Volume 73,
Issue 12,
2018
-
特集【エビデンスに基づく 新しい腎臓病診療】
-
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1545-1546 (2018);
View Description
Hide Description
-
鼎談
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1547-1557 (2018);
View Description
Hide Description
-
CKDマネージメント
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1558-1563 (2018);
View Description
Hide Description
CKD進行を抑制するため,かかりつけ医を主な利用者として想定された『CKD診 療ガイドライン2018』が改訂出版された.今回の改訂における2本の柱は,CKD診 療における病診連携・チームアプローチの促進と高齢CKD患者に対するきめ細かな 管理の推進である.特に,チームアプローチが重要となるのは食事療法や腎代替療法 の準備であり,病診連携をタイムリーにスタートさせるべく,新たな紹介基準も準備 された.また,高齢CKD患者における血圧,血糖,貧血やCKD‒MBD管理上の注 意点が明記されており,内容は豊富であるが,簡潔・明瞭な記載にとどめられている ため,全体としてはコンパクトにまとめられた,使いやすいガイドラインとなっている.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1564-1570 (2018);
View Description
Hide Description
腎臓専門医が診療の中心となる進行したCKD症例を対象として,腎機能悪化抑制 のための有効な診療ガイドラインとして『CKDステージG3b~5診療ガイドライン 2017(2015追補版)』を作成した. CKDステージ進行例では,多くの介入試験では対象外とされ,国内外ともエビデ ンスが少ない中,最良のCKDの診療指針を作成し,公表した.今後は新たなCKD 重症化予防の進歩につながる臨床研究を探り,良質なエビデンスのもとで,診療ガイ ドラインの更新作業を継続実施することで,国民の健康やQOL保持ならびに医療費 抑制効果が実現されることが期待される.
-
CKD患者の合併症管理
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1571-1577 (2018);
View Description
Hide Description
CKD合併高血圧患者における降圧療法の3原則は ① 降圧目標の達成,③ 尿ア ルブミン・尿タンパクの減少・正常化であると示されている.ガイドラインに準拠し た標準化・均霑化が重要であることは言を俟たないが,診療現場では個々の患者の年 齢や合併症の有無を勘案した個別化診療の実現が求められる. 血圧管理の目標は,① CVD(脳卒中を含む)の発症阻止と,② CKDの進展・末 期腎不全(ESRD)への進展阻止にあり,この目標を達成するために,降圧目標を設 定し,最適な降圧薬を選択することが重要となる.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1578-1581 (2018);
View Description
Hide Description
糖尿病性腎症は,糖尿病の重要な合併症であり,我が国における末期腎不全の最大 の原因疾患である.日本糖尿病学会による『糖尿病診療ガイドライン2016』では, アルブミン尿測定の意義,腎機能評価の指標,血糖管理,血圧管理,脂質管理の有効 性,RAS阻害薬の有用性,食事の食塩制限とたんぱく質制限の有効性,貧血治療の 有効性,および他の合併症への腎症の影響について,エビデンスに基づいたステート メントが掲載されている.本稿では,この診療ガイドラインの内容に基づいて,糖尿 病腎症の管理について最近のエビデンスを解説した.
-
AKIマネージメント
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1582-1587 (2018);
View Description
Hide Description
急性腎障害(AKI)は,「腎機能の突然の低下」によって定義される概念であり, さまざまな原因の疾患を含む「幅広い疾患スペクトラムを有する症候群」である.生 命予後や腎予後に影響する疾患であるため早期診断・早期治療が求められるが,いま だ不明な点が多い.我が国における初めての診療ガイドラインについて概説する.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1588-1593 (2018);
View Description
Hide Description
腎障害患者におけるヨード造影剤使用に関するガイドラインが改訂された.新しい ガイドラインでは,造影剤腎症(CIN)の診断基準として,従来の「72時間以内に血 清クレアチニン値が前値より0.5mg/dL以上または25%増加」を踏襲しているが, KDIGOの診断基準に基づいた診断も併記している.慢性腎臓病患者では,GFRが低 下するにしたがってCINの発症リスクが増加するが,造影剤の経静脈投与の場合に, CIN発症に関する十分な説明と適切な予防策を講じるのは,eGFR 30mL/分/1.73m2 未満の患者としたのが大きな変更点である.なお,造影剤を減量して造影CTを実施 する場合,造影効果の改善と画質劣化を防ぐ目的で低管電圧撮影と逐次近似画像再構 成の併用が推奨されている.一方,経動脈的造影検査については,eGFR 60mL/ 分/1.73m2 未満の患者でCINのリスクが高まるとしているが,CINを発症した患者 のほとんどが糖尿病などの高リスク患者であることに注意が必要である.
-
CKD患者の妊娠,がんマネージメント
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1594-1599 (2018);
View Description
Hide Description
2017年日本腎臓学会より,『腎疾患患者の妊娠:診療ガイドライン2017』が発刊さ れた.その中で重要と思われるところは,CKD重症度が軽度であっても,妊娠合併 症のリスクは高く,さらに腎機能障害が重症になるほど妊娠合併症のリスクは上昇し, 腎機能低下,透析導入の可能性もあるという点である.妊娠を希望する患者には,こ のリスクについて十分に説明する必要があり,妊娠した場合には腎臓内科医と産科医 の連携が必要である.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1600-1605 (2018);
View Description
Hide Description
今回,2016年に発刊された『がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2016』か ら抜粋してまとめを行った.ガイドラインについて,がん薬物療法前後の腎機能評価, がん薬物療法時の腎機能低下予防,特殊な合併症,の4項目についてまとめた.この ガイドラインを活用することにより,腎障害を有するがん患者さんに適切な抗がん薬 治療が実施され,また,抗がん薬による腎障害を防ぎ,有効で安全ながん薬物療法が 実施されることが期待される.
-
難治性腎疾患マネージメント
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1606-1612 (2018);
View Description
Hide Description
『エビデンスに基づく多発性囊胞腎(PKD)診療ガイドライン2017』は,前ガイド ライン2014のupdateな改訂であり,新規のCQを4つ加えた(CQ9,CQ11,CQ16, CQ22).また,前回のガイドラインとは 推奨グレードが異なり,新しいMindsマニュ アル(Minds診療ガイドライン作成マニュアルVer. 2.0 公益財団法人日本医療機能 評価機構)に沿って,GRADEに準拠したものとなっている.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1613-1616 (2018);
View Description
Hide Description
『エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2017』は同2014のマイナー 改訂版として,2012~2015年に蓄積した知見(厚生労働省研究班やJ‒KDR/J‒RBR, JNSCSなどのコホート研究からの疫学的知見に加え,既存のCQの文献的Updateを 加えることを主たる目的として作成された.今回はその背景,作成の目的と対象者, 意義,作成手順と構成について説明を加え,今後の展望を概説する.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1617-1623 (2018);
View Description
Hide Description
『エビデンスに基づく急速進行性腎炎症候群(RPGN)診療ガイドライン2017』は, 厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班によって作成された初版(2014)の部分 改訂版である.最近,数年間の新たなエビデンスが取り入れられるとともに,用語と 内容の見直しが行われた.テキスト部分と20個のクリニカルクエスチョンからなる. 本稿では,作成の背景・経緯と内容の概要を紹介する.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1624-1632 (2018);
View Description
Hide Description
IgA腎症の診療に関し,2011年に我が国では『IgA腎症診療指針-第3版-』,国 際的には『糸球体腎炎のための臨床ガイドライン』が発表された.この動きを受け, 厚生労働省進行性腎障害に関する調査研究班と日本腎臓学会は,『エビデンスに基づ くIgA腎症診療ガイドライン2014』を作成した.本稿では,ガイドライン発表以降 3年が経過し,部分改訂版として作成された『エビデンスに基づくIgA腎症診療ガ イドライン2017』について,特に変更点を中心に,概説する.
-
CKD治療薬の開発
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1633-1638 (2018);
View Description
Hide Description
慢性腎臓病(CKD)では,末期腎不全(ESRD)をアウトカムにした臨床研究には 長期の試験期間と多数の被験者が必要となる.欧米では腎領域での新薬の開発を促進 するため,代替エンドポイントの議論が進められている.AMED研究事業として日本 人データを解析し,腎領域の治療薬の開発が適切かつ迅速に行えるESRDに代わる 早期のエンドポイントを置くことが可能かを検討して臨床評価ガイドラインを策定し, 2018年4月公開した.
-
【トピックス】
-
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1640-1646 (2018);
View Description
Hide Description
最新の研究によれば,ストレスチェック の結果返却を有用とする労働者は少なく, 心理的ストレス反応の軽減効果も小さかっ た.職場環境改善と医師面接の有用性は約 6割と高く,職場環境改善を経験した労働 者では,心理的ストレス反応が軽減してい た.高ストレス者はその後の疾病休業リス クが高いことが判明し,対応が必要な集団 である.産業医として職場環境改善の推進, 高ストレス者への対応を工夫することが望 まれる.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1647-1653 (2018);
View Description
Hide Description
機能性胃腸症とは腹痛などの腹部症状が 慢性的に持続するとともに,検査では症状 の原因となる器質的な異常が認められない 疾患群である.さまざまなストレス要因に 加え,内臓知覚過敏や消化管の蠕動運動障 害がそれぞれ脳腸相関として病態生理から 発症機序にかかわっている.近年になり腸 内細菌叢の変化がさまざまな疾患に影響し ていることが報告され,この脳腸相関にも 深くかかわりを持つことが明らかになって きている.
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1654-1659 (2018);
View Description
Hide Description
SERCA2は,カルシウムを小胞体へ運搬 し,細胞質カルシウム濃度を低く保つ,最 大のATPaseである.SERCA2は筋肉の 収縮・拡張を調節するのみならず,種々の シグナル(肥大・アポトーシス・増殖)や 脂質代謝,酸化ストレス,小胞体ストレス を調節する.心血管病においてSERCA2 は種々の臓器で障害され病態に関与する. SERCA2の調節機構をまとめ,心血管病 への関与について糖尿病合併症を含めて概 説する.
-
【今月の略語】
-
-
Source:
最新医学 73巻12号, 1660-1664 (2018);
View Description
Hide Description