Volume 219,
Issue 10,
2006
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あゆみ 新型インフルエンザからどう守るか
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医学のあゆみ 219巻10号, 755-755 (2006);
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医学のあゆみ 219巻10号, 757-760 (2006);
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人類は20世紀だけでもスペイン風邪など新型インフルエンザの大流行を3回経験し,大きな健康被害を出してきた.近年,インフルエンザウイルスA型H5N1亜型による鳥からヒトへの感染が東南アジアを中心として急速に世界各地に拡大しており,新型インフルエンザの発生の可能性が高まっている.新型インフルエンザが発生した場合,人類は免疫をもたないため大流行となり,発症した場合には重症化しやすい.その結果,大きな健康被害をもたらし,社会的な活動や機能が停滞することが懸念されている.このような事態に対応するため,2005年11月,政府は新型インフルエンザ対策行動計画を策定し,監視体制の強化,検疫感染症への指定,ワクチンの開発,抗インフルエンザ薬の備蓄,医療体制の確保など計画に沿った国内対策を推進するとともに,WHOなどの国際機関と連携した国際協力に取り組んでいる.
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医学のあゆみ 219巻10号, 761-764 (2006);
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新型インフルエンザの元凶は鳥インフルエンザウイルスである.すべての鳥インフルエンザウイルスはA型であり,これは歴史上,しばしば世界流行(パンデミック)を起こしてきた.本稿では高病原性鳥インフルエンザのヒトへの伝播機構,さらに,どのような変異がウイルスに起こると新型ウイルスとしてヒト間伝播をはじめるようになるのかについての最近の知見と今後の対策を述べる.
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医学のあゆみ 219巻10号, 765-769 (2006);
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1997年に香港で,H5N1亜型の強毒ウイルスによる高病原性鳥インフルエンザが発生した.この発生ではヒトの感染例が出た.18名の重症患者が出てそのうち6名が死亡した.この発生を契機にH5N1ウイルスが中国からアジア地域全体,さらにはアフリカ,ヨーロッパにまで広く拡散してしまった.現在まで東南アジアを中心に判明しているだけでも,150名近くの感染者が死亡している.鳥インフルエンザウイルスにヒトが感染することをどのような方策で防止するのか,あるいは鳥インフルエンザウイルスが変異を起こして,ヒトに強い病原性と爆発的な伝播力をもつ新型インフルエンザの原因ウイルスに変わることをいかにして阻止するのか,獣医学的な面から取り組むことの重要性が明らかになっている.
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医学のあゆみ 219巻10号, 771-775 (2006);
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新型インフルエンザという疾患とその原因ウイルスは現在世の中に存在しないが,新型インフルエンザウイルス(過去に流行のあったウイルスを含め)の出現とそれによるパンデミックについては,自然界の流れのなかでありうることと考えることが妥当であろう.そうであるならば,単に医療,医学の問題だけではなく,広く社会全体の問題としてとらえ,地震,台風,火事などの災害に備えるのと同様,現実も踏まえつつ,できうる準備は行っておくべきである.インフルエンザパンデミックの備えを進めておくことはパンデミックのみへの対策が目的ではない.それによって感染症対策全体のレベルをあげることになり,SARSのようなあらたな感染症の発生への備えにも結びつくことでもある.危機管理を行うにはいきなり大げさに“危機そのもの”に取り組むのではなく,日常的疾患の動向をきちんと把握するところからスタートする.その状況を知ることによって,はじめて例外的な疾患,危機的な疾患の存在が明らかになり,その対処が可能になる.日常からの感染症サーベイランスが重要であると強調する意味はここにある.新型インフルエンザ(パンデミックインフルエンザ)対策の基本は,通常のインフルエンザ対策の充実にあるといえる.
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医学のあゆみ 219巻10号, 777-780 (2006);
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新型インフルエンザとしてはどの亜型のウイルスが出現するか判断はできないが,現在もっともおそれられているのは高病原性の鳥インフルエンザA(H5N1)である.その対策として,ワクチンの開発およびオセルタミビルの備蓄が勧められている.臨床面からは重症患者が大量に出現する可能性がある.大量の患者の受入れ対策については他に譲るが,重症の患者の治療が問題である.現在までの死亡例はすべて肺炎,あるいは肺炎および多臓器不全によるものである.ウイルスの増殖とともにサイトカイン血症をきたし,これがトリガーとなって血球貪食症候群(VAHS)をきたし,多臓器不全となる.したがって,ウイルス肺炎およびこの血球貪食症候群の治療が必要となる.
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医学のあゆみ 219巻10号, 781-786 (2006);
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抗インフルエンザ薬タミフルの安価で安定した供給をめざして,入手容易な原料を用いた新しい合成法の確立を行った.新規合成ルート開発の鍵となったのは独自の不斉触媒反応の開発であった.すなわち,糖由来の不斉配位子8と希土類金属であるイットリウムから構成される多核不斉触媒を用いることで,室温で高い触媒回転効率とエナンチオ選択性を発現するアジリジンのアジドでの開環反応を見出した.本反応により,タミフルのもつジアミン構造を効率的に合成することができるようになった.生成物のアリル位を酸化し酸素官能基を導入した後,ニッケル触媒によるシアノ基の共役付加反応,ジアミンの選択的修飾を経てタミフルを合成した.本法をさまざまな面から改良・最適化することによって,タミフルの完全人工合成による供給も夢ではないものと考えられる.
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フォーラム
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医学のあゆみ 219巻10号, 788-790 (2006);
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TOPICS
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免疫学
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医学のあゆみ 219巻10号, 795-796 (2006);
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生化学・分子生物学
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医学のあゆみ 219巻10号, 796-797 (2006);
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脳神経外科学
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医学のあゆみ 219巻10号, 797-798 (2006);
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産科学・婦人科学
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医学のあゆみ 219巻10号, 798-799 (2006);
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注目の領域
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医学のあゆみ 219巻10号, 801-806 (2006);
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速報
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医学のあゆみ 219巻10号, 807-808 (2006);
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