Volume 215,
Issue 3,
2005
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あゆみ睡眠障害の基礎と臨床UPDATE
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医学のあゆみ 215巻3号, 161-161 (2005);
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医学のあゆみ 215巻3号, 163-167 (2005);
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概日リズムを生み出す体内時計の仕組みは地球上で生活する生き物が自転による環境変化を先取りし,積極的に適応できるよう発達させてきた基本的メカニズムである.この20年にこうした体内時計機構の機能不全による睡眠障害が見出され,概日リズム睡眠障害とよばれている.本稿では時計遺伝子の発見や体内時計の分子機構の解明から近年注目を集めている昼夜のサイクルと体内時計のリズムの同調不全により起こる概日リズム睡眠障害として睡眠相後退症候群,非24時間睡眠覚醒症候群,睡眠相前進症候群について臨床的立場から概説する.
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医学のあゆみ 215巻3号, 168-173 (2005);
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2003年に発表された7次のアメリカ高血圧合同委員会の報告では,睡眠時無呼吸症候群(SAS)は特定可能な高血圧の原因疾患であることが明らかになった.また,本年(2005)になり,すくなくとも重症な閉塞型睡眠時無呼吸症候群を放置すると心血管障害になり,死亡する頻度がコントロールの2倍以上であり,しかも夜間突然死する確率も有意に高いことが示された.また,睡眠1時間当り5回以上の閉塞型睡眠時無呼吸・低呼吸の発生頻度は,成人の5人に1人,15回以上は15人に1人になると考えられている.一方,近年注目されている病態
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医学のあゆみ 215巻3号, 174-179 (2005);
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ムズムズ脚症候群(レストレスレッグ症候群;RLS)は下肢を中心に耐えにくい運動欲求(じっとしていられない感じ)と不快感が生じるもので,安静状態で悪化すること,夜間に症状ピークを迎えることなどの特徴がある.RLSはまれな病態ではなく,正確な有病率は不明であるが,一般人口の2〜4%程度は本症候群をきたしている可能性がある.病態に関しては,鉄欠乏仮説,ドパミン機能不全仮説が有力であり,若年発症例では家族内多発しているケースが多いことから,遺伝学的な検索も進められている.治療薬のfirst lineはドパミンアゴ
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医学のあゆみ 215巻3号, 180-184 (2005);
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ナルコレプシーは睡眠覚醒中枢の機能障害に基づく過眠症で,耐えがたい眠気により居眠りを繰り返すことと,大笑いなどを契機に筋緊張が喪失する情動脱力発作が特徴である.睡眠や覚醒の状態を継続できず睡眠が多相化することと,レム睡眠の要素である筋弛緩が覚醒あるいは入眠段階で生じてしまう異常が基本的障害とされる.入眠時レム睡眠期に伴い,金縛りや寝入りばなの幻覚症状が生じやすい.HLAの特定のハプロタイプと非常に高い相関をもつことから,遺伝的素因の関与が明らかであり,また自己免疫機序の関連も推測されている.遺伝性イヌモデ
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医学のあゆみ 215巻3号, 185-190 (2005);
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REM睡眠行動障害(RBD)はREM睡眠期の正常な筋抑制の欠如によって睡眠中に夢が行動化したかのような複雑な運動が生じる.診断基準に必須事項でないが,睡眠ポリグラフ(PSG)による“REM sleep withoutatonia:RWA”の所見は重要である.大規模な対照試験は行われていないが,クロナゼパムが約9割の症例で有効である.そのほかにドパミンアゴニスト,メラトニン,α刺激薬,コリンエステラーゼ阻害薬,選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)などの効果も期待されている.RBDは神経変性疾患のなかで
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医学のあゆみ 215巻3号, 191-195 (2005);
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内因性の睡眠物質であるプロスタグランジンD2は,くも膜や脈絡叢,オリゴデンドログリアに分布するリポカリン型プロスタグランジンD合成酵素(βトレース)により合成され,睡眠ホルモンとして脳脊髄液中を循環する.そして視交叉から視床下部後部に至る領域のくも膜に局在するDP受容体の仲介により,アデノシンに変換されて脳内に伝えられる.その後,アデノシンA2A受容体を発現する神経系を介して視床下部前部の睡眠中枢を活性化し,GABAおよびガラニン系の抑制性の神経投射によりヒスタミン系覚醒中枢を抑制してノンレム睡眠を起こす
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医学のあゆみ 215巻3号, 196-200 (2005);
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体内時計研究の進展の恩恵もあり,概日リズム睡眠障害発症にかかわる時計遺伝子の変異・多型があいついでみつかっている.朝活動型・夜活動型など健常人の体内時計の個体差をもたらす遺伝子多型も報告されている.このことはヒトの場合も時計遺伝子の変異・多型が概日リズム周期に大きく影響することを示している.一方で,すでにみつかった変異・多型のみでは説明できない症例も数多く残されており,体内時計の障害が原因と思われる概日リズム睡眠障害も原因遺伝子の異なるさまざまな疾患の集合体であると考えられる.また,動物実験では時計遺伝子
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フォーラム
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医学のあゆみ 215巻3号, 202-203 (2005);
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医学のあゆみ 215巻3号, 204-205 (2005);
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TOPICS
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生化学・分子生物学
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医学のあゆみ 215巻3号, 209-211 (2005);
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神経内科学
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医学のあゆみ 215巻3号, 211-212 (2005);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 215巻3号, 212-213 (2005);
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連載 五感の生理,病理と臨床
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医学のあゆみ 215巻3号, 215-217 (2005);
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耳鼻咽喉科で扱う感覚器には,嗅覚,味覚,聴覚,平衡覚がある.これらの障害のなかでも聴覚障害のひとつである耳鳴は,数秒続くごく短いものから慢性化して鳴り続けるものまで,多くのヒトが経験したことのある,ありふれた病態である.耳鳴の記載はすでに古代エジプトの記録やヒポクラテスにもあり,その診療や研究の記載も古くからみられるとされる.しかし,近代耳鳴検査の医学的知見は19世紀に入ってからのことである.一部のヒトは耳鳴のためにうつ状態に陥り,重症例では外出さえできなくなることがあり,本疾患が与える心理的苦痛はときに
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速報
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医学のあゆみ 215巻3号, 219-220 (2005);
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