Volume 245,
Issue 4,
2013
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あゆみ エビデンスを超えたCRRT
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医学のあゆみ 245巻4号, 275-275 (2013);
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医学のあゆみ 245巻4号, 277-280 (2013);
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CRRT は日本では持続的血液濾過(CHF)としてはじまり,その後おもに持続的血液濾過透析(CHDF)として救急・集中治療領域で広く普及している.これらCRRT はおもに急性腎傷害(AKI)や慢性腎不全の急性増悪,腎不全患者の周術期管理に用いられるが,重症急性膵炎や急性肝不全,重症敗血症や敗血症性ショックに対しても血中の病因物質(メディエータ)除去目的に行われている.しかし,保険上使用できる滅菌重炭酸補充液量が限られており,欧米の推奨血液浄化量と比較すると約半分程度の浄化量でしか施行されていない.そのため十分な効果を発揮できていない可能性がある.また,クレアチニンの上昇が適応開始基準のひとつとされており,早期開始を妨げている.これらの問題点を解決することが,CRRT の適切な使用と適応拡大,ひいては救命率の改善につながると考えられる.
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医学のあゆみ 245巻4号, 281-284 (2013);
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CRRT とは文字どおり持続的に腎機能を補完する治療であるが,分子量や血中濃度にしたがって非特異的に溶質を除去することにとどまっており,病態に則した治療条件を設定することがCRRT による治療成績の向上に必要と考えられる.近年行われた大規模臨床研究では,AKI に対して施行するCRRT 治療量をある程度以上に増加させても臨床的にメリットがないことが示された.とくに病態が複雑な敗血症性AKI においては,適切なタイミングで必要かつ十分な炎症性メディエータの除去を行うことがいまだ困難であり,病態をリアルタイムに反映するバイオマーカーの有効活用などが今後必要となるであろう.
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医学のあゆみ 245巻4号, 285-291 (2013);
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持続的腎代替療法(CRRT)では使用可能な透析液量が健康保険上,限られているので,拡散や濾過で対象溶質を十分に除去することは難しい.このためCRRT では血液浄化膜による吸着が期待されることも多い.水溶液の検討では,PMMA 膜およびPEPA 膜は低分子量蛋白質に対する強力な吸着能が認められた.実験系では1 時間程度で吸着飽和に達したが,対象溶質(炎症性サイトカインなど)の濃度がpg/mL オーダーときわめて低い臨床では,膜による吸着が長時間維持される可能性もある.しかし,一部の吸着膜ではアルブミンなどの有用蛋白質を吸着除去している可能性もあるので注意を要する.PS 膜では吸着はほとんど起きないが,浄化器のライフタイムを確保するうえではこれはむしろ有利である.このような浄化膜の特性を熟知したうえで,浄化器を選択する必要がある.
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医学のあゆみ 245巻4号, 292-294 (2013);
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CRRT はAKI 症例に対して,水分バランスのコントロール,電解質異常の補正,尿毒素の排出,酸塩基平衡の正常化などを目的として行われるが,その開始時期に明確な基準はなく,また開始時期が予後を改善するという強いエビデンスもない.従来の基準である尿素窒素,クレアチニン,尿量に加えて,最近NGAL,LFABP,IL-18,Cystatin C などが超早期~早期のAKI バイオマーカーとして有用とする報告もあり,これらを活用したより効果的でむだのないCRRT 開始基準の確立をめざしていく必要がある.
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医学のあゆみ 245巻4号, 295-303 (2013);
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急性期病棟において実施されるCRRT では治療上必要な薬剤までもが血液中より除去され,血中濃度が維持できないケースも多く,投与量設計には慎重を要する.しかし,CRRT 実施時の薬物動態に関する文献の多くは限定されたCRRT 実施条件下のデータであり,日常診療における投与量設計に文献情報を画一的に適用することは難しい.そのため,CRRT 実施条件と薬物動態の変化の関連性を体系的に理解し,応用する必要がある.CRRT による薬物クリアランスおよび薬物除去効率は,薬物の蛋白非結合型分率,分布容積とCRRT 実施条件から予測可能である.一方で,CRRT による薬物クリアランスに応じた投与量設計が重要な薬物の特性としては尿中未変化体排泄率が大きく,腎外クリアランスが小さいことがあげられ,抗菌薬にそうした薬物が多い.本稿では著者らの研究成果に基づき,CRRT による薬物除去の原理や,CRRT 実施条件に応じた抗菌薬の投与量設計の実際と実臨床への応用症例を解説する.
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医学のあゆみ 245巻4号, 305-309 (2013);
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CRRT 施行中の急性腎傷害(AKI)症例の多くは敗血症や多臓器不全を合併しており,救命のためには栄養管理を含めた集学的治療が必要となる.CRRT 施行重症患者に対する栄養管理におけるエビデンスはほとんどなく,一般的にはAKI や敗血症に準じた栄養管理が推奨される.AKI 患者では早期からの栄養管理が腎機能や予後の改善につながる.CRRT の利点として,除水による輸液スペースの確保により十分量の薬剤,栄養,血液製剤の投与が可能になる.一方欠点として,薬剤やビタミンなどの栄養素が一部除去されてしまうため,投与量を調整する必要が生じる.CRRT 施行中の栄養管理では,①害のないこと(underfeeding を許容),②早期から栄養管理を考慮し,カロリー摂取,蛋白摂取を正しく行う,③少量でも可能なかぎり経腸栄養を行う,の3点が重要となる.
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連載
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Brain-Machine Interface(BMI)の現状と展望
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医学のあゆみ 245巻4号, 316-317 (2013);
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医学のあゆみ 245巻4号, 318-325 (2013);
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Brain-machine interface(BMI)とは脳と機械の間で信号をやり取りする技術であり,失われた神経機能の代行や補完のほか,神経機能の回復促進にも役立つと考えられる.とくにこの10 年あまりの間の進歩は著しく,一部はすでに実用化されており,ニューロサイエンスが新時代のニューロテクノロジーを創出しつつある.そのためには,神経科学,情報科学ならびに多くの工学領域の融合が必須であり,典型的な学際的技術である.この技術は将来的には身体障害者の機能代行や補完のみならず,神経機能を適切に調整することに役立つ新しい治療モダリティーとなることも期待される.さらにはより安全でより容易に暮らせる社会の実現にも応用が考えられる,裾野の広い未来技術に発展する可能性も考えられる.
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フォーラム
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医学のあゆみ 245巻4号, 327-328 (2013);
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医学のあゆみ 245巻4号, 329-330 (2013);
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医学のあゆみ 245巻4号, 331-336 (2013);
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TOPICS
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癌・腫瘍学
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医学のあゆみ 245巻4号, 311-312 (2013);
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腎臓内科学
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医学のあゆみ 245巻4号, 313-314 (2013);
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脳神経外科学
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医学のあゆみ 245巻4号, 314-315 (2013);
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