Volume 229,
Issue 6,
2009
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あゆみ 難治性顔面痛では何を考えるか
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医学のあゆみ 229巻6号, 447-447 (2009);
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医学のあゆみ 229巻6号, 449-452 (2009);
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顔面痛の主体は三叉神経障害を生じる炎症,血管性または腫瘍性病変である.一方で眼科領域から考えると,眼科とくに角膜はもっとも鋭敏な知覚・痛覚を有し,外傷が痛みの起点になる例もみられる.他の領域と異なる点としては,角膜内皮細胞障害による水疱性角膜症,眼内の房水循環の閉塞による急激な眼圧上昇による眼痛などが特徴としてあげられる.本稿では,難治性眼痛・顔面痛を生じる疾患を,1.眼科特有の疾患と,2.眼病変を呈するが眼外に病変の主座を有する疾患とに分けて概述する.
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医学のあゆみ 229巻6号, 453-457 (2009);
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顔面痛で治療に抵抗を示すものが難治性顔面痛であるが,耳鼻咽喉科の一般的疾患には,治らない顔面痛はほとんどない.ここでは難治性顔面痛を広くとらえ,診断がつきにくく慢性化している顔面痛について述べた.耳鼻咽喉科疾患での顔面痛は三叉神経を介した痛みが多いが,単独で主訴となることは少ないので,問診と一般身体所見の診察が重要である.蝶形骨洞炎ではしばしば鼻症状がなく,また単純X線検査では発見されにくいので,診断にはCTあるいはMRIが必要となる.顔面・頸部の感染性疾患でも,急性期を過ぎて深部に膿瘍が残った場合は原因不明の顔面痛とされてしまうことがある.頭頸部悪性腫瘍に伴う顔面痛も気づかれにくく,現在でもかなり進行してから発見されるものがある.腫瘍性疾患において痛みの有無は診断上重要な情報であり,頭頸部腫瘍で顔面痛を伴っているときは悪性腫瘍を念頭におき精査加療を行う.
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医学のあゆみ 229巻6号, 459-462 (2009);
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もっとも頻繁に診療する機会が多い頭痛は緊張型頭痛であるが,この頭痛のなかには頭蓋周囲の筋の緊張を伴うタイプがある.一方,歯科領域でよく目にする疾患に顎関節症があるが,その原因病態としては咀嚼筋の緊張が考えられている.緊張型頭痛と顎関節症は頭蓋周囲の筋緊張がみられる点で共通点が多く,これまでにもその関連性が研究されてきたが,今後さらに共通の病態が明らかにされる必要がある.筋緊張が生じる病因を知り,その診断,治療を行ううえでの参考にする必要がある.頭痛,顎関節症の双方の診療を行うにあたっては,それらの疾患の背景にある病態を理解して治療に臨むことが重要である.
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医学のあゆみ 229巻6号, 463-467 (2009);
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三叉神経痛は古代カッパドキアの文書にも記載されている古くより知られた疾患であり,激しい痛みのためQOLの大きな低下を引き起こす.多くの場合,血管による三叉神経への圧迫が原因であるが,多発性硬化症や脳腫瘍などの器質性疾患の部分症状として現れることもある.治療についてはカルバマゼピンなどの抗てんかん薬による薬物治療が第一選択であるが,不応例では外科的治療が考慮される.神経血管減圧術に加えて侵襲性の低い定位的放射線手術も近年行われるようになってきている.
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医学のあゆみ 229巻6号, 469-472 (2009);
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顔面に疼痛をきたす疾患は多岐にわたり,さまざまな診療科がかかわっている.顔面痛のなかには帯状疱疹後神経痛のように原因治療ができないものや,非定型顔面痛に代表される,原因が特定できないものがある.これらに対しては疼痛のコントロールが治療の中心になるが,ペインクリニック以外の診療科では非ステロイド性消炎鎮痛薬を中心とした限定的な疼痛治療が行われるのみである.適切な疼痛治療が行われることなく疼痛期間が延長すると慢性痛に移行し,心理・行動面や社会関係に問題が生じるため,難治性となる.急性期の疼痛が遷延しコントロール困難な場合は,患者の苦痛を早急に緩和し慢性痛への移行を防ぐ意味で,ペインクリニックでの専門的な疼痛治療が必要となる.本稿では難治性顔面痛に対する疼痛機序からのアプローチを中心に,ペインクリニックの役割について述べる.
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医学のあゆみ 229巻6号, 474-477 (2009);
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国際頭痛分類第2版における顔面痛の分類としては,まず頭痛の分類(大分類)で,「第2部:二次性頭痛」のうち,「11.頭蓋骨,頸,眼,耳,鼻,副鼻腔,歯,口あるいはその他の顔面・頭蓋の構成組織の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛」があてはまる.このうち,眼科,耳鼻咽喉科,歯科領域疾患も顔面痛の原因に含まれ,多岐にわたる.また,頭痛分類での「第3部:頭部一次性頭痛,中枢性,一次性顔面痛およびその他の頭痛」のうち,「13.頭部神経痛および中枢性顔面痛」,「14.その他の頭痛,頭部神経痛,中枢性あるいは原発性顔面痛」では,神経内科領域を中心とした顔面痛が含まれる.本稿では国際頭痛分類第2版の診断基準に基づき,顔面痛について概説する.
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フォーラム
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第73回日本循環器学会総会・学術集会緊急レポート1
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医学のあゆみ 229巻6号, 479-481 (2009);
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近年のカテーテル技術と医用工学の進歩,とくに心臓三次元マッピング法の発展により,これまで治療困難であった心房細動や器質的心疾患に伴った心室不整脈もカテーテルアブレーションにより治療可能となっている.心室不整脈については明らかな器質的心疾患を認めない,いわゆる特発性心室頻拍(VT)に対するカテーテルアブレーションの有効性,安全性はほぼ確立されているが,心筋梗塞(MI)や拡張型心筋症(DCM),催不整脈性右室心筋症(ARVC)などの器質的心疾患に伴うVTや再発性心室細動(VF)に対するカテーテルアブレーションはかならずしも容易ではなく,先進的施設において研究的治療が行われてきた.最新の三次元マッピング法により頻拍の発症機序の推定,起源またはリエントリー回路の同定はたしかに容易となったが,器質的心疾患に合併するVTではしばしば血圧低下などの血行動態の悪化を認め,VT中のマッピングがしばしば困難となるとともに複数波形のVTが誘発されることも多々あり,VTアブレーションの大きな障壁となっていた.これらを克服する目的で,最近では不整脈発生の基質(異常低電位部や瘢痕組織)を洞調律中に同定し,基質中の拡張期異常電位を検出,アブレーションする方法が提唱された.実際に多くのVTが根治または抑制されることが報告されている.一方,VTの起源(リエントリー回路)が心内膜側ではなく心外膜側に存在することもまれではなく,カテーテル手技を用いたアブレーションの限界と考えられていた.最近,心外膜側起源VTに対する心外膜アプローチが提唱され,新しい治療法として注目されている.テクノロジーの発達とともに新しいアプローチ法の開発により,心室不整脈に対するカテーテルアブレーションはまさに新時代を迎えたといえる.
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NEW 宗教と医学
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医学のあゆみ 229巻6号, 482-484 (2009);
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医学のあゆみ 229巻6号, 485-486 (2009);
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家族みんなのドタバタ留学記in Melbourne19
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医学のあゆみ 229巻6号, 487-489 (2009);
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医学部卒業後,母校の衛生学教室に入室し15年目.2006年8月からWomen’s Healthと英語を学習するため家族4人でメルボルンへ.2007年12月に無事帰国した.この留学で出会ったエピソードをもとにエッセイと,ちょっと役立つ(?)情報編に分けてご紹介してきたが,今回でいよいよ最終回.
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書評
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医学のあゆみ 229巻6号, 491-491 (2009);
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TOPICS
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血液内科学
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医学のあゆみ 229巻6号, 495-496 (2009);
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救急・集中治療医学
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医学のあゆみ 229巻6号, 496-497 (2009);
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薬剤学
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医学のあゆみ 229巻6号, 497-498 (2009);
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連載
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NEW がん診療連携拠点病院にみる工夫− レベルアップをめざして
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医学のあゆみ 229巻6号, 499-499 (2009);
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医学のあゆみ 229巻6号, 500-504 (2009);
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