Volume 33,
Issue 13,
2006
-
総説
-
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 1985-1990 (2006);
View Description
Hide Description
近年の大規模比較試験の結果,非小細胞肺癌に対する術後補助化学療法に術後の生存を向上させる効果があることが検証された。欧米ではプラチナ・ベースの化学療法,本邦ではuracil-tegafurを用いた化学療法の有用性が報告され,メタアナリシスも行われている。本稿では最新の知見を基に,非小細胞肺癌における術後補助化学療法の現況や問題点,今後の展望などを概説する。
-
特集
-
-
婦人科がんの予後に関連する因子
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 1991-1997 (2006);
View Description
Hide Description
外陰癌は本邦ではまれな疾患であるが,その取扱いは最近20年間で大きく変化した。それまで唯一の治療法とされてきた広汎外陰切除に変わり,QOL を重視したより個別化された治療法が行われるようになった。外陰癌の予後因子としては,腫瘍の大きさと鼠径リンパ節の転移の有無が重要であり,それに基づいて治療法が大幅に見直されてきた経緯がある。孤立性病変に対する正常外陰部の温存,T 1腫瘍,1mm 未満の間質浸潤症例に対する鼠径リンパ節郭清の省略,T 1腫瘍で患側鼠径リンパ節陰性例での対側鼠径リンパ節郭清の省略などである。最近ではセンチネルリンパ節の同定および転移の有無の検索による鼠径リンパ節郭清の省略,進行外陰癌治療における放射線治療の代わりのchemoradiationの検討などが行われている。本稿では,外陰癌の予後因子の観点から,治療法の変遷の根拠となったエビデンスを紹介しながら解説する。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 1998-2001 (2006);
View Description
Hide Description
腟がんは婦人科領域の悪性腫瘍のなかでも極めてまれな疾患であり,大規模な予後因子の解析は数少ない。そのなかでも,腫瘍の存在部位,腫瘍のサイズ,年齢,進行期,腫瘍の分化度などについては,予後因子としての可能性が指摘されており,最近の報告を基に文献的reviewを行った。しかしながら,報告はほとんどが一施設からのものであり,それらを集積しても質の高い解析は行い得ない。今後は多施設共同での大規模な症例集積と解析が望まれる。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2002-2007 (2006);
View Description
Hide Description
婦人科腫瘍の主なものとして,子宮頸癌,子宮体癌,卵巣癌があげられる。それぞれに臨床病理学的因子に基づき,種々の予後因子が設定されている。子宮頸癌では,臨床進行期,腫瘍の大きさやリンパ節転移などが予後因子とされている。これらの因子に加え,最近では予後に影響を与える因子として血清腫瘍マーカーや末梢血中のヘモグロビン値,細胞死関連分子などといった分子や各種遺伝子異常が検討されている。今後はこれらの分子学的背景に基づき治療の個別化が図られることが期待される。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2008-2013 (2006);
View Description
Hide Description
これまで蓄積された臨床病理学的な調査結果や最近の分子生物学的研究は,子宮体癌における予後因子を明らかにした。腫瘍の進展度を示すFIGO臨床進行期は最も重要な予後評価因子である。腫瘍形態や腫瘍の浸潤度・浸潤様式は予後評価の重要な因子である。今後,分子マーカーも第三の評価因子として重要視されるであろう。治療法,特に術後の追加療法のいかんも生存率に影響を与える重要な因子である。放射線治療に代えて化学療法が優位性を示しつつある。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2014-2019 (2006);
View Description
Hide Description
卵巣癌の予後に関与する因子については多くの報告がなされているが,大別して患者自身の因子(患者因子), 腫瘍のもつ因子(腫瘍因子), 治療にかかわる因子(治療因子)の三つに分けることができる。それらのなかで有意なのは,患者年齢,全身状態(PS), 腫瘍の進行度(進行期), 残存腫瘍径,paclitaxelとcarboplatin併用化学療法である。今後の治療法の進歩によりさらなる予後改善が期待される。
-
原著
-
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2021-2026 (2006);
View Description
Hide Description
切除不能・進行食道癌に対しての放射線化学療法は5-FU/CDDP が標準的とされているが,入院治療が一般的であり,患者のQOL は決して良好なものとはいえない。われわれは進行・切除不能食道癌患者に対して外来治療が可能で,さらに良好な治療成績が期待されるdocetaxel/TS-1と放射線の併用化学療法臨床 I / II 相試験のstep 1を2004年5月から2006年3月までの食道癌10例に対して行った。全例に治療が完遂可能で,grade 4の有害事象はなく,治療関連死もなかった。血液毒性はレベル2でgrade 3の白血球減少と好中球減少を1例認めた。非血液毒性は,レベル3でgrade3の食欲不振を認めた。step 1での抗腫瘍効果は,RECISTによる効果判定では9例中6例に奏効例を認め(CR 2例,PR 4例), 奏効率は66.7%であった。食道癌取扱い規約に基づくと10例中7例に奏効例を認め(CR 3例,PR 4例), 奏効率は70%であった。以上の結果より,MTD には達していないものの推奨投与量をレベル3(docetaxel 30mg/m2/TS-1 60mg/m2+放射線照射60Gy)とした。本治療法は有害事象も少なく効果的な治療法であり,今後step 2, 3へと移行して,その有効性を検証していく予定である。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2027-2031 (2006);
View Description
Hide Description
腹膜播種を有する胃癌に対するpaclitaxel術中腹腔内・逐次静脈内投与法の安全性について検討した。P 1もしくはCY 1症例を対象に,指定用量のpaclitaxelを生理食塩水500ml に溶解して手術終了時に腹腔内投与した。用量は50mg/m2の初期投与量(レベル1)から80mg/m2(レベル4)まで10mg ごとに増量した。さらに術後14, 21日に同用量のpaclitaxelを静脈内投与した。12例が登録され,うち7例には胃切除が実施された。有害事象はレベル2, 3の6例中4例でgrade2の血色素量減少がみられた以外はgrade1までにとどまり,DLT は発現せずMTD には至らなかった。全例のMST は316日,切除例7例では413日で,いずれにも重篤な術後合併症は発生しなかった。以上よりpaclitaxel80mg/m2を術中腹腔内・逐次静脈内投与した場合の安全性が確認された。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2033-2037 (2006);
View Description
Hide Description
目的:大腸癌肝転移に対する肝動注化学療法(肝動注)は高い奏効率を有する反面,肝外病変の制御が不十分となるという問題点がある。切除不能肝転移を有する大腸癌症例に対する5-fluorouracil(5-FU)肝動注とirinotecan(CPT-11)全身投与の併用療法の有効性と安全性について検討した。対象と方法:症例は2001年4月から同併用療法を開始された17例であり,同時性肝転移例12例,異時性5例であった。5-FU 700〜800mg/m2を5時間持続肝動注し,その後CPT-11 70〜80mg/m2を全身投与した。結果:全体の奏効率は76.5%(CR 2例,PR 11例), 無増悪生存期間は約10か月であり,生存期間中央値は約20か月であった。肝外病変を伴わない11例において,治療中に肝外病変の新出を認めたのは1例のみであった(9%)。副作用に関しては,grade3以上の好中球減少は11.8%(2例)のみであった。結論:切除不能大腸癌肝転移症例に対して5-FU 肝動注+CPT-11全身投与の併用療法は忍容性が高く,高い有効性が示された。肝外病変の新出は過去の動注単独の報告と比較して少なかった。
-
症例
-
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2041-2043 (2006);
View Description
Hide Description
53歳,男性。右側舌癌(高分化型扁平上皮癌T 1N 0M 0)にて舌部分切除術を施行した。1か月後および9か月後に頸部リンパ節転移にて右左側全頸部郭清術を行った。NDP/5-FU 併用療法を2クール行うも,初回治療から14か月後に2か所の肺転移を認めたため,それぞれに定位放射線治療およびDOC/CDDP/5-FU 併用療法を6クール行った。肺転移後3年5か月経過するが現在再発を認めずCR を維持している。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2045-2048 (2006);
View Description
Hide Description
患者は85歳,女性。約20年前に左乳癌に対して乳房切除術,その2年後に骨転移に対し化学療法(詳細不明)を施行された。2001年11月,第8, 9, 10胸椎転移に対して椎弓切除,合計3,000Gyの放射線照射療法およびmitoxantrone,cyclophosphamide,doxifluridineによる化学療法を施行された。2005年6月,肝転移を認め当科紹介となった。初診時,肝S 6に単発の直径20mm 大の転移巣を認めた。1サイクルを28日間としたbiweekly paclitaxel (70mg/m2/day, day1,14)を2サイクル施行したが,腫瘍径は変化なく,CA 15-3は22.1U/ml から98.1U/ml まで増加した。1サイクルを28日間としたcapecitabine1,000mg/m2/day(day1〜21)に変更したところ,腫瘍径は縮小率50%, CA 15-3は18.8U/ml まで減少しpartial responseを5か月間維持している。本症例の経過は,超高齢者の前治療歴を有する再発乳癌に対して低用量capecitabine投与が有効である可能性を示している。低用量capecitabine投与のさらなる臨床試験が望まれる。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2049-2052 (2006);
View Description
Hide Description
症例は55歳,女性。2002年3月進行胃癌に対して胃全摘術を施行後21か月間経口代謝拮抗剤TS-1を投与された。以後,再発の所見なく無治療で外来通院していたが,2005年6月白血球増多を指摘された。骨髄細胞の染色体分析でフィラデルフィア(Ph)染色体を,FISH でbcr-abl 融合遺伝子を認め,経過より二次性慢性骨髄性白血病(CML)の慢性期と診断した。imatinibを開始したところ,3か月後には骨髄中のPh遺伝子が消失し細胞遺伝学的完全寛解となっている。二次性白血病としてのCML の発症は比較的まれで,胃癌や大腸癌などに多用されているTS-1投与後の報告は本例が最初である。また,本例はimatinibが二次性CML に対しても有効であることを示唆している。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2053-2056 (2006);
View Description
Hide Description
症例は65歳,女性。肺腺癌に対する化学療法目的に入院した。化学療法歴はなく,腎機能および電解質に異常を認めなかった。化学療法3日前より抑うつ状態改善目的に塩酸パロセキチン(パキシル)の内服が開始され,cisplatin+docetaxelの化学療法が開始された。第1クールday 3にNa 122mEq/l, day 5にNa 114mEq/l と低ナトリウム血症を認め,諸検査から抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症と考えられた。直ちに塩酸パロセキチンの中止および水分制限などでday18にはNa 135mEq/l と改善を認めた。塩酸パロセキチン中止のまま,第2クールは同一レジメン,同投与量で投与したところ,血清Na値の低下はみられなかった。経過から塩酸パロセキチンによるSIADH と考えられ,化学療法中の塩酸パロセキチン使用に伴うSIADH は起こり得る副作用の一つと注意すべきと考えられた。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2057-2060 (2006);
View Description
Hide Description
症例は57歳,女性。頻尿,食欲不振を訴え,近医を受診,骨盤内腫瘤と腹水を指摘され,ダグラス窩穿刺で腺癌細胞が検出された。精査にて胃前庭部に4型胃癌を認めた。腹膜播種を伴うため手術不能と判断し,TS-1とCDDP の併用化学療法を施行した。2クール終了後の腹部CT 上腹膜播種は残存していたが,さらに7クールまで化学療法を継続したところ,腹部CT 上,腹膜播種は消失,化学療法によるdownstaging が成功したと考えられ,胃全摘術+リンパ節郭清が施行された。詳細な病理検索を行ったが,原発巣,リンパ節に癌細胞は残存していなかった。腹膜播種を伴う進行胃癌に対して,TS-1/CDDP 併用術前化学療法が著効したと判断した。また,可能な症例では腹膜播種が消失するまで術前化学療法を継続することを考慮するべきと考えられた。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2061-2063 (2006);
View Description
Hide Description
症例は74歳,男性。食欲不振を主訴に入院し,精査にて多発肝転移を伴った2型胃癌と診断された。TS-1 100mg/body/day28日投与14日休薬を1クールとし,内服6日目よりCDDP 10mg/bodyを5日間連続に点滴静注し2日休薬後,隔日に3回投与した後に退院。以後は外来にてCDDP 10mg/bodyとLentinan 2mg/bodyを週1回点滴静注した。2クール中grade1の血小板減少を認めたため,TS-1を隔日投与にして継続治療が可能となった。画像上転移リンパ節は5か月後に消失しCR, 肝転移巣は3か月後86%縮小,16か月後に97%まで縮小しPR, 原発巣は瘢痕化し生検で癌細胞を認めずCR,全体でPR を16か月間維持した。腫瘍マーカーも著明な低下(CEA 716.9→ 3.7ng/ml, CA 19-9 57.2→ 11.6U/ml)が認められ,QOL は治療前のPS 2からPS 0に改善した。隔日TS-1/少量CDDP/Lentinan併用療法は,進行・再発胃癌に対して有用な治療法と考えられた。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2065-2067 (2006);
View Description
Hide Description
癌性腹水を伴った胃癌腹膜再発に対してfirst-lineとしてpaclitaxelを用いた。不応性のため,second-lineとしてTS-1を用いたところ癌性腹水が画像上消失した症例を経験したので報告する。症例は81歳,男性。2004年2月進行胃癌の診断で幽門側胃切除術(D 2)。1年後の2005年2月CT にて腹水を確認,細胞診で癌性腹膜炎の診断。食欲不振,経口摂取不良のため入院,paclitaxel (60mg/m2)の治療を開始。5月のCT にて腹水は消失。外来にて治療を継続したが,6月のCTにて腹水の再貯留が確認され,8月には増悪。10月よりTS-1の治療に変更(TS-1 80mg/m2)2クール後のCTでは腹水は消失。4クール治療を継続。効果判定のCT では腹水貯留は認めず。2006年7月現在外来通院加療中である。paclitaxelに不応性を示す時,second-lineとしてのTS-1への治療変更は癌性腹膜炎に対する治療選択の一つとして期待できる。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2069-2071 (2006);
View Description
Hide Description
78歳,男性。2005年4月8日,食物の通過障害を主訴に当院を受診された。上部消化管内視鏡検査を施行したところ,胸部下部食道に2型食道癌と胃体上部に3型胃癌が指摘された。遠隔転移は認められず,本来であれば外科手術の適応であったが合併症のため化学療法を行った。TS-1/low-dose CDDP 併用療法を施行したところ,両病変ともにCR の治療効果が得られた。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2073-2076 (2006);
View Description
Hide Description
患者は70歳,男性。2cm 大で0-IIa様,リンパ節転移のない早期胃癌で噴門側胃切除術を施行した。Grimelius染色陽性,免疫染色でchromogranin A とNSE が陽性で,内分泌細胞癌,sm, int, INFβ, ly0, v 1, n(−)と診断された。術後約2年目に多発性の肝,リンパ節および骨転移を認めた。TS-1+CDDP 療法を開始したが,病変はさらに進行したためCDDP+CPT-11療法に変更した。約1年を経過し,CT 検査で病変が消失,FDG-PET でも異常集積はみられないことから,化学療法が著効したと判断した。比較的まれな胃内分泌細胞癌再発例に対し,CDDP+CPT-11療法が著効し,長期生存した報告は他にみられないことから報告した。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2079-2081 (2006);
View Description
Hide Description
症例は54歳,男性。食欲不振を主訴に来院した。諸検査により骨転移,肝転移を伴うスキルス胃癌と診断した。入院後,DIC を併発したため5-FU, PTX 併用療法(5-FU 600mg/m2,24-hour continue infusion,day 1〜5。PTX 80mg/m2,iv,day8,15,22)を施行した。原発巣,骨転移,肝転移は画像上増悪を認めたが,DIC より離脱することができた。5-FU+PTX 併用療法は胃癌骨転移によるDIC に対して有効な治療法と考えられた。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2083-2086 (2006);
View Description
Hide Description
進行した肝硬変や遠隔転移を伴う肝細胞癌の治療は困難である。今回われわれは,interferon-alpha(IFN-α)と5-fluorouracil(5-FU)の併用療法が肺転移に奏効し,呼吸苦の軽減が得られた症例を経験したので報告する。67歳,男性。C 型肝硬変,肝細胞癌に対して4回のTAE の後に多発肺転移が出現し,呼吸苦,咳嗽が悪化した。IFN-α(day 1, 3, 5/week)を4週間,5-FU 350mg/m2(500mg/body)(day1〜5/week)を2週間全身投与する併用療法により治療を行い,肺転移はほぼ消失,呼吸苦も著明に改善した。骨髄抑制を合併したが,IFN-α, 5-FU 併用療法は肺転移に奏効し,症状軽減のために有用であった。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2089-2092 (2006);
View Description
Hide Description
2例の進行膵癌患者にGTX 療法を施行した。GTX 療法は3週間を1クールとし,1〜14日目までcapecitabine1,000mg/m2/dayを経口投与し,4日目と11日目にGEM 750mg/m2を点滴静注後,続けてdocetaxel(DOC)30mg/m2を点滴し,第3週は休薬する。症例1は膵頭部癌と2個の肝転移の62歳,男性。GEM 1,000mg/m2の3週投与1週休薬を3クール施行したが,PD でGTX 療法に移行した。3クール終了時に肝転移巣の縮小を認め,7クール時に腫瘍マーカーが最低値となり,9か月にわたって14クール施行し他の化学療法に移行した。症例2は血管浸潤を伴う膵頭部癌の75歳,男性。初回投与時に白血球減少を来したので,投与量を減量し治療を続行した。腫瘍の縮小と腫瘍マーカーの低下を認め,13クールを施行し治療継続中である。GTX療法は有害事象が少なく,外来化学療法に適した有用な治療法である。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2093-2096 (2006);
View Description
Hide Description
oxaliplatin(L-OHP)は,切除不能大腸癌に対するfirst-line化学療法として広く普及してきている。それに伴い重篤な副作用も報告されるようになってきた。われわれは,L-OHP によるアナフィラキシー反応を来した1例を経験したので報告する。症例は69歳,男性。切除不能再発大腸癌に対し,FOLFOX 4療法を施行した。治療効果はRECIST 上PR であったが,8コース終了時にはL-OHP によるgrade3の末梢神経障害を認めた。FOLFIRI療法に変更し,計8コース施行するも肺転移,肝転移の増悪を認めPD となった。L-OHP 休薬により末梢神経障害も軽減してきたため,再びFOLFOX 4療法を施行した。再投与から2コース目(計10コース)にアナフィラキシーショックを呈した。抗ヒスタミン剤,ステロイド治療によりアナフィラキシー症状は30分で改善した。L-OHP をベースとした化学療法はまれではあるが,アナフィラキシーショックを引き起こすことがある。このことを念頭におき,早期発見と適切な対処を行うべきであると考えられた。
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2097-2099 (2006);
View Description
Hide Description
膀胱原発小細胞癌の1例を報告する。79歳,男性。肉眼的血尿と頻尿を主訴に当科に紹介入院した。前医における膀胱鏡所見とCT 所見では,膀胱後壁やや左側寄りに径約3cm の非乳頭状広基性腫瘍を認め,左水腎症も認めた。経尿道的膀胱腫瘍生検術を施行し,小細胞癌との診断を得た。gemcitabineとcisplatin併用化学療法を3コース施行後,膀胱全摘除術,回腸導管造設術を施行した。術前の検査ではCR と判断したが,摘除標本では小細胞癌の成分は一切認めなかったものの,扁平上皮癌に転化したと思われる尿路上皮癌成分のみ若干認めた。化学療法開始後15か月経過した現在,再発,転移を認めていない。
-
連載講座
-
-
【治験管理室訪問】
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2100-2101 (2006);
View Description
Hide Description
-
Journal Club
-
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2020-2020 (2006);
View Description
Hide Description
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2040-2040 (2006);
View Description
Hide Description
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2078-2078 (2006);
View Description
Hide Description
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2082-2082 (2006);
View Description
Hide Description
-
用語解説
-
-
Source:
癌と化学療法 33巻13号, 2088-2088 (2006);
View Description
Hide Description