整形外科
Volume 64, Issue 1, 2013
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論説
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新しい腰椎椎弓根スクリューの刺入法(cortical bone trajectory)―CT を用いた100例の形態学的検討
64巻1号(2013);View Description Hide Description
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経験と考察
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臨床室
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強直性脊椎骨増殖症に発生した頚椎骨折の2例
64巻1号(2013);View Description Hide Description強直性脊椎骨増殖症(ankylosing spinal hyperostosis:ASH)は,前縦靱帯の骨化を伴って脊椎強直にいたるものであり,変形性脊椎症や強直性脊椎炎と異なった病態である1>.またASH は,全身の靱帯の骨化を呈するびまん性特発性骨増殖症(diffuse idiopathic skeletalhyperostosis:DISH)の一部とされている.ASH の発症は高齢,糖尿病や肥満という生活習慣病と関連があるといわれ,近年増加傾向にある2,3>.また軽微な外傷で脊椎骨折を起こすことが報告されている2〜4>.軽微な外傷により発生した比較的まれなASH に伴う頚椎骨折に対して,手術的治療を行った2例を経験したので報告する. -
術後1年で冠状面バランスの悪化および腰痛が再燃した成人脊柱後側弯症の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description成人脊柱後側弯症に対してTh8〜L5 矯正固定術を行った.術後1 年で冠状面のバランス悪化を認め,また腰痛が再燃したため,再度矯正固定術を行い良好な成績を得た1 例を報告する -
腰部神経根障害を呈した腰仙椎硬膜外顆粒球肉腫の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description顆粒球肉腫(granulocytic sarcoma)とは,白血病細胞である骨髄系前駆細胞が骨髄外で増殖して腫瘤を形成したもので,新WHO 分類ではmyeloid sarcoma と分類される比較的まれな腫瘍である.特に肉眼で緑色を呈するものは緑色種(chloroma)とも称される.急性骨髄性白血病の寛解期に,腰部神経根症で発症した腰仙椎硬膜外顆粒球肉腫の1例を経験したので報告する -
遅発性脊椎骨端異形成症による変形性股関節症にモジュラーステムを用いて人工股関節全置換術を施行した2例
64巻1号(2013);View Description Hide Description遅発性脊椎骨端異形成症(spondyloepiphyseal dysplasiatarda:SED tarda)は,幼児期〜学童期に顕在化する体幹短縮型の小人症を特徴とする骨異形成症の一つで,約10万人に1人程度の発生率と報告されている1L.今回われわれは,SED tarda による変形性股関節症と診断し,大腿骨の過前捻変形に対してモジュラーステムを用いた人工股関節全置換術(THA)を行い,短期ではあるが良好な経過を得た2例を経験したので文献的考察を加え報告する -
ロッキングプレートを使用して骨接合術を施行し偽関節にいたった人工骨頭置換術中大腿骨骨折の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description近年,大腿骨インプラント周辺骨折に対し,ロッキングプレートを使用した観血的治療が行われ良好な短期成績が報告されている.人工骨頭ステム周辺骨折に対しロッキングプレートと鋼線による固定を行ったが偽関節にいたった1例を経験したので,偽関節発生要因と治療法についての文献的考察を含めて報告する. -
ヨード担持チタン製プレートにより治癒しえた感染性脛骨偽関節の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description骨折や偽関節の治療として,内固定材による強固な固定を得ることは有効な治療法であるが,そこに感染を合併している場合,内固定材の使用は禁忌とされている.しかし,われわれはそれらを解決するために,医療用としてチタンにヨードをコーティング(担持)させた抗菌インプラントを開発し報告してきた1〜4V.今回,感染性偽関節に対してヨード担持チタン製プレートで内固定を行い,感染の再燃なく骨癒合が得られた症例を経験したので報告する. -
踵部痛で発症した悪性リンパ腫の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description骨発生の悪性リンパ腫はまれではないが,足部発生の症例は非常に少ないといわれている.今回われわれは,踵部痛で発症し診断に難渋した悪性リンパ腫を経験したので報告する -
初回手術後8年で転移をきたした足底部滑膜肉腫の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description滑膜肉腫は悪性軟部腫瘍の5〜10%を占める高悪性度の腫瘍である.われわれは,初回手術後8 年で遠隔転移をきたした足底部滑膜肉腫の1例を経験したので報告する.
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カラーフォーラム
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関節リウマチと鑑別を要した手の非定型抗酸菌症の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description手の非定型抗酸菌(NTM)感染症は,海と関連深い生活歴を有する患者に好発し,診断がむずかしい疾患として知られている1,4,5).Mycobacterium marinum によるNTM 感染症の1 例を報告し,関節リウマチ(RA)との鑑別の盲点となることに言及したい.
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短報フォーラム
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左中指末節骨内に発生した類表皮嚢胞腫の1例
64巻1号(2013);View Description Hide Description類表皮嚢胞腫は皮膚のあらゆる箇所に発生する.手では手掌,指の掌側などの皮下に発生することが多いが,まれに骨内,特に末節骨に発生することがある.末節骨内に発生した1 例を経験したので報告する.
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整形手術手技
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診察と検査
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連載
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最新原著レビュー:前十字靱帯再建術後膝における回旋不安定性の定量的評価―一束再建法と二重束再建法の比較
64巻1号(2013);View Description Hide Description目的:前十字靱帯(ACL)再建術後の膝における回旋不安定性を定量的に評価し,一束再建法と二重束再建法の比較を行うこと.方法:ACL 一束再建を行った23 例と二重束再建を行った25 例を対象とした.術後1 年時にopen MRI を用いて術後膝回旋不安定性を定量的に評価し,術式間で比較を行った.結果:Open MRI を用いた膝回旋不安定性の定量的評価では,ACL 一束再建膝よりも二重束再建膝において有意に改善していた.結論:ACL 二重束再建法では,一束再建法よりも膝回旋安定性が有意に制動されており,膝安定性に有利であったと考えられる. -
最新原著レビュー:細胞質のスーパーオキサイドは低骨代謝回転型骨量減少と加齢性コラーゲン架橋変化を引き起こし骨脆弱化させる
64巻1号(2013);View Description Hide Description目的:Superoxide dismutase 1(SOD1)は細胞質に存在し,活性酸素種の一つ,スーパーオキサイドを処理する酵素であり,その欠損マウス(Sod1−/−)は酸化ストレスが蓄積する.本研究の目的は細胞質の酸化ストレスが骨組織に及ぼす影響を解明することである.方法:Sod1−/−を用いて骨量・骨質解析,骨形態計測,骨強度測定を行った.さらに頭蓋骨由来骨芽細胞や骨髄細胞を用いて活性酸素種(ROS),細胞生存能,増殖能,tartrate resistant acid phosphatase(TRAP)陽性細胞形成能を測定した.最後に,抗酸化剤ビタミンC によるレスキュー効果をみた.結果:Sod1−/−マウスは野生型と比較し骨密度(DXA)が有意に低下し,3-D CTでは海綿骨量,皮質骨量ともに減少していた.コラーゲン架橋は生理的架橋が減少し,非生理的架橋が増加した.骨強度試験において有意な骨脆弱化を示した.骨形態計測では骨形成・骨吸収のパラメータがいずれも低下し,低骨代謝回転を呈した.In vitro ではSod1−/−頭蓋骨由来骨芽細胞でROS の産生増加,細胞増殖能低下とアポトーシス増加が認められ,Sod1−/−骨芽細胞は培養約1 週間で死滅した.Sod1−/−骨髄細胞でも同様にROS の産生が増加し,骨芽細胞様細胞は培養約5 日で死滅し,TRAP 陽性細胞の形成は不能で あったが,receptor activator of NF-kB ligand(RANKL)/macrophagecolony-stimulating factor(M-CSF)存在下で培養すると,Sod1−/−骨髄細胞でもTRAP 陽性細胞の形成が可能となり,細胞数,細胞生存率,骨吸収活性に有意差は認められなかった.Sod1−/−長管骨より採取したメッセンジャーRNA(mRNA)ではRANKL の発現が有意に減少していた.結論:SOD1 欠損は,骨芽細胞減少とそれによる破骨細胞分化支持機構の破綻による骨代謝変化,骨芽細胞機能低下が主因の低骨代謝回転型骨量減少と骨質の劣化を引き起こす.SOD1 は生体の骨量・骨質維持に重要な分子であることが示された.
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