Volume 227,
Issue 3,
2008
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あゆみ 高齢者医療と介護−最新エビデンス
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医学のあゆみ 227巻3号, 157-158 (2008);
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医学のあゆみ 227巻3号, 159-163 (2008);
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高知県における“香北町健康長寿計画”は,1990年から開始され2006年に香北町が町村合併によってその歴史を閉じるまでの17年間にわたって継続された老年医学的地域介入研究である.本稿では,介護保険導入前の10年間で得られた地域在住高齢者に関する老年医学的研究の概要を紹介する.本計画は大学研究者,保健所,町の行政部門,住民組織が協働して実施したものである.本縦断研究は老年医学的総合機能評価(CGA)をはじめてわが国に導入し,地域在住高齢者に適用した.本研究の趣旨ならびに得られた知見は2000年から全国に導入された介護保険制度の基本骨格をなすものであったが,介護予防という概念が一般化しかつ町村合併によって地域が拡大した現在,介護予防を目的とする地域介入の戦略にはあらたなコンセプトが求められている.
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医学のあゆみ 227巻3号, 165-168 (2008);
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認知症の患者に1週間に1回,1回1〜1.5時間の感動療法を,退職した高校教師が行った.戦争体験,小説,新聞などのあらゆるメディアを用いて話題提供をする.患者からの反応を確かめ,教師から一方的にならないよう,テーマ性を重んじて行う.それまで無反応な患者でもだれかの話につられて真理をつく反応を示したりする.劇場型の感動を覚える工夫を行う.患者は当時を思い出し,自分に重ね,また,他の患者に同調し,涙を流して感動をする.予備調査では認知機能(MMSE)の有意な上昇をみた.
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医学のあゆみ 227巻3号, 169-173 (2008);
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中年期の糖尿病,肥満,インスリン抵抗性はアルツハイマー病の危険因子であり,この時期にはメタボリックシンドロームを起こさない生活習慣が大切である.逆に,75歳以降の高齢者では抗酸化ビタミン,ビタミンB群,必須脂肪酸など複数の栄養素の欠乏,および急激なやせが危険因子になっており,高齢者では栄養状態を良好に保つことが必要である.具体的な食品としては,魚と野菜・果物の摂取がアルツハイマー病を予防する.
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医学のあゆみ 227巻3号, 175-180 (2008);
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認知症の進展予防は可能かという問いにまだ正確には答えられるデータはないが,運動など有用性が期待される報告がある.すなわち,日本における認知症ケアは近年大きく変わりつつある.介護保険によるサービスの拡充にはじまり,グループホームの進展,認知症ケアの人材養成が中心となって発展してきた.すなわち,介護の現場で集団ケアから個別ケアへ,環境の改善と対応(ケア)の向上が認知症ケアを変化させてきた要因であることはいうまでもない.そして現在,それらをさらなる認知症ケアの質の向上のために集約する時期にきており,地域密着型サ
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医学のあゆみ 227巻3号, 181-184 (2008);
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転倒リスクを軽減するための栄養学的介入として,ビタミンDの摂取による筋力増強とバランス能力改善効果がよく知られている.低栄養,食品摂取の多様性と転倒との関連に関する知見も得られつつあるが,その介入効果は今後の課題である.
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医学のあゆみ 227巻3号, 185-189 (2008);
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転倒はさまざまな内的・外的要因によって起こり,高齢者の寝たきりにつながる.転倒リスクの評価は一般に専門的技術が要求されるが,著者らは,日常診療・看護・介護のなかで簡便にスクリーニングできる22項目よりなる“転倒アンケート”を開発した.この“転倒アンケート”は,地域在住高齢者の転倒予測に役立つことから,中高年者を対象とした柔軟体操教室を全国規模で行っている体操三井島システムの会員を対象として,運動習慣の転倒に対する長期効果について検証した.その結果,運動習慣は転倒率の低下,転倒スコアの低下につながり,その効果発現にはある程度の経験年数が必要であること,転倒歴,筋力,転倒のきっかけ,周囲の環境が,将来の転倒を予測するうえで重要であることが明らかとなった.諸報告を踏まえて考えれば,転倒予防のためにはまず対象者の転倒リスクを評価し,それに応じてもっとも効果的と考えられる介入手段を選択することが必要と考えられる.
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医学のあゆみ 227巻3号, 191-194 (2008);
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高齢者の睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者は,青壮年に比べ高齢者では日中の眠気を感じにくく,いびきの程度も音量的に軽くなるため,見逃されやすい.老年期では心疾患や脳血管障害などの基礎疾患の合併によりSASでは無呼吸のタイプが混在し,病態が複雑化する.高齢者の睡眠障害はSAS以外にもレム睡眠行動障害(RBD)などがあり,治療するにあたっても注意が必要である.
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医学のあゆみ 227巻3号, 195-200 (2008);
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一般的な高齢者の誤嚥は,咽喉頭の器質的な病態が原因であるというよりも,脳あるいは消化管に起因する,神経の知覚や伝達の障害といっても過言でない.であるから誤嚥の予防あるいは治療は,神経に対するアプローチが鍵となる.そのアプローチ法はアンジオテンシン酵素阻害剤やドパミン剤などによる投薬だけでは困難で,transient receptor potential刺激,嗅覚刺激などの介護的アプローチが重要である.これらをうまく駆使することにより,嚥下障害高齢者は摂食する喜びを取り戻せる,あるいは維持できることが期待できる.われわれ医療人は誤嚥についてメディカル分野のみ診るのではなく,家人や介護者への教育に重きをおくべきであると考える.
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フォーラム
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医学のあゆみ 227巻3号, 201-203 (2008);
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医学のあゆみ 227巻3号, 205-206 (2008);
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医療関連死問題をかんがえる7
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医学のあゆみ 227巻3号, 207-210 (2008);
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連載
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“大学病院”─課題と展望6
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医学のあゆみ 227巻3号, 217-222 (2008);
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今日のわが国の医学教育は,1生命科学や医療技術の急速な進歩,2高齢化による疾病構造の変化,3患者のニーズの多様化,4少子化に伴う医学生気質の変化,5高度情報化時代の到来などを背景として大きな変革の波のなかにあるといっても過言ではない.さらに,こうした諸要因に,初期臨床研修制度の義務化と大学の法人化が重なり,医学研究の低迷,医学教育の崩壊,基礎医学教育者の払底,大学教員の疲弊化などが引き起こされはじめている.こうしたわが国の医学教育における今日的なさまざまな課題や問題点を十分に承知したうえで,西洋医学教育の原点とヨーロッパでの高等教育の理想像に立ち戻って国民の望む医療人育成のための理想的なグランドデザインと,このグランドデザインを実施に移すために日本の社会が抱えている課題について整理し,まとめた.
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TOPICS
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循環器内科学
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医学のあゆみ 227巻3号, 213-213 (2008);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 227巻3号, 214-215 (2008);
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臨床栄養学
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医学のあゆみ 227巻3号, 216-216 (2008);
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