Volume 230,
Issue 3,
2009
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あゆみ 睡眠時無呼吸と循環器疾患
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医学のあゆみ 230巻3号, 183-183 (2009);
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医学のあゆみ 230巻3号, 185-190 (2009);
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睡眠時無呼吸が心血管疾患の重要な危険因子であることは,まだ十分に認識されていない.睡眠時無呼吸には閉塞性と中枢性の2つのタイプがあるが,そのうち閉塞性睡眠時無呼吸が危険因子として重要である.閉塞性睡眠時無呼吸は炎症,酸化ストレス,血管内皮機能障害,インスリン抵抗性など,さまざまな機序を介して高血圧,冠動脈疾患,不整脈などの心血管疾患,さらには終末像である心不全の発症進展に関与する.
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医学のあゆみ 230巻3号, 191-195 (2009);
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さまざまな睡眠呼吸障害のなかで,心血管疾患の病態と予後にかかわりのあるものは,一次予防としての閉塞性睡眠時無呼吸症候群(obstructive sleep apnea syndrome:OSAS)と,二次予防としての心不全に伴うチェーン・ストークス呼吸(Cheyne Stokes respiration:CSR)である.睡眠呼吸障害の確定診断には終夜睡眠ポリグラフ検査(polysomnography:PSG)が必要であるため,本稿ではPSG検査を用いたOSASとCSRの診断基準について解説を行った.
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医学のあゆみ 230巻3号, 196-199 (2009);
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循環器疾患に睡眠時呼吸障害が及ぼす影響は,高血圧,心不全,不整脈,動脈硬化性疾患など多くの方面で徐々に明らかになりつつある.そのつぎの段階として,睡眠時無呼吸の治療を行うことによって循環器疾患の予後が改善するかどうかについても,多くの研究が行われ,詳細に検討されつつある.一方で,睡眠時無呼吸の治療にはおもにCPAPなどの機器を用いるという特殊性があるため,治療の導入・維持がかならずしも容易ではなく,また盲検化もしづらいなどの点で,薬物の治療効果を検討する研究とは異なる側面が存在する.このため,結果にバイアスが入る可能性もあり,これまでに行われた研究を検討し臨床に応用していく際にはこのような点に注意する必要があり,また今後研究を行っていく際にもこうした特殊性をどうクリアーしていくかがポイントとなると考えられる.
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医学のあゆみ 230巻3号, 200-204 (2009);
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閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は高血圧の成因のみならず,動脈硬化や高血圧性臓器障害動脈硬化の進展,さらに心血管イベントの夜間発症のトリガーに至るまで,早期から最終段階に至るあらゆる段階で循環器疾患の病態を増悪させる.OSAの24時間ABPMで測定した自由行動下血圧は,変動性が増大した夜間高血圧が特徴的である.典型的症状がなくても治療抵抗性早朝・夜間高血圧があったり,さらに24時間血圧レベルが正常でも左室肥大を合併する場合はOSAを疑う.OSAを伴う高血圧患者はハイリスクと考え,夜間血圧を含むより厳格なパーフェクト24時間降圧の達成が推奨される.
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医学のあゆみ 230巻3号, 205-209 (2009);
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閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)の換気の減少や消失が低酸素血症,高炭酸ガス血症を生じ,また睡眠からの頻回の覚醒が交感神経活性状態を起こし,一過性の血圧や脈拍の上昇を生じる.これに咽頭虚脱による努力性呼吸が胸腔内陰圧の増悪を引き起こし,心臓への前負荷および後負荷を増大させる.これら低酸素血症(高炭酸ガス血症),交感神経活性,胸腔内陰圧の増悪の因子が血行動態以外にもホルモン,炎症や酸化ストレスなどさまざまな経路で心臓に悪影響を及ぼし,冠動脈疾患への進展またはその予後の増悪につながると考えられる.本稿では虚血性心疾患とOSAとのかかわりについて,いくつかのエビデンスをもとに概説する.
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医学のあゆみ 230巻3号, 210-212 (2009);
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睡眠呼吸障害(SDB)が高血圧,虚血性心疾患,不整脈,心不全など循環器疾患と強い関連をもっていることは多くの報告により確立されている.とくに閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は循環器疾患の発症・進展に作用していることが知られており,OSAの標準的治療法である持続気道陽圧(CPAP)療法により循環器疾患の病態が改善することも多数の医学的根拠により支持されている.しかし,大動脈瘤や大動脈解離などの大動脈疾患との関連については少数の報告に限られている.現在報告されているSDBと大動脈疾患との関連,および今後の展望について述べる.
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医学のあゆみ 230巻3号, 213-216 (2009);
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睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者ではしばしば夜間睡眠中の不整脈がみられる.徐脈性不整脈,心房細動,心室性不整脈の合併が多く,その頻度はSASのない場合に比較して高率である.これらの不整脈は無呼吸に伴う自律神経バランスの変動や低酸素血症に関連して一過性に生じるものであり,臨床心臓電気生理学的検査では異常を認めないことが多い.SASの治療を行うことによって不整脈も改善を認めることが多いが,逆に不整脈に対する治療である抗不整脈薬やペースメーカーのSASに対する改善効果はきわめて限定的である.したがって,SASに合併した不整脈ではまず経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)などのSAS治療を優先し,これにより改善のみられない不整脈に対して不整脈自体の治療を行うことになる.
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医学のあゆみ 230巻3号, 217-221 (2009);
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慢性心不全患者の約半数に睡眠呼吸障害が観察される.これらは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と,中枢性睡眠時無呼吸を伴うチェーン・ストークス呼吸(CSR CSA)に大別され,後者は心不全に特徴的である.睡眠呼吸障害は,繰り返す低酸素血症,交感神経活性の亢進,胸腔内陰圧による心臓への前負荷および後負荷の増大などを介して心不全の病態を悪化させ,心不全患者の予後に影響を与えると考えられる.近年,慢性心不全に併存する睡眠呼吸障害をあらたな治療標的としてとらえて積極的に治療することの重要性を示す報告が集積してきている.なかでも持続気道陽圧療法や夜間酸素療法の有効性が示され,最近では順応性自動換気装置(ASV)に大きな期待が寄せられている.しかし,いずれの治療法も長期予後の改善効果は明らかではなく,治療適応や治療法の選択に関しても議論の余地が多く残されている.適正な治療の確立に向けてさらなるエビデンスづくりが必要である.
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フォーラム
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医学のあゆみ 230巻3号, 223-224 (2009);
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宗教と医学4
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医学のあゆみ 230巻3号, 225-227 (2009);
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TOPICS
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細菌学・ウイルス学
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医学のあゆみ 230巻3号, 231-232 (2009);
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膠原病・リウマチ学
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医学のあゆみ 230巻3号, 232-233 (2009);
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神経精神医学
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医学のあゆみ 230巻3号, 233-235 (2009);
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連載
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がん診療連携拠点病院にみる工夫− レベルアップをめざして8
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医学のあゆみ 230巻3号, 236-241 (2009);
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東京医科大学八王子医療センターでは,がん化学療法の整備の一環として,がん診療連携拠点病院の取得のための取組みをもつようになった.このような経緯より,がん化学療法整備,外来化学療法センターの移転など,がん化学療法がやや先行した傾向となった.しかし,複数の診療科間でのカンファランス,緩和ケアチームの活動,がん病名登録のシステムづくり,そしてがん相談支援センターの立ち上げなど,分野ごとに達成度の差異はあるものの,着実に整備されてきた.今回,当センターでのがん診療連携拠点病院への取組みについて紹介する.