整形外科
Volume 69, Issue 8, 2018
Volumes & issues:
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論説
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経験と考察
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臨床室
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肩関節脱臼骨折に腋窩動脈損傷を合併し経皮的ステント治療を行った1 例
69巻8号(2018);View Description Hide Description肩関節脱臼骨折は,日常診療で比較的よく遭遇する外傷であるが,腋窩動脈損傷を合併することはまれである.もし腋窩動脈損傷を合併した場合は,早期に発見し処置を加えないと上肢が広範な壊死に陥るとされている1).今回,肩関節脱臼骨折に腋窩動脈損傷を合併し,重症心不全のため全身麻酔下による観血的手術が不可能であったため,経皮的カテーテルによってステント留置術を行い血流の改善を認めた症例を経験したので報告する. -
橈骨遠位骨巨細胞腫術後に発生した長母指伸筋腱皮下断裂の1 例
69巻8号(2018);View Description Hide Description長母指伸筋(EPL)腱皮下断裂の原因として橈骨遠位端骨折などの外傷,関節リウマチなどの疾患が一般的に知られている.今回,橈骨遠位骨巨細胞腫に対する手術後に発生したEPL 腱皮下断裂のまれな1 例を経験したので報告する. -
大腿部CIC 遺伝子再構成肉腫の1 例
69巻8号(2018);View Description Hide DescriptionEwing 肉腫に類似の組織像を示すがEwing sarcomabreakpoint region 1(EWSR1)遺伝子の再構成が検出されない未分化小円形細胞肉腫の中に,capicua transcriptional repressor(CIC)遺伝子再構成を有する肉腫が存在することがわかってきた1~3).われわれは,CIC 遺伝子再構成肉腫と診断した1 例を経験したので報告する. -
スポーツ愛好家の高齢者に生じたアキレス腱再々断裂の1 例
69巻8号(2018);View Description Hide Description平成24 年度内閣府高齢社会白書によると,「高齢者の心身の健康や体力の保持増進を支援することは,国の重要な責務であるとともに,高齢者が生き甲斐を持って健康で活力ある生活を営むためには,定期的,継続的な運動・スポーツが不可欠である」としている1).われわれは活動性の高いスポーツ愛好家の高齢者に生じたアキレス腱再々断裂の1 例を経験したので報告する. -
足趾に発生したmicrogeodic disease の1 例
69巻8号(2018);View Description Hide Description当院で経験したmicrogeodic disease の1 例を報告する. -
腹壁子宮内膜症の1 例
69巻8号(2018);View Description Hide Description子宮内膜症は子宮内膜上皮細胞や間質細胞が子宮腔外にて増殖する疾患である.病変は典型的には骨盤内に生じるが,消化管,胸腔など骨盤腔外にも生じうる.体表に発生した場合,軟部腫瘍の疑いで整形外科へ受診することも少なくない.今回われわれは腹部手術歴のない腹壁子宮内膜症というまれな症例を経験したため,若干の文献的考察を加え報告する.
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問題点の検討
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スポーツ医学
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連載
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最新原著レビュー:初期変形性膝関節症における内側半月板逸脱幅はT2 mapping MRI で検出する脛骨内側骨棘幅と関連する
69巻8号(2018);View Description Hide Description目 的:変形性膝関節症(膝OA)の進行関連因子として,近年内側半月板逸脱(MME)に注目が集まるが,機序は不明である.今回,骨棘が内軟骨性骨化と同様の過程を経て形成されるため,骨棘の軟骨成分まで加味するとMME は骨棘幅と関連するとの仮説を立てそれを検証する. 方 法:初期の膝OA 50 例を対象に,MRI でMME に加え,whole-organ magneticresonance imaging score で膝OA の構造変化を評価した.内側半月板のT2 値と骨棘幅はT2 mapping MRI(T2 map)で計測した.さらに,末期膝OA に対する手術時に切除した骨棘を組織学的に評価し,X 線像およびMRI と比較・検討した. 結 果:膝内側の骨棘は,X 線像で40%,MRI で48%に認めたが,T2 map では98%に認めた.MME と各膝OA 所見との関連を重回帰分析すると,脛骨内側の骨棘幅がもっともMME と関連した(β=0.711,p<0.001).MME が3 mm を超えると,内側半月板のT2 値が高値であった(r=0.58,p=0.003).さらに,末期膝OA 例の骨棘には軟骨成分が存在し,T2 map と組織切片で測定した骨棘幅が相関した. 結 論:初期膝OA では平均約3 mm のMME が存在し,T2 map を用いるとほぼ全例に脛骨内側に骨棘を認め,その幅はMME と密接に関連した.さらにMME 増大とともに半月板の変性度も増した. -
最新原著レビュー:Fibroblast growth factor 2(FGF‒2)含有ゼラチンハイドロゲルを用いた腱板修復促進
69巻8号(2018);View Description Hide Description目 的:Fibroblast growth factor 2(FGF—2)は腱板修復を促進する可能性が示されているが,腱骨間への局所投与法に関する報告は少ない.本研究の目的は上腕骨大結節に作製した骨溝へのFGF—2 含有ゼラチンハイドロゲルシート(GHS)投与の腱板修復促進効果についてウサギモデルを用いて検証することである. 対象および方法:成熟日本白色家兎の左肩棘上筋腱を切離後に大結節付着部骨溝に縫合するモデルを作製し,縫合のみ群(S 群),PBS 含有GHS 投与群(C 群),3μg および30μg のFGF—2 含有GHS 投与群(F3 群,F30 群)の4 群を比較・検討した.術後2 週,6週,12 週に力学試験,組織学的評価,およびマイクロCT 評価を行いFGF—2 含有GHS の効果を検証した. 結 果:力学試験では術後12 週のF3 群とF30 群における最大破断力と最大破断応力がS 群,C 群と比較して有意に高値であった.組織学的評価においては,S 群とC 群では腱骨間に血管が豊富な疎性線維性組織がみられたのに対して,F3 群とF30 群では腱様組織の形成がみられた.これらの修復促進効果は術後6 週よりみられ,全評価項目においてFGF—2 投与群間に有意差はなかった.またマイクロCT 評価では全群において約70%に修復組織中の異所性石灰化がみられたがFGF—2 の影響はなかった. 結 論:FGF—2 含有GHS の上腕骨付着部骨溝内への投与は生体力学的および組織学的に腱板修復を促進する.
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