医学のあゆみ
Volume 265, Issue 1, 2018
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【4月第1土曜特集】 がん抗体医薬の新展開─新規分子による創薬・治療から副作用対策まで
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- 総論
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抗体医薬の効果と支える機序―シグナル伝達抑制から免疫チェックポイント阻害まで
265巻1号(2018);View Description Hide Description抗体とは,生体内に侵入した細菌やウイルスなどの異種抗原を認識し,これらを排除するために産生される免疫グロブリンとよばれる糖蛋白質の総称である.1975 年に単一の分子として特定の抗原を認識するモノクローナル抗体を作製する技術が確立したことに端を発し,疾患関連分子を標的とした抗体の治療応用への試みが開始された.当初は異種動物由来であるモノクローナル抗体の抗原性の問題などから,臨床応用に至った抗体はわずかであったが,免疫グロブリン分子の大部分あるいは全体をヒト免疫グロブリン配列におき換えたキメラ抗体,ヒト化抗体,あるいは完全ヒト抗体の作製技術の確立により,血中半減期の著明な延長と,長期間の反復投与が可能となり,がん治療への応用が進むこととなった.本稿執筆時点で日米欧いずれかの地域において承認された抗体医薬の数は68 製剤にのぼり,そのうちの30 ががんや血液腫瘍に対する抗体医薬である.これら抗体医薬の作用機序は,標的分子や免疫ブロブリン分子の種類やサブクラス,さらには付加的な結合物質などにより,多様な機序が複合的に作用していると考えられている.本稿では現在がん治療に用いられている抗体医薬を中心に,その代表的な作用機序を概説する. -
CTC(circulating tumor cell)―分子標的治療薬における臨床応用
265巻1号(2018);View Description Hide Descriptionがん細胞は,抗体医薬の治療経過により多様に表現型が変化するため,がん細胞の分子レベルの変化をリアルタイムにモニタリングする必要がある.患者に低侵襲な手技で頻回に施行できる血液から生体内のがん細胞の情報を得ることにより,リアルタイムに適切な治療を選択できる診断システムの構築が切望されてきた.血液中に循環するがん細胞(CTC)は,蛋白発現からゲノム解析まで詳細な情報を含む生物学的診断ができる点で,診断意義は高い.一細胞解析技術の向上により,CTC の遺伝子変異解析によりcfDNA よりもがん細胞由来で特異度の高い診断が可能になると考えられ,液性診断(liquid biopsy)としてのCTC は,分子標的治療薬のバイオマーカーとして有力な情報を提供することが期待されている. - 各論
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抗CD20 抗体医薬―Rituximab,obinutuzumab
265巻1号(2018);View Description Hide DescriptionCD20陽性B 細胞リンパ腫に対する治療成績は,リツキシマブの開発により多くの亜型において有意に向上した.しかし,リツキシマブ併用化学療法に抵抗性を示す症例の存在も明らかとなり,新規の抗CD20 抗体薬の開発が必要とされてきた.近年,第三世代typeⅡ抗体であるオビヌツズマブが開発され,①初発低悪性度リンパ腫,②リツキシマブ抵抗性低悪性度リンパ腫,③初発びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫,を対象に第Ⅲ相試験が行われた.これらの試験の結果,初発およびリツキシマブ抵抗性の濾胞性リンパ腫(FL)においてはオビヌツズマブ群で有意にPFS の延長を認めたが,びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫においては生存の有意な改善は認めなかった.また,安全性においては,すべての臨床試験で血液毒性,感染症を中心に,オビヌツズマブ群で有意に多かった.オビヌツズマブは低悪性度リンパ腫においては有益な群が存在するが,血液毒性を中心とした副作用増悪の懸念があり,注意が必要である. -
抗CD22 抗体医薬―Inotuzumab ozogamicin
265巻1号(2018);View Description Hide DescriptionInotuzumab ozogamicin(InO)はヒト化抗CD22 抗体にカリケアマイシンを共有結合したantibodydrugconjugate(ADC)である.当初B 細胞非Hodgkin リンパ腫(B-NHL)を対象として臨床開発を進めたが,再発・難治aggressive B-NHL を対象とした第Ⅲ相試験で標準化学療法群と比較して優位性が示されなかった.一方,再発・難治の成人CD22 陽性急性リンパ性白血病(ALL)では完全寛解率,寛解期間,無増悪生存期間いずれにおいても標準化学療法と比較して優位性を示したため,2017 年にInO はFDA より,再発・難治の成人CD22 陽性ALL を適応疾患として承認を受け,臨床導入されている.わが国においても2018 年1 月に承認を受け,ベスポンサ® として上市予定である. -
抗CD33 抗体医薬―Gemtuzumab ozogamicin の有用性
265巻1号(2018);View Description Hide DescriptionGemtuzumab ozogamicin(GO)は,ヒト化抗CD33 抗体に抗腫瘍性抗生物質カリケアマイシン誘導体を結合した抗体薬物複合体(ADC)である.急性骨髄性白血病(AML)においてその効果が検討され,2000年にアメリカで再発AML に対して迅速承認された.しかし,その後の臨床試験において治療関連死亡(TRM)の増加が示唆されたためアメリカでは承認が取り下げられ,日本でのみ再発・難治性AML における単剤治療薬剤として使用されてきた.近年,成人初発AML を対象とした複数の臨床試験において,GOと併用する化学療法の強度を保ちGO の投与量・投与法を調整することで,GO による生存率の改善が示され,その有用性が再評価されている.AML 患者におけるGO の有効性を正確に予測する因子の同定がGO の安全で有効な使用のために今後重要と考えられる. -
多発性骨髄腫に対する抗CD38 抗体医薬―Daratumumab,isatuximab
265巻1号(2018);View Description Hide Descriptionわが国では2015 年にpomalidomide,panobinostat,2016 年にcarfilzomib,elotuzumab,2017 年にixazomib・daratumumab(Dara)が認可され,多発性骨髄腫の予後は著明に改善している.抗体薬は安全性が高く,作用機序もこれまでの薬剤とは異なっており,今後の多発性骨髄腫(MM)に対する治療薬としておおいに期待されている.なかでも,抗CD38 抗体であるDara とlenalidomide+dexamethasone やbortezomib+dexamethasone との併用では,これまでにない奏効率と深い奏効が得られている.抗CD38抗体は再発・難治だけではなく未治療例に対する治験も進行しており,併用薬は多岐にわたる.本稿では,抗CD38 抗体薬であるDara やisatuximab について,再発・難治性MM を対象とした単剤や併用療法の臨床試験での成績を中心に概説する. -
抗HER2 抗体医薬―Trastuzumab とADC
265巻1号(2018);View Description Hide Description抗体薬物複合体(ADC)とは,抗体と薬物を結合させ,抗体の抗原特異性を利用して薬剤を腫瘍部位に効率的に行き届かせることをめざした抗体薬である.ADC は従来の抗癌薬とは異なり腫瘍細胞のみをターゲットとするため,正常細胞への影響を少なくし,有害事象が少ないことが期待されている.HER2を標的とし,トラスツズマブに,チューブリン重合阻害薬であるDM1(a derivative of maytansine)を結合させたトラスツズマブエムタンシン(T-DM1;カドサイラ®)は,セカンドラインにおけるEMILIA 試験,サードライン以降におけるTH3RESA 試験で有効性が証明され,HER2 陽性転移・再発乳癌の標準治療となっている.血小板減少症が代表的な有害事象である.また,HER2 を標的とし,薬剤部分がエキサテカンの誘導体(トポイソメラーゼⅠ阻害薬)のADC であるDS8201 の開発も進み,第Ⅰ相試験が終わり第Ⅱ相試験が進められている. -
抗VEGF 抗体薬の実際
265巻1号(2018);View Description Hide DescriptionVEGF(vascular endothelial growth factor)およびVEGF 受容体は,腫瘍細胞における重要な血管新生調整因子のひとつであり,悪性腫瘍における治療のkey target となってきた.現在わが国では,抗VEGF抗体薬としてbevacizumab,ramucirumab,aflibercept の3 つが使用可能であり,さまざまな化学療法との併用において,その臨床効果が認められてきた.Bevacizumab は切除不能進行・再発結腸/直腸癌,切除不能進行・再発非小細胞肺癌,卵巣癌,進行・再発子宮頸癌,手術不能・再発乳癌,悪性神経膠腫に対する適応が認められており,ramucirumab は治癒切除不能な進行・再発胃癌,結腸および直腸癌,肺癌に対して適応が認められている.Aflibercept は切除不能進行・再発結腸/直腸癌の二次治療のひとつと位置づけられている.これらの抗VEGF 抗体薬を併用した化学療法によって,高い治療効果が得られる一方で,特徴的な副作用も認められるため,モニタリングを含めた適切なマネジメントが重要となる.また,癌腫ごとに頻度の高い合併症も起こりうるため,適切な患者選択も求められる.最近では,抗VEGF抗体薬と免疫チェックポイント阻害薬との併用療法も開発されており,その結果がまたれる. -
抗EGFR 抗体薬―Cetuximab,panitumumab
265巻1号(2018);View Description Hide Description上皮成長因子受容体(EGFR)は,大腸がんの約80%に発現する膜貫通型糖蛋白受容体チロシンキナーゼであり,リガンドの結合により,下流のシグナル伝達経路であるRAS/RAF/MAPK 経路,PI3K/PTEN/AKT/mTOR 経路などが活性化され,細胞増殖や血管新生が引き起こされる1).EGFR を標的とした抗体薬であるcetuximab,panitumumab は,これらのシグナルを阻害することで抗腫瘍効果を発揮すると考えられている.抗EGFR 抗体薬は,切除不能・再発結腸直腸がんに対して開発が進められ,大規模臨床試験で有効性が証明されたことより2,3),cetuximab が2004 年2 月,panitumumab が2006 年9 月にそれぞれFDA(アメリカ食品医薬局)に承認された.一方,抗EGFR 抗体薬の効果予測因子は,抗体薬承認のための大規模臨床試験のretrospective な解析で証明されてきた.本稿では,抗EGFR 抗体薬開発の経緯からKRAS exon 2 およびminor KRAS/NRAS 遺伝子変異がバイオマーカーとして確立し,それらのMultiplex 診断薬が開発されるまでの経緯について述べる. -
Aggrus/podoplanin を標的とした抗体医薬の開発
265巻1号(2018);View Description Hide Description近年,がん化につながる分子が多数同定され,それら分子を標的とした高い奏効率を示すがん分子標的治療薬が短期間で開発・臨床応用され,がん治療成績の向上に寄与している.しかし,がんの完治をめざすことはこのような新薬をもってしても難しく,わが国におけるがん死亡者数の増加を食い止めるまでには至っていない.もちろん,わが国における少子高齢化の影響が大きいことはいうまでもないが,がん転移が抑制しきれていないことも大きな原因となっている.著者らは,がん依存的な血小板凝集が転移促進にかかわっているという基礎研究レベルでの知見をもとに,その血小板凝集促進にかかわる分子としてAggrus と命名した分子を同定した.さらに,Aggrus の血小板凝集誘導活性を阻害するマウス抗体の樹立に成功したことをきっかけとして,ヒト化抗体の作製に取り組んでいる.本稿では,Aggrus の発見からがん抗体医薬の創成に至る経緯を紹介したい. -
抗CD30 抗体薬物複合体(ADC)―Brentuximab vedotin
265巻1号(2018);View Description Hide DescriptionBrentuximab vedotin(BV)は,抗CD30 抗体にチュブリン重合阻害薬であるmonomethyl auristatin Eを結合させた抗体薬物複合体(ADC)である.リンパ系腫瘍のうちHodgkin リンパ腫(HL)と未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)がもっとも代表的なCD30 陽性の病型であるが,BV は,これらに対する重要な治療選択肢となっている.BV はまず自家移植後再発をきたしたHL を対象とした臨床試験で高い有効性が示されて承認された.おもな有害事象は末梢性感覚障害と血液毒性であった.HL では再発・難治例に対する自家移植後の地固め療法としてのBV 療法や,未治療進行期HL に対するBV 併用化学療法など,より治療早期のBV の有用性が確かめられてきた.HL 以外には,ALCL や,国内では適応外ではあるが皮膚T細胞リンパ腫に対するBV 単剤療法の有用性が明らかになっている. -
免疫チェックポイント阻害剤―Ipilimumab,nivolumab,pembrolizumab
265巻1号(2018);View Description Hide Description自己に対する免疫応答を抑制する機構としての“免疫チェックポイント分子”を制御することは,がん免疫療法において有効な抗腫瘍免疫応答を獲得するための重要な機序のひとつである.CTLA-4 に対する抗体薬ipilimumab およびPD-1 に対する抗体薬であるnivolumab やpembrolizumab はすでに多くのがん種において臨床応用に至っており,悪性黒色腫においては併用療法も実施される.一部の症例においては長期にわたり病勢は安定し“治癒”に準じた予後が期待される反面,従来の細胞障害性抗がん剤などとは異なる有害事象の管理や,治療効果判定における留意点などの特徴を有する.適切な併用療法の探索や治療効果予測因子・有害事象発症予測因子の同定など,基礎と臨床のシームレスな連携が求められている. -
BiTE 抗体―Blinatumomab
265巻1号(2018);View Description Hide Description近年,悪性腫瘍に対する免疫療法の開発が盛んである.このうち,B 細胞リンパ芽球性白血病(B-ALL)に対する bispecific T-cell engage(r BiTE)抗体のひとつである blinatumomab の臨床開発が進行している.Blinatumomab は,同種造血幹細胞移植施行歴のある患者を含む再発・治療抵抗性Ph 陰性およびPh陽性B-ALL に対する有効性が報告されており,アメリカFDA ではすでに承認された.日本でも承認申請が行われており,これまで有効な治療方法が乏しかった患者に対する臨床導入と治療成績の向上が期待されている. -
骨転移に作用する抗体医薬―Denosumab を中心に
265巻1号(2018);View Description Hide Description骨転移はすべてのがん種に共通する問題であり,骨転移による疼痛,可動制限に伴うつらさと,日常生活動作(ADL)低下によってがん自体の治療が不十分となる事象も生じてくる.がん細胞による骨の微小環境へ与える影響により,造骨性,溶骨性病変の進行が起こるが,逆に骨の転移病巣からがん細胞へ増殖シグナルを与えることがわかってきており,骨転移病変を抑えることががん自体の予後の改善へつながる.骨転移に対する治療薬として従来ゾレドロン酸が有効性を認められ使用されてきたが,抗体医薬としてはじめてdenosumab が適応となり,各がん種でゾレドロン酸とdenosumab の比較試験が行われ,有用性と費用の面から使用法が定められてきている.また,抗体医薬の新薬としてDKK-1 抗体,sclerostin抗体なども動物モデルで有用性が確認されており,ヒトへの応用が期待されるところである. - 副作用
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抗体療法後のB 型肝炎ウイルス再活性化のリスクとその対策
265巻1号(2018);View Description Hide DescriptionB型肝炎ウイルス(HBV)の再活性化は,抗体療法を含む,がん化学療法・免疫抑制療法後の合併症として,一部の症例においては劇症肝炎に至り,致死的な経過をたどることが報告されている.従来,HBs 抗原陽性例において多数報告されてきたが,抗CD20 モノクローナル抗体などの分子標的治療薬の導入によって,HBs 抗原陰性例からの再活性化が報告されるようになってきた.日本肝臓学会B 型肝炎診療ガイドラインに従い,スクリーニング検査におけるHBs 抗原に加えて,HBc 抗体,HBs 抗体およびHBVDNA定量検査により,あらかじめHBV 再活性化リスクを評価し,HBs 抗原陽性例に対する抗ウイルス薬の予防投与および既往感染例に対するHBV-DNA モニタリングによる対策を講じることで,がん抗体療法の継続,さらに肝炎発症の防止が期待できる. -
がん抗体医薬による心血管毒性の診断と治療
265巻1号(2018);View Description Hide Description1990年代後半から登場したがん抗体医薬を含む分子標的薬は,副作用が少ないということであったが,実際にはアントラサイクリン系抗がん剤とは異なる機序の心血管毒性や,アントラサイクリン系抗がん剤やその他のがん治療との併用によって心血管毒性が惹起されることが徐々に明らかになっている.がん抗体医薬に共通した心血管毒性はなく,心血管系細胞においてそれぞれのがん抗体医薬が標的とする分子,受容体,細胞内シグナルが抑制されることの結果として心血管毒性が出現すると考えられているが,正確な発症機序は不明である.本稿では,代表的ながん抗体医薬である抗VEGF 抗体ベバシズマブと抗HER2 抗体トラスツズマブによる高血圧と心機能障害について紹介し,それらの診断と治療について概説する. - トピック
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抗体医薬の医療技術評価(HTA)
265巻1号(2018);View Description Hide Description医療技術評価(HTA)は,臨床試験に基づく有効性や安全性の評価だけではなく,実臨床における長期的な有効性や,医療経済評価による費用対効果なども含め,医療技術の価値をより広い視点で評価する方法である.HTA の中でとくに医療経済評価は多くの国々において,当該医療技術の保険償還の可否の判断や,価格設定などに利用されている.費用対効果が優れないとの結果が得られた薬剤については,価格引き下げだけでなく,償還の制限との判断がなされることもある.償還の制限がなされると患者のアクセス阻害がもたらされ,大きな社会問題となるケースもある.また,企業の新薬開発意欲が削がれ,技術革新に影響が生じるとの指摘もある.日本でも中央社会保険医療協議会(中医協)において2016 年4 月より,既収載医薬品ならびに医療機器の価格改定に際して費用対効果評価の試行的導入がはじまり,抗体医薬が2 品目含まれている.試行的導入の結果と諸外国における経験を踏まえ,今後の本格導入において薬剤の価値を適切に反映した価格設定が行われることを期待したい. -
感染症に対する抗体医薬―Bezlotoxumab によるClostridium difficile 感染症再発予防
265巻1号(2018);View Description Hide Description24時間以内に3 回以上の下痢を有し,かつ便中のClostridium difficile(C. difficile)トキシン検査が陽性,あるいは下部消化管内視鏡検査や大腸組織の病理像にて偽膜性腸炎をきたした症例をC. difficile感染症(CDI)と診断することが推奨され,イギリス,アメリカ,ヨーロッパなどで種々の指針(ガイドライン)がつくられた.毒素A,B に対するヒトモノクローナル抗体医薬としておのおのactoxumab,bezlotoxumabが開発され,国際共同第Ⅲ相試験で,これらを標準治療に上乗せする二重盲検グローバル試験MODIFYⅠとMODIFYⅡが実施された.前者では,①bezlotoxumab,②actoxumab+bezlotoxumab,③プラセボおよび④actoxumab が割り付けられ,その中間結果からMODIFYⅡで①~③が割り付けられた.その結果,bezlotoxumab 単独群で有意にCDI 再発が少なく,有害事象はプラセボと同等であった.CDIの再発予防によるコスト削減が,bezlotoxumab の1 回投与のコストを上まわるという検証が今後,各国で行われると推測される.
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