Volume 247,
Issue 11,
2013
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あゆみ 病院NST活動の実際―現状と課題
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医学のあゆみ 247巻11号, 1123-1123 (2013);
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医学のあゆみ 247巻11号, 1125-1128 (2013);
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栄養サポートチーム(NST)は2000 年代前半に急速に活発化し,2010 年の診療報酬改定においてNST による栄養管理に対して診療報酬が加算されるようになった.2010 年4 月より保険診療に栄養サポートチーム加算が新設された.このメンバーとしては所定の研修を修了した常勤の専任の医師,看護師,栄養士,薬剤師で,そのうちひとりは専従であることとされている.メンバーの資格として医師は10 時間以上の研修,医師以外の3 職種は認定された教育施設における40 時間以上研修が必要とされる.臨床栄養関連の各学会は研修の機会を提供しており,種々の認定を行っている.ここではNST 加算に必要な資格,また各学会の取組み,研修の方法などについて紹介する.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1129-1135 (2013);
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2010 年の診療報酬改定で新設された“栄養サポートチーム(NST)加算:200 点/症例(週1 回)”は,当初急性期病床が対象となっていたが,2012 年の改定ではその適応が拡大され,慢性期病床であっても算定が可能となった.また,“栄養管理実施加算”が入院基本料に包含され,実質上基本的な栄養評価と管理がルーチン化された.医療の基盤を担う栄養管理が,このように診療報酬の加算として評価を受けたことはまさしく世界に先がけてのことであり,急激に進む少子高齢化や癌患者の増加を背景とするわが国の社会情勢から,栄養管理や栄養療法の効果を駆使し,子供から高齢者まで,すべての国民がどこででも,またいつまでもいきいきと生活できる社会体制の構築をめざそうとする明らかな意図があるように思う.そしてその次への対応として在宅診療を含めた地域連携へとその守備範囲を広げられるようにわれわれは努力していかねばならない.また,NST スタッフの職種に関しても実際の現場では医師,看護師,薬剤師,管理栄養士だけでなく歯科医師をはじめ臨床検査技師,運動療法士あるいはそのほか多くの職種がかかわっている.したがって,診療報酬の基準に縛られることなく,NST スタッフはつねに自己研鑽を積み,謙虚な態度でその活動を粛々と実践していくことが肝要であり,それが“NST 加算”および“栄養管理実施加算”の継続や活動の拡大につながるものと考えられる.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1137-1142 (2013);
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高齢社会となり入院患者の半数に栄養サポートが必要な時代を迎え,NST の業務量は膨大となり,カンファレンスですり合わせして情報共有する医師を中心とした栄養の治療目的のチーム医療では対応できなくなった.コアの業務が“栄養”である管理栄養士を病棟に常駐させ,電子カルテによる情報交換で情報を共有し,業務の標準化で質を保ち,効率的なチーム医療で必要な患者すべてに栄養サポートをすれば,“患者を元気にして早く家へ帰す”というアウトカムの出るNST となる.そのためには患者を栄養士の視点でみて判断し介入できる,自立,自動する管理栄養士が必要であり,栄養評価やプラン作成の業務を標準化し,ルーチン業務としてスムーズに行うことと,病棟で患者や医師,看護師,その他の医療専門職とコミュニケーションのとれる医療人の常識を身に付けた管理栄養士が求められている.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1143-1148 (2013);
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栄養管理は診療の一環であると認識されてはいるが,1 看護単位に最低1 名は必要と思われる(病棟管理)栄養士が大きく不足しており,適正な雇用推進が必要と考えられた.また,NST 活動として栄養サポートチーム加算が算定されていたのは半数に満たず,専従の医師,あるいは管理栄養士が配置できていないことが理由と思われた.チーム医療は各職種の専門性を生かし,また“やりがい”を自覚しながら患者に直接寄り添う医療であり,多職種が寄り集まって一塊となって活動することではない.同時に管理栄養士は栄養管理の専門家としての技量をいま以上に高める努力をしなければならない.教師は患者であり,診療現場でより実践を積む必要がある.全患者に栄養管理は必須であるが,NST 活動のみでは限界がある.病院全体として全診療にあたり前に栄養管理を行うシステム(NSS)を整備する必要があり,管理栄養士によるNCM を基本に,重症例など対象を選別してNST 活動を適応する体制確立はひとつの方策である.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1149-1153 (2013);
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がん患者はがんに関連した代謝異常とがん治療によって,つねに栄養面でリスクにさらされている.栄養状態は,治療効果やQOL,ひいては予後にも影響する.がんと診断された時点から適切な栄養管理が必要である.とくに消化器がん患者は栄養状態が不良になりやすく,介入が必要である.また,造血幹細胞移植患者も治療に伴う栄養障害が高く,介入が求められる.がん患者では低栄養への対処,がん治療に伴う有害事象への対処,栄養療法の支持などNST 活動は多岐にわたるが,再発症例や高度進行症例など身体状態が不良の症例も多く,有効な介入が困難な例も少なくない.今後は医師および患者に栄養の重要性を治療前から周知し,栄養療法をがん治療のひとつのmodality として治療戦略に組み込んでいくことが必要と思われる.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1155-1160 (2013);
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周術期におけるNST の特徴はスピードである.癌患者や肝移植患者は手術までにあまり時間をかけることができず,術後は患者の節食量や栄養状態によって迅速な対応が要求される.また,術後早期回復プログラム(ERAS)におけるNST の役割も重要である.生体肝移植手術においては術前サルコペニアや術前低栄養は移植後予後不良因子である.したがって,栄養状態の不良な肝移植患者においては,周術期栄養管理,すなわちNST 活動がとくに重要になってくる.周術期NST にスピード性をもたせるためには,現場の職種がリアルタイムに気軽に相談できる環境づくりが必要である.したがって,周術期NST の鍵は,外科医,看護師,管理栄養士,リハビリスタッフからなる“ミニNST”であり,チーム医療である.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1162-1167 (2013);
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医療技術が日々進歩・発展し,専門化してきている.薬剤師業務もがん化学療法,感染制御,栄養管理,疼痛緩和,精神神経科,妊婦授乳婦と多岐にわたり専門性が求められている.かつての薬局で行っていた調剤業務は薬剤管理指導業務,さらに病棟薬剤業務へと変貌し,薬剤師の軸足は薬局から病棟へとシフトした.このような状況下でNST の一員である薬剤師が,薬剤管理指導業務および病棟薬剤業務を通して栄養療法にかかわりをもつことの意義は大きい.本稿では,病棟での薬剤師業務と栄養療法をどのように行っていくべきかについて,業務事例を示しながら論じる.さらに,在宅における薬剤師の取組み,そして地域一体型NST についても言及する.
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医学のあゆみ 247巻11号, 1169-1174 (2013);
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当院外来における栄養サポートの中心はオーダーメイドの個人栄養指導であるが,各種集団栄養指導やカンファレンスを並行して行い,スタッフ間の意思疎通をはかり治療方針の再確認を行うことで,効率よく患者の栄養治療を遂行できるようにしている.近年,在院日数が短縮化し,栄養管理が不十分なまま退院を余儀なくされるケースの増加が見込まれることからも,外来における栄養サポートの重要性が増すものと推測される.本稿では当院おける肝疾患栄養サポートの実情を述べ,外来における栄養サポートの意義について考える.
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連載
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初学者のための医療経済学入門 7
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医学のあゆみ 247巻11号, 1179-1185 (2013);
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クリニカルパスは医療の標準化に必須とされるが,電子クリニカルパスはかならずしも普及しているとはいい難い.しかし,最近はDPC 関連データを入力すると自動的に代表的パスを作成する市販ソフトも出ており,パス自身は“医療の標準化”に不可欠なツールといえる.いったんビッグデータが集まれば,一定のベンチマークやシックスシグマ活動という形でリスクマネジメントにも応用可能である.事実,パスはMRSA の解消にも有用なことが著者らの実証研究において示唆された.今後は医療費の6 割を占める外来医療費の適正化を実現すべく,一般開業医や歯科医師を対象とした“外来版DPC”の開発が求められる.
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フォーラム
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ノーベル医学・生理学賞 2013
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医学のあゆみ 247巻11号, 1187-1189 (2013);
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医学のあゆみ 247巻11号, 1191-1192 (2013);
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パリから見えるこの世界 23
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医学のあゆみ 247巻11号, 1193-1197 (2013);
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社会の“痛み”を癒す―ケアの心理と病理 7
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医学のあゆみ 247巻11号, 1198-1200 (2013);
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TOPICS
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生化学・分子生物学
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医学のあゆみ 247巻11号, 1175-1176 (2013);
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循環器内科学
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医学のあゆみ 247巻11号, 1176-1177 (2013);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 247巻11号, 1177-1178 (2013);
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