Volume 62,
Issue 12,
2007
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特集【造血器腫瘍に対する最新治療】
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最新医学 62巻12号, 2571-2571 (2007);
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最新医学 62巻12号, 2572-2577 (2007);
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本特集への導入として,造血器腫瘍に対する新規治療薬の開発動向に関する話題を紹介した.特に,分子標的治療が新しい治療法の中核となっており,イマチニブに代表される低分子治療薬,リツキシマブに代表される抗体医薬は,実際に素晴らしい治療成績を上げている.その他,ボルテゾミブ,レナリドマイドなどの新規治療薬も従来の治療方針を大きく変えつつある.また,細胞治療や遺伝子治療といった新しい治療戦略の臨床開発も進みつつある.
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最新医学 62巻12号, 2578-2582 (2007);
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分子標的薬は,腫瘍の病態にかかわる分子を特異的に阻害する小分子化合物と,腫瘍細胞が発現している抗原を標的にして細胞障害をもたらすモノクローナル抗体に分類される.急性リンパ性白血病の治療に用いられることが検討されている薬剤として,前者はイマチニブ(グリベック)などが,後者にはリツキシマブ(リツキサン)などがある.それらの薬剤は従来の化学療法と併用することにより,急性リンパ性白血病の治療成績向上につながることが期待されている.
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最新医学 62巻12号, 2583-2590 (2007);
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急性骨髄性白血病(AML)の治療成績向上のために,CD33 抗原を標的とした抗体を用いた製剤ゲムツズマブオゾガマイシン(GO)が開発され,臨床試験が施行されてきた.欧米では,未治療AML を対象とした標準的化学療法群とGO 併用群の無作為化第 III 相臨床試験が進行中である.日本でも,再寛解導入療法としてGO 併用療法の第 I 相臨床試験が行われている.これらの結果が注目される.
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最新医学 62巻12号, 2591-2596 (2007);
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急性前骨髄球性白血病(APL)は,汎血球減少,播種性血管内凝固(DIC)の合併など独特の臨床像を持ち,特定の染色体異常から分子生物学的な解析が進み,最もよく理解されている白血病である.治療戦略は,初発時は分子標的治療薬であるレチノイン酸を主体として,再発時は亜ヒ酸が主体となる.これら薬剤の登場により,生存率は改善し,患者QOL も以前より明らかに良くなっている.実際の治療上の注意点も含めて,今後の治療戦略を考察する.
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最新医学 62巻12号, 2597-2604 (2007);
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メシル酸イマチニブは慢性骨髄性白血病に対して優れた治療効果を示す.一方,新規BCR/ABL チロシンキナーゼ阻害薬の開発も進められ,BCR/ABL 遺伝子の変異を中心としたイマチニブ耐性例に対する効果が期待されている.現在までに行われた多くの臨床試験の結果を踏まえ,最近European LeukemiaNet より慢性骨髄性白血病に対する治療指針が発表された.
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最新医学 62巻12号, 2605-2609 (2007);
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慢性リンパ性白血病は日本では極めて少ない.そのため薬剤の導入も遅れたが,フルダラビンをはじめとして新たな薬剤が使用されるようになった.高齢者が対象でもあり,免疫不全を基盤とする感染症の対策が肝要である.
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最新医学 62巻12号, 2610-2615 (2007);
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造血幹細胞疾患である慢性骨髄増殖性疾患は, BCR-ABLによる慢性骨髄性白血病の発症機構をモデルに解明が進み, FIP1L1-PDGFRA, TEL-PDGFRB, JAK2 遺伝子変異などの病態への関与が明らかにされてきた.現在では,慢性骨髄増殖性疾患は「チロシンキナーゼの恒常的活性化により生じる疾患群」と考えられるようになり,活性化したチロシンキナーゼを標的とする新たな治療法の開発が進んでいる.
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最新医学 62巻12号, 2616-2621 (2007);
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MDS 治療は,リスク分類により低リスク群(IPSS-Low およびINT-1)と高リスク群(INT-2 とHigh)に分けられ,新規治療法もそれぞれのリスク群を対象として分けられている.低リスク群では,5q−染色体異常のMDS を対象とするレナリドマイド,貧血治療のダーベポエチン,鉄過剰に対するICL-670 が新規治療薬として有力である.一方,高リスクMDS では,複雑染色体異常症例でも寛解が期待できるアザシチジンやデシタビンが新規治療薬剤として期待されている.
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最新医学 62巻12号, 2622-2628 (2007);
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B細胞リンパ腫に対するキメラ型抗CD20 抗体リツキシマブの臨床試験,それに基づくFDA,厚生労働省による承認,標準治療への組み込みによって,抗体医薬は悪性腫瘍に対する重要な治療手段であることが判明した.リツキシマブ,抗CD20radioimmunoconjugates に引き続く新薬開発に重点を置いて,非ホジキンリンパ腫に対する抗体医薬開発の現状を概括し,将来展望を試みる.
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最新医学 62巻12号, 2629-2644 (2007);
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ホジキンリンパ腫の全病期の予後は過去30 年間に劇的に改善してきているが,これは多剤併用化学療法の開発によるものが大である.初発限局早期症例にはABVD 療法を短コース(4〜6コース)実施した後に病変部位への区域照射(IFRT 20〜30 Gy)を実施することが標準的治療法であり,初発進行期症例にはABVD 療法の6〜8コースが標準的治療法である.初発進行期で予後不良因子を保有していても,up-front での自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法の意義はなく,また,化学療法での寛解後に初発時のbulky 病変に対して後照射を実施することの有用性もない.多剤併用化学療法による寛解後の初回再発例や難反応例に対しては,救援化学療法の奏効後の自家末梢血幹細胞移植併用の大量化学療法が標準的治療法である.本稿ではホジキンリンパ腫に対する標準的治療法,研究的治療法について,高度なエビデンスを中心にして紹介する.
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最新医学 62巻12号, 2645-2654 (2007);
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HTLV-1 が病因であるATLL の病態は,indolent からaggressive まで多様であるが,臨床病型により層別化しての治療法の開発が進みつつある.化学療法と移植療法に進展が見られるが,その予後は他の造血器腫瘍と比べて依然不良である.
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最新医学 62巻12号, 2655-2660 (2007);
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治癒を得ることが困難な多発性骨髄腫の治療法は,分子病態に即した新規薬剤の登場により大きく変わろうとしている.サリドマイドやレナリドマイド,ボルテゾミブは,再発・治療抵抗性例に対し高い奏効率と生存期間の延長をもたらすことが示されてきた.また未治療例に対しても,化学療法との併用で有効性が示されつつある.しかし日本人の毒性プロファイルの違いも含め,それぞれ特有の副作用を有し,臨床導入には注意が必要である.
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最新医学 62巻12号, 2661-2674 (2007);
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造血幹細胞移植は,治療に伴う毒性,QOL の低下,あるいは死亡などのさまざまな可能性を覚悟したうえで最終的な生存率を改善しようという治療であり,その適応は綿密な予後予測に基づいて慎重に判断されなければならない.本稿では,各造血器腫瘍疾患について予後因子から考えた一般的な移植適応を羅列するが,実際の適応は個々の患者,家族の人生観などを重視し,十分な情報を共有して話し合いながら決定すべきである.
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最新医学 62巻12号, 2675-2680 (2007);
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近年造血器腫瘍の分野においては,副作用を軽減するため標的療法の研究が盛んに行われている.免疫療法はその1つであるが,腫瘍特異的リンパ球の誘導効率に難があり,その実用化は遅れていた.最近,遺伝子導入技術を用いて抗原提示細胞やリンパ球に誘導分子を導入し,腫瘍特異的T細胞を十分量増幅可能な新しい手法が報告されてきており,今後の臨床応用が期待されている.
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【エッセー】
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白血病医の御礼奉公(最終回)
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最新医学 62巻12号, 2682-2685 (2007);
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【対 談】
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最新医学 62巻12号, 2686-2692 (2007);
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【トピックス】
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最新医学 62巻12号, 2693-2697 (2007);
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最新医学 62巻12号, 2698-2703 (2007);
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【今月の略語】
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最新医学 62巻12号, 2704-2711 (2007);
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