Volume 246,
Issue 4,
2013
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あゆみ 精神疾患の早期支援と保健・予防
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医学のあゆみ 246巻4号, 281-281 (2013);
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医学のあゆみ 246巻4号, 283-287 (2013);
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近年,学生・生徒の自殺者数が増加するなど,若年層のメンタルヘルス向上が重要課題となっている.中高生は“母親離れ”“自己同一性の確立”という課題をかかえ,この課題はうまく進むばかりでなく,取り組む過程で不登校などの問題や精神障害が生じることもある.大学生になると生活の自由度が上がる反面,あらたな環境への適応や課題への対応が求められ,精神疾患のために修学に支障をきたす学生も少なくない.思春期から青年期は精神疾患にはじめて罹患する時期であり,早期発見,早期治療をめざす観点からもたいへん重要な時期といえる.予防としてメンタルヘルス教育,健康診断などが行われているが,医療を要する学生・生徒もいる.医療としてかかわる場合には学校生活とのかかわりのなかで症状をとらえ,学校を含む関係者と連携して本人を支援する姿勢が重要である.
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医学のあゆみ 246巻4号, 288-294 (2013);
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うつ病の有病率は高く,common disease と考えられる.とくに,思春期にはうつ病発症のリスクを抱えやすく,産褥期および老年期はうつ病の発症頻度が高い時期と考えられる.そこで本稿では上記3 つの時期におけるうつ病予防プログラムのうち,2000 年以降に報告されているものを概観した.海外では思春期のうつ病予防プログラムが多く行われ,ついで産褥期,老年期の順に実施されている.各時期に共通してもっとも多く実施されているプログラムは,認知行動療法(CBT)に基づくものである.一方,わが国ではCBT を基盤とする思春期のうつ病予防プログラムの効果を明らかにする研究が行われてはいるが,十分であるとはいえない.早期支援のためのプログラムの今後の発展が望まれる.
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医学のあゆみ 246巻4号, 295-299 (2013);
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統合失調症は罹患率が高く,慢性に経過し,思考プロセスや感情表現への歪みを特徴とする精神疾患である.人生の早期に発症し,症状のために日常生活や社会生活で困難を経験することが多く,症状の緩和のために一生涯にわたる治療が必要になることがある.回復のためには高血圧や糖尿病などの生活習慣病と同じように,早期発見や早期治療,薬物療法と本人・家族の協力の組合せ,再発予防のための治療の継続が大切であるが,大規模な精神科病院を中心とする精神保健サービスではその対応が不十分であり,病院とコミュニティでのケアを組み合わせた“バランスのとれたケア”が提唱され,先進諸外国で実践されている.日本においても“病院中心から地域生活中心へ”の施策転換が示され,大学病院や民間クリニック,厚労省のモデル事業とさまざまなレベルで取組みがなされてきている.
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医学のあゆみ 246巻4号, 300-304 (2013);
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2012 年6 月18 日に厚生労働省の報告書「今後の認知症施策の方向性について」が発表され,その後のオレンジプランの策定を経て,日本の認知症施策も認知症の人の地域生活支援,自己決定支援の方向に大きく舵をきることになった.この動きは2006 年に発効した国連の障害者権利条約に示された国際的な障害者施策の流れに沿ったものである.この報告書で示された初期集中支援チームの考え方をもとに,認知症の早期支援の考え方を紹介した.認知症の人に対して最適なタイミングで診断を提供し,本人が必要と思ったときに支援を求めやすい環境を整えること,そして認知症の人への社会的支援を充実させることが,認知症の人が暮らしやすい社会をつくりだすことにつながっていく.そして,それは五体満足な“普通の人”が暮らしやすい社会をつくり出すことにもつながっているのである.
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医学のあゆみ 246巻4号, 305-309 (2013);
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“京都式認知症ケアを考えるつどい”とは,デルファイ法を用いて“京都の認知症医療とケアの現在”をデッサンし,“認知症を生きる人たちからみた地域包括ケア”に言葉を与えることを目的とした京都というローカルなエリアで展開された物語である.2012 年2 月12 日に1,003 人の拍手で採択された「2012 京都文書」は“入口問題”を抽出し,京都の認知症医療・ケアの方向性を明示するものとなった.折しも京都府は2013 年6 月に「京都式オレンジプラン」(認知症施策5 カ年計画)を策定することを決めた.それを受けて,2013 年2 月17 日に“第2 回つどい”を開催し,京都の認知症ケアを変えるロードマップを提示した.それが認知症の“私”を主語にして書かれた「かなえられた私の思い:五年後の十二の成果指標」である.オレンジプラン最終年の成果指標を達成するために,2015 年に中間年評価を行い,2018 年に認知症本人がその成果を評価することが決定している.
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医学のあゆみ 246巻4号, 310-313 (2013);
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近年,統合失調症をはじめとする精神病に対する早期介入の重要性が注目されており,精神病の発症危険群である“アットリスク精神状態(ARMS)”の臨床概念が広く受け入れられつつある.これに伴いARMS を対象とした神経生物学的研究も増加しており,後に精神病を発症するARMS 群では,発症に先立ち脳の形態や機能にある程度の変化を認め,これらの一部は将来の発症予測因子であることが示唆された.また,精神病の顕在発症から初回エピソード中にさらに活発な進行性の変化が生じるようであり,その進行を予防または軽減することで長期予後の改善が期待できるかもしれない.将来的には精神病早期介入における神経生物学的所見の臨床応用なども期待され,その実現に向けた課題や当教室における取組みについても紹介する.
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医学のあゆみ 246巻4号, 314-318 (2013);
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精神疾患のDALYs(障害調整生命年)は感染症を除く疾患のなかで最大の割合を占めるにもかかわらず,精神疾患を抱える人のほとんどが治療や支援を受けていない.先進諸国では病院中心からコミュニティ中心へ,精神保健医療サービスの改革がはかられてきた.“マス目モデル”は精神保健医療サービス改革の重要なツールである.空間軸(国/地域/個人)と時間軸(準備/実行/評価)の3×3 のマス目を使うと,精神保健医療サービスモデルの課題が把握でき,改革の方向もみえてくる.本稿では,①マス目モデルを紹介し,②マス目モデルに基づいて日本の近年の精神保健医療サービス改革の動きをまとめた.そして,③マス目モデルに基づいた実践として国レベルから地域レベルに改革を波及させていく動きを紹介した.
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連載
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Brain–Machine Interface(BMI)の現状と展望 10
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医学のあゆみ 246巻4号, 324-330 (2013);
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重度の視覚障障害者の視覚を人工的に再建することを目的に,人工視覚システムの研究開発が進められている.人工視覚システムは,視覚伝導路の一部に電気刺激を与えて疑似的な光覚を生み出すことで視覚を再建する医療機器である.これはBrain-Machine Interface(BMI)技術を視覚に応用したもので,未来の失明治療法として期待されている.アメリカ,ドイツ,日本などで臨床試験が進められている.
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注目の領域
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医学のあゆみ 246巻4号, 331-335 (2013);
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再生医療分野は,製品実用化への高い期待を背景に,近年,研究開発の国際競争がますます激化してきている.また,薬事行政においては,再生医療製品の特性に応じた規制の整備を図ることが求められてきている.このような状況を背景に,政府は再生医療製品の迅速な開発・実用化に向けたさまざまな取組みを打ち出してきており,平成24 年12 月,厚生労働省は薬事承認申請において利用される原薬等登録原簿(マスターファイル)に,再生医療製品の製造に使用される細胞や培地等の情報を登録可能としたところである.本稿では,再生医療製品における原薬等登録原簿(マスターファイル)制度について解説する.
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フォーラム
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医学のあゆみ 246巻4号, 337-341 (2013);
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医学のあゆみ 246巻4号, 342-343 (2013);
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医学のあゆみ 246巻4号, 344-345 (2013);
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医学のあゆみ 246巻4号, 346-349 (2013);
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TOPICS
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消化器内科学
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医学のあゆみ 246巻4号, 319-320 (2013);
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免疫学
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医学のあゆみ 246巻4号, 320-322 (2013);
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循環器内科学
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医学のあゆみ 246巻4号, 322-323 (2013);
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