Volume 239,
Issue 11,
2011
-
あゆみ 災害医療―東日本大震災の経験に学ぶ
-
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1081-1081 (2011);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1083-1086 (2011);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1087-1092 (2011);
View Description
Hide Description
北上川河口にある石巻市立病院は,地震後の10 m 前後の津波で1 階が完全に水没した.電気・上下水道などのライフラインが断たれ,患者・医療関係者ほか約450 名が外界との連絡を遮断されて孤立した.3 日目にDMAT が飛来してはじめて救出活動が開始され,4 日目夜までに患者・家族の移送が終了し,5 日目に職員が避難した.4 名の職員が津波で死亡・行方不明となったが,患者・家族に生命被害はなかった.病院機能は現在も機能を停止したままで,紆余曲折の末,現地以外での病院建設・再建が決まった.津波の危険性を軽視していたことが被害を大きくした.無用の人的損失を回避するためにも,地震直後に病院に職員が集まるという硬直したマニュアルは見直す必要がある.病院の建設・運営については津波を想定すべきで,重要な診療機器,医療情報サーバーや非常用電源設備などは浸水の及ばない高所におくべきである.衛星電話などの通信手段の確保は最優先事項であるが,情報発信がないのは被害が甚大なことを意味するので,情報を積極的に取りに行く姿勢が望まれる.遠隔地病院との医療情報サーバーの持ち合いは,外来診療再開にあたって非常に有用であった.
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1093-1097 (2011);
View Description
Hide Description
阪神淡路大震災以来強調されてきた“防げていた死亡”(preventable death)の予防に加えて,今後の災害医療の新しい課題として“防げたはずの生活機能低下”(preventable disability)の予防がある.今回の東日本大震災を含め,災害時には生活不活発病による生活機能低下が同時多発するが,それは予防することができるし,たとえ起こっても改善させることができる.そのポイントは,発生のメカニズムの特殊性(一般の疾病とは逆方向)をよく知り,“生活の活発化”(“参加”と“活動”の向上)をはかることである.災害時の生活機能への取組みは現在不十分であるが,これは平常時の取組みの不十分さの反映である.逆に今後,災害時の生活機能への取組みが向上すれば,それはただちに平常時の取組みの向上に直結する.災害医療関係者のこの問題への関心と理解によって,多くの人の生活機能が向上し,“健康で活力ある長寿社会”の建設に貢献することを期待したい.
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1099-1105 (2011);
View Description
Hide Description
東日本大震災において,著者は日赤の救護班・DMAT として被災地へ迅速に出動した.全国日赤病院から出動した救護班数は3 月11 日に55 班,3 月12 日38 班で,12 日までに出動した救護班総数は93 班(うち日赤DMAT は31 チーム)に及んだ.医療救護活動内容は,病院支援,救護所診療,巡回診療,ヘリ搬送,広域医療搬送,こころのケアであった.被災地において医療を開始するためには,医療コーデイネートの能力が求められる.津波災害によって医療が停止した被災地で,傷病者とともに,慢性疾患,要援護者にも早期から対応しなければ重症化は免れない.救護所(開設),巡回診療も急性期における重要な災害医療戦略である.また,地域災害医療計画のなかで,要援護者への対応で考えておくことが大切である.災害医療戦略に対する共通理念,言語をもった人材育成が重要なことである.災害医療戦略を理解し,平時から医師,看護師,薬剤師,事務などのプロフェッショナルを災害時に生かすことができる人材を育成することが重要である.
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1107-1111 (2011);
View Description
Hide Description
2011 年3 月11 日に東日本大震災と,それに引き続く東京電力福島第一原子力発電所の事故が発生した.福島県立医科大学附属病院は地震発生後ただちに,入院・外来患者ならびに職員の安全確保を行うとともに,被災者,とくに重症患者の受け入れ態勢を整備したが,断水と流通物資の不足により,一般外来診療や手術・透析の制限などを余儀なくされた.さらに二次被ばく医療施設として,原発内の被ばく・負傷作業員らの除染・治療,退避地域からの転院患者の受け入れと域外搬送,避難住民の放射性物質汚染スクリーニングも行った.また,避難所における小児科診療や感染制御,超音波診断装置を駆使した深部静脈血栓症や心疾患のスクリーニング,心のケアなども継続して行っている.今後も県民全体の健康管理を含め,地域医療の再構築をなし遂げ,安心して暮らせる福島を取り戻す使命が課せられている.このあらたな使命を達成すべく,医療人としての誇りをもって歩を進めていきたい.
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1113-1118 (2011);
View Description
Hide Description
阪神・淡路大震災を教訓として今日の災害医療体制が整備されてきた.東日本大震災のような超巨大地震へ対応するには,これまでのDMAT を中心とする“preventable death”を防ぐ・減少させる戦略に加え,保健師・訪問看護師を全避難所へ配置するなどの公衆衛生活動を充実させ,そこで得られた情報を災害医療の現場にフィードバックすることが必要である.さらに長期に及ぶ避難所生活,多数の高齢者や乳幼児の医療福祉ニーズに応えるため,多職種連携による“地域包括ケアシステム”を災害後早期に復旧・確立する必要がある.また,仮設診療所で患者を診療するスタイルから避難所などへの訪問診療へと診療スタイルをシフトすべきであり,被災地の病院支援をさらに強化すべきである.
-
【ayumi TOPICS】
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1119-1120 (2011);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1121-1124 (2011);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1125-1126 (2011);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1127-1128 (2011);
View Description
Hide Description
-
くすり
-
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1135-1144 (2011);
View Description
Hide Description
一定用量のグリメピリドを使用しても血糖コントロールが不十分な2 型糖尿病患者を対象に,メトホルミンを24 週間追加投与したときの有効性および安全性を,プラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験により検討した.その結果,メトホルミンの追加投与によりHbA1c(NGSP 値)の有意な低下[群間差の調整平均(95%信頼区間):-0.75%(-0.961~-0.536),p<0.0001]とともに,血清コレステロール値も改善した.おもな副作用は低血糖と便秘を主とする胃腸障害など,グリメピリドおよびメトホルミン投与時に予想される範囲内であり,副作用による試験中止例は3 例のみであった.グリメピリド単剤にて血糖コントロールが不十分な2 型糖尿病患者にメトホルミンを追加投与することによって良好な忍容性を示しつつ,よりよい血糖コントロールを達成しうることが確認された.
-
フォーラム
-
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1145-1147 (2011);
View Description
Hide Description
-
書評
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1149-1149 (2011);
View Description
Hide Description
-
TOPICS
-
-
生化学・分子生物学
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1129-1130 (2011);
View Description
Hide Description
-
遺伝・ゲノム学
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1130-1131 (2011);
View Description
Hide Description
-
神経内科学
-
Source:
医学のあゆみ 239巻11号, 1132-1133 (2011);
View Description
Hide Description