Volume 265,
Issue 6,
2018
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特集 Liquid biopsyへの期待と限界
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医学のあゆみ 265巻6号, 489-489 (2018);
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医学のあゆみ 265巻6号, 491-494 (2018);
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Cell free DNA(cfDNA)は,他のリキッドバイオプシーと同様に効果予測,予後予測,診断,治療モニタリングなどの低侵襲検査として大きな期待が寄せられている.肺癌患者に対してEGFR 遺伝子変異の血漿検査が保険償還されるなど,がん疾患領域におけるcfDNA の実臨床への展開が進んでいる.NGS による低頻度変異アレルの検出技術の進歩は,cfDNA などのリキッドバイオプシーによるプレシジョンメディシンを可能にすると期待されている.
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医学のあゆみ 265巻6号, 495-498 (2018);
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近年におけるがんの薬物療法の発展には著しいものがあり,進行がん患者の予後を大きく改善しつつある.治療の発展と長期生存が可能となることに伴い,より詳細かつリアルタイムでの診断へのニーズが高まっており,その診断を基盤とするプレシジョンメディシンの実現が求められている.そこで,繰り返しでの検査を可能とするがんの非侵襲的診断の実現をめざして,数多くの取組みがなされてきている.血中遊離DNA(cfDNA),血中循環腫瘍細胞(CTC),エクソソームなどを中心に非常に活発な研究が行われてきており,大きな期待が持たれている.本稿ではCTC を用いたプレシジョンメディシンの可能性について紹介したい.
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医学のあゆみ 265巻6号, 499-503 (2018);
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血中マイクロRNA(miRNA)は,悪性腫瘍を含む体内のさまざまな異常を反映して固有のプロファイルを示すことがわかりつつあり,最適医療時代における次世代型のバイオマーカーとして注目されている.とくにがんの早期診断については,きわめて優れた診断性能が国内外から報告されている.加えて,がんの治療効果モニタリングや再発予測,予後予測によるハイリスク集団の層別化など,がん診断において広い応用範囲をもつと考えられている.またエクソソームなどの細胞外小胞に内包されて分泌されたmiRNA は,他の細胞に移行してその機能を発揮することができ,細胞間シグナル伝達ツールとしての役割を担っている.そのため血中miRNA プロファイルと疾患の関係を追究することにより,腫瘍の浸潤や転移に重要なあらたな治療標的の同定に寄与する可能性も期待できる.現在著者らの研究グループでは,バイオバンク保存血清を用いた大規模な血中miRNA データベースを作成しており,がんの超早期診断の実用化をめざしている.
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医学のあゆみ 265巻6号, 504-508 (2018);
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従来の生物学的検出手法に基づき急速にかつ網羅的にバイオマーカーの探求がなされている一方で,microRNA(miRNA)解析やエクソソーム検出を中心に高感度・高精度な検出法または検出デバイスの開発が求められている.この事実を背景に,リキッドバイオプシーにおけるバイオマーカーの検出技術開発を取り巻く環境は,微細加工技術や半導体工学と組み合わせた工学的アプローチに基づくデバイス開発へとシフトしつつある.電気化学検出方式のバイオセンサは集積化・小型化を得意とすることから,高感度でハイスループットな核酸計測を実現しており,リキッドバイオプシーのmiRNA 検出の有用なプラットフォームとなることが期待される.
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医学のあゆみ 265巻6号, 509-512 (2018);
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エクソソームは細胞から放出される小胞で,細胞間のコミュニケーションの一端を担っている.血球細胞,間質細胞,管腔内皮細胞といった正常細胞をはじめ,がん細胞からもエクソソームが放出されていることが確認されている.さらに,がん細胞から放出されたエクソソームが転移先に作用し,がん細胞が生着する足がかりを作っている可能性が示されている.エクソソームは内包する物質や膜上蛋白質で特徴づけられ,それら特徴からがん細胞由来のエクソソームが検出できると考えられる.血液,乳汁,尿,腹水といったさまざまな体液中からエクソソームを検出し,がんの診断や治療効果予測,予後予測に活用する研究が行われている.本稿では,liquid biopsy に関連したエクソソームの研究をまとめた.
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医学のあゆみ 265巻6号, 513-516 (2018);
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疾患を早期に発見したり,再発や治療効果のモニタリングをしたりするために,可能なかぎり被験者の身体的な負担を小さくして高頻度な検査ができるように,さまざまな体液の検査が開発されている.このように体液から特定の分子などを検出して疾患を検査する技術をliquid biopsy(リキッドバイオプシー)とよぶ.つまり体液の生検である.とくに近年,さまざまな分子を一斉に測定することができる技術が高度化したために,新しい分子マーカーの研究例が多数報告されている.メタボロームは代謝物を一斉解析する方法で,体内の代謝異常に関連する疾患を解析する多数の研究例がある.多くの分子を同時に観測できるために,新規マーカーを容易に探索できる可能性は秘めているが,一方さまざまな危険性もある.採取条件,検体の取扱い,定量値の再現性の高い測定方法の確立や品質担保など,すべての工程において高度な評価と標準化を必要とする.メタボロームを使った低侵襲な検査を実用化するための著者らのさまざまな取組みを紹介する.
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連載
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救急医学 ― 現状と課題 17(最終回)
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医学のあゆみ 265巻6号, 523-528 (2018);
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◎心停止からの蘇生は医学の大きなテーマのひとつである.中心となる概念は“救命の連鎖”(図1)として4つの行動で表されるが,目標は呼吸・循環に加えて脳の高次機能を守って社会復帰させることである.最新のJRC 蘇生ガイドライン2015 は,わが国ではじめてGRADE システムを用いて作られた診療ガイドラインである.トピックとして立てられたCQ に対して推奨・提案が出されているが,脳の高次機能を守るためには,蘇生の早期から明らかな循環回復まで,いかに質の高い胸骨圧迫を中断なく続けるか,という点が強調されている.市民救助者による蘇生実施率を上げるための戦略として,反応がなく,心停止を疑った場合には,まず胸骨圧迫を開始することと,消防通信司令員による口頭指示が強く推奨されている.
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Sustainable Development を目指した予防医学 7
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医学のあゆみ 265巻6号, 529-533 (2018);
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平成28 年4 月から学校保健で運動器検診が義務化され,小児の運動器疾患に対する社会的な注目が高まっている.近年では小児期の運動習慣が二極化しているといわれ,体を動かす機会がほとんどなくなった者が増えた一方で,特定の運動を過剰に繰り返し運動器障害が発症する小児も多い.スポーツ障害は,柔軟性や運動量,身体の成長時期など多くの要因が関与するため,予防はかならずしも容易ではないが,運動の内容および量を適切にコントロールすることが重要と考えられる.小児期から生じる運動器の問題は,先天性の素因などにより予防が困難なものもあるが,適切な管理によって発症リスクを減じる,あるいは早期発見によって重症化を防ぐことが可能なものも多く,発症要因の同定および予防法の開発,早期発見を目指した検診制度の確立のためにさらなる知見の蓄積が求められる.
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TOPICS
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免疫学
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医学のあゆみ 265巻6号, 517-519 (2018);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 265巻6号, 519-520 (2018);
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病理学
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医学のあゆみ 265巻6号, 521-522 (2018);
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FORUM
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医学のあゆみ 265巻6号, 534-535 (2018);
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Choosing Wisely キャンペーンとは 4
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医学のあゆみ 265巻6号, 536-538 (2018);
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パリから見えるこの世界 68
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医学のあゆみ 265巻6号, 539-543 (2018);
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