医学のあゆみ
Volume 210, Issue 3, 2004
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あゆみ バイオイメージングが切り開く新たな診断・治療評価技術
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ビデオイメージングによる生細胞機能解析
210巻3号(2004);View Description Hide Description光学顕微鏡とビデオ装置の組み合わせにより,ミクロレベルでの細胞の研究が急速に進歩している.これらの方法により,肉眼的に捉えるのが困難な微妙なコントラストの空間的変化を経時的に捉え,生きている細胞の微細な形態変化を解析できる.また,螢光色素のあらたな開発や螢光蛋白を細胞に発現させることにより,その螢光の動きや強度の変化を経時的に追跡することが可能となり,特定の細胞内小器官の動きや形態変化,細胞内信号伝達などを解析できるようになってきた.ここでは,ビデオイメージング,すなわち細胞の変化を経時的・動的に捉えるこ -
関節炎の発症におけるCD69分子の役割
210巻3号(2004);View Description Hide Description関節リウマチは滑膜炎とそれに伴う関節破壊を特徴とする慢性多発性の炎症性疾患で,自己免疫疾患のひとつと考えられている.その病態に種々の炎症性サイトカインが関与することが明らかとなってきているが,はっきりとした原因は不明のままである.関節リウマチのマウス実験モデルとして,タイプIIコラーゲンに対するモノクローナル抗体のカクテルとLPSを注射して誘導する関節炎モデルがある1).これはとくに関節炎発症のeffector phaseに焦点をあてた実験モデルとして使用されている2,3).著者らは最近,CD69ノックア -
カンタムドット螢光ナノ粒子を用いた生体イメージング素材の開発
210巻3号(2004);View Description Hide Description現代の医療技術は診断・治療および予防の面で大きく進歩し,さまざまな疾病を克服して平均寿命の延長とquality of lifeの改善を実現した.そのなかでも画像診断技術は飛躍的ともいえる発展を遂げ,画像診断は現代医療には不可欠なものとなった.X線CTやMRI,超音波診断装置といった画像診断技術は,医療現場において診断や手術計画の設定に重要な役割を担っている.しかし近年,放射線診断による被曝線量の増大が問題視されている.一方,工学分野ではナノメートルサイズの微細加工技術の進展に伴い,ナノテクノロジーを医療お -
脳機能障害とミクログリアのかかわりおよび細胞を用いた標的化治療・診断
210巻3号(2004);View Description Hide Description脳のマクロファージといわれているミクログリアは脳疾患発症において中心的な役割を果たすと考えられているが,実体は明らかでない.著者らは,ミクログリアがマクロファージと異なり脳に特異的な種々の性質があること,性質の異なるサブタイプが存在していること,神経幹細胞の分化や増殖にも関与することなどを明らかにしてきた.さらに著者らは,ミクログリアを血管に注入すると脳特異的に侵入する能力があることを発見した.そこで,外来性の標識化したミクログリアを脳特異的に非侵襲的に導入する方法を独自に開発し,神経細胞の変性や脳機能障 -
がん研究におけるin vivoイメージング──バイオフォトニクスを利用したがん研究におけるin vivoイメージング
210巻3号(2004);View Description Hide Descriptionホタル由来のルシフェラーゼ遺伝子を細胞に導入すると,生体透過性に富む発光を生じる.この発光を検出,可視化することで,動物体内における細胞の挙動をリアルタイムに追跡する技術がin vivoイメージングである.この技術によりがん細胞の生体内での増殖,転移などを,動物を屠殺することなく観察することが可能である.さらには培養細胞で広く行われてきたレポーター解析の手法を用いることにより分子レベルの現象もin vivoでのイメージングが可能となり,in vivoイメージング技術はがんの分子標的薬剤などの開発に有用なツ -
血管炎初期反応のイメージング
210巻3号(2004);View Description Hide Description腎炎,SLE,リウマチをはじめとする難治性血管炎は,自己免疫疾患などの免疫異常による好中球の活性化や好中球自己抗体と連動して進行するものと予想されている.著者らはそのなかでもANCA陽性の急速進行性糸球体腎炎に注目し,その炎症初期に起こるであろうと考えられる血管傷害について,腎血流のin vivoイメージング手法を用いて検討した.本稿ではその手法と結果について,概略を解説したい. -
臓器血流と酸素代謝の光・イメージング解析
210巻3号(2004);View Description Hide Description脳,肝などの実質臓器の微小循環や腫瘍新生血管の血流動態を可視化するとともに,臓器内のミクロレベルでの酸素代謝を同時計測し,組織や細胞の機能変化を解析することはフィジオーム研究の一重要課題となっている.組織や細胞を傷めることなく非接触で計測するには,螢光やリン光を発する分子プローブを細胞に標識し,特定波長の光で励起して螢光イメージやリン光信号を検出する方法が有効である.著者らは多波長励起の光・イメージング解析システムを開発し,FITC螢光色素で選択的に赤血球を標識し,励起波長450 nm,螢光波長520 n
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