Volume 222,
Issue 6,
2007
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あゆみ 病院はどう生き残るか
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 433-433 (2007);
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【現状】
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 435-435 (2007);
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 437-440 (2007);
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わが国には42の国立大学に医学部と附属病院が設置されている.これまで国や地域の中核的病院として診療はもちろんのこと,医療人の育成や医学研究の推進をリードしてきた.しかし,近年の行財政改革のなか,国立大学病院を取り巻く環境は大きく変化している.国立大学法人化や大学統合などの高等教育制度の改革,さらには医療費の抑制や医師の卒後臨床研修必修化などの医療制度の改革は,国立大学病院,とくに地方国立大学病院の運営に大きな影響を与えた.各病院において懸命の努力が続けられているが,最大の脅威は医師のマンパワー問題であり,いかに多くの若い医師を診療科の偏りなく勧誘できるかが大学病院生き残りの鍵となる.
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 441-448 (2007);
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平成16年(2004)度からの新医師臨床研修制度の導入を契機に全国レベルで病院勤務医の不足問題が顕在化しており,わが国の医療は存亡の岐路に立たされている.地域中核病院の医師不足により救急医療体制が維持できなくなり,また内科,産婦人科,小児科などの診療停止が避けられず,“医療崩壊”ともよばれるたいへん厳しい状況になっている.勤務医不足が深刻化した地域病院の大部分はこれまで地域医療を担ってきた自治体病院であり,なかには閉院に追い込まれた病院もあり,地域医療の危機的状態としてその対策の確立と実行が急務となっている.本稿は,もっとも基本的な公共インフラのひとつである地域医療を確保していくうえで,自治体病院が,なぜこのような崩壊という未曽有の状況をむかえたのか,またその背景にはなにがあるのか,そして今後地域医療の再生に向けてなにが必要なのかについて,まとめたものである.
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 449-450 (2007);
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 451-452 (2007);
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【病院経営の課題】
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 453-456 (2007);
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日本はすでに世界でもっとも高齢な国となり,今後人類未踏の超高齢社会に向けて世界をリードすることとなる.人口の高齢化に対応して医療需要は75歳以上の後期高齢者の入院患者が急増し,医療費も後期高齢者が多くを占めることが想定される.高齢社会に対応する医療システムとしては,提供すべきケア,提供者と患者の関係などが患者の高齢化によって大きく変容すると考えられる.なかでも疾病の多重化,慢性化からケアの継続性が必要で,患者を中心に連携したケアが提供できるネットワーク化した地域医療体制が必須となる.そのためには,医療の標準化,情報と技術の共有が必要で,さらに患者の積極的な参加が必要となり,医療識字率(health literacy)が社会的な課題となる.
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 457-458 (2007);
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 459-463 (2007);
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本稿では現行の支払制度が医療経営に与える影響について論じる.今回はとくに,急性期病院で導入が進んでいる診断群分類(DPC)を利用した“急性期医療に係る診断群分類別包括評価”がはじまったことによる医療経営に与える影響について,1診断群分類による支払ということが病院経営に与える影響,2診断群という考え方が病院経営に与える影響,3包括支払ということが病院経営に与える影響の3つの視点で論じていくこととする.
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【今後の展望】
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 464-464 (2007);
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 465-470 (2007);
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平均在院の短縮により病院でも生産管理システムが必要になってくる.平均在院日数が短縮され,自立患者はほとんど入院していない現在では全患者の指示変更が前提で,各医師にとって仕事量は増加する.そこで,指示変更の際にしばしば行われるバーバルコミュニケーション(口頭指示)の行為を瞬時に管理する機能が医療安全や生産性を考えるうえで最重要である.これらのリアルタイム電子化が安全対策や効率化の鍵になる.一方,医師は時間軸でモノを考え,看護師はエリアでモノを考えるので,価値観が衝突する.しかし,今の看護支援システムはエリア(病室など)中心に考えるように設計され,医師のシステムは時間軸中心に設計される.それゆえ,統合するのが難しく,それぞれが別のシステムになっている.解決策として,1個1個の医療行為をデータとしてとらえれば,価値観が違っても理解し,データに基づいた経営管理を行うことができる.そのためには,職種が異なっても顔の見える単位である病棟単位で管理することがもっとも合理的である.
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 471-475 (2007);
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医療連携は,かつてのかかりつけ医支援対策であったものから病院の経営戦略へと進み,社会の高齢化とともに,今日では医療の質と効率の確保に欠かせない必須の診療形態となっている.時々刻々変化するケアの需要に対応するには供給側の視点からは不可能で,患者側からの視点が不可欠である.患者の個人的願望に対応するのではなく,医療システム全体として患者中心にケアを調整することが求められている.医療連携を推進するための要件は,連携システムの発展段階によって異なっている.“創設期”にはきっかけとリーダーシップ,“構築期”には知識と技術の共有化のための試み,信頼関係の醸成,窓口としての連携室の設置,“維持期”には文化,システム,誘因が必要である.そして近未来の“展開期”には,地域全体がひとつの病院となり,ウォールレスな医療システムをめざすことになる.
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 476-480 (2007);
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医療の安全と質についての関心の高まりとともに,医療の質の確保,制度としての持続可能性が各国の医療制度改革にあたって課題となっている.医療の質は,適切な臨床指標を用いることにより可視化が可能なこと,積極的な管理の対象であること,積極的な投資の対象であると認識されるに至っている.医療法改革で導入される新医療計画は,医療機関からの情報提供・公開に基づいて連携を重視したものが想定される.新医療計画が適切に機能するためにはアウトカム情報を含む医療情報が公開される必要がある.アメリカではメディケアを運営するCMS(Centers for Medicare & Medicaid Services)を中心に,病院からデータ提供を求め公開する制度が開始され,医療の質に基づく支払いの試みもなされている.日本では臨床指標を用いたベンチマークは,2002年から全日本病院協会の主導の下に開始された.現在は約50病院が参加し,年間40,000人のデータが集積されている.2011年までに導入されるレセプトオンライン請求により標準化された病名とともに,治療内容が電子的に国に集積されることになる.これは適切に利用されるならば,エビデンスに基づく医療政策を可能にするとともに,医療機関の評価,新医療計画の円滑な遂行を可能にする.医療機関の経営者は,一定の医療情報を整備し公開することはすでに医療機関の社会的責任となっていること,臨床指標を用いたベンチマークは,そのための情報集積,院内体制整備に有効な手法であることを認識し,経営上の位置づけを明らかにする必要があろう.
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 481-484 (2007);
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フォーラム
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 486-487 (2007);
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 488-491 (2007);
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 492-493 (2007);
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医学部卒業後,母校の衛生学教室に入室し14年目.2006年8月からWomen’s Healthと英語を学習するため家族4人でメルボルンへ.1年5カ月間の留学予定である.出会ったエピソードをもとにエッセイと,ちょっと役立つ(?)情報編に分けてご紹介.今回はエッセイ編に戻り,メルボルンに到着後,アパート探しをはじめた一家であるが…….
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連載
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医療情報のIT化と医療情報学──電子カルテとどう付き合うか
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 502-506 (2007);
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2005年4月にわが国で個人情報保護法が全面施行され,医療現場でのプライバシーの関心が高まっている.しかし,リスボン宣言を引用するまでもなく,個人情報保護法とは無関係に,以前から医療現場では,プライバシーには相当の関心がもたれてきた.プライバシーという人権は19世紀末に登場した生成後100年あまりの新しい概念であり,現在に至るまで変化を続けている.個人情報保護法の遵守には,プライバシーに対して共通の理解をもつ作業が必要と考えることができ,医療現場で関心が高まっている原因である.また,医療機関での情報の取扱い方も大きく変化しつつある.電子カルテに象徴される診療情報の電子化が進められており,旧来の直感的に管理可能であった紙やフィルムから,医療従事者にとって直感的に把握しがたい電子情報の管理に責任をもたざるをえなくなっている.その一方で,適切な電子化は医療におけるプライバシーの保護を容易にする.
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速報
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医学のあゆみ 222巻6・7号, 507-508 (2007);
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