Volume 233,
Issue 13,
2010
-
あゆみ HLAと疾患─最新トピックス
-
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1185-1185 (2010);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1187-1191 (2010);
View Description
Hide Description
次世代シークエンサーを駆使したパーソナルゲノム配列解析技術の高速化によって,個々人の特性に基づくテーラーメイド医療の本格的な実用化が期待されている.その際の最重要ゲノム領域のひとつである HLA 領域は,移植や疾患と密接に関連し HLA ハプロタイプの集団差が観察されることから,日本人集団を対象としたテーラーメイド医療の確立には日本人集団の HLA ハプロタイプのゲノム配列決定法を独自に確立する必要がある.また,将来的に疾患の感受性を規定する多型を検出するためには,より完全な多型情報とハプロタイプ情報が必要である.本稿では,著者らのグループが最近確立した HLA 領域の DNA 断片の回収法,次世代シークエンサーを用いたゲノム配列決定法,およびその解析法などの一連のターゲットリシークエンシング技術と今後の展望について概説した.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1193-1198 (2010);
View Description
Hide Description
われわれのもつ遺伝暗号のわずかな違いが,身長や髪の毛の色・太さなどの外見だけでなく,病気のなりやすさや薬の効果・副作用を決めていることが徐々に明らかとなってきた.このような病気にかかわる遺伝因子を同定することによって,個人の体質に応じた医療(オーダーメイド医療)の実現をめざして著者らは研究を進めている.最近,著者らはゲノム上の数十万個所の一塩基多型を指標としたゲノムワイド関連解析(GWAS)により HLA -DP 遺伝子を慢性 B 型肝炎の疾患感受性遺伝子として同定したので,その研究成果を紹介したい.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1199-1201 (2010);
View Description
Hide Description
ナルコレプシーは代表的な過眠症であり,遺伝要因や環境要因といった複数の因子が複雑に作用しあって発病に至る多因子疾患である.ナルコレプシーは睡眠にかかわる疾患であるが,これまでの研究からその病態には自己免疫がかかわると考えられている.本稿では自己免疫とのかかわりを支持する研究結果である,ナルコレプシーとヒト白血球抗原(HLA)との関連や,近年行われたゲノムワイド関連解析の結果などを紹介したい.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1202-1206 (2010);
View Description
Hide Description
糖尿病は“インスリン作用不足による慢性の高血糖状態を主徴とする代謝疾患群”である.2 型糖尿病がインスリン分泌低下やインスリン抵抗性を引き起こす素因を含む複数の遺伝因子に,生活習慣(過食,運動不足など),肥満,ストレスなどの環境因子と加齢が加わって発症するのに対し,1 型糖尿病は膵β細胞の破壊と消失によりインスリン分泌が欠乏することにより発症する.膵β細胞の破壊の機序には多くの場合,自己免疫が関与していると考えられている.1 型糖尿病の遺伝的背景の研究の進歩により,これまでに 40 以上の 1 型疾患感受性遺伝子座が報告されているが,このなかでもっとも強く疾患感受性に関与していると考えられているのは HLA 領域である.1 型糖尿病は発症過程から 3 つのサブグループに分類されているが,最近それらのサブグループでの HLA と疾患感受性との関連の相違が明らかとなった.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1207-1210 (2010);
View Description
Hide Description
同種造血幹細胞移植では移植片対宿主病(GVHD)や移植片対白血病効果(GVL effect)が生じ,移植成績に影響を及ぼしている.これら移植免疫反応には,ドナーと患者の HLA とその違いが大きく関与している.本稿では日本骨髄バンクにおける非血縁者間骨髄移植症例の解析を中心に,最近の知見について概説する.HLA座の違いに加えて不適合 HLA 型の違いや HLA エピトープの急性 GVHD への効果,HLA ハプロタイプの効果が明らかになり,HLA 解析はあらたな段階に入っている.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1211-1215 (2010);
View Description
Hide Description
腎移植後の拒絶反応や移植腎生着率と human leucocyte antigen(HLA)が密接に関係することはよく知られている.抗 HLA 抗体は腎移植後拒絶反応のうち抗体関連型拒絶反応の主因である.近年,螢光ビーズを用いた flow cytometry による鋭敏な測定法が普及しつつあり,抗 HLA 抗体のドナー特異性まで測定できるようになってきた.抗 HLA 抗体の保有状況に応じた腎移植前の減感作や免疫抑制療法の至適化,腎移植後の抗体関連型拒絶反応の診断や治療効果判定が行われるようになってきている.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1217-1222 (2010);
View Description
Hide Description
同種造血幹細胞移植は本質的にアロ免疫を利用した治療法であるが,現時点では腫瘍細胞に対する免疫反応と正常組織に対する免疫反応を完全にコントロールすることは容易ではなく,不十分な移植片対白血病効果(GVL)による移植後再発や,重篤な移植片対宿主病(GVHD)による治療成績の低下が生じうる.現在広く行われている主要組織適合性抗原(HLA)完全一致の移植においてこれらの免疫反応の標的となるのは,ドナーとレシピエントで共有する HLA のひとつによって提示されるマイナー組織適合性であるが,GVHD や GVL の標的となるこれらの組織適合性抗原の同定は進んでいない.本稿では近年のゲノム科学の進展を背景として,著者らが独自に開発したあらたなマイナー組織適合性抗原の同定法について解説する.
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1223-1227 (2010);
View Description
Hide Description
再生医療で注目される ES・iPS 細胞は目的とする人体組織の分化誘導の準備として,さらに社会的公平性保持のため,細胞バンクを構築することが課題となる.提供される細胞株は他人由来のため,免疫反応をコントロールするため,免疫抑制剤投与とある程度の HLA 一致が不可欠となる.日本人の HLA 頻度に基づいて,適正なドナースケールがどの程度必要か推計を試みた.ES 細胞のランダム収集では,200 種類の細胞株で患者の 80%に HLA2 座一致で提供可能なことが推計できた.さらに iPS 細胞では,異なる HLA ホモ接合ドナー50 株を集めれば 90%の患者に提供可能なことが推計でき,細胞バンクとして現実的な機能をもたらすと期待される.
-
フォーラム
-
-
切手・医学史をちこち 102
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1229-1229 (2010);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1230-1232 (2010);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1233-1234 (2010);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1235-1240 (2010);
View Description
Hide Description
-
連載
-
-
女性医師復帰支援プログラム⑥
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1250-1255 (2010);
View Description
Hide Description
病院での医師不足が顕著になると同時に,女性医師の問題がクローズアップされた.以前は,女性医師の占める割合が全医師数の 10%以下という時代が長く続いていた.そのような時代には,女性医師の存在自体あまり意識されなかった.しかし,医師国家試験合格者数の女性が占める割合は徐々に増加し,ここ 10 年間は 30%を超える状況になってきている.女子医学生の比率がまだ定員の 20%程度の医学部も多いが,40%を超えるところもある.医学生を増やすという政策でもこの傾向は変わらず,並行して増え続けるであろう.一方,女性医師が医師として継続就業できない状況があり医師不足の一因であるのなら,この問題を先送りにしていては手が付けられなくなるということは,だれでも容易に予測がつくことである.女性医師の問題は医師全体の就業等の諸々の問題に波及してきている.
-
TOPICS
-
-
形成外科学
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1245-1246 (2010);
View Description
Hide Description
-
糖尿病・内分泌代謝学
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1246-1248 (2010);
View Description
Hide Description
-
泌尿器科学
-
Source:
医学のあゆみ 233巻13号, 1248-1249 (2010);
View Description
Hide Description