Volume 246,
Issue 2,
2013
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あゆみ 最近の出生前診断をめぐって
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医学のあゆみ 246巻2号, 143-143 (2013);
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医学のあゆみ 246巻2号, 145-149 (2013);
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出生前診断にはさまざまな方法がある.また診療技術の進歩,分子遺伝学的技術の発展に伴い,より早期に,より多様な疾患を診断できるよう進化しつづけている.正確な診断は胎児のケアに有用である場合もあるが,一方で,場合によっては当事者が妊娠継続を断念するなど苦渋の決断を迫られる可能性もあり,倫理的問題を含んでいる.検査前に遺伝カウンセリングを行い,それぞれの目的,方法,わかること・わからないこと,解釈方法,リスク,位置づけなどを十分理解したうえで当事者の自律的な自己決定で行われるべきである.あらたな診断法として“母体血胎児染色体検査”を日本で導入するにあたり,さまざまな立場で出生前診断について多数の意見が出され,議論されるようになった.しかし,日本の社会では出生前診断に関するコンセンサスはいまだ得られておらず,今後さらに議論を重ねていく必要がある.
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医学のあゆみ 246巻2号, 150-157 (2013);
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妊娠初期から中期にかけての胎児染色体異常を調べる手法として,現在2 つの方法が注目されている.ひとつは母体血中の胎児DNA を検出する,いわゆる新型出生前診断で,もうひとつは母体血清マーカー検査と胎児後頸部浮腫(NT)などの超音波検査を組み合わせた複合スクリーニング検査である.新型出生前診断は妊娠初期に母体から採血を行い,母体血中に胎児DNA を検出することで高精度(感度・特異度・陽性的中率)に特定の染色体数的異常を検出することができる.陽性となった場合は年齢にもよるが,高齢妊娠であれば,85%程度以上の陽性的中率を示しており,侵襲的検査法による確定診断が必要ではあるが,かなりの高い精度といえる.また,結果が陰性となった場合の陰性的中率はどの年齢でも99.9%以上と非常に高く,侵襲的検査を避けるという判断ができる.複合スクリーニング検査はそれよりは精度は劣るものの,費用的には安価である.いずれも日本ではまだ黎明期ともいう状態であるが,今後は幅広く取り入れられてくると思われる.
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医学のあゆみ 246巻2号, 158-164 (2013);
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わが国では超音波検査が広く産婦人科医に流通したが,その最大の利点は経験の浅深にかかわらず,プローブを母体に当てるだけで容易に胎児を観察できることにある.胎児には一定頻度で形態異常が存在するため,超音波検査を行えばいやおうなく胎児形態異常がみつかる.超音波検査を導入したことはすなわち出生前診断をはじめることでもあった.ところが,超音波機器の機能が向上するにしたがって胎児が正常であるか否か判断に迷うような所見がみつかってきた.たとえば,nuchal translucency(NT)のようなものである.このような医療者でさえ意味を把握しがたい超音波所見について,母親や父親にどのように伝えればいいのか.難しい問題である.カウンセリング体制が求められているが,当面は医療者と受容者とが一対一で対面して真摯な会話からはじめるほかなかろう.
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医学のあゆみ 246巻2号, 165-169 (2013);
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着床前遺伝子診断(PGD)は,出生前診断によって生じる人工妊娠中絶を回避するために開発された.体外受精による初期胚からその一部を生検し,遺伝子・染色体の診断を行うものである.生検は4~8 細胞期胚の一部または極体,胚盤胞からの栄養外胚葉からも行われる.遺伝子診断はnested PCR 法による遺伝子増幅を基本技術とし,遺伝子型に応じた診断を選択する.染色体診断はFISH 法から全ゲノム増幅およびaCGH 法を用いた解析へ移行しつつある.PGDは臨床研究として行われ,適応は事例ごとの倫理審査によって決定される.
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医学のあゆみ 246巻2号, 170-175 (2013);
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出生前診断の遺伝カウンセリングとは,妊娠を考える際の遺伝的リスクや妊娠中の胎児の先天異常の診断・検査に関しての医学的情報提供と心理社会的側面への対応を行うもので,周産期遺伝カウンセリングの一環として行われる.出生前診断の遺伝カウンセリングでは,患者が妊娠や胎児の遺伝的リスクを十分に理解して支持的な環境で,現在の妊娠や将来の妊娠についての納得した意思決定へのプロセスを支援するのが目的になる.臨床遺伝専門医,認定遺伝カウンセラー,および看護職とのチームでの対応が必要である.
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医学のあゆみ 246巻2号, 176-180 (2013);
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“新型出生前検査”の導入をめぐって,出生前診断とその結果として選択される中絶についての議論が活発になされている.しかし,なぜ出生前検査を受けるのか受けないのか,なぜ検査の結果,中絶を選ぶのか出産するのかについての資料は少ない.本稿では,出生前検査を受けるか受けないかの選択と,検査の結果を受けて産むか中絶するかの選択について,その背景にある社会的・文化的要因を含めて検討する.そこで,日本では出生前検査とその診断を受けての中絶に関する資料が不十分であることから,出生前診断が抱える問題について深く検討ができず,また対応もできていないことを指摘し,出生前検査の際に提供される医学的な情報だけではなく,検査についての女性の選択とその理由,障碍がある子どもを育てる際に有用な情報,障碍があって生活していくのに有用な情報を入手したうえで選択できるようにすることの必要性を述べる.
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【ayumi TOPICS】
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医学のあゆみ 246巻2号, 181-183 (2013);
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医学のあゆみ 246巻2号, 184-186 (2013);
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連載
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Brain—Machine Interface(BMI)の現状と展望 8
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医学のあゆみ 246巻2号, 192-197 (2013);
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脳深部刺激療法(DBS)は脳内神経回路の一部を脳内植込み電極と体内埋設型刺激デバイスを用いて刺激し,ヒトの脳機能異常を直接に制御するものである.不随意運動や難治性疼痛など,いろいろな脳機能異常の治療に用いられている.著者らはある一定の動作・姿勢に関連して誘発される不随意運動(振戦や書痙など)を対象として動作・姿勢を反映する生体シグナルを検出し,それに応じてDBS のON/OFF をすることができる小型で携帯可能なオンデマンド型DBS 装置を開発した.このオンデマンド型DBS 装置は生体シグナルとDBS との間にクローズド・ループを形成する.これは人工神経回路とのハイブリッド化とみなすこともできる.したがって,本来の脳内神経回路に再学習を促すと考えられるので,慎重な検討を重ねながら開発を進めなければならない.
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フォーラム
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医学のあゆみ 246巻2号, 199-200 (2013);
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パリから見えるこの世界 18
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医学のあゆみ 246巻2号, 201-205 (2013);
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がん患者の就労支援 7
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医学のあゆみ 246巻2号, 207-209 (2013);
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TOPICS
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生化学・分子生物学
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医学のあゆみ 246巻2号, 187-188 (2013);
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感染症内科学
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医学のあゆみ 246巻2号, 188-189 (2013);
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呼吸器内科学
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医学のあゆみ 246巻2号, 189-190 (2013);
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