Volume 229,
Issue 3,
2009
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あゆみ 精神疾患ゲノム研究
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医学のあゆみ 229巻3号, 175-175 (2009);
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医学のあゆみ 229巻3号, 177-181 (2009);
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統合失調症の最大のリスク要因は遺伝的なものである.統合失調症のリスクにかかわる遺伝子変異は,頻度の高い多型とまれな変異がある.多型は個々の影響力は小さいものの多くが関係しており,リスク素因の多寡を形成している.そのほかに個々の影響力が強いまれな変異があり,統合失調症の発症にはこの両者がかかわっていると推測されている.これらは非常に大きいサンプルサイズでの全ゲノム関連解析の時代になり,全貌が明らかになりつつある.解析結果は,統合失調症のハイリスクや未病の診断に役立つ遺伝子診断として利用できる可能性を秘めている.
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医学のあゆみ 229巻3号, 182-186 (2009);
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気分障害の成因を解明するうえで,近年急速に発達を遂げたマイクロアレイをはじめとする網羅的遺伝子発現解析技術を用いて双極性障害,大うつ病性障害罹患者や健常対照者の死後脳組織の遺伝子発現を解析することは有効かつ必須のアプローチと考えられ,これまでに複数の研究グループが解析結果の報告を行ってきている.一方,脳機能や精神活動と密接に関連する各種免疫細胞を含み,脳内細胞と発現調節領域を含めて同一の塩基配列のゲノムDNAを有する末梢血は死後脳組織に比べて採取を行いやすく,同一罹患者の病相,病状の違いによる遺伝子発現変化の評価も可能であることから,罹患者や健常人から採取した末梢血全血や血液中のリンパ球などを対象とする網羅的遺伝子発現解析も試みられてきている.本稿では気分障害成因解明に向けての死後脳組織,末梢血などを対象とする網羅的遺伝子発現解析のこれまでの成果と今後の課題・展望について検討を行う.
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医学のあゆみ 229巻3号, 187-190 (2009);
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気分障害〔うつ病,双極性障害(躁うつ病)〕は,発症に遺伝的要因が関与することが疫学データより判明している.これまでは単独の候補遺伝子を解析するという,“Try to find a needle in a hay stack”のようなアプローチしかなかったが,最近は一度に50万 100万個のゲノム多型を解析できるようになり,報告があいついでいる.しかし,疾患の本質的理解に近づいたかといえばそうではなく,これからの道のりはまだまだ長いと思われる.現在は方法論の革新によって新しい過渡期に入ったといえよう.状況は今後もめまぐるしく変化していくと思われるが,とりあえず現状を簡潔に紹介したい.
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医学のあゆみ 229巻3号, 191-194 (2009);
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パニック障害は,予期できないパニック発作とその反復,それに続く予期不安,広場恐怖の合併などの特徴的症状をもつ疾患である.家系研究や双生児研究から,発症に遺伝要因が関与していることが指摘されてきた.パニック障害の疾患感受性遺伝子探索については連鎖研究や候補遺伝子についての関連研究が多数行われてきたが,現在までのところ十分な結果が得られていない.本稿ではこれまでの連鎖研究や関連研究を概観し,パニック障害の全ゲノム関連研究について紹介する.
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医学のあゆみ 229巻3号, 195-198 (2009);
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複数の遺伝要因と環境要因が関与し発症する多因子病の疾患感受性遺伝子を同定することは,現在の医学研究において重要な課題である.多因子病の疾患感受性遺伝子は相対危険率が比較的低いことから,その同定が容易ではなかった.しかし近年,ゲノムワイド関連解析により多くの多因子病の疾患感受性遺伝子が同定されている.本稿では,著者らが行ったナルコレプシーのゲノムワイド関連解析を紹介する.
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医学のあゆみ 229巻3号, 199-201 (2009);
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大規模サンプルを用いたGWASやCNV解析により,精神疾患において多数の候補遺伝子が同定されている.数多くのSNPやCNVのなかから機能的な意味をもつ多型を選択するには,近傍遺伝子の発現量への影響を網羅的に検討したデータベースを参照するのは有効であろう.これまでに多くの研究報告があるが,ほとんどの研究において培養リンパ芽球や末梢血試料が利用されており,脳組織の状態を反映していない可能性が高い.ヒト脳組織や神経系細胞株を中心とした解析やデータベースの構築が求められる.
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医学のあゆみ 229巻3号, 202-204 (2009);
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ゲノムコピー数変異(CNV)は最近になって存在が広く認識されるようになったゲノム構造変異の一種で,特定のゲノム領域の欠失・重複である.精神疾患では自閉症や統合失調症などでCNVによる発症機構がしだいに明らかされており,そのメカニズムに新生突然変異の関与が示唆されている.これらの疾患には家族集積性が認められ,遺伝解析の対象として研究されてきたが,これまでの解析手法では,遺伝形式の明確なリスク遺伝子変異は例外的にしかみつかっていなかった.ゲノム全域CNV解析による発症メカニズムの解明が,精神疾患遺伝解析のあらたなブレイクスルーとなることが期待されている.
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医学のあゆみ 229巻3号, 205-210 (2009);
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Alzheimer病(AD)の遺伝子研究は,単一遺伝子が原因となる家族性AD研究で大きな成果を上げ,孤発性ADも含めた病態理解や新規治療薬の開発に結びついた.また,リスク遺伝子についてはオッズ比が3 4という強力なApoEが得られている.しかし,ApoE以外に確実なリスク遺伝子は同定されていない.本稿では,AD遺伝子研究の成功とその理由を考察し,さらに現在の状況と課題について述べる.
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フォーラム
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医療関連死問題をかんがえる19
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医学のあゆみ 229巻3号, 211-213 (2009);
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家族みんなのドタバタ留学記 in Melbourn 18
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医学のあゆみ 229巻3号, 214-216 (2009);
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医学部卒業後,母校の衛生学教室に入室し15年目.2006年8月からWomen’s Healthと英語を学習するため家族4人でメルボルンへ.2007年12月に無事帰国した.この留学で出会ったエピソードをもとにエッセイと,ちょっと役立つ(?)情報編に分けてご紹介.
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連載
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医師のための臨床統計学14
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医学のあゆみ 229巻3号, 225-228 (2009);
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同時分布から導かれる,条件付き分布と回帰の概念の関連を説明する.ついで,確率変数の線形結合の平均と分散の式を導き,独立な場合の分散の加法性を説明する.
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TOPICS
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耳鼻咽喉科学
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医学のあゆみ 229巻3号, 219-219 (2009);
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免疫学
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医学のあゆみ 229巻3号, 220-221 (2009);
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加齢医学
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医学のあゆみ 229巻3号, 221-222 (2009);
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生化学・分子生物学
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医学のあゆみ 229巻3号, 223-223 (2009);
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