Volume 211,
Issue 7,
2004
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あゆみ 抗体療法──最近の進歩
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医学のあゆみ 211巻7号, 721-721 (2004);
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医学のあゆみ 211巻7号, 723-727 (2004);
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ウイルスなどの外敵や異物から身を守る,すなわち生体防御機構の中心的役割を担う抗体は,その特異性の高さと結合力の強さから,作製技術が確立されて以来“魔法の弾丸”とよばれ,悪性腫瘍などに対する標的治療薬としておおいに期待されてきた.しかし,当初はおもにマウス抗体しか作製できなかったため,この抗体自身が異物と認識され,この抗体に対する抗体が出現し排除されるなど治療効果には限界があったが,近年の遺伝子組換え技術の発展により,よりヒトに近づけた抗体,あるいは当初不可能とされたヒト抗体の調製でさえも可能となった.現在
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医学のあゆみ 211巻7号, 729-732 (2004);
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“ヒト抗体遺伝子を組み込んだマウス”および“ヒト抗体遺伝子を組み込んだバクテリオファージ”を利用する方法の確立により,完全ヒト抗体の生産が可能になった.この技術により,今後の抗体医薬は“ヒト化”でもなく“ヒト型”でもない“ヒト抗体”になるのは必至と思われる.本稿では,“これまでの免疫”の常識を超えた革命的な特徴をもつファージ抗体について概説する.
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医学のあゆみ 211巻7号, 733-736 (2004);
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近年,キメラ抗体・ヒト化抗体の成功を背景に,完全ヒト抗体の臨床応用が活発に進められている.完全ヒト抗体を作製する技術のひとつに,ヒト抗体産生マウスを用いた手法が知られているが,弊社がMedarex社と共同で開発したKM MouseTMはその代表例である.本マウスは内在性マウス抗体遺伝子がノックアウトされ,ヒト抗体重鎖遺伝子座を含む第14染色体断片とヒト軽鎖κ鎖導入遺伝子を保持しており,多様性に富んだヒト抗体を産生する能力を有している.著者らは本マウスを用い,通常のハイブリドーマ作製法により作製したヒト抗体
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医学のあゆみ 211巻7号, 737-740 (2004);
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悪性腫瘍に対する抗体医薬には,1非抱合型抗体,2抗癌剤あるいは毒素を抱合したimmunotoxin/chemoimmunoconjugate,3放射性同位元素を標識したradioimmunoconjugateの3種があり,いずれも造血器腫瘍の有効な治療手段になりうる.もっとも高い有効性が判明したのはB細胞リンパ腫に対するキメラ型抗CD20抗体rituximabで,単剤で高い有効性を発揮することに加えて,化学療法との併用によってB細胞リンパ腫のあらたな標準治療の確立につながることが判明した.Ritux
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医学のあゆみ 211巻7号, 741-745 (2004);
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近年の遺伝子工学の進歩に伴い,遺伝子組換え技術を利用した抗体分子作製が可能となり,アメリカでは多くのモノクローナル抗体(MoAb)がFDAの認可を受けている.しかし,造血器腫瘍に対する抗体療法と比較すると,固形癌に対する抗体療法は十分な効果をあげているとはいいがたい.本稿では,大腸癌に対して化学療法との併用で有効であることが証明されたEGFRに対するキメラ抗体であるcetuximab,乳癌に対して有効であることが証明されたErbB—2に対するヒト化抗体であるtrastuzumab,大腸癌に対して有効である
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医学のあゆみ 211巻7号, 746-751 (2004);
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遺伝子工学の進歩を基盤にヒト化モノクローナル抗体に代表される生物学的製剤の大量生産が可能となり,かつ関節リウマチなどの炎症性疾患の病態が分子レベルで解析されていることと相まって,抗体療法が続々と臨床に応用されている.わが国では抗TNF—α抗体インフリキシマブがCrohn病,関節リウマチの治療に導入され,その有用性と問題点が明らかにされつつある.とくにインフリキシマブによる関節リウマチの治療は結核や日和見感染症の発現が懸念され,市販後全例調査が実施中であるが,いまのところ,細菌性肺炎2.4%,間質性肺炎0.
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医学のあゆみ 211巻7号, 752-756 (2004);
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欧米ではいくつかの放射性同位元素(RI)標識モノクローナル抗体が診断および治療に臨床応用され,多くの知見が得られている.RI標識モノクローナル抗体を用いた治療は腫瘍細胞に対する特異性の高い治療法であり,副作用の少ないことが確かめられている.著者らの施設をはじめとして,わが国でも悪性リンパ腫に対するY—90標識抗CD20抗体の臨床試験が行われている.Y—90はβ線だけを放出する核種であり,RI治療のための専用病室に入院する必要がない.化学療法や抗CD20抗体療法が無効の症例に対しても有効であり,将来は悪性リ
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医学のあゆみ 211巻7号, 757-760 (2004);
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1980年代前半に訪れた抗体医薬品の開発ブームでは数多くのマウスモノクローナル抗体の臨床開発が展開された.しかし,抗原性を中心に開発上の問題点が次々に浮き彫りとなり,結局のところ医薬品化に成功したのはマウス抗体Orthoclone OKT—3のみという惨憺たる結果であった.その後,1980年代後半から急速に発展した抗体工学技術によって多くの技術的課題が解決され,キメラ抗体やヒト化抗体など遺伝子組み換え型の抗体医薬品の上市が相ついできた.抗体医薬品市場は予想以上に順調な伸びを示していることから,抗体が魅力
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フォーラム
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医学のあゆみ 211巻7号, 762-763 (2004);
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TOPICS
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移植・人工臓器
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医学のあゆみ 211巻7号, 771-772 (2004);
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疫学
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医学のあゆみ 211巻7号, 772-773 (2004);
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連載
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ジェンダーと医学・医療
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医学のあゆみ 211巻7号, 775-780 (2004);
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“ジェンダー”は男女の行動の違いは“生物学的性sex”によって決まっているのではなく,社会・文化的に形成された性意識・性規範に規定されているというフェミニズムの主張をあらわす言葉として誕生した.一方,欧米には戦前から避妊をコアとして女性の“身体の自己決定”を求める運動が存在し,1970年代にはピルの安全性への疑問を発端として“女性の健康(Women’s Health)”運動が生まれた.“女性の健康”の範囲が広がるにつれ,生物学的性差の重要性が認識されるようになり,1995年の北京行動計画において保健医療政
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現代寄生虫病事情
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医学のあゆみ 211巻7号, 781-784 (2004);
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速報
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医学のあゆみ 211巻7号, 785-786 (2004);
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