整形外科
Volume 66, Issue 6, 2015
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論説
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セメントレス人工膝関節全置換術のtrabecular metal tibial component 直下に生じる放射線透過性線像の検討―三次元骨形態分析による検討
66巻6号(2015);View Description Hide Description
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経験と考察
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臨床室
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手術で改善した高齢者の筋性斜頚の1例
66巻6号(2015);View Description Hide Description筋性斜頚は保存的治療で治癒することが多いため,乳幼児がほとんどであり,一般的に成人まで無治療で放置されることは少ないため,青壮年以降の手術例はきわめてまれである1.われわれは,加齢による筋力低下で頚椎伸展障害が生じた,小児期より放置された高齢者の筋性斜頚患者を手術した.斜頚位,頚椎屈曲位からの頚椎伸展障害が改善し,満足度が高かった. -
胸腺癌の胸膜播種巣から直接浸潤により胸髄損傷をきたした1例
66巻6号(2015);View Description Hide Description胸腺は前縦隔に位置する臓器で,思春期に最大となり,その後は年齢とともに萎縮する.胸腺癌は,成人になって退化した胸腺の細胞から発生する悪性腫瘍である1.胸腺腫瘍の発生率は,人口10 万名あたり0.13 名でその約15%が胸腺癌であり,きわめてまれな疾患である1.われわれは胸腺癌の胸膜播種巣から直接浸潤により胸髄損傷をきたした1例を経験したので報告する. -
傍脊柱発生の骨外性Ewing肉腫の1例
66巻6号(2015);View Description Hide Description骨外性Ewing 肉腫(EES)はまれな軟部肉腫で,小児の大規模調査ではEwing 肉腫(ES)ファミリー腫瘍全体の4.7%で,体幹に発生することが多いとされる1.われわれは,傍脊柱に発生したEES の1 例を経験したので報告する. -
肩甲部痛を主訴とした第1肋骨疲労骨折の1例
66巻6号(2015);View Description Hide Description第1肋骨疲労骨折は,解剖学的位置や太く短いという形態的特徴からも発症は非常にまれとされる1.われわれは,肩甲部痛を主訴とした第1肋骨疲労骨折の1 例を経験したので報告する. -
踵骨に発生した脆弱性骨折の2例
66巻6号(2015);View Description Hide Description脆弱性骨折は,一般にストレス骨折の一つに位置づけられ,日常生活動作(ADL)程度の弱い負荷が繰り返し加わって発生する骨折とされる1.初診時X 線像では異常を指摘することが困難な踵骨脆弱性骨折2〜4をMRIにより診断した2 例を経験した.
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短報フォーラム
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腰椎術後に発生した癒着性くも膜炎の1例
66巻6号(2015);View Description Hide Description腰椎術後に癒着性くも膜炎を続発することは比較的まれである.しかし,いったん発症すると馬尾神経は硬膜内で瘢痕組織内に埋もれ根治的治療は困難となる.われわれは腰椎術後16 年で癒着性くも膜炎を発症した1 例を経験したので報告する.
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カラーフォーラム
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ヘッドネック接合部に腐食がみられたmetal-on-metal 人工股関節全置換術後のadverse reactions to metal debris
66巻6号(2015);View Description Hide Description金属対金属摺動面(metal-on-metal:MoM)は,低摩耗性と大径骨頭使用による関節安定性の利点があるが,一方では金属摩耗粉関連の不良例があり,問題である.MoM 人工股関節全置換術(THA)後ヘッドネック接合部腐食がみられたadverse reactions to metal debris(ARMD)に対して,ステムと摺動面の再置換術を行い治療した1例を経験したので報告する.
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連載
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最新原著レビュー:頚椎椎弓形成術後の経皮的エコーによる脊髄評価
66巻6号(2015);View Description Hide Description目的:頚椎手術における術中エコーを用いた頚髄の評価は多数報告されている.脊髄に拍動が存在することがわかり,脊髄拍動に関する報告がいくつかある.術後,体表からエコーを用いて椎弓切除部の脊柱管内容物を評価した報告はあるが,これまで体表から脊髄拍動を評価した報告はない.本研究の目的は,頚椎椎弓形成術後の体位の違いによる頚髄の動態変化を体表からエコーを用いて評価することである.対象および方法:頚椎椎弓形成術を施行された33 例を対象に,術後体表(後頚部)からエコーを用いて頚髄の動態変化を5 つの異なる体位(坐位頚椎中間位,坐位頚椎屈曲位,坐位頚椎伸展位,腹臥位および仰臥位)で評価した結果:体位の違いにより頚髄拍動の様式,強度および頚髄の前後位置は変化した.仰臥位において,頚髄の拍動はもっとも良好であり,頚髄拍動強度はもっとも強く,頚髄前方くも膜下腔隙の出現がもっとも多かった.結論:良好な脊髄拍動が良好な脊髄循環の指標とすれば,本研究の結果から頚髄の回復において仰臥位がもっとも適した環境と考えられた. -
最新原著レビュー:カーボン製椎体間ケージを用いた後方経路腰椎椎体間固定術後偽関節例のX線学的経過―5年間の前向き調査
66巻6号(2015);View Description Hide Description目的:本研究の目的は,①X 線透過性椎体間ケージ(IC)を用いた後方経路腰椎椎体間固定術(PLIF)後偽関節例に対して前向きに5 年間のX 線学調査を行い,②恒久的な偽関節に陥る術後1年での早期予測因子を明らかにすることである.対象および方法:2003∼2006 年に,X 線透過性IC を用いて1 あるいは2 椎間にPLIFを行った163 例(30∼75 歳)を対象に,術後1 年でX 線像・CT で椎間癒合骨連続性の消失,IC または椎弓根スクリュー(PS)のX 線透過帯(RZ),5°以上の椎間可動性のいずれかを呈するものを早期偽関節と判定した.早期偽関節と判定された16 例,18 椎間に対して術後5 年までX 線像・CT の経時的変化を調査した.側面像機能撮影による可動域を計測し,X 線像・CT のPS・IC 周囲のRZ,椎体間移植骨の増減,固定椎間板前方の骨性架橋などをその程度により6段階に点数化し,経時的な変化を調査した.結果:術後1 年で5°以上の可動性を示した椎間の可動性は年々減少し,術後5 年で5°以上の可動性を示した椎間は認めなかった(p=0.046).術後1 年でPS 周囲のRZ を認めた16 椎間で,術後2 年(p=0.039),3 年(p<0.01)で有意なRZ の減少を認め,術後5 年で12 椎間(75%)にRZ の消失を認めた.IC 周囲のRZ を認めた17 椎間も,術後5 年で11 椎間(64.7%)にRZ の消失を認めた.早期偽関節18 椎間中,術後3 年で7 椎間(38.9%),術後5 年で12 椎間(66.7%)が骨癒合と判断された.術後1 年での画像所見による多変量ロジスティック回帰分析では,CT でのIC 全周囲性1 mm 以上のRZ(オッズ比123,95%信頼区間1.03∼14,680)が,術後5 年継続する偽関節の早期予測因子であった.考察:PLIF 後1 年で早期偽関節と判断されたものは,術後2∼3 年で骨癒合に転じるものが生じ,術後5 年でその2/3 に骨癒合を確認することができた.最終的なPLIF 後の偽関節の判断は,術後3 年以降に行うことが望ましい.しかし術後1 年のCT でIC 全周囲性1 mm 以上のRZ が存在する場合は恒久的偽関節に陥る可能性が高く,再手術を検討する必要性が示された. -
最新原著レビュー:血清25-hydroxyvitamin Dに関連するGC 遺伝子多型は日本人関節リウマチ患者における大体骨近位部骨折の危険因子である
66巻6号(2015);View Description Hide Description目的:関節リウマチ患者では,ビタミンD 欠乏が多いことが一般的にいわれており,健常人よりも骨粗鬆症や大骨近位部骨折の発生率が高いことが知られている.本研究の目的は,関節リウマチ患者における大骨近位部骨折の発生に関連する遺伝子を同定することである.対象および方法:当センターで実施中のInstitute of Rheumatology, RheumatoidArthritis(IORRA)コホート研究に登録されたDNA 試料を有する1,957 例の関節リウマチ患者を対象とした.白色人種で血清25-hydroxyvitamin D[25(OH)D]濃度との関連が報告された3ヵ所の遺伝子座より,5 個の一塩基多型(single nucleotide polymorphism:SNP)を選択して,ジェノタイピングを施行した.統計学的解析において各SNP のリスクアレルの個数を独立変数とした.まず血清25(OH)D 濃度を従属変数とした線形重回帰分析を行い,次に関連を認めたSNP を対象として,IORRA コホート研究の登録時から骨折発生までの期間を従属変数としたCox 重回帰分析を行った.結果:GC(group-specific component)遺伝子上のrs2282679 のリスクアレルと血清25(OH)D 濃度の低値との間に有意な関連を認め(p=0.000081),さらにアレルと大骨近位部骨折の発生との間にも有意な関連を認めた[ハザード比2.52,p=0.039].結論:GC 遺伝子はビタミンD 代謝経路において重要な働きをしているビタミンD結合蛋白質をコードしている.本研究は血清25(OH)D 濃度の値に影響を及ぼすGC 遺伝子のrs2282679が大骨近位部骨折の発生に関わる危険因子である可能性を示した.
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