Volume 248,
Issue 9,
2014
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【3月第1土曜特集】 サルコペニア―成因と対策
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医学のあゆみ 248巻9号, 639-639 (2014);
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概念・診断基準
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医学のあゆみ 248巻9号, 643-648 (2014);
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サルコペニアは,高齢期の虚弱や生活機能の喪失など高齢者の負のアウトカムに連動している.以前からサルコペニアの状態はよく知られていたが,その概念や定義に関してはまだかならずしも統一されたものではない.最近,ヨーロッパの研究グループが提唱したサルコぺニアが標準的となりつつあるが,その場合の歩行速度の取扱いについてはまだ異論も残っている.本稿では本症の概念や定義とともに,アジアで開発されたアルゴリズムやわが国での実態に基づくアルゴリズムとの比較などについて概説した.
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医学のあゆみ 248巻9号, 649-654 (2014);
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超高齢社会にある日本においてサルコペニアの対策は急務である.その一方で,サルコペニアに関する疫学研究は日本では数が少ないことから,有病率をはじめとしたサルコペニアの実態について不明な点が多いのが現状である.国立長寿医療研究センターでは無作為抽出された一般地域住民を対象に,老化・老年病に関する基礎データの収集のための長期にわたる集団の大規模な縦断研究“老化に関する長期縦断疫学研究(NILSLSA)”を1997 年より行っている.NILS-LSA での調査から日本人高齢者全体で筋量サルコペニアは850 万人,筋力サルコペニアは1,000 万人,身体機能サルコペニアは350 万人を超える患者がいると推計された.また,各サルコペニア判定をもとにした病期分類を行い有病者数の推計を行った結果,前サルコペニアは400万人,サルコペニアは300 万人,重度サルコペニアは90 万人を超える患者がいると推計された.
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医学のあゆみ 248巻9号, 655-658 (2014);
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加齢に伴う主要な身体組成変化であるサルコペニアに(内臓)肥満が合併したサルコペニア肥満は,高齢者の主要な肥満形態である.インスリン抵抗性,炎症,酸化ストレスなどが,加齢による変化に加えて肥満とサルコペニアとを結びつける機序である.サルコペニア肥満は身体機能障害を伴うだけではなく,代謝障害や動脈硬化が進展しており,心血管リスクと考えられる.病態の進展機序の解明など臨床研究の発展には診断基準の設定が必要である.
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医学のあゆみ 248巻9号, 659-664 (2014);
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サルコペニアの定義として,筋量低下,筋力低下,生活機能・身体機能の低下がある状態とされている.対して,Frailty という概念は欧米でできたものであり,Frailty の定義,診断基準についてはコンセンサスが得られていないのが現状である.Frailty にはいくつかの考え方があり,生体機能に複数の障害が起きた結果生じる状態,加齢に伴う恒常性保持能の低下や肉体的・精神的負荷に対する受容力の低下により生理的機能の障害を起こしやすい状態,などがある.サルコペニアとFrailty の内容には類似点が多い.サルコペニアはFrailty の身体面での一要因と考えられる.逆に,Frailty の要素は身体的なものだけでなく,認知機能,神経兆候,心肺機能などの要素も含まれている.高齢になるとさまざまな疾患が発症するが,その背後に身体機能の衰えやFrailty が深くかかわる.ここにサルコペニアが深くかかわってくる.これらFrailty とサルコペニアの要素を見極め,予防を行うことができればQOL と生活機能が維持された生活を送ることができると考える.
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医学のあゆみ 248巻9号, 665-669 (2014);
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サルコペニアは高齢者において高い有病率が報告されている一方,要介護状態,QOL 低下,死亡などの危険性との関連も指摘されている.したがって,サルコペニアに対する介入は介護予防の一環として重要な位置づけを占め得ると考えられる.要介護状態に陥る前の一次介護予防を可能にするため,早期発見のためのスクリーニング検査が必要である.今回著者らは,千葉県柏市における自立高齢地域住民1,971 名を対象として,EWGSOP コンセンサスに基づいて診断したサルコペニアに対するスクリーニング法を開発した.このスクリーニング法は年齢,下腿周囲長,握力を用いるもので,男女ともに高い精度をもつことが示された.このスクリーニングモデルの有効性を確認するためにはさらなる研究が必要であるが,容易に得られる変数を用いて高い精度でサルコペニアをスクリーニングできることが示されたのは,今後のスクリーニング法開発において重要な知見である.
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医学のあゆみ 248巻9号, 670-678 (2014);
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ヒトの骨格筋量を非侵襲的に定量する方法は存在しないため,あらゆる評価法は間接法であり,それぞれ長所や短所が存在する.骨格筋量と身体機能低下や総死亡リスクとの関係を調べた研究をレビューするとCT やDXA などの推定法で求めた筋量指標はこれらと中程度か弱い関連しか認められない.DXA ではその原理に基づくと体肢除脂肪量を計測する装置であり,正式には骨格筋量を計測する方法ではなく,筋量変化の評価感度が低い.CT,MRI,DXA は浮腫や姿勢変化による体液シフトの影響を受ける.MRI で推定される骨格筋量は20 代から70 代で約26%の低下を示すのに対して,屍体解剖によれば骨格筋細胞量は約48%の減少を示す.このことから,サルコペニア評価には骨格筋量ではなく,骨格筋細胞量を推定する必要が示唆される.重水素標識クレアチン希釈法や生体電気インピーダンス分光(BIS)法といった新しい方法が開発されつつあり,今後の展開に期待ができる.本稿では,さらに筋力の評価法についても概説する.
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病因
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医学のあゆみ 248巻9号, 681-685 (2014);
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サルコペニアは加齢によるさまざまな要因により筋蛋白のネットバランスが負となることや筋再性能の低下が原因となり生じるとされているが,その分子機構に関する新しい知見がつぎつぎ報告されている.加齢による栄養状態の変化や慢性炎症などに起因する,Akt-mTOR,Akt-FOXO 経路を介したオートファジー不全,異常ミトコンドリアの過剰蓄積によるマイトファジー不全,筋サテライト細胞の過剰分裂による筋修復能の低下,骨格筋へのAGE の蓄積による筋収縮能低下や線維化の促進などが明らかにされている.サルコペニア発症において,これらのうち何が中心的機構であるのか,またこれらの機構の相互関係について今後の明らかにされる必要がある.
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医学のあゆみ 248巻9号, 686-690 (2014);
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加齢とともに,血中テストステロン濃度は序序に低下する.高齢者において血中テストステロン濃度と骨格筋量,筋力との間に正の関連があることが報告されている.高齢者に対するテストステロン補充療法は骨格筋量を増加させるが,現在のところ筋力の増強や身体活動機能の改善に関するエビデンスは乏しい.さらに,テストステロン補充療法の安全性(心血管イベント発症リスクの増大)にも懸念をもたせるような試験も報告されている.アンドロゲン系を標的としたサルコペニアの治療法/予防法の開発をめざすにあたっては,テストステロンとサルコペニアの関連について基礎研究も含めたさらなる検討が重要である.
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医学のあゆみ 248巻9号, 691-695 (2014);
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サルコペニア(sarcopenia)はもともとは骨格筋量が減少する病態を示していたが,最近では筋量だけでなく筋力と身体運動能力も低下する病態を示す老年病症候群の概念としてとらえられている.サルコペニアの原因は多因子であり,統一的にその機序を理解することは非常に困難である.認知症は病理学的な診断に基づき疾患が分類されその分子機構の研究が進められているが,サルコペニアについても同様なアプローチによる研究が必要である.このような背景のなかで,運動神経細胞からの神経線維終末と骨格筋とのつなぎ目の役割をもつ神経筋シナプスの研究がサルコペニアや神経筋難病による筋萎縮の病態メカニズムと関連していることから,注目されている.筋萎縮の原因にかかわらず,その早い過程で運動神経細胞と筋線維との相互作用の変化が神経筋シナプスの機能と形態に影響を与える.本稿では,まず神経筋シナプスの役割と維持の分子機構を紹介して,運動神経細胞の役割も含めサルコペニアとの関連について概説する.
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医学のあゆみ 248巻9号, 696-700 (2014);
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サルコペニアはここ10 年ほど前より高齢者医療の現場で,また研究テーマとして注目されてきた高齢者にとってたいへん重要な疾患である.これは加齢とともにその有病率は上がることが想像できるが,高齢者がだれもが普遍的に陥るものではない.この病態を明らかにし,予防や治療的介入が今後求められるが,なおそのメカニズムが明らかにされているわけではない.したがって,その機構を明らかにするうえでも動物モデルが存在すれば,その解明に対して有効なツールとなりうる.いまのところ,秀でたモデルがあるわけではないし,どのモデルにも利点・欠点が存在するが,基礎研究として使用され出した動物モデル,とくにマウスを使用したモデルについて言及する.
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各種疾患とサルコペニア
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医学のあゆみ 248巻9号, 703-707 (2014);
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サルコペニアは筋肉量の低下と筋肉機能(筋力または身体能力)低下の両方の存在が必須で,歩行速度と握力でスクリーニングして筋肉量で最終判定をする診断構造になっているが,転帰としてもっとも重要なのは“移動能力低下”であると考えられる.一方,わが国で独自に提唱されたロコモティブシンドロームは“運動器の障害のために移動能力の低下をきたして要介護になったり要介護になる危険の高い状態”と定義され,筋肉だけでなく,骨,軟骨などの加齢に伴う量的・質的減少が運動器に起こす痛みや障害を広く含む病態となっている.つまり骨粗鬆症,骨折,変形性関節症,変形性脊椎症などと並んで,サルコペニアはロコモティブシンドロームの基礎疾患のひとつとして位置づけられている.
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医学のあゆみ 248巻9号, 709-712 (2014);
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慢性閉塞性肺疾患(COPD)はタバコ煙の長期吸入曝露で生じた慢性全身性炎症性疾患で,その障害は呼吸器にとどまらず,骨格筋量と筋力・身体機能の低下が全身性に進行し,要介護さらに死の危険が高まるサルコペニアなどの全身併存症がしばしば問題となる.COPD 患者のサルコペニアは,呼吸機能,運動耐容能,HrQOL(健康関連quality of life),死亡率,医療機関利用率と関連している.慢性全身性炎症,身体活動性の低下,呼吸障害に伴うエネルギー需要の増大,筋肉蛋白の異化亢進などの複数のメカニズムの相互作用(悪循環)によりサルコペニアをきたす.比較的簡便に計測できる大腿四頭筋力の低下はCOPD の重症度と相関し,COPD 患者の有用な予後予測因子と報告されている.COPD 患者のサルコペニアには,全身性炎症をコントロールする薬物・栄養療法と下肢筋力を改善する運動療法のレジメンを組み入れた包括的呼吸リハビリテーション・プログラムの策定がHrQOL や予後の改善につながると考えられる.
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医学のあゆみ 248巻9号, 713-716 (2014);
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サルコペニアの成因としては,インスリン抵抗性などの筋蛋白合成刺激の減少に加えて,異化サイトカインの分泌亢進などの筋蛋白分解刺激の増加があげられている.つまりメタボリックシンドロームはサルコペニアの主要な成因のひとつであると考えられる.日本人を対象とした報告では,サルコペニアとメタボリックシンドロームの合併は糖尿病発症リスクを増大させるとともに,高齢者の転倒による骨折のリスクをさらに高める可能性が示されている.さらに,大腿部site-specific サルコペニアは血中IL-6 濃度や脈波伝搬速度と関連する.サルコペニアとメタボリックシンドロームは生活習慣病の一次予防として,それぞれ独立して考えなければならない重要な課題であると考えられる.
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医学のあゆみ 248巻9号, 717-722 (2014);
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末期肝疾患患者,とくに非代償性肝硬変で肝移植しか救命手段がないような患者は,浮腫や腹水による活動性の低下に加え,低栄養かつ肝不全状態と二次性サルコペニアの状態に該当する.しかし,これまで肝移植患者における全身骨格筋量は不明で,サルコペニアの意義も明らかではなかった.そこで著者らは,当科成人生体肝移植症例124 例に対し体成分分析装置を用いて入院時に骨格筋量を測定した.その結果,38%の患者が骨格筋量低値(サルコペニア群)であった.サルコペニア群は非サルコペニア群より有意に移植後生存率が低値であり,骨格筋量低値は肝移植後の独立予後因子であった.しかし,subgroup 解析によりサルコペニア患者においても周術期栄養療法によって生存率が改善した.したがって,末期肝疾患患者においても栄養療法とリハビリが重要である.
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医学のあゆみ 248巻9号, 723-726 (2014);
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高齢者において筋骨格系の健康や介護予防の推進は,身体機能の維持,健康長寿の観点からも重要である.近年,骨と骨格筋の間の相互連関やサルコペニアと骨粗鬆症との関連性がしだいに明らかになりつつある.骨粗鬆症は高齢者における骨折のおもな要因でもあり,その治療はおもに骨折予防,骨格全体の健康やQOL の維持・向上を目的として行われ,骨粗鬆症治療薬による薬物治療に加えて日常生活指導を含む生活習慣の確立,転倒予防対策,骨強度低下や骨折につながる危険因子の除去,回避が重要と考えられている.また,高齢者における虚弱の要因であるサルコペニアについても,その予防・治療対策の確立が急がれる.本稿では,サルコペニアと骨代謝・骨粗鬆症との関連性に関して概説する.
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医学のあゆみ 248巻9号, 727-731 (2014);
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CKD 患者,とくに末期腎不全である透析患者ではしばしば筋委縮を認める.しかし,国際的な診断基準を用いた筋肉量の評価が行われていないため,CKD 患者におけるサルコペニアの頻度は不明である.CKD 患者のサルコペニアの原因には,加齢によるサルコペニアの原因に加え,代謝性アシドーシス,筋細胞内のミオスタチン,アンジオテンシンⅡの発現亢進などが関与している.CKD 患者のサルコペニアは歩行速度や身体活動度の低下だけでなく,動脈硬化病変や生命予後と関連する.CKD におけるサルコペニア治療として,定期的な運動に加え十分量のエネルギーとともに,分岐鎖アミノ酸や必須脂肪酸を中心に必要栄養素を確保することが有用である.透析前の運動+透析中の栄養補給により透析後の筋蛋白のネットバランスはプラスになるが,長期効果については不明である.蛋白同化ホルモンは透析患者のサルコペニアに有用であるが,肝機能障害などの副作用があり,慎重な投与が必要である.
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医学のあゆみ 248巻9号, 733-737 (2014);
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サルコペニアは,加齢に伴う骨格筋の筋量の減少と筋力または身体能力の低下と定義される.糖尿病患者では下肢の筋量,筋力,身体能力,および筋肉の質が低下しやすく,サルコペニアをおこしやすい.糖尿病でサルコペニアがおこりやすい要因は,高血糖,インスリン抵抗性,神経障害などがある.糖尿病ではさらに肥満を合併し,サルコペニク・オベシティもきたしやすい.サルコペニク・オベシティはインスリン抵抗性,炎症などによりさらに筋力低下をもたらし,IADL 低下,歩行障害,転倒などをおこしやすい.糖尿病におけるサルコペニアの治療には適切な食事療法を併用したレジスタンス運動が有効であり,筋量のみならず,ADL や血糖が改善する.今後,糖尿病患者でβ-ヒドロキシ-βメチルブチレートなどのアミノ酸,ビタミンD,インスリン抵抗性改善薬などの有効性も確かめる必要がある.
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介入・治療
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医学のあゆみ 248巻9号, 741-746 (2014);
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高齢者の約20%はサルコペニアに罹患していると考えられている.サルコペニアは加齢に伴って,骨格筋の異化作用と同化作用のバランスが崩壊することに起因して発生する.運動には骨格筋の同化作用を促進し,異化作用を抑制するような効果があるため,サルコペニアの予防・改善には重要な手段と考えられている.また,サルコペニアに対しては栄養面も重要であり,とくに分岐鎖アミノ酸やビタミンD といった栄養素は骨格筋の同化作用を促進するような効果があるとされている.このように,運動や栄養にはサルコペニアを予防・改善させるような効果が報告されており,近年ではこれらを組み合わせたコンビネーション介入がもっとも有用であるといった知見も報告されている.
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医学のあゆみ 248巻9号, 747-752 (2014);
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骨格筋量の減少に伴う筋力の衰え,あるいは歩行機能の低下をさすサルコペニアを効率よく予防するためには,多様な危険因子のなかから可変的要因を見出し,その改善に焦点を当てた包括的支援が有効である.可変的要因として注目されているのは,骨格筋の不使用と栄養不良の改善である.運動・栄養による介入効果を検証するために,地域在住サルコペニア高齢者をRCT により運動,栄養,運動+栄養,教育の4 群に分け,運動群には週2 回,1 回当り60 分間の筋力強化と歩行機能の改善を目的とした包括的運動を,栄養群にはロイシン高配合の必須アミノ酸3 g を1 日2 回補充する介入を3 カ月間実施した.その結果,骨格筋量と通常歩行速度は,運動,栄養,運動+栄養の3 群で,下肢筋力は運動+栄養群のみで有意な向上が観察された.この結果は,サルコペニア予防には運動にロイシン高配合の必須アミノ酸を補充する複合介入がより効果的であることを強く示唆する.
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医学のあゆみ 248巻9号, 753-757 (2014);
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サルコペニア(加齢性筋肉減少症)は加齢に伴い進行性かつ全身性に筋量と筋力が減少する症候群で,QOLの低下,身体障害,そして死の危険性をも伴う.超高齢者社会を迎えたわが国ではサルコペニアの病態を正しく把握し,予防および治療が確立されることが望まれている.ひとつには,運動介入,栄養介入が有用であろう.サルコペニアではホルモンバランスの変化が重要であり,ビタミンD や男性ホルモンによる治療介入も有望である.サルコペニアの本質は加齢に伴う筋肉量の減少である.骨格筋細胞は内分泌臓器としてサイトカインの受渡しを行っている.そのなかに,筋量を調節したり他臓器との相関を担っている分子がある.成長ホルモン/IGF やマイオスタチンが代表的な筋量調節因子である.これらを標的としたあらたな視点からのサルコペニアの予防や治療介入が非常に有望と考えられる.本稿ではおもに,筋量調節因子に焦点を当てながらサルコペニアの新規治療法を紹介したい.