Volume 241,
Issue 8,
2012
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あゆみ 分子標的薬による皮膚障害
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医学のあゆみ 241巻8号, 561-561 (2012);
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医学のあゆみ 241巻8号, 563-566 (2012);
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抗がん薬の投与開始数週間後に手足に潮紅と疼痛が出現することがあり,手足症候群とよばれている.この有害事象は日常生活に支障をきたすことも多く,そのために,たとえ抗がん薬が有効であると思われても治療を断念せざるをえないことも多い.以前は,抗がん薬治療=苦痛を我慢せざるをえない治療,とされていた時代もあったが,最近ではいかに有害事象を回避あるいは低減させるか,といった考えに基づいて抗がん薬による治療計画が立てられており,有害事象対策が進歩してきた.手足症候群への対策にも予防と発症時の早期介入が重要である.①発症初期の強力なステロイド外用,②外的刺激の回避措置,がキーとなる.外的刺激の回避のためには靴の選択についてもアドバイスが必要であり,この際に,褥瘡予防で取り入れられている体圧分散という考えを応用すると治療の幅が広がる.皮膚科医が積極的に手足症候群予防対策に参加することで,よりよい治療法を患者に提供できるのではないか.
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医学のあゆみ 241巻8号, 567-572 (2012);
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EGFR 阻害薬は非小細胞肺癌,結腸・直腸癌などに対して用いられているが,EGFR は正常皮膚においてもつねに発現し,増殖促進,分化抑制などに関与しているため,非常に高率に痤瘡様皮疹,脂漏性皮膚炎,乾皮症,爪囲炎などの多彩な皮膚障害を生じることが知られており,これらは“RASH”とも称される.しかし,Stevens-Johnson 症候群や中毒性表皮壊死症などの重症薬疹の発生はきわめてまれであり,また皮膚障害の程度と生存率に正の相関があり皮膚障害の治療を行いながらできるかぎり,EGFR 阻害薬を継続していくことが望まれている.その治療法のガイドライン化はされていないが,徐々にコンセンサスが得られつつあり,主としてステロイド外用剤とミノサイクリンなどの抗生物質の投与,保湿剤の外用などが行われている.近年,長期投与時のHenoch-Schönlein 紫斑病を思わせる皮疹と黄色ブドウ球菌との関連や,ビタミンK 外用の有効性,アダパレンによる爪囲炎の治療など,あらたな知見も得られつつある.本稿ではEGFR 阻害薬による皮膚障害とその治療についての解説を行う.
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医学のあゆみ 241巻8号, 573-576 (2012);
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テラプレビルは,C 型肝炎の治療薬として2011 年にあらたに承認された経口抗ウイルス薬である.インターフェロン,リバビリンとの3 剤併用療法により初回治療例,前治療後再燃例,前治療無効例のいずれの患者群にも従来よりも高いウイルス陰性化(SVR)率をもたらす画期的薬剤である.しかし開発を通して,さまざまな副作用が生じることが知られており,その代表的なものに皮疹(皮膚障害)がある.本稿では,治験時に得られた皮膚症状の情報と発症時の手順,最新の市販後調査における皮膚障害の実態,皮疹発症時の皮膚科との連携など,実際的な診療に役立つと思われる事項を概説した.
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医学のあゆみ 241巻8号, 577-580 (2012);
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近年,がん薬物治療は分子標的薬の出現により大きな進展がみられるようになってきている.分子標的薬は,がん細胞の増殖や転移・浸潤にかかわる遺伝子や蛋白を特異的に標的とするため,重篤な全身の有害反応発現率は低い.しかし,いままでみられなかった皮膚障害を呈することが特徴的である.これらの新しい皮膚障害の発症機序・治療についての理解は徐々に深まりつつあるが,同時に今後,さらなる多くの分子標的薬が開発されてくることが予想される.本稿では,がん治療における新しい分子標的薬であるmTOR 阻害剤とその皮膚・粘膜障害について概説する.mTOR 阻害剤は長期間免疫抑制剤として使用されてきたラパマイシンの誘導体であり,がん治療の分野では新しい分子標的薬である.まだ皮膚・粘膜障害についての報告は少ないが,臨床試験の結果では皮膚・粘膜障害の頻度は多く,それらは大きく,①口内炎,②EGFR 阻害剤と同様の皮膚障害,③その他の皮疹に大別されると考えられた.さらに,分子標的薬特有ではないが,忘れてはならない重症薬疹の診断・症状についても簡単に解説する.
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医学のあゆみ 241巻8号, 581-587 (2012);
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がん治療における分子標的治療薬の導入に伴い,従来の殺細胞性抗悪性腫瘍剤にはない多様な有害事象を経験するようになった.代表例としてゲフィチニブ,セツキシマブ,ラパチニブなどの上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor:EGFR)阻害剤などによる皮膚障害があるが,これらは対症的に症状を制御し治療を続けられるようにサポートすることが重要であり,薬剤師にはその早期把握と適切なマネジメントのための薬学的支援が求められる.新潟県立がんセンター新潟病院では,皮膚障害に対する薬剤師のかかわりとして薬剤管理指導による情報提供・患者指導のほか,対症療法の提案,処方時の相互作用の確認や適用状況の定期的な把握など,入院・外来化学療法における一環した薬学的介入を実践している.皮膚障害は継続的なマネジメントを要するため,主治医,皮膚科医,看護師との綿密な連携が必要であり,薬剤師がその専門性を生かしかかわることは,ひいては患者のQOL の維持・向上と,安全で適正な治療管理の推進に貢献しうるものと考える.
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医学のあゆみ 241巻8号, 588-592 (2012);
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近年,がん細胞の増殖にかかわるメカニズムが解明され,さまざまな分子標的薬が承認され,がん治療が大きく進展してきた.分子標的薬はがん細胞に特異的に作用するため,これまでの抗がん剤で認められるような骨髄抑制や消化器症状などの副作用は少なく,皮疹や爪囲炎などの皮膚症状と間質性肺炎が主となる.皮膚障害は生命の危機にはならないが,患者のQOL を著しく低下させ,ときに治療の中断や減量といった患者の不利益を招く.副作用に対する有効な予防・治療法は十分に確立されていないため,保湿を中心としたスキンケアと症状出現時の早期対応によって重症化を予防することがポイントとなる.また,スキンケアは毎日継続することが重要であり,患者の日常生活背景を把握しセルフケアの援助を行うことが重要な看護師の役割である.今回,EGFR 阻害薬投与時に行う具体的なセルフケアの援助方法について,当院での取組みを含め述べる.
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医学のあゆみ 241巻8号, 594-599 (2012);
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イレッサ,タルセバなどの分子標的抗がん剤は,強い瘙痒を伴う痤瘡様皮疹,脂漏性皮膚炎などの皮膚障害が高頻度に発現する.適切な対症療法を行うことによって皮膚障害はコントロールすることができ,休薬・減量などの選択をとらざるをえない症例は比較的少数である.しかし,セルフケア不足や理解力などの問題から,適切な対処法が実施できていない患者も少なくない.皮膚症状をうまくコントロールすることが分子標的抗がん剤の治療を継続するためにはきわめて重要で,患者をサポートする仕組みがあれば大きな役割を果たすものと思われる.今回クリティカルパスを作成し,入院から外来への継続,外来での副作用確認体制を整備し,内服長期にわたる皮膚障害の対応も可能となってきた.
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シリーズ対談 1
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“ 教養”としての研究留学
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医学のあゆみ 241巻8号, 605-617 (2012);
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フォーラム
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医学のあゆみ 241巻8号, 618-619 (2012);
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医学のあゆみ 241巻8号, 620-624 (2012);
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TOPICS
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免疫学
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医学のあゆみ 241巻8号, 601-602 (2012);
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腎臓内科学
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医学のあゆみ 241巻8号, 602-603 (2012);
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神経精神医学
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医学のあゆみ 241巻8号, 604-604 (2012);
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