Therapeutic Research
Volume 29, Issue 3, 2008
Volumes & issues:
-
■ ROUNDTABLE ■
-
- < Expert Meeting in TOKYO >
-
-
Symposium
-
- 第20回Nicorandil研究会
- 基礎の部
-
-
-
-
4.Effect of ATP-sensitive potassium channel Agonists on Ventricular Remodeling in Healed Rat Infarcts
29巻3号(2008);View Description Hide DescriptionMyocardial KATP channels have been implicated in the ventricular remodeling after myocardial infarction by inhibition of 70−kDa S6(p70S6)kinase. The purpose of this study was to determine whether ATP−sensitive potassium(KATP)channel agonists exert beneficial effect on the structural, functional, and molecular features of the remodeling heart in infarcted rats. Male Wistar rats after induction of myocardial infarction were randomized to either vehicle, agonists of KATP channels nicorandil and pinacidil, an antagonist of KATP channels glibenclamide, or a combination of nicorandil and glibenclamide or pinacidil and glibenclamide for 4 weeks. To verify the role of p70S6 kinase in ventricular remodeling, rapamycin was also assessed. Significant ventricular hypertrophy was detected by increased myocyte size at the border zone isolated by enzymatic dissociation after infarction. Increased synthesis of p70S6 kinase mRNA after infarction in vehicle−treated rats was confirmed by reverse transcription−polymerase chain reaction, consistent with the results of immunohistochemistry and Western blot for p70S6 kinase. Rats in the nicorandil− and pinacidil−treated groups significantly attenuated cardiomyocyte hypertrophy and p70S6 kinase expression with similar potency, as compared with the vehicle−treated group. The beneficial effects of nicorandil and pinacidil were abolished by administering glibenclamide. Addition of rapamycin attenuated ventricular remodeling and did not have additional beneficial effects compared with rats treated with either nicorandil or pinacidil alone. Activation of KATP channels by either nicorandil or pinacidil administration can attenuate ventricular remodeling,probably through a p70S6 kinase−dependent pathway after infarction. This might provide aworthwhile therapeutic target. -
5.HSP72誘導剤GeranylgeranylacetoneによるミトコンドリアATP感受性Kチャネルを介した虚血耐性
29巻3号(2008);View Description Hide Description -
-
- 臨床の部
-
-
-
3.ニコランジル投与によるPCI後の微小血管循環障害および心筋障害予防効果についての検討?IMRを用いた臨床研究?
29巻3号(2008);View Description Hide Description -
-
5.急性心筋梗塞患者のインターベンション時におけるニコランジル投与は慢性期左室Remodelingを抑制するか??多変量解析からの検討?
29巻3号(2008);View Description Hide Description -
-
-
8.心筋梗塞患者における静注ニコランジルおよび経口ニコランジルの有効性の検討 ?J-WIND研究からの考察?
29巻3号(2008);View Description Hide Description -
- 指定発言
-
- Column
-
-
-
文献紹介レポート
-
-
-
原著
-
-
高血圧患者におけるAT1受容体拮抗薬とカルシウム拮抗薬の腎保護効果?ケース・コントロール研究ー
29巻3号(2008);View Description Hide Description高血圧治療では,厳格な降圧により末期腎不全(ESRD)への進展を抑制することが示され,降圧薬を併用する機会が増えている。それゆえ,AT1受容体拮抗薬(ARB)もしくはカルシウム拮抗薬(CCB)で治療していた高血圧患者で,降圧薬の種類の違いによる腎保護作用に違いがあるかどうかを臨床で検討する意義は高いと考えられる。そこで今回,ARB もしくは CCB で治療していた高血圧患者 741 例を対象に腎イベントの発症(血清クレアチニン値の 2 倍への到達)に関係する因子の検索を行った。まず,降圧薬の使用状況で腎イベントの発症に違いがあるかどうか評価したところ,ARB 単独および CCB 単独治療をしていた高血圧患者では腎イベントは発症しておらず,ARB と CCB を併用していた高血圧患者でのみ腎イベントは発症していた。ARB と CCB で併用治療していた高血圧患者は,ARB 単独および CCB 単独治療をしていた高血圧患者に比べて有意に血清クレアチニン値が高値を示し,eGFR が低値を示していた。 そこで,ARB と CCB で併用治療していた高血圧患者 286 例を解析対象として,腎イベントの発症に関係する因子を検索し,多重ロジスティック回帰分析で補正したところ,腎イベントの発症に対するオッズ比が,慢性腎臓病(CKD)で 4.07(95%信頼区間;2.11〜7.86,p<0.001)およびベニジピンの使用で 0.32(0.15〜0.69,p=0.004)を示し,いずれも有意差が認められた。これらのことから,CKD が腎イベント発症の危険因子であり,腎機能障害の初期からの治療が重要であることをあらためて明らかにするとともに,カルシウム拮抗薬の薬剤別解析によりベニジピンが ARB との併用治療で腎保護作用が強いことが示唆された。 -
メタボリックシンドロームを有する高血圧患者におけるオルメサルタンメドキソミルのインスリン抵抗性および血管内皮機能に及ぼす影響についての検討
29巻3号(2008);View Description Hide Description -
-
ボグリボース0.9mg/日あるいはアカルボース300mg/日からミグリトール225mg/日への切り替えによる血糖コントロール,血圧および体重への影響?2型糖尿病における検討?
29巻3号(2008);View Description Hide Description -
Helicobacter pylori陽性胃潰瘍に対する除菌治療後のマレイン酸イルソグラジンによる潰瘍治療効果の検討
29巻3号(2008);View Description Hide Description2003 年に科学的根拠に基づき作成された「EBM に基づく胃潰瘍診療ガイドライン」(以下,本ガイドライン)1)が発刊され,胃潰瘍治療における第一選択療法として除菌療法が推奨された。しかし,除菌治療後,引き続き潰瘍治療を行うことの必要性については十分検討されていない。そこで,今回 Helicobacter pylori(H.pylori)陽性の胃潰瘍と診断された患者を対象に,除菌治療直後の胃潰瘍に対するマレイン酸イルソグラジンの有効性および安全性を検討する製造販売後臨床試験を計画した。 方法:H. pylori 陽性の胃潰瘍と診断され 1 週間の除菌治療終了後,マレイン酸イルソグラジンを 1 日 2 回 8 週間経口投与した。治癒効果については,投与前後に上部消化管内視鏡を施行し,胃潰瘍治癒を確認した。 結果:試験終了時での潰瘍治癒率は 79.4%(27/34 例)であった。本試験中,重篤な副作用は認められなかった。 結論:H. pylori 陽性胃潰瘍患者に対して,除菌治療後のマレイン酸イルソグラジン投与による潰瘍治療は安全性に優れ,有効であることが示唆された。 -
麻酔下高血圧自然発症ラットにおける腎血行動態および尿細管再吸収に及ぼすBenidipineおよびCilnidipineの影響
29巻3号(2008);View Description Hide Description目的:麻酔下高血圧自然発症ラット(SHR)を用いて,T 型カルシウムチャネル阻害作用を有する塩酸ベニジピン(ベニジピン)の腎機能に対する作用を,シルニジピンと比較検討した。 方法と結果:麻酔下 SHR において,パラアミノ馬尿酸(C−PAH),イヌリン(C−INU)およびリチウム(C−Li)の腎クリアランスを,それぞれ腎血漿流量,糸球体濾過量ならびに近位尿細管における水およびナトリウム再吸収の指標として測定した。ベニジピン(0.01 mg/kg, i. v.)は,尿量,ナトリウム排泄量(Ex−Na)およびC−Li を有意に増加させたが,C−INU を変化させなかった。さらに,ベニジピンは遠位ネフロン部からの水(UV/C−Li)およびナトリウム排泄率(C−Na/C−Li)を有意に増加させた。ベニジピンと同程度の降圧作用を示すシルニジピン(0.1 mg/kg,i. v.)の作用を検討したところ,シルニジピンは尿量および UV/C−Li を有意に増加させたが,Ex−Na,C−Li および C−Na/C−Liには有意な作用を及ぼさなかった。ベニジピンはシルニジピンよりも強いナトリウム利尿作用を示した。 結論:以上の結果から,SHR においてベニジピンは,近位尿細管ならびに遠位ネフロン部において水およびナトリウムの再吸収を抑制し,利尿作用を発現することが示された。ベニジピンは,同程度の降圧作用を示す用量においてシルニジピンよりも強いナトリウム利尿作用を認めた。ベニジピンとシルニジピンの作用の違いは,T 型カルシウムチャネルの阻害活性の差による可能性がある。
-