Volume 58,
Issue 11,
2003
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特集 【代謝性骨疾患】
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最新医学 58巻11号, 2607-2608 (2003);
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アプローチ
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最新医学 58巻11号, 2609-2616 (2003);
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近年の骨代謝研究の展開により,代謝性骨疾患の病因・病態の解明が著しく進展した.そしてこれに伴い,原発性ならびに続発性骨粗鬆症,くる病・骨軟化症,癌の骨転移など癌に伴う骨病変,そして骨硬化性・骨融解性などの骨系統疾患の診断と治療面にも目覚ましい進歩が見られた.現在,骨粗鬆症をはじめとする代謝性骨疾患の科学的根拠に基づいた日常診療が可能となりつつあり,今後さらなる研究の発展が期待されている.
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基礎
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最新医学 58巻11号, 2617-2624 (2003);
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骨はダイナミックに破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成を繰り返し,再構築(リモデリング)を営むことにより形態や機能を維持している.近年の骨代謝研究の進歩により,これらの細胞分化や機能を根幹的に調節する因子が次々に同定された.本稿では骨芽細胞および主な調節因子について,最新の知見を交えて概説する.
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最新医学 58巻11号, 2625-2630 (2003);
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骨芽細胞は間葉系幹細胞に由来し,間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化過程ではRunx2,Osterix などの転写因子やBMP,プロスタグランジンなどの局所因子が重要な役割を担っている.これらの因子の相互作用を含めて骨芽細胞の分化調節機構が詳細に解析されつつある.
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最新医学 58巻11号, 2631-2639 (2003);
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骨芽細胞が破骨細胞の分化や機能を調節することは従来より知られていた.RANKLの発見により,その調節機構が分子レベルで明らかにされつつある.骨吸収を促進するホルモンやサイトカインはRANKL 発現を促し,osteoprotegerin(OPG)の発現を抑制する.IL-1 などの炎症性サイトカインやリポ多糖なども破骨細胞の分化と機能を調節していることが判明し,炎症性骨吸収の発症機構が明らかにされつつある.
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最新医学 58巻11号, 2640-2644 (2003);
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石灰化の制御にかかわる分子群は 相互作用のバランスの中で石灰化のレベルを規定する.石灰化を抑制する機構は,これが阻害されると石灰化に促進的な結果をもたらす.これまでのノックアウトマウスの研究から,石灰化を抑制する分子と促進する分子の平衡が重要であり,一部ではフィードバックのかかることが推察される.現在のこれらのネットワークについてのメカニズムの解明について概観する.
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最新医学 58巻11号, 2645-2650 (2003);
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血中リン濃度は,主に腎近位尿細管でのリン再吸収により規定されている.慢性的な低リン血症を特徴とする複数の疾患の発症に重要な役割を果たす因子として,FGF-23 が同定された.FGF-23 は腎近位尿細管でのリン再吸収を抑制するとともに,1,25-水酸化ビタミンD産生を抑制する.FGF-23 作用の解明は,リン代謝異常症のより良い管理に必要と考えられる.
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最新医学 58巻11号, 2651-2657 (2003);
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ビタミンDは抗くる病因子として発見された骨形成に必須の因子である.ビタミンDは体内で活性化され,標的細胞内に存在するビタミンD受容体に結合し,遺伝子の発現を調節することで作用を発揮する.一方,ビタミンD受容体欠損マウスにおいては発生異常がないこと,十分なカルシウムの補充で骨病変もほぼ治癒することより,ビタミンDの主たる作用が血清カルシウムの維持にあると考えられる.また,ビタミンDは骨吸収促進作用も有し,骨に対する作用に2面性が認められる.
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臨床
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最新医学 58巻11号, 2658-2663 (2003);
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骨の老化は,骨量の減少,骨の構造の変化,骨の材質の劣化によって特徴づけられ,骨の脆弱性と骨折の原因になっている.これら3つの要因を標的にした診断・治療法の開発が急務である.骨の加齢変化には,全身性のホルモンや神経系,局所因子,機械的刺激,細胞固有の要因がある.破骨細胞や骨芽細胞に加えて,第3の細胞である骨細胞がmicrodamage の除去と修復に重要である.骨吸収抑制薬中心の市場に,PTH 自己注射によるアナボリック治療が導入され始め,積極的に骨を造る時代に突入した.
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最新医学 58巻11号, 2664-2670 (2003);
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ステロイド骨粗鬆症は,グルココルチコイド(GC)の長期投与によって誘発される続発性骨粗鬆症で,現在その骨粗鬆症発症に伴う骨折の予防対策が必須のものとなってきている.骨量の減少はGC 投与開始の最初の6ヵ月に著明に進行し,過剰のGC による骨形成の低下が主な成因と考えられる.一方で,骨折リスクを判定基準とした大規模臨床試験において,ビスホスホネート製剤が有意の改善効果を示しており,第1選択薬として考慮されている.
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最新医学 58巻11号, 2671-2679 (2003);
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続発性骨粗鬆症の原因として内分泌疾患は比較的頻度の高いものであり,古くからその病因については報告があるが,その頻度,発生機序,治療法についてはまだ不明の点が多い.骨粗鬆症を起こす内分泌疾患としてはBasedow 病,Cushing 症候群,原発性副甲状腺機能亢進症,性腺機能低下症が代表的であるが,そのほかにも骨粗鬆症を起こす内分泌疾患は数多くある.それぞれに克服すべき課題は多く,また内分泌疾患に伴う骨粗鬆症全般において,その診断・治療の方針について一定の基準がなく今後の課題である.
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最新医学 58巻11号, 2680-2685 (2003);
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腎不全患者では血清Ca,活性型ビタミンD濃度が低下し,副甲状腺のPTH 分泌が刺激されるという解釈は,すでに2次性副甲状腺機能亢進症の古典的モデルに過ぎない.最近30 年間の臨床現場の観察と基礎研究の進歩により,腎性骨異栄養症の病態は一層複雑であると認知され,同時に臨床現場では解決困難な問題が山積している.例えば,最近増加傾向にある無形成骨症はその病態自体が依然として十分解明されていないし,虚血性心疾患につながる異所性石灰化は慢性腎不全・維持透析患者の生命予後規定因子であり,その進行予防は臨床面で克服すべき重要な課題である.
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最新医学 58巻11号, 2686-2691 (2003);
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骨の石灰化障害によりくる病・骨軟化症が生じる.その病態は,ミネラルの骨への供給の欠乏とミネラルの骨沈着障害に大別される.臨床で遭遇する多くの病態は前者で,ビタミンD欠乏と低リン血症性くる病・骨軟化症がある.ビタミンD欠乏は代謝性骨疾患の中で最も古い病態であるが,欠乏症の定義が最近になって見直されてきている.低リン血症性くる病においては,リン調節にかかわる諸因子が同定され新たな展開を見せている.
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最新医学 58巻11号, 2692-2697 (2003);
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大理石骨病はまれな遺伝性疾患である.重症型に対しては骨髄移植やIFNγ投与などの治療が行われているが,その成績は必ずしも満足すべきものではない.近年,分子生物学を用いた研究からその病態が分子レベルで明らかになってきており,新しい治療法の開発が期待されている
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最新医学 58巻11号, 2698-2705 (2003);
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癌は高頻度に骨に転移し,耐え難い骨痛などにより癌患者のQOL を損なう.また,癌はさまざまな全身的合併症状,いわゆる癌性症候群(paraneoplastic syndromes)を誘発する.このような癌性症候群はしばしば骨と関連して見られる.癌の骨への転移および骨関連の癌性症候群がどのようなメカニズムを介して起こるかを理解することは,癌患者の治療・管理の向上に不可欠である.
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【エッセー】
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生活習慣のはなし(19)
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最新医学 58巻11号, 2706-2708 (2003);
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【対 談】
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最新医学 58巻11号, 2709-2719 (2003);
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【トピックス】
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最新医学 58巻11号, 2720-2724 (2003);
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最新医学 58巻11号, 2725-2729 (2003);
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最新医学 58巻11号, 2730-2736 (2003);
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【総説】
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最新医学 58巻11号, 2737-2742 (2003);
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【今月の略語】
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最新医学 58巻11号, 2743-2749 (2003);
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