Volume 252,
Issue 4,
2015
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あゆみ ナノ粒子メディシンUpdate
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医学のあゆみ 252巻4号, 275-275 (2015);
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医学のあゆみ 252巻4号, 277-281 (2015);
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◎ナノマテリアルである多層カーボンナノチューブ(MWCNT)およびマグネタイト(MGT)の遺伝毒性について,マウスの気管内投与モデルを用いて検討した.MWCNT およびMGT ともに,マウス肺にDNA 損傷および突然変異を誘発することがわかった.ナノマテリアルにより誘発された変異スペクトルは酸化ストレスおよび炎症反応に起因する塩基置換パターンであったことや,ナノマテリアルを曝露したマウス肺で炎症マーカーであるニトロチロシン陽性細胞が散見されたことなどから,ナノマテリアルの遺伝毒性メカニズムとして慢性炎症を介した宿主の二次的な応答が寄与している可能性が示唆された.
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医学のあゆみ 252巻4号, 283-286 (2015);
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◎標的細胞を磁気標識することで,磁力による細胞の遠隔操作が可能となる.著者らは磁性ナノ粒子の表面をさまざまなバイオマテリアルで修飾した機能性磁性ナノ粒子を作製し,機能性磁性ナノ粒子で標的細胞を標識して磁気操作する技術を再生医工学へ応用することで,磁力を用いた再生医工学技術Mag-TE(magneticforce-based tissue engineering)法の開発を行ってきた.磁気標識した細胞を磁力で集積させて三次元培養することによって,細胞どうしが結合して組織化し,三次元組織を構築できることを見出してきた.とくに,骨格筋のような細胞密度の高い組織の構築において,Mag-TE 法は威力を発揮すると考えられる.本稿では,機能性磁性ナノ粒子を用いた三次元組織構築に関して,骨格筋組織の構築を例に紹介する.
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医学のあゆみ 252巻4号, 287-291 (2015);
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◎磁性ナノ粒子は研究から医療応用まで幅広く利用されており,その汎用性,応用性の高さは新しい価値観の創造へとつながる.今回著者らは,磁性ナノ粒子を用いた細胞への遺伝子導入と分離,さらには生体内でのトレーシングまでの一連の工程が1 回の遺伝子導入によって可能であることを証明した.これは細胞移植療法にとって新しい概念とあらたな可能性を生むブレークスルーとなりうるテクノロジーである.本稿では,この概念に至った経緯と将来性について報告する.
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医学のあゆみ 252巻4号, 293-296 (2015);
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◎磁性ナノ粒子は交流磁界を印加することで発熱するため,がん温熱治療の発熱体としての利用が可能である.温熱療法は体の部位や細胞の種類によらず治療が行えるという利点を有するが,局所的な加温を行うことが困難なため治療効果が低いことが問題である.ここで磁場による患部への誘導および集積が可能な磁性ナノ粒子を用いることで深部局所加温を実現することが期待されている.また,磁性ナノ粒子は表面を高分子や脂質で修飾することで,抗体などがん細胞に特異的な反応を示す物質を結合させた機能化磁性ナノ粒子を作介する.免疫療法において用いられる抗体と温熱療法を併用することで,高い抗がん作用が確認された.加えて熱や抗体により誘導されるアポトーシスを阻害する蛋白質の分泌を抑制する薬剤を用いることで,温熱・抗体併用療法の抗がん効果が高まることが確認された.
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医学のあゆみ 252巻4号, 297-301 (2015);
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◎現在臨床ではラジオ波やマイクロ波を用いて加熱する温熱療法が行われているが,これらの方法ではがん細胞が死滅する43℃以上まで加熱することは容易ではなく,さらに,原理上がん組織が存在する領域を加熱することになる.そこで著者らは,がん組織をより効率的かつ局所的に加熱することが理論的には可能な磁性ナノ粒子と交流磁場を用いた温熱療法(磁気ハイパーサーミア)の実現可能性を評価した.磁性ナノ粒子の表面を化学選択的に表面改質することで,磁性ナノ粒子のがん組織への集積量が高まり,がん組織を局所的に加熱することができた.腫瘍移植マウスを用いた実験では,磁気ハイパーサーミアによりがん細胞の増殖を抑制することができた.この磁性ナノ粒子はMRI で腫瘍を局所的に造影することもできるため,診断と治療を一体化する技術である“セラノスティクス”も実現の可能性がある.さらに,この磁性ナノ粒子に交流磁場に応答して薬剤を放出する機能を付与することで,治療効果を増強することにも成功した.
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医学のあゆみ 252巻4号, 303-308 (2015);
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◎ナノマテリアルのひとつであるナノ粒子のなかで,超常磁性体酸化鉄ナノ粒子(SPIONs)は医療へのさらなる応用が期待されているが,その曝露による潜在的なリスクを理解する必要性もある.本稿では,前立腺がんの治療,とくに去勢抵抗性およびその後のドセタキセル抵抗性前立腺がんの治療におけるナノ粒子医学の応用,およびSPIONs であるFe3O4磁性体ナノ粒子を併用した抗がん剤ドセタキセルの前立腺がん細胞への効果に関する基礎的研究を紹介する.二酸化チタンやフラーレンなどの他のナノマテリアルと異なり,Fe3O4磁性体ナノ粒子が前立腺がん細胞株においてROS 産生を増加させることを見出し,酸化的DNA 損傷の指標のレベルである8-OHdG 産生の上昇も確認した.Fe3O4磁性体ナノ粒子とドセタキセルの組合せにより,ドセタキセル単独よりも前立腺がん細胞株の細胞生存率を低下させた.ドセタキセルの副作用を減らしつつ,温熱-化学療法などを組み合わせて治療効果を高めるという可能性を示したと考えられる.
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連続対談 Vol.1
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医学のあゆみ 252巻4号, 326-332 (2015);
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連載
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iPS細胞研究最前線-疾患モデルから臓器再生まで 13
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医学のあゆみ 252巻4号, 315-320 (2015);
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◎21世紀の新しい医療として,幹細胞を用いた再生医療が注目されている.幹細胞を用いた研究の多くが細胞を移植して治療する細胞治療を目的としているが,臓器そのものをつくりだせれば究極的な治療となりうる.そこで著者らは,心臓や膵といった実質臓器の再生をめざし,動物個体内でiPS 細胞由来の臓器を作出することを考えた.ニッチというコンセプト,胚盤胞補完法という技術を用いてラットiPS 細胞由来の膵を異種であるマウス個体内に作成することに成功した.さらに,この原理を大動物で試みた.健常ブタの胚細胞を膵欠損ブタの胚盤胞に注入すると,本来は膵をもつはずのないブタに膵が存在し,この膵が健常ブタ胚由来であることがわかった.目的臓器以外へのヒト細胞の分化を防ぐ方法も可能性を示すことができ,大型動物個体内でヒトの実質臓器を再生するといった,まったく新しい再生医療技術開発の可能性を探っている.
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速報
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医学のあゆみ 252巻4号, 321-322 (2015);
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輝く 日本人による発見と新規開発 12
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医学のあゆみ 252巻4号, 323-325 (2015);
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フォーラム
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医学のあゆみ 252巻4号, 333-334 (2015);
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医学のあゆみ 252巻4号, 335-336 (2015);
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医学のあゆみ 252巻4号, 337-340 (2015);
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TOPICS
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実験動物
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医学のあゆみ 252巻4号, 309-311 (2015);
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循環器内科学
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医学のあゆみ 252巻4号, 311-312 (2015);
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疫学
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医学のあゆみ 252巻4号, 312-313 (2015);
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