Volume 238,
Issue 2,
2011
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あゆみ 超音波治療の最前線
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医学のあゆみ 238巻2号, 149-149 (2011);
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医学のあゆみ 238巻2号, 151-156 (2011);
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放射線や磁場と並び画像診断に必須の手段として発達してきた超音波であるが,近年の分子生物学やマイクロバブル製剤技術の発展とともに,分子診断や分子標的治療に向けたあらたな視点からその応用が期待されるようになってきた.超音波のおもな生体作用について,アポトーシスやオートファジーなどのプログラム細胞死の誘発も知られるようになってきた.また,遺伝子導入の原因となる細胞膜の小孔形成と修復が明らかとなり,直接超音波が遺伝子発現を変化させることから,これを利用した治療応用が注目されるようになってきた.本稿では超音波の生体作用に関する最近の進歩について概説する.
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医学のあゆみ 238巻2号, 157-162 (2011);
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強力集束超音波(HIFU)を用いた治療では,超音波が集束する焦点での圧力変動が非常に大きいため,キャビテーション現象が起こってマイクロバブルが発生しうる.発生したマイクロバブルは超音波と干渉して治療精度を低下させるため,キャビテーション現象は超音波治療において基本的には避けるべき現象である.しかし一方で,マイクロバブルを適切に制御することで治療効果を増強できるという観点から,マイクロバブルの超音波治療への活用が進められてきている.超音波結石破砕法,軟部組織破壊治療法においてはマイクロバブルによる力学的な増強効果が着目され,音響化学療法では化学的な増強効果が,超音波加熱治療法では熱的な増強効果が着目され,超音波照射方法からマイクロバブル生成のための薬剤に至るまでさまざまな研究開発が行われている.本稿では,超音波結石破砕法と超音波加熱治療法でのマイクロバブル応用について紹介する.
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医学のあゆみ 238巻2号, 163-168 (2011);
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高密度焦点式超音波(HIFU)療法では,集束超音波が治療標的組織に吸収されて生じる熱が,熱伝導により周囲に拡散してしまわない短時間のうちに,超音波焦域内の組織を加熱凝固する.F 値 1 程度の高い集束度と,治療標的組織の深さに反比例する超音波周波数を用いることにより,超音波の集束度を生かした幾何学的選択性の高い低侵襲治療が臨床的に実現されている.しかし,焦点と体表の間の正常組織の過熱を防ぐには,超音波照射により発生した熱を血流や体表面からの冷却により拡散させる必要があり,これに要する時間によって治療全体としてのスループットが制限されている.この点を改善するための研究が進められている.また,HIFU を用いて,血液脳関門(BBB)を一時的に破壊し,脳腫瘍組織に薬剤を送達しようという研究も進められている.
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医学のあゆみ 238巻2号, 169-173 (2011);
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超音波とマイクロバブルを利用した薬物・遺伝子デリバリーは,両者が存在する空間でのみ薬物・遺伝子デリバリーに必要な駆動力が発生する.それゆえ,この技術を応用すれば,優れたドラッグデリバリーシステムの基盤技術となりうる.そこで著者らは,リポソーム型微小気泡(バブルリポソーム)と超音波による薬物・遺伝子デリバリーシステムを構築した.本システムでは超音波照射部位特異的なデリバリーが可能であったことから,将来的には厳密な時間的・空間的制御を可能とする理想的な薬物・遺伝子デリバリーシステムが構築可能になると期待される.
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医学のあゆみ 238巻2号, 174-178 (2011);
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肝細胞癌の治療は手術や化学療法,カテーテル塞栓術,ラジオ波焼灼療法,エタノール注入療法などが行われてきた.近年,当院では強力な超音波を 1 点に集めて癌細胞を死滅させる強力収束超音波(HIFU)療法を肝細胞癌,膵癌に対して行っている.HIFU は体表面に傷を付けないため,麻酔も不要で,体に優しい低侵襲な治療法である.
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医学のあゆみ 238巻2号, 179-183 (2011);
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癌はいまやわが国の国民病となった.乳癌は女性の罹患率第 1 位であるにもかかわらず,死亡率は上昇し続けており,原因のひとつに検診受診率の低さがあげられる.乳癌患者の生命予後を規定するのは早期発見と適切な全身療法であり,外科手術の方法ではない.超音波治療による乳房喪失の回避は,検診受診率の向上と死亡率減少への可能性につながる.
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医学のあゆみ 238巻2号, 185-188 (2011);
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高密度焦点式超音波療法(HIFU)は,前立腺癌の治療法として最初に臨床的に応用された.前立腺は肛門からすぐのところに位置し,呼吸性移動が少なく,HIFU の標的臓器として容易であったことがおもな要因である.著者らが 1999 年 1 月に最初に開始してから 12 年経過し,すでに 18 カ国で 30,000 人以上の前立腺癌患者に施行されている.機器も改良され,現在は第五世代となっている.治療技術や機器の進歩とともに,さらに発展していくものと思われる.
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医学のあゆみ 238巻2号, 189-195 (2011);
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脳梗塞や心筋梗塞の超急性期血栓溶解療法として,超音波を併用する新治療技術が台頭している.本稿ではそのメカニズムの概略を説明し,超音波を併用することによって著しい再開通率の向上,再開通時間短縮の可能性のあることをまず紹介する.この効果は診断用の超音波(MHz 帯)でも有効で,脳梗塞に対する TCD やTCCS などによる臨床成績も発表され,さらにはマイクロバブル(MB)を併用することによる溶解加速をも臨床成績で報告されている.しかし,診断用超音波よりも低い周波数帯による超音波の血栓溶解加速はさらに有効である.そのためには安全性に関する基礎的データの蓄積が求められている.そして,その中周波数帯の超音波を用いれば標的性・臨床的な簡便性が得られ,まさに救急現場における次世代血栓溶解療法として超音波治療のあらたな道が開かれるものと期待されている.本稿ではそのような次世代型の超音波血栓溶解療法の可能性を含む近未来的新超音波治療法について述べる.
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連載
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本当は子どもに“使えない薬” の話―実際と,これをどう打開するか 9
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医学のあゆみ 238巻2号, 201-207 (2011);
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日本で汎用されている医療用医薬品のうち,添付文書に小児に対する用法・用量が明確にされていない,いわゆる“適応外使用”が全体の 60~70%を占めているとされている.この要因はさまざまであるが,この状況を打開するためにも小児医療施設が強固な“治験ネットワーク”を構築し,日本での小児医薬品開発(治験)の受け皿としての機能を発揮していくことが必要である.この取組みを通して小児薬物療法の基盤の形成に寄与し,よりよい薬を早く子どもたちに届けることが,小児医療に従事する者の使命である.
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フォーラム
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遺伝医療と社会 5
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医学のあゆみ 238巻2号, 209-212 (2011);
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TOPICS
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循環器内科学
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医学のあゆみ 238巻2号, 197-198 (2011);
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糖尿病・内分泌代謝学
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医学のあゆみ 238巻2号, 198-199 (2011);
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神経精神医学
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医学のあゆみ 238巻2号, 199-200 (2011);
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