整形外科

硬膜内脱出の腰椎椎間板ヘルニアは比較的まれであるわれわれはL 3/L 4椎間の再発性硬膜内ヘルニアの1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する

鎖骨骨折は日常多く経験する骨折であるがほとんどが鎖骨体部の骨折であり近位端の骨折に遭遇することは非常にまれと思われるわれわれは保存的経過観察中に転位が増大し疼痛が増強したため観血的治療を行った鎖骨近位端骨折の1例を経験したので報告する

Charcot 関節は脊髄空洞症糖尿病などを基礎疾患として発生する難治性の疾患である荷重関節に発生した場合には関節固定術が手術治療の第一選択であるしかし著明な関節水腫を伴う上肢発生例に対する手術治療に関しては一定の見解はないとくに肘関節例に関する報告は少ない筆者らは2例の関節水腫を主症状としたCharcot肘関節を経験したのでその治療経過を報告する

Galeazzi骨折に対しては橈骨骨折の観血的整復固定と尺骨頭の整復が必要であり尺骨頭の脱臼が遺残すると前腕の回内外障害を残し予後不良となる今回われわれは他医での初回手術後に尺骨頭の脱臼が残存したGaleazzi骨折に対し手術的治療を行い良好な成績を得たので若干の文献的考察を加えて報告する

成長期の患者の大腿骨頭骨端に発生した良性軟骨芽細胞腫の2例を経験した本疾患が成長期の患者の大腿骨頭の骨端に発生した場合十分な切除手術が困難である本疾患の手術法について検討したので報告する

大腿骨全長に及ぶ骨腫瘍に対する大腿骨全置換術の報告は散見されるが長期報告例はほとんどない京都府立医科大学および関連施設においてこれまでに7例の大腿骨全置換術が施行されたがそのうち2例は10年以上にわたり経過観察が可能であったので報告する症例は初診時17歳女性のEwing 肉腫例と初診時11歳女性の骨肉腫例でありいずれも術前・術後に系統的化学療法を行った経過観察期間はそれぞれ13年1ヵ月と12年3ヵ月であった使用したインプラントはModular Tumor System（Zimmer社東京）である大腿骨インプラントはチタン合金製でありbipolar typeの人工骨頭およびrotating hinge typeの膝関節を有している脛骨インプラントはHDP 製でセメント固定を行った（図1)後療法は術後約1週間から膝関節の可動域訓練および筋力増強訓練を開始し3週後から部分荷重約8週後に全荷重歩行を行った

膝蓋骨側付着部の大きな裂離骨片を伴った陳旧性の大腿四頭筋の皮下断裂はまれな外傷であり腱と骨性部分の同時再建を必要とする若年者における膝蓋骨の上・下極の骨折は関節軟骨の裂離が主体となるsleeve fractureという形態をとることがあり早期に手術的治療が必要になることが多く鋼線による引き寄せ締結法などで良好な治療成績を得られるしかし陳旧例においては骨折部周囲の瘢痕化のため一期的な骨癒合を期待することは困難でありその再建法に考慮を要する今回われわれは同側の骨付き膝蓋腱を補強材料として修復を行い良好な結果を得たので報告する

膝関節脱臼の頻度は少なくその多くは下肢の牽引により整復が可能である今回徒手整復が不能であった膝関節後外方脱臼の1例を経験したので報告する

重度の骨軟部組織損傷を伴った下腿開放骨折は感染の制圧開放創部の被覆骨欠損部の再建など治療上むずかしい点が多く感染性あるいは非感染性の偽関節などを伴い治療が長期化することがある近年わが国でもIlizarov創外固定器を用いたbone transport法が報告されてきているが重度の下腿開放骨折に対し最近われわれが経験した1例について若干の考察を加えて報告する

アキレス腱の骨化は比較的まれな病態とされているわれわれは両側アキレス腱の付着部に骨化を生じ片側に断裂をきたした症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する

四肢の真性動脈瘤は種々の要因により発生するとされその要因として外傷動脈硬化血管炎先天性感染などが指摘されている手指に発生する真性指動脈瘤は非常にまれでありその報告も少ない今回われわれはX 線技師の右母指尺側への慢性外傷が原因となり発生した真性固有指動脈瘤の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する

下腿高度粉砕開放骨折に対して創外固定を装着したまま受傷後2ヵ月時に二期的整復固定骨移植を行い良好な結果を得たので報告する

人工膝関節全置換術後5年で著明なメタローシスにより再置換術にいたった症例を経験したのでその病理所見を中心に報告する