Volume 251,
Issue 6,
2014
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あゆみ 自然リンパ球
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医学のあゆみ 251巻6号, 479-479 (2014);
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医学のあゆみ 251巻6号, 481-485 (2014);
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◎γδT細胞は,約4億5千万年前に獲得免疫システムを有する有顎脊椎動物が地球上に出現して以来,T細胞系列の細胞集団のひとつとして高度に保存されており,生体恒常性維持に重要な役割を担っている.T細胞は遺伝子再構成によって生じるT 細胞受容体(TCR)の発現によって特徴づけられ,その構造上の違いによりαβT細胞とγδT細胞に分類される.αβT細胞は,ワクチン効果に必須な免疫記憶の形成に中心的役割を担うのに対し,γδT細胞は腸管,肺,生殖器上皮内,皮膚などの外来抗原に曝露される組織に高頻度に局在し,さまざまなストレスに対して即時的に炎症性サイトカインIFN-γ,IL-17 A,IL-22 を産生することで感染防御や自己免疫疾患の病態形成にかかわる.本稿では系統発生,個体発生という見地から,γδT 細胞について紹介し,マウス・ヒトにおいて明らかとなったγδT細胞分化や機能獲得機構における最新の知見を紹介する.
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医学のあゆみ 251巻6号, 486-489 (2014);
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◎ナチュラルキラーT(natural killer T:NKT)細胞のおもなサブセットは,多様性に乏しい(invariant:i)T細胞受容体(T cell receptor:TCR)を発現していることから,iNKT細胞とよばれる.iNKT細胞は多様性に乏しいTCR でCD1d分子に提示された糖脂質抗原を認識し,速やかにインターフェロン(IFN)-γやインターロイキン(IL)-4 などのサイトカインを大量に産生する.その特徴からさまざまな免疫応答に関与し,自然免疫の増強作用のみならず,自然免疫から獲得免疫への橋渡し役を担う.近年,iNKT細胞が認識する微生物糖脂質抗原が同定され,iNKT細胞による糖脂質抗原認識が感染防御に重要な役割を担うことが明らかになった.また,iNKT細胞活性化による免疫増強効果は悪性腫瘍,感染症,自己免疫などの疾患の予防や治療への応用の可能性のあることが示唆される.
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医学のあゆみ 251巻6号, 490-493 (2014);
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◎ Mucosal-associated invariant T(MAIT)細胞はT細胞受容体を発現する自然リンパ球の一種で,T細胞受容体にはセミインバリアントな(ほぼ均一な)TCRα鎖を使用し,MR1分子に提示された抗原を認識する.MAIT細胞は腸管常在菌との関連が深く,これまでMAIT細胞が認識するリガンドとしては微生物由来のリボフラビン類縁体が知られている.MAIT細胞の免疫応答における役割として感染防御反応や自己免疫に関与することがわかっているが,未解明な部分が多く残されている.ヒトでは末梢血T細胞の数%を占める大きな細胞集団であることから,重要な生理機能を担うと推察され,近年注目を集めている.
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医学のあゆみ 251巻6号, 494-498 (2014);
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◎ Innate lymphocyte 1(ILC1)はIFN-γを産生する自然リンパ球の総称であるが,他のILCと比べて,まだよく解析が進んでいない.最大の理由は natural kille(r NK)細胞,とくに組織に存在する NK細胞(tissue-residentNK 細胞:trNK細胞)との類似性のためである.しかし,すべてのILCに分化する前駆細胞の発見により,NK細胞はILC1とは異なる細胞であることが明らかになってきた.とくに肝のtrNK細胞・ILC1は免疫記憶の可能性をもつため,注目を浴びている.一方,NK細胞領域ではサイトカイン刺激やウイルス感染後に長期に生存するNK細胞,ライセンシング(エデュケーション)が盛んに研究されている.本稿では,これらの最新の知見を総説する.
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医学のあゆみ 251巻6号, 499-503 (2014);
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◎Group 2 innate lymphoid cel(l ILC2s)は,IL-33やIL-25の刺激によってIL-5およびIL-13を産生する自然リンパ球の総称である.ILC1やILC3s と同様にcommon lymphoid progenitor細胞からId2陽性・PLZF高発現の前駆細胞を介して誘導され,とくにILC2sの分化には転写因子のGATA3が重要な働きをしている.ILC2sは寄生虫感染に対する初期防御や獲得免疫を介さないアレルギー反応(自然型アレルギー)の病態に関与し,ほかにも気道の修復や獲得免疫の増強など多様な機能を有していることが明らかにされている.現在までに気管支喘息やアトピー性皮膚炎,好酸球性副鼻腔炎,鼻茸,好酸球性胸水などの疾患においてILC2sの関連が報告されており,将来的にはILC2sを標的とした治療法の確立が期待されている.
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医学のあゆみ 251巻6号, 504-506 (2014);
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◎3型自然リンパ球(ILC3)は転写因子RORγt を発現する自然リンパ球群であり,胎児期リンパ節形成に必要なLTi 細胞,生体粘膜組織に存在するILC3 が含まれる.粘膜組織ILC3 はIL-22 産生を介し,上皮細胞の生存・維持を促進することで上皮バリア維持に重要な役割を果たす.ILC3 の制御機構や炎症性腸疾患における機能には不明な点が多く,今後の研究発展がまたれる.
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iPS細胞研究最前線-疾患モデルから臓器再生まで 6
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医学のあゆみ 251巻6号, 513-518 (2014);
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◎Duchenne型筋ジストロフィー(DMD)などの難治性筋疾患のほとんどは現在も決定的な治療法がない.DMDで欠損するジストロフィンを補充し,筋組織の再生を促進する目的で,1990年代にDMD患者に対して筋芽細胞移植が行われたが,治療効果を上げることができず,筋芽細胞以外の移植細胞源が注目を集めるようになった.2007 年,ヒト皮膚線維芽細胞からES細胞に類似したiPS細胞の誘導が山中らによって報告され,難治性筋疾患の治療への応用が期待された.そのおもな理由はiPS細胞は適切な培養条件下では多能性を保ったまま増殖するため,十分な細胞数の確保が難しかった筋衛星細胞・筋芽細胞の限界を超えることができ,しかも自家細胞移植の可能性がみえてきたためである.臨床応用にはiPS細胞から効率よい骨格筋への誘導技術の開発が課題である.また,移植細胞が広範な筋組織に生着し,筋線維を再生し,適切に神経支配を受けることも必要で,移植技術そのものの開発・改良も必要である.本稿では,DMDに対する細胞移植治療の研究を中心に,これまでの知見と今後の課題などについて概説する.
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フォーラム
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医学のあゆみ 251巻6号, 519-520 (2014);
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医学のあゆみ 251巻6号, 521-523 (2014);
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パリから見えるこの世界 34
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医学のあゆみ 251巻6号, 525-529 (2014);
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TOPICS
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放射線医学
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医学のあゆみ 251巻6号, 507-508 (2014);
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脳神経外科学
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医学のあゆみ 251巻6号, 508-510 (2014);
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臨床検査医学
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医学のあゆみ 251巻6号, 510-511 (2014);
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