整形外科
Volume 66, Issue 3, 2015
Volumes & issues:
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論説
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経験と考察
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臨床室
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上腕三頭筋腱皮下断裂に対してbridging suture 法を施行した1例
66巻3号(2015);View Description Hide Description上腕三頭筋腱皮下断裂は比較的まれな外傷であり,その治療法についてはさまざまな報告がある.われわれは近年,肩腱板断裂修復で用いられる縫合糸アンカーを用いたbridging suture(BS)法を応用して加療し,良好な成績を得たので報告する. -
右小指近位指節間関節に関節破壊を生じた痛風結節の1例
66巻3号(2015);View Description Hide Description痛風結節が手指に発生するのは比較的まれである.われわれは近位指節間(PIP)関節に骨破壊を伴った痛風結節の症例を経験したので報告する. -
カンジダ性末節骨骨髄炎の2例
66巻3号(2015);View Description Hide DescriptionCandida 属菌の骨への感染は日和見感染による深在性真菌症からの発症が多く,脊椎以外の骨髄炎はまれである1 .われわれは,皮膚創からの直接感染によると考えられた末節骨カンジダ性骨髄炎に対して,抗真菌薬内服薬服用と洗浄・搔爬の手術的治療が有効であった2 例を経験したので報告する. -
自閉症小児の大腿骨骨幹部骨折に対し積極的な手術的治療により治療を完結しえた1例
66巻3号(2015);View Description Hide Description自閉症は対人関係や意思伝達,状況認知,適応能力に障害のある先天的発達障害で,患者数は国内に36 万人といわれる.自閉症児はパニック時などに外傷を負うことも多いが,身体の接触や手順の見通しがつかないことに強い不安や恐怖を感じるため診療の場でとり乱すことが多く,医療行為が成り立たない.実際,自閉症児の家族からは「受診を受け付けてもらえない」,「しっかり診察をしてもらえない」,「すぐに専門医療機関へ追いやられる」,「専門医療機関は限られており,遠方であると家族の負担が大きい」などの不満や不安の声があがっている.また障害児施設などの専門医療機関でも,外傷に対する対応はケースバイケースでいつも十分な対応ができるわけではないといい,むしろ地域の医療機関での対応が求められている.このような背景があるにもかかわらず,これまでわれわれが渉猟した限りでは,自閉症小児の骨折に対する外科的治療について詳細に報告されているものはない.自閉症小児の大û骨骨幹部骨折に低侵襲プレート骨接合術(mimimally invasive plate ostheosynthesis:MIPO 法)による積極的な観血的プレート固定術を行い,急性期病院において術後リハビリテーションを含めた一連の治療を完結し,良好な結果を得た1例を経験したので報告する. -
悪性軟部腫瘍切除後に局所再発が疑われたデスモイド腫瘍の1例
66巻3号(2015);View Description Hide Descriptionデスモイド腫瘍は,結合組織から発生する比較的まれな浸潤傾向の強い,良悪性の中間的な性質をもつ軟部腫瘍である.その成因として,手術や外傷に起因するものがあるといわれている.軟部肉腫切除後の手術創に発生したデスモイド腫瘍の1例を経験したので報告する.
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短報フォーラム
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診断にMRI冠状面スカウト像が有用であったPancoast 腫瘍の2例
66巻3号(2015);View Description Hide DescriptionPancoast 腫瘍に伴う症状は,ほかの整形外科疾患と区別できないため,診断に時間がかかる場合がある.頚椎のMRI 検査を行い,冠状面スカウト像が診断に有用であった2 例を報告する.
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画像診断
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連載
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最新原著レビュー:副甲状腺ホルモン低値を伴う血液透析患者における腰椎固定術では移植骨の骨癒合不良を生じる
66巻3号(2015);View Description Hide Description目的:血液透析患者における移植骨の骨癒合成否と副甲状腺ホルモン(PTH)値との関連を検討すること.背景:血液透析患者の骨病変のうち無形性骨症は骨代謝回転が著しく低下し,このことが移植骨の骨癒合不良の原因と考えられている.PTH 値は血液透析患者の骨病理所見の病態を反映するとされるが,PTH 値と骨癒合の成否の関連を検討した報告はない.対象および方法:腰椎病変に対するインストゥルメンテーション併用後側方固定術を施行した血液透析患者48 例を対象とした.骨癒合の成否は術後1 年時のX 線像で判定した.術前のintact PTH(i-PTH)値を基準に骨癒合成否を判定した場合の感度と特異度を検討した.結果:i-PTH 値は,骨癒合良好群平均235.4 pg/ml,骨癒合不良群平均100.0 pg/mlで有意差を認めた.術前i-PTH 値を基準に骨癒合の成否を判断した場合の感度と特異度の交点は,i-PTH 値約150 pg/ml であった.Receiver operatorationg characteristic(ROC)曲線から算出したarea under the curve(AUC)は0.72であった.結論:血液透析患者におけるi-PTH 値は骨癒合の成否の予測因子として有用であり,i-PTH 低値は移植骨の骨癒合不良を生じる. -
最新原著レビュー:Dorsal intercalated segment instability変形を伴った舟状月状骨解離の三次元変形解析
66巻3号(2015);View Description Hide Description目的:Dorsal intercalated segment instability(DISI)変形を伴った舟状月状骨解離(scapholunate dissociation:SLD)について三次元的に変形解析を行うこと.対象および方法:対象は単純X 線像でSLD と診断された6 例(SLD 群)で,全例にDISI 変形を生じており,Colles 骨折後変形治癒を3 例に合併していた.手関節中間位のCT 撮影で三次元骨モデルを作成し,橈骨の三次元骨座標系を基準にして,手根骨の位置の変化と舟状骨と月状骨の回転異常を対照群(正常手関節6 例)と比較して評価した.また,橈骨舟状骨関節(RS 関節),橈骨月状骨関節(RL 関節),月状骨有頭骨関節(LC 関節),舟状骨大菱形骨小菱形骨関節(STT 関節)の関節適合性を,近接する二つの骨の接近領域を可視化して評価した.結果:SLD 群では舟状骨は橈背側に移動し,掌屈・回内していた.月状骨は背屈・回外していた.大・小菱形骨,有頭骨は舟状骨と同様背側移動していた.RS 関節の適合性は舟状骨の移動に伴って不適合になっており,橈骨の橈背側縁に接近領域の偏りがみられた.RL 関節,LC 関節,STT 関節は比較的適合が保たれていた.Colles 骨折合併例では,舟状骨はより背側に移動しRS 関節の不適合が強くなっていた.考察:SLD では舟状骨近位が橈骨橈背側縁に乗り上がるように亜脱臼し,RS 関節の不適合が生じる.また遠位手根列も背側へ移動している.したがってDISI 変形を伴うSLD の整復は,舟状骨・月状骨の回転異常を整復したうえで,背側に移動した遠位手根列を掌側に押し戻す必要がある. -
最新原著レビュー:セメントレス人工股関節全置換術におけるステム前捻の術中計測の測定誤差
66巻3号(2015);View Description Hide Description目的:人工股関節全置換術(THA)におけるステム前捻の正確性について,術中計測値と術後CT における計測値の比較・検討を行った.方法:初回THA 例73 例(73 関節)を対象とした.術中計測は下軸とステム軸のなす角を測定し,術後CT 計測値は大骨上顆軸とステム軸のなす角を計測し,術中と術後計測値の相違について評価した.結果:術中のステム前捻計測値は40.5°±11.6°,術後CT でのステム前捻角計測値は34.7°±11.2°であり,術中計測の絶対値測定誤差は7.3°±5.7°であった.測定誤差に有意に影響を与える因子として,変形性膝関節症の重症度が抽出された.考察:術中ステム前捻角計測は術後CT 計測値と比較して,7.3°の絶対値測定誤差を認め,変形性膝関節症の重症度が有意に影響する結果となった.
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