医学のあゆみ
Volume 216, Issue 1, 2006
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1月第1土曜特集【循環器診療における画像診断法の選択 ──ベストな診療を行うには】
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- 虚血性心疾患のスクリーニング検査
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虚血性心疾患におけるMSCTの有用性──冠動脈も心筋灌流も心機能も
216巻1号(2006);View Description Hide DescriptionマルチスライスCT(MSCT)の登場により心臓CTは広く普及した.そのおもな目的である冠動脈を対象とした撮像は,簡単ではあるがいくつかの注意点があり,また解析は単純な作業のようにもみえるが,最終的な出力画像を診断に役立たせ臨床に還元できるものとするためには,循環器領域の知識だけでなく画像解析の手法にも精通していなければならない.さらに,ATP負荷を行うためには複数の診療科の医師が協力しあうことはもちろん,コメディカルとの連携も重要である.いくつかの虚血性心疾患の代表的な症例を提示しながら,よりよい検査が行 -
心エコーによる虚血性心疾患の診断──断層エコー,心筋コントラストエコー,冠動脈血流計測の使い分け
216巻1号(2006);View Description Hide DescriptionマルチスライスCT(MSCT)の登場により心臓CTは広く普及した.そのおもな目的である冠動脈を対象とした撮像は,簡単ではあるがいくつかの注意点があり,また解析は単純な作業のようにもみえるが,最終的な出力画像を診断に役立たせ臨床に還元できるものとするためには,循環器領域の知識だけでなく画像解析の手法にも精通していなければならない.さらに,ATP負荷を行うためには複数の診療科の医師が協力しあうことはもちろん,コメディカルとの連携も重要である.いくつかの虚血性心疾患の代表的な症例を提示しながら,よりよい検査が行えるよう道筋を示したい. -
虚血性心疾患の診断における負荷心筋血流シンチグラフィの有用性
216巻1号(2006);View Description Hide Description心筋虚血の検出に用いられる心エコー法には断層法,心筋コントラストエコー法,経胸壁冠動脈エコー法がある.断層法では負荷による壁運動異常を検出するが,負荷法としてはドブタミンなどの薬物やトレッドミルなどの運動が用いられ,もっともスタンダードな方法として徐々に普及してきている.心筋コントラストエコー法はペルサンチンなどの薬物負荷による心筋灌流異常を検出するが,心筋虚血を可視化できる方法として注目される.冠動脈血流計測は冠予備能の異常の検出による虚血診断であり,安全かつ短時間で施行可能である.それぞれ長所,短所を有するが,共通するのは,いずれの方法も比較的短時間で施行でき,施行場所を選ばず,安価で施行でき,また,被曝などの問題がない点である.一方,施行や判定には一定の熟練を要する点が問題点としてあげられる. - 心筋バイアビリティ判定
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心筋バイアビリティ診断におけるドブタミン負荷心エコー検査の有用性
216巻1号(2006);View Description Hide Description負荷心筋血流シンチグラフィは冠動脈病変の検出において優れた感度を示し,慢性虚血性心疾患のスクリーニング検査として汎用されている.リスク層別の検査としても有用であり,負荷心筋血流シンチグラフィが正常あるいは軽度の異常であれば,虚血性心疾患としてのリスクは低いことが実証されており,内科的な治療で経過観察できる.重度の異常を示す症例では,積極的に冠動脈造影を施行して侵襲的な治療を適応することで,重篤な心事故を回避し予後を改善することが可能となる.心臓核医学検査には豊富な経験とデータの蓄積があり,質の高いエビデンスが確立されている.現在,臨床の場において負荷心筋血流シンチグラフィは虚血性心疾患のマネジメントに不可欠な検査となっている. -
造影MRIを用いた心筋バイアビリティ判定
216巻1号(2006);View Description Hide Description虚血性心疾患症例において,とくに壁運動異常を有する心筋梗塞後の症例に対して血管形成術や血行再建術の適応の有無を決定する場合,生存心筋が存在するかどうか,すなわち心筋viabilityの有無の評価が重要である.心筋viabilityの有無を判断することによって,治療後の壁運動改善および今後の心機能の改善の予測が可能である.ドブタミン負荷心エコー法による心筋viabilityは,安静時の局所壁運動異常がドブタミン負荷により改善することが認められる,すなわち収縮予備能があることを,断層心エコー図を用いて証明することにより診断される.また,color kinesisや三次元心エコー図など最近の新しい診断技術の併用により,その有用性がさらに深まると考えられる. -
心筋SPECTによる心筋バイアビリティ評価の実際
216巻1号(2006);View Description Hide Description心機能低下を伴った虚血性心疾患において,機能低下部の虚血心筋の有無は血行再建の適応決定に重要である.虚血心筋の存在は血行再建による虚血解除により心機能改善の可能性を示唆する.一方,虚血心筋,すなわち心筋バイアビリティの消失は血行再建による治療効果の可能性が望めないことを意味する.血流トレーサである201Tl,99mTc MIBI,99mTc tetrofosmineを用いた負荷心筋血流SPECTを施行することにより安静時に対する負荷時の血流低下を証明できれば,心筋虚血の存在が示唆される.血流トレーサの%uptakeも心筋バイアビリティの指標として有用であり,50 60%が閾値として利用されている.また,血流と123I BMIPPによる脂肪酸摂取とのミスマッチの存在も心筋バイアビリティの存在を示唆する. - 虚血性心疾患の予後判定
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負荷心筋シンチグラフィを用いた予後評価とリスク層別化の有用性
216巻1号(2006);View Description Hide Description運動負荷あるいは薬物負荷心筋シンチにより,冠動脈狭窄病変によって生じる冠血流の相対的差異を画像として評価できる.運動あるいは薬物負荷心筋SPECT法を用いた際の,虚血性心疾患診断の感度は75 85%,特異度は約70%である.心電図同期SPECT(gated SPECT)を用いると,心筋灌流と心機能の評価が同時に可能である.検査前有病率が30 70%の例に施行すると,もっとも効率的に診断とリスクの層別化できる.ハイリスク群(心臓死率3%以上/yr)を同定し,冠動脈造影検査を行い血行再建術の適応を診断する.ハイリスク群は心機能低下例,負荷で誘発される広範囲な虚血を有する例である.低リスク群(心臓死率1%未満/yr)と中等度リスク群(心臓死率1 3%/yr)を層別化することにより,不必要な冠動脈造影検査を避けることができる.正常心筋シンチ例の予後はきわめて良好で,3 5年間の心事故(心筋梗塞と心臓死)の発症率は0.7%/yrと低率である. -
心エコーによる虚血性心疾患の予後評価
216巻1号(2006);View Description Hide Description血行再建術が普及した現在,冠閉塞や高度の冠狭窄をそのままにしている虚血性心疾患症例はきわめて少なくなっている.このような現状では閉塞冠動脈枝数はもはや,虚血性心疾患の予後規定因子としての役割は重要でなくなりつつある.また,急性心筋梗塞症例の死亡率が6 8%と低下し,生存退院する症例が増えた現在,心筋梗塞症の後遺症としての心不全がより大きな問題である.このように,虚血性心疾患の予後規定因子は大幅に変わってきており,その評価において心エコー・ドプラ法の役割はますます重要になってきている.本稿では心エコー・ドプラ法を用いた予後規定因子を紹介するとともに,その臨床的意義に関して述べる. -
MSCTでわかる.16から64さらに256列へ──冠動脈,心筋の評価による虚血性心疾患の予後判定
216巻1号(2006);View Description Hide DescriptionCTによる虚血性心疾患の評価は,最近のマルチスライスCT(MSCT)の急激な進歩によりさまざまな可能性を秘めている.従来の冠動脈石灰化の定量評価から非石灰化プラークの検出,内腔狭窄の有無,ステント内および冠動脈バイパスグラフトの開存度評価,梗塞心筋,心機能解析と心内血栓の検出と多くの報告が進んでいる.とくに冠動脈の非石灰化プラークは,破裂することで冠閉塞を起こし,急性心筋梗塞など致命率の高い急性冠症候群をきたすことが知られており,これを非侵襲的に検出し,予防的な治療を開始することは,急性冠症候群に対するあ -
虚血性心疾患の予後判定における心臓カテーテル検査の必要性
216巻1号(2006);View Description Hide Description虚血性心疾患の予後を評価するために,侵襲的検査であるカテーテル冠動脈造影検査(CAG)がどのように必要であるかを検討する.虚血性心疾患の予後に影響するのは,左冠動脈主幹部,3枝病変のみならず左前下行枝(LAD)および右冠動脈(RCA)の近位部病変である.左冠動脈主幹部病変例,3枝病変例の診断に対しては非侵襲的負荷検査は危険であり,これを疑う際にはCAGは必須である.心筋梗塞発生時の予後は,LADについては有意病変部位が第一対角枝分岐の前後のどちらにあるかによって変わり,さらに梗塞発生後の左心機能は近位部病変では狭窄度が高度であれば悪化する可能性がある.RCAについては,右室梗塞の発生と左室下側壁への発達度合が予後を決める.これらの状況で責任病変部位の位置と狭窄度を正確に把握するためには,CAGが必要である. - Vulnerableplaqueの評価
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血管内視鏡で不安定プラークをみる
216巻1号(2006);View Description Hide Description冠血管内視鏡は光ファイバーを介して冠動脈内腔を直接観察可能な装置であり,冠動脈内腔の形態,性状および色調の把握に優れている.これにより得られた正常冠動脈内腔の血管内視鏡像は白色で平滑である.動脈硬化の進展に伴い黄色プラークが出現し,しだいに黄色調が強くなって破綻し血栓を形成することが,急性冠症候群の発症原因であることが明らかとなった.したがって,不安定プラークは内視鏡から黄色プラークと定義されるが,かならずしも破綻するプラークを予測できるわけではない.急性心筋梗塞患者では責任病変以外に黄色プラークを多く有すること,さらに多く黄色プラークを有する症例ほど心事故が多くなることから,内視鏡によりhigh risk患者の同定が可能である.また,治療により黄色プラークが白色になることから,治療効果の判定にも用いることが可能である. -
血管内超音波検査による動脈硬化プラークのvulnerabilityの評価
216巻1号(2006);View Description Hide Descriptionプラークの破綻は脂質コアの出現や線維性被膜の菲薄化などのプラーク組織性状の変化を基礎として局所に炎症を呈し,そのうえに病的なストレス集中が加わって起こる複雑なプロセスである.したがって,血管内超音波法(IVUS)でプラークの不安定性の評価を行うにあたっては基礎的な病理学的組織変化をとらえるだけでなく,局所の病的な構造力学的変化をもとらえたうえで語る必要がある.ストレス集中はプラークの形態や組織性状によって大きく修飾され,同じ線維性被膜の厚さでも破綻しやすさは大きく異なってくる.そのためストレス集中を示すプラークのカラーマッピング法はプラークの不安定性を評価するうえで重要であると考えられる.線維性被膜や脂質コアをカラーで表示するIVUSもさまざまな方法が提唱されてきている.市販化されたVirtual HistologyTM,IB IVUSを代表としてプラークの不安定性をビジュアルに評価できる時代が訪れようとしている. -
Vulnerableplaque評価におけるMDCTの可能性
216巻1号(2006);View Description Hide Description急性冠症候群(ACS)の発症原因は冠動脈の脆弱性プラークの破綻とそれに引き続く血栓形成であり,したがって,その検出はACSの予防上重要である.Multi detector row CT(MDCT)はその優れた空間解像度から,冠動脈狭窄の評価はもとよりプラークの性状評価に有用である.ACS患者のプラークの特徴として低CT値,陽性リモデリングの存在があげられる.さらに,MDCTは非観血的検査であるため,治療によるプラークサイズの推移が容易に評価できる.また,プラークを検出することで非定型的臨床像を有するACS患者のトリアージにも有用である.一方,MDCTの欠点として,脆弱性プラークの特徴である線維性皮膜の評価ができないことがあげられる.本稿では,MDCTによる脆弱性プラーク評価の可能性について述べる. -
核医学検査の可能性──カテーテル化した血管内放射線検出器(IVRD)を用いた新しい試み
216巻1号(2006);View Description Hide Description急性冠症候群は,近年の治療学の進歩にもかかわらず,いぜん生命予後にかかわる重篤な疾患である.急性冠症候群の主因は冠動脈プラークの破綻であるため,その予測には不安定プラークの同定が重要とされる.プラークの不安定化には,プラークの大きさよりも,その性状が関与する.したがって,冠動脈造影などの形態による画像診断法ではその同定は困難である.本稿ではプラークの性状を画像化しうる手段として核医学的手法に着目し,冠動脈不安定プラークの同定の可能性を探る.とくにそのなかでも18FDG PETの可能性に関して概説する.さらに,著者らが共同開発した,カテーテル化した血管内放射線検出器(intravascular radiationdetector:IVRD)に関する検討にも触れ,冠動脈不安定プラークの同定に関する核医学的手法の将来的展望を考える. - 心不全の病態解析と重症度・治療効果判定
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心エコーを用いた心不全の病態解析と重症度判定
216巻1号(2006);View Description Hide Description心エコー検査により心不全を起こす病因の検索が可能であるが,それに加え,心不全の重症度や治療効果を客観的に判定できる.左室容積の計測は,もっとも一般的な左室収縮能の指標である左室駆出率の算出に用いられる.さらに,左室流入血流速波形や僧帽弁輪運動速度などから,左室拡張能のグレーディングも可能である.これらは心不全の予後推定や治療戦略の決定,さらには治療効果の判定にも重要な指標である.さらに最近では,心室のasynchronyを心エコー検査で観察することにより心臓再同期療法の効果を予知しうる指標を提供できる可能 -
心不全のMRIによる評価──MRタギング法の利用を含めて
216巻1号(2006);View Description Hide DescriptionMRIでは自由に断面を選ぶことができるので,超音波より自由度が高く,超音波と異なり高齢者でも画像の不良な症例はなく,すべての症例で再現性よく心臓の形態と機能(左室容積,駆出率)を評価できる.また,再現性がよいので,検討に必要な症例数を少なくすることができる.また,磁気標識法(tagging)により心筋局所の機能も評価できる.ここではtaggingによる収縮性心外膜炎の評価法を紹介する.高齢者では心不全の原因を決定するのには侵襲的な検査である冠動脈撮影をしなければならない.冠動脈撮影をするかどうかを決定するためには胸痛や心電図により陳旧性心筋梗塞であることが明らかでない場合,心不全の原因が冠動脈疾患であるかどうかあらかじめ鑑別することが必要である.心機能の測定と心筋の遅延造影(delayed myocardialenhancement)による貫壁性心筋梗塞や心内膜下梗塞の有無の検討に有用なMRIはその原因診断に重要な検査法である. -
心不全症例に対する心臓核医学検査
216巻1号(2006);View Description Hide Description心臓核医学検査では,心筋血流や心機能のみならず心筋代謝,交感神経機能といった他の画像診断法では得ることのできない情報を画像化し,非観血的かつ定量的に評価できる特徴がある.123I MIBGを用いて,交感神経活性の亢進しているリスクの高い心不全症例を正確に判別することができる.123I BMIPPは,心不全の病態を心筋のエネルギー代謝の観点から評価するのに有用な検査法である.99mTc標識心筋血流製剤を使用したGate SPECT法で,心筋血流と同時に高い精度で心機能を評価できる. - トピックス
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四次元心臓CT-45心拍撮像から1心拍撮像へ
216巻1号(2006);View Description Hide DescriptionCT撮像機器の進歩により,心臓を三次元で表示するだけでなく,拍動させて四次元で表すことが可能になった.動く臓器である心臓を対象とした循環器領域では,拍動させて観察することは本来必要不可欠なものである.その考えのもと,シングルヘリカルCTの登場とともにただちに四次元CTへの挑戦がはじまった.128マトリックスのサーフェスレンダリングであった過去の苦労の産物である画像から,現在の512マトリックスでのボリウムレンダリング画像までの発展を明らかにして,将来の展望まで考察してみたい. -
WholeheartcoronaryMRA
216巻1号(2006);View Description Hide Description循環器の画像診断ではマルチスライスCTが急速に進歩し,64列マルチスライスCTではきわめて鮮明な冠動脈像が安定して得られるようになっている.また,心臓MRIは,シネMRIによる左室壁運動の診断や遅延造影MRIによる心筋梗塞と心筋バイアビリティの診断など,機能診断や組織診断の領域で高い有用性を示し,診断に利用されはじめている.これに対し,冠動脈MRアンギオグラフィ(MRA)を日常診療に用いている施設は非常に少ないのが現状である.最近,whole heart coronary MRAとよばれる撮影法が開発され,冠動脈MRAはルーチン検査法として比較的容易に実施できるようになり,冠動脈描出能もかなり向上している.冠動脈MRAは空間解像度や撮影時間の点でマルチスライスCTに及ばないが,冠動脈高度石灰化症例でも狭窄の診断が妨げられないことや,放射線被曝を伴わず造影剤投与を必要としないなど,いくつかの重要な特徴をもっている.64列マルチスライスCTによる冠動脈イメージングが多くの臨床病院でルーチン臨床利用されはじめいている今日,whole heart coronary MRAが果たしうる役割について解説する. -
リアルタイム三次元心エコー
216巻1号(2006);View Description Hide Description従来の三次元心エコー図は,経食道心エコー図や経胸壁心エコー図で呼吸や心拍を同期しつつ探触子を回転させたり扇形に動かしたりして得られる多数の二次元画像を,コンピュータを用いて再構築し三次元画像とするものであった.しかし最近,約3,000個もの素子をもったマトリックスアレイ型探触子といわれる探触子が開発され,リアルタイムに,しかも従来法と比べて格段に良好な画質で立体的な画像データを取得することが可能となった.この方法では三次元心エコー専用の超音波装置を使用する必要がなく,通常の検査に使用している機器からスイッチを切り替え,探触子をもち替えるだけで三次元の画像を得ることができる.これにより通常の断層心エコー図に比べて奥行きのある画像が得られ,解剖の理解が容易になり,また従来法ではみることのできなかった方向から構造を観察することができる.さらに,左室容積や駆出率の評価などもいっそう正確となることが期待される. -
光干渉断層法
216巻1号(2006);View Description Hide Description冠動脈を形態学的に観察する方法として,冠動脈造影のほかに血管内超音波(IVUS),血管内視鏡などが広く使用されている.最近,超音波の代りに近赤外線を用いて冠動脈をIVUSのように観察するOCT(opticalcoherence tomography)が開発された.OCTの魅力はなによりも約10μmという高画像分解能にあり,この分解能はIVUSの10倍にも達している.OCTで冠動脈を観察すると,IVUSでは判別することができなかった内膜・中膜・外膜の3層像を観察できるだけでなく,プラークの性状,線維性被膜の厚さ,プラークの内容など詳細な血管組織性状を同定できるようになってきている.その反面,深部到達度が低いことや,観察近位部の血流遮断が必要になるなど,使用上の限界も存在する.本稿ではOCTの原理を含め,現在の臨床における可能性や問題点を説明する. -
心筋血管再生治療のための分子イメージングーレポーター遺伝子を用いた核医学イメージング
216巻1号(2006);View Description Hide Description難治性冠動脈疾患に対するあらたな治療法として血管再生治療についての研究が急速に進み,臨床試験がはじまった.一方で,分子生物学の知見を応用した,より病態特異的な分子イメージングが注目を浴びてきている.本稿ではトピックスとして血管新生遺伝子治療と細胞移植治療を取り上げ,これらを適切に評価するためのレポーター遺伝子を用いた核医学イメージングを紹介するとともに,その果たすべき役割について概説する.
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