Volume 246,
Issue 12,
2013
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あゆみ 骨代謝マーカーUpdate―研究と臨床
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医学のあゆみ 246巻12号, 1003-1003 (2013);
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医学のあゆみ 246巻12号, 1005-1010 (2013);
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骨強度は骨密度と骨質の総和であるとの概念が提唱されている.骨質評価法のひとつとして,骨代謝マーカーがクローズアップされている.さらに,骨代謝マーカーが生命予後とも関連があることが示され,その重要性が高まっている.わが国においては骨代謝マーカーの臨床応用の指標として,かねてよりガイドラインが整備されてきた.そして昨年度,「骨粗鬆症診療における骨代謝マーカーの適正使用ガイドライン(2012 年版)」が作成されるに至った.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1011-1016 (2013);
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骨代謝マーカーには,①骨形成マーカー,②骨吸収マーカー,③骨マトリックス関連マーカーがある.骨吸収マーカーは,治療開始時と開始後6 カ月以内に1 回限り,治療効果評価のための測定が保険適用で認められている.最近では測定法技術の進歩はめざましく,全自動免疫測定法装置による測定が日常臨床検査でも汎用化されつつある.骨代謝マーカーは同じ時刻に検体を採取するなど,前回と同じ条件で取り扱うことが望ましい.薬剤選択については,骨密度および既存骨折の有無とともに骨代謝マーカーの測定値と,患者背景,症状・合併症の有無,薬剤の禁忌,過去の治療歴などを総合して判断し選択すべきである.薬剤投与によっては,骨代謝マーカーの有意変化が得られにくい治療薬があることも留意すべきである.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1017-1025 (2013);
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骨粗鬆症に対する薬物選択の指針あるいは薬物治療のモニタリングとして,骨代謝マーカーが用いられている.骨吸収マーカーの測定値は薬物選択のひとつの根拠となり,基準値の上限以上の患者では骨吸収抑制薬がよい適応となる.重症骨粗鬆症の患者ではテリパラチド(骨形成促進薬)が使用される.原則として骨吸収抑制薬を選択した場合には骨吸収マーカーを,骨形成促進薬を選択した場合には骨形成マーカーを測定することが勧められている.治療開始時からの変化(6 カ月以内)を評価するが,最小有意変化(MSC)を超える変化であるかどうかが治療薬の効果判定のひとつの基準となる.テリパラチド治療による骨量増加は,骨形成と骨吸収の増加の乖離(anabolic window)で説明される.テリパラチド(連日製剤)と骨吸収抑制薬との併用により,テリパラチド投与後のanabolic window あるいは骨吸収抑制薬投与後短期(1 年以内)のtherapeutic window(骨吸収マーカーと骨形成マーカーの減少の乖離)を拡大させる工夫がなされている.骨粗鬆症診療において骨代謝マーカー測定は,薬物治療のモニタリングのみならず,治療薬の効果を予測するうえで有用である.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1027-1031 (2013);
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慢性腎臓病(CKD)は頻度の高い疾患であるため,骨粗鬆症の患者においてもCKD を併発している頻度が高いと考えられる.とくに高齢では骨粗鬆症やCKD の頻度が高いため,両者が合併している症例もさらに多いと思われる.骨粗鬆症患者においては骨質の評価,骨折のリスクの評価,治療効果の判定などに骨代謝マーカーが使用されている.しかし,骨代謝マーカーには腎機能の影響を受けるマーカーと,影響を受けにくいマーカーが存在する.腎機能の影響を受けにくいマーカーではCKD を併発していても併発していない場合と同様に使用できる.一方,腎機能の影響を受けるマーカーでは,CKD を併発している場合にはその測定値の評価には注意が必要となってくる.なお,腎機能の影響を受けにくい骨代謝マーカーとしては骨型アルカリホスファターゼ(BAP),Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド(P1NP),骨型特異的酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ(TRACP-5b)などがある.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1033-1036 (2013);
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生活習慣病のうち,骨折リスク上昇が多くの研究で明らかとなっているもののひとつが2 型糖尿病である.2 型糖尿病では骨密度の低下がない場合でも骨折リスクが上昇しており,骨量よりも骨質劣化が骨折リスクに関与していると考えられる.高血糖,酸化ストレスによる終末糖化産物(AGEs)生成が骨芽細胞機能を抑制して骨形成低下・低骨代謝回転を惹起し,AGEs の一種であるpentosidine 架橋の除去が遅延し蓄積することが骨質劣化機序のひとつとして想定されている.実際,AGEs に関連したpentosidine,esRAGE,骨芽細胞機能や骨代謝回転を反映するIGF-Ⅰ,osteocalcin/bone alkaline phosphatase 比,parathyroid hormone などが,2 型糖尿病において形態的椎体骨折に有意に関連する骨代謝マーカーとして報告されている.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1037-1041 (2013);
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本稿では骨代謝マーカー自体の解説と,骨代謝マーカーを悪性腫瘍の骨転移診断・治療効果判定など臨床の場に使う場合の現況について説明する.骨代謝マーカーには骨吸収マーカーと骨形成マーカーがあるが,それらのさまざまな特徴を,産生機序を中心に解説する.つぎに,骨転移の臨床的特徴(骨転移の型;骨溶解,骨造成の割合などで分類される)を考慮した,臨床のさまざまな場面(骨転移の診断,骨転移の治療の効果判定など)での骨代謝マーカー測定が骨転移の臨床にいかに役立つか,その限界にも言及しつつ説明する.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1043-1048 (2013);
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これまでの研究から,①骨吸収マーカーが高いとその後に骨密度減少のリスクが高い,②骨吸収マーカーは骨密度と負の相関がある,③骨吸収マーカー高値は骨折リスクが高い,といったことがわかっており,さらに骨代謝マーカーは④薬物選択の指標にできる,⑤薬物治療の効果判定に使用できる,⑥コンプライアンスの向上に活用できる,など日常診療において必須の検査項目となった.骨代謝マーカーの実際の使用にあたっては,2012 年に改訂された適正使用ガイドラインを参照することが望ましい.骨吸収マーカーが高値の場合の薬物選択は,ビスホスホネート,選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM),エストロゲン,活性型ビタミンD3など骨吸収抑制作用を有する薬物が推奨される.さらに,治療開始から一定期間後の変化を評価することにより,薬物治療効果の評価を行うことができる.ただし,有効利用するには注意すべき点や限界を理解することも必要である.
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医学のあゆみ 246巻12号, 1049-1053 (2013);
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25-ヒドロキシビタミンD(25OHD)や線維芽細胞増殖因子23(FGF-23)は,ともに骨,カルシウム(Ca),リン(P)代謝の分野で研究がはじまった.慢性腎臓病(CKD)患者のみならず,地域住民の研究において,心血管イベントや全死亡の予測因子となることが報告されている.また,FGF-23 は腎予後との関連も指摘されている.
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連載
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Brain-Machine Interface(BMI)の現状と展望 14
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医学のあゆみ 246巻12号, 1059-1065 (2013);
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著者らは脳波を用いた非侵襲型BMI 研究を行い,特定の視覚刺激を注視した際に生じる脳由来信号を利用し,家電の操作やコミュニケーションを可能とする環境制御システムを開発している.このシステムに用いる視覚刺激の強調表示の手法として,これまでの輝度変化に加えて色変化(緑/青)を用いることで,使用感および正答率を有意に向上させることに成功した.さらに,着脱容易で長時間使用可能な脳波電極などを含め内製のシステムを開発し,これらを用いた臨床研究もすすめている.こうしたBMI 技術をさらに研究開発していくことで,脳からの信号で操作できるインテリジェントハウスへと繋げることも可能であり,麻痺を伴う患者・障害者の活動領域拡張へと貢献していくことが期待できる.
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フォーラム
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近代医学を築いた人々 21
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医学のあゆみ 246巻12号, 1067-1067 (2013);
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医学のあゆみ 246巻12号, 1069-1070 (2013);
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サバイバーの時代 “地域におけるがん患者仲間同士の支えあい” 3
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医学のあゆみ 246巻12号, 1071-1072 (2013);
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TOPICS
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免疫学
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医学のあゆみ 246巻12号, 1055-1056 (2013);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 246巻12号, 1056-1057 (2013);
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膠原病・リウマチ学
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医学のあゆみ 246巻12号, 1057-1058 (2013);
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