医学のあゆみ
Volume 209, Issue 6, 2004
Volumes & issues:
-
あゆみ ファーマコゲノミクス--テーラーメイド医療への道のり
-
-
-
規制当局のパーソナライズドメディスンに向けた第一歩──ファーマコゲノミクス研究の推奨とガイダンス
209巻6号(2004);View Description Hide Description2003年11月にアメリカ食品医薬品局(FDA)は,ファーマコゲノミクス(以下,PGx)データの提出に関するガイダンス(案)を発表した.薬物代謝酵素などの遺伝的背景が異なる患者では薬剤に曝露される程度に差があり,効果・副作用にも影響する.PGxデータから薬効が期待できる患者を選択し,至適用量を調節し,重篤な副作用を回避するための事前の検査・診断をするにあたって,規制上,反映させなければならない当然のことを述べている.PGxは新薬治験のみならず,市販されている薬剤の有効な使い方と安全性を確立するためにも必要 -
がん化学療法の個別化
209巻6号(2004);View Description Hide Description治療域の狭い抗悪性腫瘍薬を用いるがん化学療法では,薬物動態や感受性の個体差は重篤な副作用を招くため,年齢や臓器障害など,薬物動態の個体差の原因を明らかにし,これらの要因に応じた治療の個別化を行う必要がある.糸球体濾過により排泄されるカルボプラチンの投与設計は糸球体濾過率により決定できる.一方,肝代謝型の薬物では肝障害時には減量が必要となるが,減量の程度に関する指標は確立されていない.また,近年では,SNPsなどの遺伝的多型により薬物動態や効果・副作用に差がみられることが明らかにされ,遺伝子情報に基づいた治 -
薬物代謝酵素のかかわる個人差
209巻6号(2004);View Description Hide Description薬は“常用量でも毒”となる.この原因として薬の相互作用や加齢のような生理的要因がある.また,薬の効きすぎるヒト,効きにくいヒトの存在も知られ,この原因として,薬物代謝酵素のような薬物動態関連蛋白や,受容体のような薬物標的分子の遺伝子多型がある.本稿では,薬物代謝酵素の遺伝子多型の事例から“薬物応答の個人差”について考える. -
トランスポーターの遺伝子多型と薬物動態の個人差
209巻6号(2004);View Description Hide Description細胞の膜透過にかかわる薬物トランスポーターが多数同定され,多くの薬物の体内動態を決めるうえで重要な役割を果たしていることがわかってきた.トランスポーターの役割は, 1肝や腎などで薬物の消失に関与し,物質の体内動態を決定すること,2血液脳関門のように体内動態に直接影響しないが,物質の内外移行に対する障壁となり,局所の物質の分布を決定することに大別される.いずれの場合も効果・副作用を規定する要因となりうることから,臨床におけるトランスポーターの重要性が明らかとされつつある.一方で近年,トランスポーターにつ -
薬理受容体の個人差
209巻6号(2004);View Description Hide Descriptionヒトゲノム計画の影響をもっとも受けるものは,ヒトの病気の原因解明,診断,治療といった医療分野である.ヒトゲノム情報により診断から使用する薬の製造までのすべての過程は大きく影響を受け,近い将来には“ありふれた病気”に対しても患者の遺伝的体質に合わせた処方,治療計画がなされる,いわゆるテーラーメード医療が提供されるであろう.また,このテーラーメード医療—個別至適化した薬物治療—を実用的にするゲノム情報から薬を理論的につくる“ゲノム創薬”の戦略が展開されつつある.膨大なゲノム情報に基づくゲノム機能解析も体系的・
-
-
フォーラム
-
-
-
TOPICS
-
- 消化器内科学
-
- 脳神経外科学
-
- 小児科学
-
- 社会医学
-
-
連載
-
- 現代寄生虫病事情
-
-
速報
-
-