Volume 215,
Issue 8,
2005
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あゆみ RNA編集
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医学のあゆみ 215巻8号, 661-661 (2005);
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医学のあゆみ 215巻8号, 663-670 (2005);
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ADAR(adenosine deaminase acting on RNA)は,グルタミン酸受容体サブユニットやセロトニン受容体2Cサブタイプなど,生理的に重要な遺伝子のpre−mRNAを部位特異的にアデノシン(A)からイノシン(I)に塩基修飾するRNA編集(A−to−I RNA編集)酵素である.近年ADAR遺伝子ノックアウトマウスの解析,またADAR遺伝子の突然変異やA−to−I RNA編集機構の不全によって引き起こされるヒト遺伝疾患や病態生理についても報告されている.さらにバイオインフォマティクス解
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医学のあゆみ 215巻8号, 671-674 (2005);
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C−to−U RNA編集とはRNA鎖のうえで特定のCがUに変換される現象であり,アポリポ蛋白質遺伝子のmRNAで1987年に発見されたのが最初である.その後,植物の葉緑体やミトコンドリアゲノムなどでも高い頻度で生じることが見出され,遺伝子の機能発現に必須のプロセスであることが明らかになった.今世紀に入って獲得免疫や自然免疫のメカニズムにも関係していることが明らかとなり,C−to−U編集の研究は急速な拡大をみせている.本稿ではC−to−U編集に関する研究のながれと現況を概観する.
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医学のあゆみ 215巻8号, 675-678 (2005);
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ADAR1(double−stranded RNA specific adenosine deaminase:DSRAD)を責任遺伝子とする優性遺伝性疾患が遺伝性対側性色素異常症(dyschromatosis symmetrica hereditaria:DSH)であることが2003年に明らかにされた.DSHは四肢末端,とくに手背・足背に濃淡さまざまな色素斑と脱色素斑が密に混在する常染色体優性遺伝の疾患である.このように複雑なphenotypeが生じる機構はまったく不明であるが,3つの発症仮説(異常メラノ
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医学のあゆみ 215巻8号, 679-682 (2005);
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セロトニン2C受容体とAMPA/KA型グルタミン酸受容体という,精神疾患との関連が推定される遺伝子のmRNAがA→I型RNA編集を受けることから,精神疾患の関連が疑われる.セロトニン2C受容体のRNA編集パターンはマウスの系統間で大きく異なり,向精神薬により変化すること,またうつ病患者死後脳での変化が報告されている.一方,てんかん患者および統合失調症患者でグルタミン酸受容体の編集率変化が報告されている.臨床研究の推進には,効率的なRNA編集評価法が必要とされ,pyrosequencingを用いた方法などが
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医学のあゆみ 215巻8号, 683-687 (2005);
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グルタミン酸のイオンチャネル型受容体のサブタイプであるAMPA受容体と神経細胞死との関連が見出されつつある.AMPA受容体サブユニットを構成するGluR2のQ/R部位は,AMPA受容体のCa2+透過性を決定するのに重要な役割を果たしている.同部位はADAR2という酵素によってpre−mRNAの段階でRNA編集を受け,正常組織の各ニューロンにおいては100%編集されることで遺伝子にコードされたQ(グルタミン)がR(アルギニン)に変換され,AMPA受容体のCa2+透過性は低い.しかしALSの脊髄前角運動ニュー
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医学のあゆみ 215巻8号, 688-692 (2005);
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アトピー(アレルギー)における1つの重要な蛋白分子について,1.ゲノム上での異常,2.ゲノム遺伝子発現段階でのRNA編集の変化を中心に概説した.すなわち,同じ蛋白分子〔interleukin−12レセプター(IL−12R)β2鎖〕の異常が,あるアトピー患者ではゲノム遺伝子の異常で惹起される一方,他のあるアトピー患者では当該のゲノム遺伝子には問題がないにもかかわらず遺伝子発現段階のひとつとしてRNA編集の異常によってもたらされることを,著者らの成績をもとにして示した.これはアトピーの発症にRNA編集がかかわ
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医学のあゆみ 215巻8号, 693-696 (2005);
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RNA編集はウイルス感染における細胞内抗ウイルス系として近年注目されている.また,RNA干渉は近年報告された特異的RNA破壊・遺伝子発現抑制法であり,広範な疾患での臨床応用を視野に入れた基礎研究が行われている.HCVゲノムを標的としたsiRNAがHCVレプリコン細胞内増殖を強力かつ特異的に抑制し,さらにマウス肝組織においてもsiRNA発現がウイルス蛋白発現を抑制する.近い将来,siRNAを用いた治療がHCV感染に対するあらたに有効な治療オプションとなることを期待したい.
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フォーラム
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医学のあゆみ 215巻8号, 698-699 (2005);
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医学のあゆみ 215巻8号, 701-701 (2005);
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TOPICS
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薬理学・毒性学
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医学のあゆみ 215巻8号, 705-706 (2005);
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腎臓内科学
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医学のあゆみ 215巻8号, 706-707 (2005);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 215巻8号, 707-708 (2005);
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連載 五感の生理,病理と臨床
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医学のあゆみ 215巻8号, 709-715 (2005);
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ヒトの知覚系は身体ならびに身体外の環境を知るためのシステムであり,体性感覚,とくに痛覚系は生体の防御系として重要である.しかし,痛みは生体の警告信号としてだけでなく,痛みそのものが生体にとって多大な侵襲となる.また,痛覚(痛み)系は非常に未分化であり,可塑性に富んだ系であるゆえにさまざまな疼痛伝達レベルでの病態生理学的な状態を引き起こし,慢性疼痛発症にかかわっている.本稿では,疼痛伝達機構を侵害受容器,脊髄後根神経節,脊髄後角,脊髄視床路,視床,終脳へと順に展開し,また各レベルでの可塑的な変化による病態生