Volume 239,
Issue 4,
2011
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あゆみ 最新の喘息治療薬―使い方のコツ
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医学のあゆみ 239巻4号, 251-251 (2011);
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医学のあゆみ 239巻4号, 253-257 (2011);
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気管支喘息は気道の慢性炎症であり,薬物治療の主体は吸入ステロイド(ICS)を中心とする抗炎症療法である.わが国の最新のガイドラインでは喘息治療におけるICS の重要性が強調され,重症例では抗IgE 抗体の投与が適応となった.ICS/長時間作用型β2刺激薬(LABA)ではブデソニド・ホルモテロール配合剤が発売され,adjustable maintenance dosing(AMD;症状に対応した用量調節型治療)などの新しい治療法が提唱されている.ICS だけでコントロールできない症例では他剤の併用を必要とするが,ガイドラインではその選択は主治医に委ねられている.実際には,LABA の呼吸機能や臨床症状に対する改善効果,ロイコトリエン受容体拮抗薬の鼻炎やウイルス感染に対する効果,テオフィリンの好中球炎症に対する効果などを考慮して選択する.
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医学のあゆみ 239巻4号, 258-262 (2011);
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吸入ステロイド(ICS)は気管支喘息を治癒に導くことはできないが,現時点ではすべての喘息患者に推奨されるべき薬剤である.現在のところICS としては5 種類あり,デバイスとして加圧型定量噴霧式吸入薬(pMDI)とドライパウダー吸入薬(DPI)がある.いずれの薬剤も有効であるが,副作用が生じたり初期量の効果が不十分の場合には効果を阻害する因子を除外した後,同じ薬剤の増量か別の薬剤を選択するかを個別に考慮する必要がある.その際に参考となるであろうデバイスの特性,ステロイド薬としての強度,副作用の出やすさ,末梢気道に到達しやすい粒子径の薬剤などについて概説した.また,とくに喀痰検査を用いた著者らの経験から,ICS 選択の私見を述べた.
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医学のあゆみ 239巻4号, 263-265 (2011);
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喘息治療の根幹は吸入ステロイド(ICS)の使用にあることに異論はない.低から中用量のICS では十分なコントロールが得られない場合に長時間作用性β2刺激薬(LABA)を追加することになる.複数の大規模研究において,ICS にLABA を加えることで,ICS の単独使用に比べて症状,呼吸機能,QOL がより改善し,さらには急性増悪が減少することが示されている.生検による組織学的な検討において,ICS とLABA との併用による気道炎症や気道リモデリングに対する抑制効果も報告されている.一方,LABA の単独使用が喘息の重症化や喘息死につながる可能性を示した複数の臨床研究を根拠として,アメリカ食品医薬品局(FDA)はLABA 使用に関する警告を繰り返し発表している.喘息患者のかなりの部分を占める軽症の患者はICS のみで症状を十分にコントロールできることを認識し,軽症な患者や長期間安定している患者に漫然とICS/LABA 合剤を使用することがないように留意することが肝要である.
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医学のあゆみ 239巻4号, 267-269 (2011);
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喘息の治療の第一選択は吸入ステロイド(ICS)であるが,実地臨床の場ではICS 単独療法でコントロールを得られない場合も多い.そのため長時間作用性β2 刺激薬(LABA)や抗ロイコトリエン薬など他の喘息薬の併用で喘息管理が行われているのが現状である.ICS とほかの併用薬のなかで,ICS/LABA 配合薬はICS 単剤より早期に高い呼吸機能改善効果を示すとともに良好な喘息コントロールを達成することが報告されている.ICS/LABA 配合薬には同時吸入による薬理学的メリット・ICS の薬剤アドヒアランスの向上があり,有用性は高い.しかし,中用量の配合剤を使用していた場合,ICS とLABA をどちらから先に中止・減量するかについてはエビデンスが不十分であるなど課題もある.ICS/LABA 配合薬の特性を理解して使用することで,多くの患者によりよいコントロールをもたらすことができると思われる.
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医学のあゆみ 239巻4号, 271-276 (2011);
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ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)は,喘息管理薬のなかでは抗炎症薬に位置づけられる.一方,喘息における気道収縮の中心的メディエーターはシスティニルロイコトリエンであり,LTRA はこの作用を阻害するため気管支拡張剤ともいえる.LTRA は軽症から重症まですべてのステップの喘息に使用可能であり,吸入ステロイド(ICS)で十分に抑制できない炎症やICS の効果が減弱している病態をカバーしうる薬剤である.リモデリング抑制作用を有することや,経口薬であるため血流を介して末梢気道にまで到達し作用できるといった多彩な特徴を有する.また,経口薬であるため,吸入薬と比較してアドヒアランスが良好であるなどの実臨床における利点も多い.軽症例における単独使用からICS を中心とした治療の併用薬としても使いやすい薬剤である.
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医学のあゆみ 239巻4号, 277-282 (2011);
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気管支喘息がアレルギー性気道炎症であることが明らかになってから,吸入ステロイド薬が治療の中心となった.そのような中,あらたな抗炎症作用をもつことが明らかになったテオフィリンが注目されている.テオフィリンは以下の特徴をもつ.①高濃度においてPDE4 阻害作用により気管支拡張作用を示す.②低濃度ではHDAC 活性化およびPI3K の阻害による抗炎症作用が認められる.③HDAC の活性化により炎症遺伝子の転写が抑制され,抗炎症作用をもたらす.④PI3K の特異的阻害によって細胞内炎症性シグナルが抑制され,炎症は鎮静化される.⑤テオフィリンの2 つの作用を使い分けることで気管支喘息治療の幅が広がる.
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医学のあゆみ 239巻4号, 283-289 (2011);
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重症アレルギー性喘息の治療薬として登場した抗IgE 抗体であるOmalizumab は,全身ステロイド減量効果やQOL の改善効果など,顕著な効果が期待でき,喘息重症度を下げるdisease modifier ともよべる薬剤である.血中の遊離IgE を減少させるだけでなく,粘膜局所のFcεレセプターを減少させ,IgE 産生能も抑制し,さらに,副鼻腔炎,鼻炎,ABPA などの合併症にも有効である.
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医学のあゆみ 239巻4号, 291-295 (2011);
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難治性喘息とは,通常の治療を行っても改善されず,過量のステロイド剤を用いなければ日常生活ができない重症のステロイド依存性喘息である.気管支喘息の難治化する要因は多彩であるが,気道病態より,①持続性気道炎症,②気道のリモデリングと非可逆的気道閉塞,③他の肺疾患との合併などがあげられる.アレルゲンや刺激物質の持続的曝露は持続的気道炎症を引き起こし,ステロイド抵抗性の状態となる.また,気道リモデリングの進行は非可逆的気道閉塞を誘導し,薬剤に反応しにくい病態を形成する.難治病態は多様であり,個々の病態に即した治療が求められる.一般的な難治性喘息の治療としては,PEF などの客観的な指標により呼吸機能をモニターしながら,吸入ステロイド剤を中心に,気管支拡張剤,抗ロイコトリエン剤などを併用して,使用する経口ステロイド剤は最少量にとどめ,患者の疾患に対する知識と治療に対する理解を得ながら長期管理を行う.
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医学のあゆみ 239巻4号, 296-299 (2011);
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現在の喘息治療の主体であるステロイド薬は多様な作用をもち,どのような喘息患者であっても一定の効果を発揮する.しかし,ステロイド薬が効きにくい重症喘息患者に対しては,新しいコンセプトの治療法が求められている.そのひとつが特定の分子に作用する分子標的薬である.抗IL‒5 抗体などこの種の薬剤は特定の集団に有効性が限定され,そのために治療対象の選定が重要である.もうひとつは薬剤ではなく,熱という物理作用によって気道平滑筋選択的に治療効果を発揮する気管支熱形成術である.さまざまな重症化要因が複雑にかかわる重症喘息の治療薬の開発には,正確な病型分類とそれに合わせた治療薬の選択が必須である.
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フォーラム
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医学のあゆみ 239巻4号, 307-309 (2011);
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医学のあゆみ 239巻4号, 310-311 (2011);
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医学のあゆみ 239巻4号, 312-316 (2011);
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TOPICS
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腎臓内科学
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医学のあゆみ 239巻4号, 301-302 (2011);
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薬理学・毒性学
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医学のあゆみ 239巻4号, 302-304 (2011);
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皮膚科学
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医学のあゆみ 239巻4号, 304-305 (2011);
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糖尿病・内分泌代謝学
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医学のあゆみ 239巻4号, 305-306 (2011);
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