Volume 210,
Issue 9,
2004
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あゆみ ナノテクノロジー創薬──DDSの新展開
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医学のあゆみ 210巻9号, 719-719 (2004);
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医学のあゆみ 210巻9号, 721-725 (2004);
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疾病によって生起する化学物質や物理量の変化を感知し,放出時間と放出量を的確に判断して薬物放出を行うインテリジェント型の薬物治療システムが注目されている.このような高機能な薬物治療を実現するには,製剤自体に分子レベルでデバイスを内蔵する必要がある.これには外部からの刺激(物理的あるいは化学的)に応答して,構造,形態,物性などの変化を起こす刺激応答性高分子を用いた機能性材料の開発がひとつの鍵を握る.DDS分野において早い時期から検討されてきたインテリジェント製剤システムは刺激応答性の高分子ゲルである.これまで
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医学のあゆみ 210巻9号, 726-729 (2004);
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疾病治療の高度化に伴い,薬物治療に関しても薬物の放出制御や標的組織送達性など,製剤の機能化,精密化が求められている.薬物を標的とする組織へ,あるいは細胞レベルで送達するためには,薬物の入れ物となるナノ微粒子の技術が重要な役割を果たす.ナノ微粒子の表面を種々の物質で修飾することによって体内分布の制御などあらたな機能を付与することができ,ドラッグデリバリーシステム(DDS)の設計に利用される.本稿ではナノ微粒子技術を用いて行った薬物吸収の改善,脳への薬物送達,細胞への遺伝子導入の例を紹介する.今後,これらの技
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医学のあゆみ 210巻9号, 730-736 (2004);
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疾患プロテオミクス研究などで得られた情報を有効活用し,疾病治療に有効なペプチド・蛋白性医薬品を創製しようとするプロテオーム創薬への期待が高まっている.しかし,蛋白質の生体への適用には,いぜんとして蛋白質の生体内安定性を向上させ,かつその多様なin vivo生理作用のなかから目的とする治療作用のみを選択的に発現させうる創薬テクノロジーの確立が必須となっている.本観点から著者らは最近,ファージ表面提示法を駆使した“医薬価値に優れた機能性人工蛋白質の迅速創出システム”とともに,“蛋白質の医薬品としての有効性と安
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医学のあゆみ 210巻9号, 737-741 (2004);
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初期のモノクローナル抗体療法はマウス由来のものを利用して研究されてきた.しかし,ヒトにとってマウスの抗体は異種蛋白であり,十分な効果は得られず,抗体療法は消え去る運命にあるかのようであった.しかし,遺伝子工学の進歩によりキメラ抗体,ヒト抗体の作製が可能となり,欧米を中心に多くの抗体が臨床応用され,これまでのスタンダードな治療法が抗体を用いた治療法へと変更されつつある.悪性腫瘍に対する抗体単独治療の効果はADCCやCDCが中心とされる.さらに,抗体単独ではなく,抗腫瘍性化学物質や放射性同位元素を結合させたモ
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医学のあゆみ 210巻9号, 742-748 (2004);
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癌化学療法におけるDDSの役割は,固形腫瘍に制癌剤を選択的に送達することである.DDSには2つの概念,すなわちactive targetingとpassive targetingが存在し,前者は分子間の特異的結合能を利用してtargetingを図ろうとするもので,モノクローナル抗体や各種受容体に対するリガンドを利用したやり方などがあげられる.後者はいわゆるEPR効果により達成される.Passive targetingに関しては,ポリエチレングリコール付加アドリアマイシン内包リポソームのDoxilが臨床第I
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医学のあゆみ 210巻9号, 749-753 (2004);
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SARSや鳥インフルエンザなどのような新興感染症の出現ならびに耐性菌の蔓延は深刻な問題となっている.有効な薬剤が少ない微生物も存在し,副作用のため十分な量を投与できない症例もある.このような状況で,既存の抗菌薬を用いてさらに優れた効果と安全性を引き出すために,各種抗菌薬のDDS製剤が開発されている.抗菌薬を用いないあらたな戦略として遺伝子治療の研究も進められている.生体側に作用する方法として,炎症性サイトカインの遺伝子を導入することで宿主の免疫を賦活する治療法が研究されている.また,原因微生物を標的にした遺伝子治療では,病原微生物に対してアンチセンスヌクレオチドやshort—interferingRNA(siRNA)で治療する試みが行われている.遺伝子発現を制御できるアンチセンスやsiRNAを用いることで,感染症治療も大きく進歩していくことが期待される.
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医学のあゆみ 210巻9号, 754-758 (2004);
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遺伝子治療は先天性の遺伝子欠損症だけでなく,癌,AIDSなどの難治性疾患に対する次世代の治療技術として期待されている.遺伝子治療を目的としたDNAの細胞内へのデリバリー技術は遺伝子治療を実現していくうえで必要不可欠な技術である.しかし,いずれの遺伝子導入ベクターを使用した場合においても治療用蛋白質をコードするcDNAと比較してベクター自身の分子量は非常に大きいため,蛋白が発現する細胞はコードするcDNAに依存せず遺伝子ベクター固有の体内動態により決定されて特定の細胞にのみ高い遺伝子発現を示す.したがって,
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医学のあゆみ 210巻9号, 759-762 (2004);
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生体本来がもつ自然治癒力を高め,生体組織,臓器の再生修復によって病気の治療を行う試みがはじまっている.この再生医療の実現には,再生現象にかかわる幹細胞の研究に加えて生体組織,臓器の再生誘導に不可欠な細胞の増殖,分化のための場を設定することが必要である.この再生誘導の場の構築のための医工学技術,方法論が生体組織工学(tissue engineering)であるが,DDSはこの生体組織工学のKey技術である.本稿では再生医療の現状と今後の方向性について概説しながら,再生医療の実現にますます重要になっていくであ
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フォーラム
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切手・医学史をちこち
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医学のあゆみ 210巻9号, 763-763 (2004);
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医学のあゆみ 210巻9号, 764-765 (2004);
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雑誌特集
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医学のあゆみ 210巻9号, 766-767 (2004);
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新刊紹介
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医学のあゆみ 210巻9号, 768-770 (2004);
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書評
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医学のあゆみ 210巻9号, 772-772 (2004);
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TOPICS
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細菌学・ウイルス学
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医学のあゆみ 210巻9号, 775-776 (2004);
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免疫学
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医学のあゆみ 210巻9号, 776-777 (2004);
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呼吸器内科学
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医学のあゆみ 210巻9号, 777-779 (2004);
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循環器内科学
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医学のあゆみ 210巻9号, 779-780 (2004);
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代替医療・統合医療
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医学のあゆみ 210巻9号, 781-782 (2004);
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連載
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現代寄生虫病事情
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医学のあゆみ 210巻9号, 783-787 (2004);
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ジェンダーと医学・医療
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医学のあゆみ 210巻9号, 788-793 (2004);
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生物学的性別(セックス)とは異なる“社会的・文化的性別(ジェンダー)”の視点に立って児童虐待,DV,高齢者虐待を法医学的に検討した結果,虐待の中軸にDVが存在することが明らかになった.DVは女性差別社会の私的領域において,親密な関係のなかで生じるジェンダーに基づく女性への暴力である.DVはそのなかで児童虐待を産み,児童虐待は世代間連鎖によるあらたな児童虐待を産むという悪循環が形成され,他方で,高齢者虐待に連続する.著者はわが国における高齢者虐待の特徴として“社会的虐待”の概念を提唱し,高齢者虐待防止法の立