Volume 269,
Issue 2,
2019
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特集 心エコーの最近の話題
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医学のあゆみ 269巻2号, 117-117 (2019);
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医学のあゆみ 269巻2号, 119-122 (2019);
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4D/3D 心エコーは,2008 年に市販されたPhilips 社のX7-2t 経食道プローベで本格的な臨床応用がはじまった.研究面では多くの日本人が三次元(3D)心エコーの優れた業績を上げてきており,同社のプローベにより日常臨床でだれしもが利用可能となった.経胸壁心エコー図でも4D/3D 描出は可能であるが,画質の点で経食道心エコー図(TEE)ほど一般的ではない.3D-TEE プローベは通常のプローベと同じ大きさで,利用にあたって特殊な操作も必要なく,導入から10 年以上が経過した現在では日常の検査法となっており,Philips 社の最新機種X8-2t ではさらに画質が向上している.3D-TEE の最もよい対象は僧帽弁,左房,心房中隔で,3D 描出によってより高いレベルの構造診断が可能となっている.また,自由に断面を設定できるため理想的な断面設定でトレースが可能となり,より正確な定量評価にも寄与している.3D 描出は,術前検査で心臓血管外科医に正確なイメージを伝えるだけでなく,若手医師の教育や看護スタッフの理解にも大きく役立っており,その役割は高まる一方である.
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医学のあゆみ 269巻2号, 123-127 (2019);
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構造的心疾患(SHD)は心臓内の構造に器質的異常を有する疾患を指し,最近では根本的治療としてカテーテル治療が選択される機会が増えている.心エコーは即時性が高いことから,心臓手術を行う際の術中モニターとして使用されることが多く,とくにカテーテル治療では心エコーによる手技ガイドおよび術中モニターとしての重要性が増してきている.今後もデバイスの発展に伴ってさまざまなSHD に対してカテーテル治療が可能になると考えられるが,安全な手技を遂行するために心エコーの担当者は手技の段取りや合併症に関して十分に理解しておく必要がある.
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医学のあゆみ 269巻2号, 128-133 (2019);
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近年の医療技術の飛躍的進歩により先天性心疾患患者の予後は格段に改善され,その多くは成人期に到達するようになった.この現状は欧米諸国だけでなくわが国でも同様であり,増加し続ける成人先天性心疾患(adult congenital heart disease:ACHD)の診療はきわめて大きな問題となっている.しかし,ACHD の心エコーでは特殊な症例も少なくなく,とくに成人の循環器診療に携わっている方々にはなじみがなく評価項目に迷うことも多い.本稿では日常遭遇することが多いであろうACHD に絞り,心エコーのポイントについて解説する.
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医学のあゆみ 269巻2号, 134-139 (2019);
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カテーテルアブレーションは近年,心房細動アブレーションに対する治療が多くなっている影響もあり,単調増加している.現在は,三次元(3D)マッピング技術の発達により手術時間は1~3 時間ほどとなっているが,患者・医療従事者ともに被曝が多くなる手技である.近年,心腔内エコー(ICE)を多方面に活用することにより,現在は相当量の被曝が低減できるようになってきた.本稿では術前の左心耳内などの血栓評価,被曝低減のための術中のリアルタイムな解剖の理解,およびカテーテルの至適部位へのコンタクトの評価,合併症の早期発見・対処法を,ICE を使用してどのように行えるかを例示しながら説明していく.
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医学のあゆみ 269巻2号, 140-147 (2019);
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心エコー図検査は,非侵襲的に繰り返し行える検査法であり,肺高血圧症の診断において,①早期診断のためのスクリーニング検査,②肺高血圧の原因疾患の鑑別,③右心機能評価による重症度評価,④治療効果判定,⑤予後評価,などを行える有用な検査法である.肺高血圧症の診療においては,早期診断には三尖弁圧較差(TRPG)より求める推定肺動脈収縮期圧(ePASP)を含めた心エコー指標が用いられ,診断後の重症度評価や治療効果の判定には右室機能障害の指標もともに用いられ,右室機能障害の重症度は予後評価の指標ともなる.近年,スペックル・トラッキング法や三次元心エコーを用いてより詳細な心機能評価が可能となっており,肺高血圧症の診療において心エコーの重要性が認められている.
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医学のあゆみ 269巻2号, 148-151 (2019);
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わが国の心不全患者数は増加の一途をたどり,その治療に対する高額な医療費が社会的な問題となっている.心不全の評価ツールにはさまざまなものがあるが,なかでも心エコー図検査は非侵襲的に繰り返し心機能・血行動態などを評価できるだけでなく,予後予測に有効な指標を求めることができるため,心不全診療において欠かすことができないツールである.本稿では,心不全診療における“心エコーの最近の話題”として,日立製作所の超音波診断装置“LISENDO 880”に内蔵されている①Dual Gate Doppler と,②VectorFlow Mapping について紹介する.
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医学のあゆみ 269巻2号, 152-155 (2019);
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救急・集中治療領域を中心に,臨床医が行う超音波の利用についてエビデンスの集積が進められ,ベッドサイドで観察項目を絞って行う超音波は包括的にpoint-of-care 超音波(POCUS)とよばれるようになった.POCUS は①抽出,②創出,③統合,の観点からエビデンスが見出された.“抽出”は系統的超音波検査からPOCUS に適した項目が選ばれたことを,“創出”はベッドサイドで新しい手法が生み出されたことを,“統合”は領域横断的活用の意義が見出されたことを意味する.Focused cardiac ultrasound(FoCUS)は心エコーの非専門家が一定の指針に基づいて行うもので,一定のコンセンサスが得られている.肺超音波による心原性肺水腫の評価法が近年注目され,FoCUS との組み合わせで左心不全の診断精度を高めることが期待できる.ポケットエコーに関する臨床研究はおもに循環器領域から報告されているが,非専門家による適正利用については今後,検討が必要である.
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医学のあゆみ 269巻2号, 156-160 (2019);
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負荷心エコー図検査が保険収載されてから,7 年が経過した.負荷心エコー図検査は心筋虚血の診断や心筋viability の評価など虚血性心疾患の分野にはじまり,弁膜症,心筋症,心不全,肺高血圧症などさまざまな循環器疾患に応用され,その病態把握に有用であるが,負荷心エコー図検査を日常的に施行している施設は限られている.その理由は,通常の心エコー図検査と比較して時間がかかる,人手がかかる,機材がない,評価方法がよくわからない,など多岐にわたると察する.しかし,structual heart disease(SHD)の評価において,負荷心エコー図検査はガイドラインに明記された検査である.本稿では,負荷心エコー図検査の総説と,大動脈弁狭窄症(AS)ならびに僧帽弁閉鎖不全症(MR)の2 つのSHD に対する評価方法を,実症例を提示して解説する.
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連載
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医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及 15
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医学のあゆみ 269巻2号, 166-169 (2019);
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◎側頭骨手術は,鼓室形成術など炎症制御,聴力改善を目的とした耳疾患に対する手術から,近年では頭蓋底,頭蓋内へアプローチするルートとしても行われている.解剖学的特性,手術の特異性から,側頭骨手術は耳鼻咽喉科手術のなかでも難易度が高いものと考えられ,これまで一部のエキスパートにより行われることが多かった.近年,側頭骨手術に関しても,手術トレーナ,シミュレータが発達し,安全に手術トレーニングを積むことができるようになり,多くの術者が側頭骨手術に携わることができるようになってきた.本稿では,側頭骨の解剖学的特性,手術の特異性について解説し,側頭骨手術トレーニング,シミュレーションの現状について紹介する.
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健康寿命延伸に寄与する体力医学 3
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医学のあゆみ 269巻2号, 170-174 (2019);
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加齢とともに動脈硬化は進展する.動脈硬化の進展には運動不足などの生活習慣も影響を与える.一方,中・高年齢者における習慣的な有酸素性運動は動脈硬化の進展を抑制する.この効果は比較的短期間で認められるが,運動を中止するとその効果は速やかに消失する.運動が動脈硬化を抑制するメカニズムには,血管内皮機能の改善が関与している.また,筋力トレーニングが動脈硬化に与える影響についても報告があり,高強度の筋力トレーニングは動脈硬化を進行させるが,中等強度では動脈硬化を進展させないことが示されている.筋力トレーニングは運動強度により動脈硬化に与える影響が異なると考えられる.さらに,中・高年齢者では,身体の柔軟性が高いほど,動脈硬化の進展が抑制されることも示されている.これらのことから,中・高年齢者において適切な運動を習慣化することは動脈硬化の予防・改善に有効である.
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TOPICS
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神経精神医学
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医学のあゆみ 269巻2号, 161-162 (2019);
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消化器内科学
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医学のあゆみ 269巻2号, 162-163 (2019);
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細菌学・ウイルス学
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医学のあゆみ 269巻2号, 164-165 (2019);
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FORUM
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医師のバーンアウト(燃え尽き症候群)をふせぐためには?― 脳神経内科領域の取組みから学ぶ 7
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医学のあゆみ 269巻2号, 175-178 (2019);
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パリから見えるこの世界 78
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医学のあゆみ 269巻2号, 179-183 (2019);
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