Volume 256,
Issue 2,
2016
-
あゆみ 早期慢性膵炎
-
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 121-121 (2016);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 123-127 (2016);
View Description
Hide Description
◎慢性膵炎は進行性の膵の炎症疾患であるが,その自然経過は成因により異なる.アルコール性慢性膵炎は非アルコール性に比べて病態の進行が早い.遺伝性膵炎の原因遺伝子が同定されて以来,膵炎関連遺伝子の解明が進みつつある.しかしこれまでの診断基準では,慢性膵炎の進行により膵の形態や機能に非可逆的変化が生じる時期にしか診断できない.慢性膵炎は発症から確診に至るまでに10~20 年を要する.この時期(早期)は現在の診断技術では慢性膵炎疑診と判定され,急性再発性膵炎(急性膵炎)と慢性再発性膵炎(慢性膵炎)の鑑別が困難な時期である.慢性膵炎臨床診断基準2009 は,慢性膵炎疑診群のなかからEUS とERCP の所見をもとに,早期慢性膵炎を定義した.早期慢性膵炎が将来,慢性膵炎に進展するかは不明である.厚生労働省の難治性膵疾患研究班が早期慢性膵炎の前向き研究を行っており,この答えが得られるのはいまから10~20 年後である.
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 129-134 (2016);
View Description
Hide Description
◎遺伝性膵炎は常染色体優性遺伝の形態をとり,多くは小児期に発症し,急性膵炎発作を繰り返しながら進行性の膵内外分泌障害をきたす.1996 年にカチオニックトリプシノーゲンが原因遺伝子のひとつとして同定され,これまでに世界各地から200 家系以上が報告されている.また,近年の遺伝子解析の進歩に伴い,膵分泌性トリプシンインヒビターをはじめとするいくつかの遺伝子異常が明らかにされている.本稿では,遺伝性膵炎の臨床像について述べるとともに,慢性膵炎早期像と推測される遺伝子異常を伴う膵炎症例について,その画像を供覧する.
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 135-139 (2016);
View Description
Hide Description
◎慢性膵炎の過去の診断基準は疾患特異性の高い所見を採用したため,進行した慢性膵炎患者を診断する基準であった.最近の予後調査や疫学調査によれば,このような診断基準によって診断された患者の平均寿命は一般人に比べて明らかに短く,合併症として膵癌の罹患率がきわめて高いことが明らかにされている.慢性膵炎患者の生命予後を改善するためには,早期診断と早期の治療介入による進行の阻止,病態の改善を目標とすべきである.遺伝性膵炎や特発性膵炎の遺伝素因が明らかにされつつあり,慢性膵炎一般の発症機序や病態,経過についても理解が深まりつつある.このような背景をもとに,2009 年にわが国から早期慢性膵炎の臨床診断基準が提案された.本稿では,過去の慢性膵炎の診断基準を振り返り,早期診断の必要性と「慢性膵炎臨床診断基準2009」で提案された早期慢性膵炎の診断基準について解説する.
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 141-146 (2016);
View Description
Hide Description
◎慢性膵炎の予後はかんばしくなく,より早期での診断の重要性が認識されていたが,2009 年に慢性膵炎診断基準が改定され,“早期慢性膵炎”という概念が加えられた.早期慢性膵炎は,膵炎を疑わせる臨床症状,検査値の異常,飲酒歴のうち複数の因子を有し,早期慢性膵炎に合致する軽微な膵画像の異常所見が超音波内視鏡(EUS)または内視鏡的逆行性膵管造影でとらえられるものと定義されている.この診断基準においては画像診断が重要項目となっており,とくに膵実質の微細な変化をとらえられるEUS の役割が大きい.慢性膵炎への早期医療介入のためにも,これらの画像を十分に理解することが求められる.
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 147-151 (2016);
View Description
Hide Description
◎厚生労働省難治性膵疾患に関する調査研究班が行っている早期慢性膵炎の全国疫学調査について紹介する.対象は,全国の内科(消化器内科を含む),外科(消化器外科を含む)を標榜する16,814 診療科より,層化無作為抽出法により抽出された4,175 科である.平成23 年(2011)1~12 月に受療した早期慢性膵炎患者数について,1,439 診療科より回答が得られた(回答率34.5%).年間受療患者数は5,410 人(95%信頼区間:3,675-6,945 人),うち新規患者数は1,330 人(95%信頼区間:1,058-1,602 人),継続患者数は4,080 人(95%信頼区間:2,681-5,479 人)と推計された.160 例を対象とした二次調査の中間解析では,男女比が1.4:1,成因はアルコール性と特発性が44%ずつと,慢性膵炎確診・準確診例とは患者像が異なることが示唆された.全国調査の結果が,早期慢性膵炎の診断基準の妥当性を検証するための重要なデータとなることが期待される.
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 153-156 (2016);
View Description
Hide Description
◎「慢性膵炎臨床診断基準2009」では,早期慢性膵炎の疾患概念があらたに組み入れられた1).慢性膵炎の確診および準確診にはあてはまらないが,①上腹部痛発作,②膵酵素値の異常,③膵外分泌障害,④持続する飲酒歴(80 g/day)のいずれか2 項目以上を有し,かつ早期慢性膵炎の画像所見を有する症例を早期慢性膵炎と定義した.早期慢性膵炎の実態を把握するため,厚生労働省難治性膵疾患に関する調査班で早期慢性膵炎の前向き調査が施行され,全国で113 例が登録された2).本稿では,前向き調査のなかの自験例を中心に解説する.早期慢性膵炎には慢性膵炎に進行する症例も存在し,早期慢性膵炎の拾いあげと,早期からの治療・生活指導は慢性膵炎患者のQOL を改善し,膵炎進行を阻止できる可能性を示唆している.
-
【ayumi TOPICS】
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 157-158 (2016);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 159-161 (2016);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 162-164 (2016);
View Description
Hide Description
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 165-166 (2016);
View Description
Hide Description
-
連載
-
-
医学教育の現在―現状と課題 3
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 171-175 (2016);
View Description
Hide Description
◎医学・医療のグローバル化が進められる現在,医学部の分野別認証評価を国際基準で行い,医学教育の質保証を実施することが求められている.わが国では全国医学部長病院長会議,文部科学省などの協力を得て日本医学教育評価機構(JACME)を設立し,国際的にも認知される公的機関として医学教育分野別認証評価を行うことになった.すでに平成26 年度までに5 校で試行の分野別認証評価を実施し,平成27 年度以降も試行を重ねて,より公正かつ適切な認証評価制度の確立をめざしている.
-
フォーラム
-
-
高齢者ケアの現状と課題 4
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 177-177 (2016);
View Description
Hide Description
-
パリから見えるこの世界 40
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 178-182 (2016);
View Description
Hide Description
-
書評
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 183-183 (2016);
View Description
Hide Description
-
TOPICS
-
-
免疫学
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 167-168 (2016);
View Description
Hide Description
-
循環器内科学
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 168-169 (2016);
View Description
Hide Description
-
疫学
-
Source:
医学のあゆみ 256巻2号, 169-170 (2016);
View Description
Hide Description