであり,治療目標として現実的ではない.日常生活に支障のないレベルの症状改善(minimal manifestations or better)と経口ステロイド減量(prednisolone≦5 mg/日)を両立し,良好なQOL を早期達成することが推奨されている.▪ 全身型MG 治療において治療目標の早期達成には早期速効性治療戦略(EFT)が有効である.▪ 通常の治療を可能な限り併用してEFT を行っても治療目標達成が困難な患者も少なくない.分子標的薬などの新規治療薬が必要とされている.
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内科 123巻6号, 1259-1261 (2019);
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▪ 球脊髄性筋萎縮症(SBMA)は,アンドロゲン受容体遺伝子上のCAG 繰り返し配列の異常延長を特徴とするポリグルタミン病である.▪ 異常アンドロゲン受容体蛋白質が運動ニューロンの細胞核に蓄積することで,緩徐な運動ニューロンの神経変性を生じる.▪ テストステロン依存性の変異蛋白質の核内移行がSBMA の病態の本幹であり,テストステロンを抑制することはSBMA の治療につながるということが,動物モデルに対する基礎的研究で明らかになった.▪ 医師主導治験の結果,2017 年8 月にLH‒RH アナログであるleuprorelin acetate の効能に「球脊髄性筋萎縮症の進行抑制」が追加された.▪ 真のエンドポイント(死亡や死亡関連イベント)に関する十分なエビデンスを構築するため,疾患登録システム(患者レジストリ)にデータの蓄積を開始している.
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内科 123巻6号, 1263-1266 (2019);
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▪ 家族性アミロイドニューロパチーは,トランスサイレチン(TTR)の変異による遺伝性の全身性アミロイドーシスである.▪末梢神経障害,自律神経障害,心不全の鑑別として重要な疾患である.▪ 本疾患に対する治療法として,肝移植療法とTTR 四量体安定化薬(tafamidis meglumine)が用いられている.▪ 核酸医薬によるTTR gene silencing 療法が海外では承認されており,本邦でも近い将来,承認されることが期待されている.▪本疾患の早期診断,早期治療がますます重要となっている.
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内科 123巻6号, 1267-1269 (2019);
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▪Niemann‒Pick 病C 型は,無治療だと進行性で予後不良な代謝性疾患である.▪疾患修飾療法として,miglustat による基質合成抑制療法が可能になった.▪ 臨床像は多様で,神経ないし精神症状を呈する他の疾患として見過ごされている可能性がある.▪ 脾腫を認めることもあるが,一般検査では異常を認めにくく,病歴と診察が重要である.▪最終的には,遺伝子検査を含む各種解析結果を,臨床所見と併せて診断する.
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内科 123巻6号, 1271-1273 (2019);
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▪ 遅発型Pompe 病は先天性筋疾患のなかで治療薬のある数少ない疾患ではあるが,臨床的な特徴に乏しく,他の筋疾患との鑑別が困難なことが多い.▪ 近位筋優位の筋力低下,呼吸機能低下,高CK 血症のいずれかがみられるような原因不明の患者がいたときにはPompe 病を疑い,乾燥濾紙血によるGAA 酵素活性測定を行うべきである.▪ 早期に発見し早期治療を行うことにより高い治療効果が得られるため,積極的に疑っていく必要がある.
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内科 123巻6号, 1275-1277 (2019);
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▪ ポルフィリン症は,ヘム合成に関与する代謝酵素の活性低下により生体毒性を有する中間代謝産物の蓄積が生じることで特徴的な症状を呈する疾患群の総称である.▪臨床像は急性型と皮膚型に大別され,神経症状は急性症状の中核となる.▪診断は適時の生化学的検査と遺伝子変異の確認により確定される.▪治療には症状誘発因子の回避と急性型の発作に対するhemin 補充などがある.
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内科 123巻6号, 1279-1283 (2019);
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▪ 2016 年に脊髄性筋萎縮症(SMA)に対する核酸医薬であるnusinersen sodium(Spinraza)が,本疾患に対する治療薬として初めて米国食品医薬品局(FDA)に承認された.その後,本邦や欧州においても承認され,2018 年には世界40 ヵ国の6,600 人の患者に使用されている.▪ 2016 年にはDuchenne 型筋ジストロフィー1)の迅速承認や,2018 年にはトランスサイレチン型家族性アミロイドポリニューロパチーに対する核酸医薬品2 種類が承認されている.▪このように,神経・筋変性疾患の治療法として核酸医薬は非常に注目を浴びている.▪ 本稿では核酸医薬品の種類,SMA に対するnusinersen sodium の作用機序および臨床試験の結果を中心に概説する.
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内科 123巻6号, 1285-1288 (2019);
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▪ Fabry 病は,αガラクトシダーゼの欠損または酵素活性の低下により,グルボトリアオシルセラミド(Gb3)がリソソームに蓄積して全身の臓器障害を生じるX 染色体関連遺伝疾患である.▪ 酵素補充療法(ERT)は20 年近い歴史があり,早期にERT を開始することで複数の臓器で機能および病理像が改善することが示されてきている.▪ 近年,薬理学的シャペロン療法のmigalastat が認可されたが,経口投与薬であるためその利点は大きい.有効例では抗体産生などの問題は少なく,投与薬の分子量が小さいことからERT では到達しにくい臓器に対する有効性も期待される.▪ 小児やGLA 遺伝子変異型によっては使用できない症例があり,有効例でも効果が均一であるかについては今後の課題である.▪ Fabry 病は希少疾患ではあるが有効な治療法があり,早期発見・早期治療が重要である.
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内科 123巻6号, 1289-1294 (2019);
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▪ ロボットリハビリテーションとは患者に訓練支援ロボットを装着してリハビリテーションを行い,従来のリハビリテーションよりもさらに高い効果を目指すものである.▪ 国内で発売されている代表的な訓練支援ロボットには,Hybrid Assistive Limb(HAL®),Honda 歩行アシスト,ウェルウォークがある.▪ HAL®は医療機器として承認され,神経・筋難病8 疾患に対して公的医療保険を利用した治療が開始されている.▪ ロボットリハビリテーションは,従来のリハビリテーションへの上乗せ効果や,これまで訓練を行うことが困難であった症例への適用など,神経疾患に対する新たな治療手段として期待が高まっている.
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研究の最前線
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内科 123巻6号, 1295-1298 (2019);
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▪ 次世代シーケンサーを用いたクリニカルシーケンスは,多数の遺伝子に存在する変異情報を網羅的に取得することが可能である.▪ 病因遺伝子の候補が多数存在し,臨床症状のみから候補遺伝子を特定することが困難な場合などが適応となる.▪ クリニカルシーケンスとして通常使用される解析パイプラインでは,一部検出できないタイプの変異があるため,注意が必要である.▪ 最終的に検出された変異について,病原性を有するかどうかの判断が難しい場合があり,変異はみつかったものの意義不明の変異(VUS)と判断され,診断にいたらないケースもありうる.▪ エクソーム解析や全ゲノム解析の場合,被検者に二次的所見がみつかる可能性について説明し,その開示を希望するかどうかをあらかじめ確認しておくことが重要である.
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内科 123巻6号, 1299-1301 (2019);
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▪反復磁気刺激(rTMS)によりシナプス可塑性類似の効果が誘導できる.▪ 異常な興奮性変化のある大脳皮質をrTMS で正常化しようとする治療戦略が考えられる.▪Parkinson 病ではrTMS の臨床応用研究が進んでいる.
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内科 123巻6号, 1303-1305 (2019);
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▪ 神経細胞に効率よく遺伝子を導入し,長期発現可能なアデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターを応用した遺伝子治療が発展している.▪ Parkinson 病では,ドパミンの生合成に必要な酵素の遺伝子を被殻で発現させて運動症状の軽減を図る.▪ 孤発性の筋萎縮性側索硬化症では,RNA 編集酵素のADAR2 を運動ニューロンに導入し,AMPA 型グルタミン酸受容体を介したCa 過剰流入による細胞毒性を抑制する.▪ 脊髄小脳失調症に対しては,DNA 構造調整蛋白のHMGB1 やmiR‒3191‒5p をPrukinje細胞に導入し,変性を抑制する.▪ Alzheimer 病では,アミロイドβを分解するネプリライシンの遺伝子を広範な脳領域の神経細胞に導入する.
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内科 123巻6号, 1307-1310 (2019);
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▪ 線維芽細胞などの体細胞に神経特異的な転写因子を強制発現させることで,直接的にinduced neural cells(iN 細胞)を誘導することができる.▪ iN 細胞へのダイレクトリプログラミングには,転写因子のなかでAscl1 がとくに重要な役割をもつ.▪ p53‒p21 経路,CAF‒1 複合体などリプログラミング阻害因子も存在し,誘導因子と阻害因子のバランスで最終的な細胞運命が決定されると考えられている.
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内科 123巻6号, 1311-1314 (2019);
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▪ Muse 細胞は腫瘍性をもたない生体内多能性修復幹細胞であり,骨髄,末梢血,各臓器の結合組織に分布し,組織恒常性に関わっている.▪点滴投与で傷害部位に集積するので,外科的手術による投与は不要である.▪ 傷害組織に集積すると,同時多発的に組織を構成する複数の細胞種に分化することで修復する.「場の論理」に応じて分化するので,投与前の分化誘導を必要としない.▪ 他家Muse 細胞の利用においてヒト白血球抗原(HLA)適合や長期間にわたる免疫抑制薬投与を必要としない.脳梗塞,心筋梗塞,表皮水疱症で「他家Muse 細胞の点滴による治験」が進められている.
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内科 123巻6号, 1315-1319 (2019);
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▪ 患者体細胞から樹立される疾患特異的iPS 細胞は,分化誘導により患者由来神経系細胞を得ることができるため,より患者の病態を忠実に再現しうる疾患モデルとして応用が期待される.▪ 2007 年以降,疾患特異的iPS 細胞を用いた疾患モデリングが爆発的に進められ,多様な神経変性疾患の病態解析と治療開発が試みられてきた.▪ 疾患iPS 細胞を用いた解析にはさまざまな問題点が残されているが,これらの問題を解決するための技術革新が急速に進んでおり,革新的な病態解明や治療開発が期待される.
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内科 123巻6号, 1321-1324 (2019);
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▪ 副腎白質ジストロフィー(ALD)はABCD1を原因遺伝子とするX連鎖性の神経変性疾患であり,副腎不全を伴うことがある.▪ 小児大脳型,思春期大脳型,成人大脳型,小脳・脳幹型,副腎脊髄ニューロパチー,Addison 単独型など多彩な表現型を呈するが,同一家系内でも異なる表現型を呈することがある.▪血中の極長鎖脂肪酸の増加を認める.▪ 大脳白質において炎症性脱髄を呈する小児大脳型の発症早期において,造血幹細胞移植が症状の進行停止に有効である.成人大脳型においても造血幹細胞移植が症状の進行停止に有効であったとの報告がある.▪ HLA 適合ドナーが得られなかった小児大脳型ALD 症例において,遺伝子治療が症状の進行停止に有効であったとの報告がある.
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内科 123巻6号, 1325-1328 (2019);
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▪ Parkinson 病は世界で最も頻度が高い,運動症状を呈する神経変性疾患であり,進行を抑制する根本的な治療薬がまだ存在しない.▪ 薬剤データベースなどを利用したin silico 解析により,Parkinson 病の治療薬候補を同定した.そのうちの一つである悪性黒色腫の薬としてすでに承認されているdabrafenibが,培養細胞やマウスのParkinson 病モデルにおいて実際に神経保護効果を示すことを証明した.▪ この薬剤スクリーニング手法は,Alzheimer 病や筋萎縮性側索硬化症など他の神経変性疾患にも有用な可能性がある.
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内科 123巻6号, 1329-1331 (2019);
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▪ Guillan‒Barré 症候群(GBS)は,先行感染後に急速に四肢麻痺が進行する免疫介在性末梢神経疾患である.▪ GBS の標準治療は,免疫グロブリンと血漿浄化療法である.しかし,約2 割が1 年後も歩行に介助が必要である.▪ GBS の新規治療として,抗補体モノクローナル抗体を用いた臨床試験が行われ,有効性がある可能性が示された.▪ POEMS 症候群は,形質細胞のモノクローナルな増殖を基盤とし,多発ニューロパチーをはじめとする多彩な症状を呈する内科疾患である.適切な治療がなされない場合の機能・生命予後は不良である.▪ POEMS 症候群では,骨髄腫治療の応用が奏効しつつある.本邦において,免疫調整薬(thalidomide)のランダム化群間比較試験が実施され,有効性が示された.
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内科 123巻6号, 1333-1335 (2019);
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▪ 筆者らは血栓溶解療法および血栓回収術に併用する血管保護薬ないし脳保護薬の開発を目指している.▪ まず血管内皮増殖因子を標的とした血管保護療法を検討し,その抑制薬が脳出血合併症の防止に有望であることを見出した.▪ さらに血管保護作用に加え,神経細胞保護作用や抗炎症作用を併せもつ脳保護薬として,成長因子プログラニュリンが有望であることを見出した.
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座談会
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内科 123巻6号, 1337-1345 (2019);
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連載
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内科 123巻6号, 1347-1353 (2019);
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内科 123巻6号, 1355-1361 (2019);
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患者や高齢者への意思決定支援の方法論としてアドバンス・ケア・プランニング(ACP)の有用性がいわれ,その愛称は「人生会議」と決定した.「人生会議」にはさまざまな構成要素があるが,患者が関係者と患者本人の価値について語り合う過程が重要な「人生会議」では,「誰と行うか」が一つの鍵である. 「人生会議」では意思決定能力を踏まえ患者本人の自己決定を重視する必要があるが,家族や医師に委ねたいという「他者依存」の気持ちも考慮する.家族の「人生会議」への参加は標準的であるが,患者本人と家族の考えの乖離,患者が本音を言うための環境,家族の心理的負担に配慮したい.近年,身寄りのない患者がまれではない時代となっており,患者本人による「信頼できる人」の指定も「人生会議」のテーマに含まれる. 医師は「人生会議」において,他職種やACP ファシリテーター(ACPF)を含めた医療・ケアチームと協調し,患者・家族や代理意思決定者へ意思決定支援を行う必要がある.
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投稿
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Photo Report
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内科 123巻6号, 1363-1363 (2019);
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Book Review
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内科 123巻6号, 1346-1346 (2019);
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内科 123巻6号, 1364-1364 (2019);
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