Volume 215,
Issue 2,
2005
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あゆみ エピジェネティクスと疾患
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医学のあゆみ 215巻2号, 105-105 (2005);
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医学のあゆみ 215巻2号, 107-111 (2005);
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遺伝子のスイッチ領域がメチル化修飾を受け遺伝子の発現が調節されるシステムをエピジェネティクスという.このシステムが,胚から個体が形づくられる発生過程や組織・臓器の分化過程,さらに生涯にわたる組織機能の維持過程にかかわっていることが明らかにされつつある.X染色体の不活化やゲノムインプリンティングの発見を契機にヒトにおけるエピジェネティクス研究がはじまり,その後,解析技術や診断技術の進歩と相まって,エピジェネティクス機構の異常が先天異常や癌などのさまざまな疾患の要因になっていることがわかってきた.エピジェネテ
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医学のあゆみ 215巻2号, 112-115 (2005);
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ICF症候群は,種々の血清免疫グロブリンの低値に伴う易感染性,軽度の顔貌異常(高い額,内眼角解離,内眼角贅皮,低く幅広い鼻,耳介低位,巨舌,小顎),染色体異常(1番,9番,16番染色体ヘテロクロマチン領域の伸長;分枝染色体)を主徴とするまれな常染色体劣性遺伝病である.患者の半数はDNMT3Bの変異(ホモ接合か複合ヘテロ接合)を伴うが,残りの半数では変異を証明できないので,未発見の第2の遺伝子が関係すると推定される.DNMT3BはDNAメチル化の維持に関与する数種のDNAメチル化酵素のひとつで,その変異は特
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医学のあゆみ 215巻2号, 116-118 (2005);
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Rett症候群はおもに女児に発症し,自閉傾向と重度の精神発達遅滞を伴う神経疾患で,手洗いをするような動作や手を口に運ぶ動作を繰り返す常同運動を特徴としている.この疾患の原因遺伝子がメチル化DNAに結合してクロマチン構造を変化し,遺伝子の活動を抑える蛋白質のMeCP2をコードする遺伝子であることが明らかとなった.Rett症候群ではMeCP2を介するエピジェネティックな調節機構が破綻しているため,とくに中枢神経系の細胞で機能が維持されないために発症に至ると考えられる.そのため,本疾患はエピジェネティクスの分野
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医学のあゆみ 215巻2号, 119-123 (2005);
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ヒストン蛋白にDNAが巻きついたヌクレオソームを単位とするクロマチン構造は,全長2 mのヒトDNAを細胞核内に収めるために1万分の1に凝縮する役割を果たすだけではなく,そのダイナミックな変化が遺伝子の発現,複製,修復や,発生・分化の制御に重要な役割を果たしている.クロマチン構造に影響を与えるものは,ヒストンのアセチル化・メチル化・リン酸化などにかかわる酵素や,ATP依存性にヌクレオソームをDNA上でスライドさせる活性をもつクロマチン再構築(リモデリング)因子であり,DNAのメチル化とともに,遺伝子転写促進
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医学のあゆみ 215巻2号, 124-127 (2005);
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遺伝子の配列によらない遺伝現象であるエピジェネティクスが発生・分化に必須の役割を果たしていることが明らかにされている.ゲノム刷り込み現象は遺伝子の発現が親由来により決定される現象であり,配列が同じである遺伝子を親由来ごとに区別するために,DNAメチル化やヒストン蛋白のさまざまな修飾などのエピジェネティクスが決定的な役割を果たしている.Prader−Willi症候群とAngelman症候群は代表的なゲノム刷り込み現象関連疾患である.両疾患の研究を通してゲノム刷り込み現象の分子機構が明らかにされ,エピジェネテ
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医学のあゆみ 215巻2号, 128-131 (2005);
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癌エピジェネティクス研究はDNAメチル化異常の発見からはじまった.とくに癌抑制遺伝子の転写抑制にプロモーターCpGアイランドの高メチル化がかかわっていることが明らかとなって以降,いわゆる“癌でメチル化を受ける遺伝子”のリストは年々増大している.近年では,DNAメチル化異常に伴うヒストン修飾変化もしだいに明らかになりつつある.しかし,この現象が果たして発癌の原因なのか,それとも結果として起こった現象にすぎないのかについてはいまだに見解が分かれている.病因論に決着はついていないが,エピジェネティックな変化を診
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医学のあゆみ 215巻2号, 132-136 (2005);
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造血器腫瘍の発症・進展にDNA配列の変化を伴わないエピジェネティックな異常があることが明らかとなってきた.エピジェネティクスと造血器腫瘍についてはDNAメチル化がその代表であり,癌抑制遺伝子プロモーター領域がメチル化されると,その遺伝子の発現が低下する.代表的なものとして急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia:AML)や骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)におけるp15遺伝子のメチル化,悪性リンパ腫や多発性骨髄腫(multiple m
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医学のあゆみ 215巻2号, 137-140 (2005);
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精神疾患の病因としてエピジェネティクスの関与が示唆されている.統合失調症患者の死後脳ではオリゴデンドロサイト関連遺伝子群の発現が広範に低下しており,オリゴデンドロサイト特異的転写因子SOX10のDNAメチル化がこれと関連していた.また,reelin遺伝子のDNAメチル化亢進が患者でのGABA作動性ニューロンの機能障害と関連しているという報告もある.また,一卵性双生児不一致例におけるDNAメチル化差異を探索する研究が行われており,興味深い結果が得られつつある.
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フォーラム
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医学のあゆみ 215巻2号, 142-143 (2005);
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医学のあゆみ 215巻2号, 145-146 (2005);
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TOPICS
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膠原病・リウマチ学
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医学のあゆみ 215巻2号, 149-150 (2005);
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眼科学
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医学のあゆみ 215巻2号, 150-151 (2005);
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連載 五感の生理,病理と臨床
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医学のあゆみ 215巻2号, 153-157 (2005);
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我々は味覚を頼りに食物を選択摂取し,日々の生命活動に必要なすべての栄養素を過不足なく体内に取り入れ,体内の栄養素環境の恒常性を維持している.運動後に消費されたエネルギーと発汗による塩分喪失を補うため,甘味のある糖質と塩味である食塩に対する嗜好性が増すことは日常経験することである.近年,味覚研究の急速な進展により味覚の受容機構が分子レベルで急速に解明されつつある.味覚は摂食行動の調節を通じて,生活習慣病形成のおもな要因である食生活習慣に過大な影響力を有する.そのため,味覚の生理作用に関する研究は生活習慣病予
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速報
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医学のあゆみ 215巻2号, 158-159 (2005);
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