Volume 214,
Issue 12,
2005
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あゆみ H.pylori──トピックス2005
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医学のあゆみ 214巻12号, 973-973 (2005);
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医学のあゆみ 214巻12号, 975-978 (2005);
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H.pylori感染はほとんどが小児期に成立し,とくに2歳までが高率である.感染経路として家族内感染がもっとも重要であり,約8割を占めると報告され,とくに母−子感染の頻度が高い.家族外感染としては,保育施設,障害児・者施設が感染の場となっていることが推測されている.感染様式は経口感染であるが,時代や地域の生活習慣によりさまざまな感染様式が存在し,単一ではないと考えられる.感染源となるものとしては,井戸水の飲用,感染者の便・嘔吐物,離乳食を感染者が咀嚼して与えることなどであり,感染予防のキーポイントとなりう
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医学のあゆみ 214巻12号, 979-982 (2005);
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アポトーシスとは本来,生体の恒常性を保つために作用する.しかし,過剰なアポトーシスによる細胞喪失は組織障害につながると考えられている.H.pylori感染は胃粘膜上皮細胞にアポトーシスを誘導することが報告されているが,これには菌体側因子や宿主側因子が複雑にかかわりあっている.本稿では,H.pylori感染と胃粘膜上皮に引き起こされる組織障害および胃癌発生の機序について概説した.
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医学のあゆみ 214巻12号, 983-986 (2005);
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胃炎は単なる加齢現象ではなく,主としてH.pyloriの感染により引き起こされることがわかった.H.pyloriの感染により正常胃粘膜は表層性胃炎を起こし,その後,長年にわたる慢性胃炎を経て慢性萎縮性胃炎へと進展し,萎縮した粘膜から腸上皮化生が起こる.この腸上皮化生は分化型胃癌の前癌病変(precancerous lesion)と考えられてきた.しかし,腸上皮化生粘膜にはH.pyloriが棲息できないため,腸上皮化生と胃癌は慢性萎縮性胃炎に平行して発生する現象であり,腸上皮化生は前癌病変ではなく傍癌病変(
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医学のあゆみ 214巻12号, 987-991 (2005);
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消化性潰瘍の原因は明らかではなかったが,1993年にH.pyloriが発見され,その後の臨床研究からこの菌が消化性潰瘍の原因であることが明らかとなった.さまざまな地域で除菌治療がはじまったが,わが国でも2000年11月に消化性潰瘍に対しPPI,AMPC,CAMによる除菌療法が保険適応され,潰瘍の根本的治療が本格化した.最近では除菌治療の長期的な予後についての知見も蓄積され,報告されるようになった.これまで除菌後数年以上にわたる潰瘍再発率がいくつか報告されているが,いずれも数年間で10%以内の再発率を報告し
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医学のあゆみ 214巻12号, 993-996 (2005);
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粘膜内リンパ濾胞からは濾胞性リンパ腫(follicular lymphoma)やびまん性リンパ腫(diffuse lymphoma)の各型が発生するが,MALTリンパ腫はmarginal zone(マントル層外層)由来の成熟B細胞が抗原刺激(おもにH.pylori)反応性ヘルパーT細胞から刺激を受け,増殖・腫瘍化したものである.胃MALTリンパ腫の60〜90%はH.pylori陽性であり,そのうちの60〜90%は除菌治療で治癒する.一方,H.pylori陰性例であっても奏功する例があるため,一度は除菌療法
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医学のあゆみ 214巻12号, 997-1002 (2005);
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これまでに,H.pylori感染が胃・十二指腸潰瘍,胃癌,胃MALTリンパ腫などの発症に深く関与していることが判明した.近年はさらに,H.pylori感染が惹起する胃粘膜局所の免疫反応を誘因として多くの消化管以外の疾患にも関与することが報告されてきており,いくつかの胃外疾患においてはすでにH.pyloriの発症に及ぼす役割が確実になってきた.その代表として特発性血小板減少性紫斑病(idiopathic thrombocytopenicpurpura:ITP)があげられる.ITPの患者においてH.pylor
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医学のあゆみ 214巻12号, 1003-1006 (2005);
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1983年に発見されたH.pyloriは1990年代になってから消化性潰瘍との関連のみでなく胃癌の発生に深く関与していることが明らかになってきている.すなわち,現在ではH.pyloriによる胃粘膜の持続的な炎症状態に宿主の因子や食物などの環境要因が加わることにより胃癌が発生することが確実視されており,さらには胃癌の高危険群の像も明らかになってきている.最近は除菌治療による胃癌の予防が可能かどうかが問題となっているが,種々の報告から,すくなくとも胃癌の減少が期待できる点ではコンセンサスが得られつつある.した
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医学のあゆみ 214巻12号, 1007-1011 (2005);
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現在H.pylori感染診断にはさまざまな方法があるが,診断能,実用性(簡便性),コストなどが総合的に判断され,有用性の高い6つの方法(培養法,鏡検法,迅速ウレアーゼ法,抗体法,尿素呼気試験,便中抗原法)が実際の臨床で使用されている.各診断法はそれぞれ特徴,長所,短所を有しており,これらを十分理解したうえで適切な方法を選択する必要がある.
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医学のあゆみ 214巻12号, 1013-1016 (2005);
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わが国においても消化性潰瘍を対象としたHelicobacter pylori(H.pylori)除菌療法が一般化されてきた.しかし,その一方で,近年除菌率の低下も報告されている.その最大の原因は薬剤耐性菌の増加であり,クラリスロマイシン(CAM)耐性菌の著明な増加が多くの施設から報告されている.このCAM耐性菌例では保険適応レジメンでの除菌率が低下するため臨床上深刻な問題である.そのため,今後は薬剤感受性に基づいた的確な薬剤の選択による除菌療法を行うことが望ましいと考えられている.そこで,本稿では耐性菌増
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フォーラム
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医学のあゆみ 214巻12号, 1018-1019 (2005);
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医学のあゆみ 214巻12号, 1021-1021 (2005);
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TOPICS
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細菌学・ウイルス学
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医学のあゆみ 214巻12号, 1025-1026 (2005);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 214巻12号, 1026-1027 (2005);
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連載 五感の生理,病理と臨床
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医学のあゆみ 214巻12号, 1029-1032 (2005);
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現代の生活環境は仕事中のパソコン作業や携帯端末によるメールやテレビゲームなど長時間にわたり眼を酷使する環境であり,それに付随するさまざまな精神的・身体的な問題点が指摘されている.そのなかで,IT(情報技術)機器やVDT(画像表示端末)の利用に起因して起こる眼症状を,IT眼症やVDT症候群あるいはテクノストレス眼症とよんでいる.また,持続的に眼を使ったときの眼局所の症状や,頭痛,肩こり,悪心などの全身的な症状を眼精疲労という.IT眼症の対策として,第一には作業環境や姿勢を見直すことであるが,厚生労働省は「V
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速報
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医学のあゆみ 214巻12号, 1033-1034 (2005);
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