Volume 213,
Issue 3,
2005
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あゆみ 生殖補助医療
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医学のあゆみ 213巻3号, 161-161 (2005);
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医学のあゆみ 213巻3号, 163-168 (2005);
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食とともに生殖は自己のゲノムを引き継いだ子の誕生にかかわる生命活動であるから,古来歴史を動かす原動力であり続けた.本稿では,生殖の原理が必然的に生み出したヒト体外受精学の発展のあゆみを4つの区分に分けてたどってみた.生命発生について古代ギリシャの精子起源説は約2000年にわたり中心教条として信奉されたが,16世紀半ばに卵子起源説が台頭すると精子学派と卵子学派との間に2世紀にわたる激しい論争が繰り広げられた.19世紀後半になって受精現象の発見がこの論争に終止符を打ったが,これを機に体外受精学が勃興した.蓄積
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医学のあゆみ 213巻3号, 169-173 (2005);
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体外受精をその基礎技術とする先端不妊治療の発展によって,両側の卵管閉塞や精子数が極度に少ない場合など,従来の治療技術では妊娠を望めなかった夫婦も児を授かることができるようになった.しかし,精子・卵子・受精卵といった個体そのものを発生することができるこれらの細胞を体外で受精させたり,あるいは凍結保存したりすることが可能になったことは従来の法体系のみでは解決困難なさまざまな生命倫理上の問題をあらたに発生させており,その多くは社会の基本的な人間関係のひとつである親子関係にかかわっている.本稿では,このような人工
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医学のあゆみ 213巻3号, 175-178 (2005);
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生殖補助医療は不妊治療にとどまらず,これまで大きな社会・文化的影響を与えてきた.この治療を管理するため,諸外国はガイドライン設定や法規制など多彩な取組みを行い,日本においても現在,法規制に向けた検討が行われている.法規制にあたっては先進諸国の事例と経験を十分に参照し,極端に制限的な法規制を導入するのではなく,治療を希望するカップルと生まれてくる子供たちの双方に配慮した慎重な取組みが望まれる.
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医学のあゆみ 213巻3号, 179-182 (2005);
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生殖医療のなかでも日進月歩の生殖補助医療はさらなる発展が期待されている.そこで不妊カップルの利益と幸福を守るとともに,生殖医療にかかわる医師・看護師・胚培養士に求められる条件を設定し,適合する従事者に専門職としての学会認定を与える必要性が指摘され,生殖医療関連学会や団体が動きはじめている.現在までのところ,日本不妊学会による生殖医療指導医制度,生殖医療コーディネーター養成をめざす日本看護協会による不妊専門看護師制度,日本哺乳動物卵子学会による生殖補助医療胚培養士制度が立ち上がり認定制度が開始された.これ以
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医学のあゆみ 213巻3号, 183-187 (2005);
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人工授精(配偶者間,AIH),体外受精・胚移植(IVF−ET)そして顕微授精などを生殖補助医療(ART)とよぶ.AIHは古くから行われていたが,1982年にIVFが,1992年にICSIが不妊治療に導入され,無精子症でも治療が可能となり,それらの恩恵にあずかった夫婦は多い.しかし,それぞれにはそれぞれの限界がある.AIHの妊娠率は7.5%程度で,妊娠が得られるとすればその多くは7回以内であった.IVFの妊娠率は21.7%で,妊娠が得られるとすればその多くは4回以内であった.ICSIでの妊娠率は19.9%で
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医学のあゆみ 213巻3号, 189-192 (2005);
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最近の生殖補助医療の進歩は目をみはるものがあり,多くの不妊患者がこの恩恵を受け,健康な生児を得ている.しかし,その一方で,生殖補助技術がもたらす種々のリスクも指摘されている.生殖補助医療のリスクには,1.多胎妊娠,2.卵巣過剰刺激症候群,3.腹腔内出血,4.骨盤内感染症,5.生児への影響,6.手術的採精子のリスク,7.血液製剤使用による感染症,8.治療時の精神的ストレスなどがある.とくにARTの生児への影響は世代を超えて影響していく項目であり,たいへん重要である.顕微授精での遺伝的リスクや,ARTでの早産
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医学のあゆみ 213巻3号, 193-196 (2005);
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女性の結婚・妊娠年齢の高齢化が進み,今後難治性不妊が増加すると考えられる.難知性不妊のうち,hMG製剤を用いた過排卵刺激を行っても2〜3個以下の卵胞しか発育しないlow responder症例に対しては,hMG製剤の増量,他剤併用などが行われている.PCOSを代表とする,hMG製剤による過排卵刺激を行うと多数の卵胞発育が起こるhigh responder症例に対しては,総使用量の減量,凍結胚移植,排卵刺激法を変更するなどが考えられている.また,子宮内膜症症例に対してはホルモン療法や腹腔鏡下手術を組み合わせ
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医学のあゆみ 213巻3号, 197-200 (2005);
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生殖補助医療においては,過剰排卵処理,人工授精,体外受精・胚移植,さらに精子や胚の凍結保存など,経済家畜において実用化の段階に入っている配偶子ならびに胚の操作技術を適用してきた.これら生殖補助技術の多くはヒト臨床に供試される前に各種動物で産仔も得られて,その安全性が予見されるものであった.しかし,遺伝子工学やプロテオーム研究などの先端技術から生命科学領域における生命に対する理解の精度は高まるにつれ,新しい領域が開けていくであろう.DNAのメチル化やゲノムインプリントに代表される遺伝子の発現制御機構,蛋白質
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フォーラム
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医学のあゆみ 213巻3号, 202-203 (2005);
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医学のあゆみ 213巻3号, 204-205 (2005);
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TOPICS
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神経内科学
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医学のあゆみ 213巻3号, 210-211 (2005);
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血液内科学
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医学のあゆみ 213巻3号, 211-212 (2005);
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耳鼻咽喉科学
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医学のあゆみ 213巻3号, 212-213 (2005);
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連載 遺伝子診断の最前線
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医学のあゆみ 213巻3号, 215-220 (2005);
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癌は遺伝的素因と環境要因の関与によって発症するが,一部の癌は強い遺伝的素因によって発症が規定され,患者が家系内に多発する.こうした癌を家族性腫瘍という.家族性腫瘍の多くで原因遺伝子が明らかにされており,これは臨床的に有効に利用することが可能である.しかし,そのためには個々の遺伝子検査の有用性と限界を正しく認識し,また患者の悩みを理解し支援する遺伝カウンセリングが欠かせない.また,病院内外で患者や家族を継続的に支援できる取組みも重要である.