Volume 37,
Issue 11,
2010
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総説
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癌と化学療法 37巻11号, 2033-2041 (2010);
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short interfering RNA(siRNA)は特定のmRNAのみに対し生物活性を発揮するため選択性が高く,医薬品としての開発が期待されている。標的分子としては,増殖,転移,浸潤など,がんの進展に重要な分子を標的として選択することが肝要である。またがんに対する治療,なかでも進行期がんに対する治療の要求にこたえるには,適切なドラッグデリバリーシステム(DDS)の開発が重要な意味をもつ。DDSはウイルス性,非ウイルス性に大別されるが,RNAi 療法の医療への応用には非ウイルス性DDS の開発に大きな期待が寄せられている。多くの前臨床研究でRNA干渉療法の有効性は示され,臨床試験も開始されており,RNA 干渉療法はがん治療における有効な新たな戦略の一つとなると予想される。本稿ではわれわれが行ってきた,細胞分裂にかかわるpolo-like kinase-1(PLK-1)に対するsiRNAを用いた悪性腫瘍に対する治療法の開発を紹介する。
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特集
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癌の転移因子
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癌と化学療法 37巻11号, 2042-2046 (2010);
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がん転移形質の獲得にはジェネティックおよびエピジェネティックな異常の蓄積が関与する。DNA メチル化はエピジェネティックな転写調節機構に関与し,多くのがんでDNA メチル化パターンに異常が認められている。DNA メチル化の異常にはプロモーター領域の高メチル化とゲノム全体の低メチル化があり,それぞれに異なる機構でがん転移に関与していると考えられる。また,がん特異的なDNA メチル化の異常はがん転移の検出に応用可能である。本稿では,がん細胞の転移形質の獲得に寄与すると考えられるDNA メチル化の異常を概説するとともに,DNA メチル化マーカーを用いた転移診断の試みを紹介する。
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癌と化学療法 37巻11号, 2047-2051 (2010);
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癌細胞は,癌組織において低酸素環境に適応するために嫌気性代謝や血管新生などの数多くの適応応答機構を働かせている。低酸素適応応答機構は,低酸素誘導転写因子であるhypoxia-inducible factor(HIF)によって制御されている。HIFは恒常的に発現しているHIF-1βと酸素濃度によって発現制御されているHIF-1α(もしくはHIF-2αかHIF-3α)からなる2 量体である。低酸素環境下でHIF-1αが安定化して下流の遺伝子発現を制御する。臨床的および実験的に証明されてきた多くの事実が,低酸素環境下でHIF によって転写活性化される遺伝子発現が癌細胞の転移能の増強に関係している可能性を示唆してきた。癌組織においては,血管から離れた場所で認められる慢性の低酸素環境以外に,血流の動揺に伴って認められる急性の低酸素も重要な働きをしている可能性が示唆されている。しかし,この急性低酸素の遺伝子発現に対する影響は明らかにはされていない。本総説では,低酸素で誘導される転写関連遺伝子について概要をまとめて述べた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2052-2057 (2010);
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癌の浸潤や転移にケモカインがかかわっているという報告が集積され,多くの癌細胞では正常組織にはないケモカインレセプターの発現がみられる。CXCR4/CXCL12はリンパ節,肺,肝,骨髄などへ,CCR7/CCL21は主としてリンパ節への転移に関与している。ケモカイン/ケモカインレセプターのDNAマイクロアレイ解析により,胃癌細胞においてCCR6 の発現増加,CCL20,CCL21,CCL5,CXCL14,CCL2,CXCL1,CXCL12,IL-8などの発現増加を認め,癌微細環境において炎症および浮腫的状態を構築し,容易に転移しやすい状況を形成しているものと考えられ,ケモカイン/ケモカインレセプターは転移制御における癌治療のターゲットとして期待される。
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癌と化学療法 37巻11号, 2058-2061 (2010);
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がんは基底膜を破壊して間葉系組織内に浸潤し,さらにリンパ管,血管に侵入して遠隔転移を果たす。細胞外マトリックス(ECM)は細胞挙動を制御する細胞外微小環境であり,その破壊と変容はがんの浸潤・転移能に大きく影響する。ECM構成分子を基質とするマトリックスメタロプロテアーゼ群のうちMMP-2,9 は基底膜成分であるIV型コラーゲン分解活性を有し,さらに細胞膜に存在するMMP-14/MT1-MMP がMMP-2 を活性化することから,これらのMMPs が腫瘍浸潤において中心的な役割を担う酵素と考えられている。MMPsは生理活性分子,シグナル分子をも基質とし,これらの活性化を通じて腫瘍の血管新生やアポトーシスを制御している。ECM の蛋白質のみならず糖鎖も腫瘍浸潤に関与する。ヒアルロン酸はその分子量によって浸潤の促進の抑制効果をもつこと,ヘパラナーゼによるヘパラン硫酸の分解ががんの浸潤転移を促進することが現在明らかとなっている。このようにがん組織周囲のECM は腫瘍浸潤に大きな影響を与える微小環境といえる。
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癌と化学療法 37巻11号, 2062-2065 (2010);
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オミクス解析は生物科学の遺伝子・蛋白質発現そして代謝に至る生命科学が明らかにしてきた様々な局面での包括的解析を意味し,実験デザインや研究の過程を根本から変えてしまう大きな変革をもたらそうとしている。しかもその技術は速い情報処理能力を有し,膨大なデータを生みだす。特にプロテオミクスは細胞内で機能をつかさどる蛋白質の包括的解析であり,癌のトランスレーショナル・リサーチを飛躍的に促進させることが期待されてきた。われわれの経験では現在のプロテオミクス技術で転移関連因子の検索を臨床検体を用いて試みると,転移陽性症例・陰性症例の2 群に分け各病巣での蛋白質発現を比較するような解析手法によって多くの蛋白質分子を検出することができる。しかしながら,転移に直接かかわることが検証できる分子の検出には至らなかった。プロテオミクス解析では臨床医,分子病理学者,プロテオミクス技術を知り尽くした技術者の連携が何よりも重要である。なぜならば,目的とする分子を検出できるか否かはそこで考案された実験デザインにかかっているからである。本稿では,プロテオーム解析を用いた転移関連因子の探索についての最近の報告についても紹介する。
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Current Organ Topics:大腸癌
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癌と化学療法 37巻11号, 2066-2066 (2010);
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癌と化学療法 37巻11号, 2067-2074 (2010);
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癌と化学療法 37巻11号, 2075-2079 (2010);
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癌と化学療法 37巻11号, 2080-2084 (2010);
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癌と化学療法 37巻11号, 2085-2086 (2010);
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原著
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癌と化学療法 37巻11号, 2087-2092 (2010);
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進行胃癌に対しS-1+CDDP による術前化学療法を施行し組織学的に原発巣の完全寛解を来した症例の臨床的特徴について検討した。S-1(80〜120 mg/ body/day)とCDDP(35 or 60 mg/m2)による術前化学療法を行った164 例のうち,原発巣にGrade 3 の組織学的効果を示した症例を対象とした。Grade 1b 以上の組織学的効果を認めたresponder は77 例(46.9%)であり,うち9 例(5.5%)が組織学的効果Grade 3 であった。充実型低分化型腺癌(por1)は組織学的効果Grade 3 を認めた9 症例中5 例(55.6%)と最も多く,さらにGrade 2 以上の組織学的効果を示した症例は29 例中19 例(65.5%)と他の組織型に比較し高率であった。S-1+CDDP による術前化学療法は胃癌原発巣,転移巣ともに著明な組織学的効果を認め,組織型ではpor1 が最も組織学的効果が高く,S-1+CDDP に対する感受性が最も高い組織型であると考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2093-2100 (2010);
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切除不能非小細胞肺がんに対して,carboplatin and paclitaxel 併用療法(以下CBDCA/PTX 療法)とcisplatin and docetaxel併用療法(以下CDDP/DTX 療法)は世界的な標準療法となっており,両者はほぼ同等の有効性を有しているといわれている。しかしながら,これら二つのレジメンの費用対効果を検討した報告はない。本研究では,二つのうちどちらのレジメンが費用対効果に優れているのか検討を行った。日本医科大学付属病院にて,切除不能非小細胞肺がんの初回治療として,CBDCA/PTX 療法として比較的高価なcarboplatin and weekly paclitaxel併用療法(以下CBDCA/wPTX 療法),もしくはCDDP/DTX療法を行った患者のデータを基にして,それぞれの化学療法を受けた際の期待費用を算出した。有効性(1 年生存率)はデータベースによって検索した文献より抽出し,プール解析により統合した。1年生存率の統合結果と期待費用より,費用対効果比を算出した。モデル集団の期待費用はCBDCA/wPTX 療法で2,847,514 円/人,CDDP/DTX 療法で3,513,195円/人であった。文献の統合によって求めた1 年生存率はCBDCA/wPTX 療法で38.6%,CDDP/DTX療法で42.5%であった。費用対効果比はCBDCA/wPTX療法で6,750,863円/人,CDDP/DTX療法で8,329,054円/人となった。このことから,CBDCA/wPTX療法はCDDP/DTX療法に比較し,経済的に効率のよいレジメンであることが示唆された。
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癌と化学療法 37巻11号, 2101-2104 (2010);
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Oxaliplatin(L-OHP)投与によるアレルギー発症に影響を及ぼす因子を明らかにすることを目的として,京都市立病院で2009 年1 月〜12 月までにL-OHPを投与した大腸癌患者56 例を後ろ向きに検討した。L-OHP 投与によりアレルギーを発症した患者(以下,発症群)は10 名,アレルギーを発症しなかった患者(以下,非発症群)は46 名であった。各群間において,患者背景,肝転移,肝機能障害および腎機能障害の有無,アルブミン値,白血球数について比較した。その結果,アレルギー発症群では肝転移が非発症群に比較して有意に多くみられた(p=0.011)。今回の結果から,L-OHP 投与によるアレルギー発症に影響を与える因子の一つとして肝転移の関与が示唆された。
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癌と化学療法 37巻11号, 2105-2108 (2010);
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gemcitabine(GEM)投与における白血球(WBC),好中球,血小板(PLT)の減少は用量規制因子(DLF)であり,コース開始基準を満たしていても,しばしばPLT やWBC の低下により予定の治療が中止となる場合が認められる。そのため,初回投与前に治療中止因子について予測できないか,レトロスペクティブに調査した。その結果,GEM投与未完了群における初回投与直前のPLT は完了群と比較して有意に低い値であり,初回投与前のPLT 16×10 4/μL未満がGEM投与中止の有意なリスク因子であることが明らかになった。この検討結果は初回投与量設定を行う上で減量基準となり得るものと考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2109-2113 (2010);
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頭頸部癌一次治療後の再発・遺残症例に対してS-1 を投与し長期観察し得た26 例における効果と安全性について検討した。S-1の投与方法は,80〜120 mg/body(分2)を2 週間投薬,1 週間休薬とし,3 週間ごとの外来通院を行った。観察期間は120〜1,780日で中央値は376日であった。組織型は,顎下腺腺管癌の1 例を除き扁平上皮癌であり,原発部位は下咽頭が12例と多かった。抗腫瘍効果は,CRが5例,PRが4例,SDが17 例でPDはなく,全例でSD以上の効果が得られた。奏効率は34.6%,SD以上の病勢コントロール率は100%であった。26 例の生存期間中央値(median survival time: MST)は490 日であった。有害事象は,grade 2 までの軽度のものであった。原病死した15 例のMST は445 日,病勢安定期間中央値は330 日で,生存期間に対する病勢安定期間の割合の平均は81.1%であった。S-1 を使用することにより,3 週間ごとの外来通院で安全に化学療法を行うことができる上,長期間QOLを維持することができると考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2115-2119 (2010);
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背景: 切除可能進行食道癌に対する化学放射線療法(CRT)は,これまで外科切除に代わる一つの選択肢として施行されてきた。食道癌に対するCRT の効果と毒性を検討した。方法:対象は2004 年4 月〜2009 年10 月までに当院においてCRT を施行した食道癌とした。奏効率,生存,急性毒性および遅発性放射線毒性を評価した。結果:全症例では完全奏効(CR)は38%,生存期間中央値(MST)は13 か月であった。grade 3 以上のなんらかの急性毒性は62%で認められた。遅発性放射線毒性は12%で認められた。StageII/IIIではCR は45%,生存期間中央値は16 か月であった。CR 例においても60%で再発が認められた。CRT 抵抗性・再発部位では,全例で局所または領域リンパ節が含まれていた。二次治療は71%で施行され,全例で化学療法が施行されていた。結語:切除可能進行食道癌に対するCRT において,毒性は耐容可能であると考えられたが,治療成績は満足できるものではなかった。治療成績の改善には,高い奏効を有する新規regimenの開発と再発後のsalvage治療が重要であると考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2125-2129 (2010);
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目的: 胃癌においてirinotecan(CPT-11)の5-FU との併用効果がin vitroにおいて相乗的であるか否かを検討する。対象と方法:外科的に切除された胃癌13 例の切除標本および組織学的に胃癌と診断された2 例の癌性腹膜炎症例の腹水を使用し,抗癌剤感受性試験CD-DSTを施行した。薬剤接触条件は(A)5-FU 1μg/mL 24 時間,(B)SN-38 30 ng/mL 24 時間,(C)5-FU 1μg/mL+SN-38 30 ng/mL 24 時間,の3 条件とした。(A),(B),(C)の結果よりcombination index(CI)を算出し,CI>1 を相乗的とした。結果: 2 剤併用のIR はCPT-11単剤および5-FU 単剤のIR よりも有意に高値を示した。また併用のIR はCPT-11単剤(r=0.704,p=0.003),5-FU 単剤(r=0.746,p=0.001)のIR と有意に相関した。15 例のうち相乗効果を示したのは6 例(40.0%)であり,高分化型腺癌は全例が相乗的であった。
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癌と化学療法 37巻11号, 2131-2136 (2010);
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目的: 切除不能進行・再発胃癌の化学療法中に発症した消化管出血・血栓塞栓症・消化管穿孔の頻度を明らかにする。方法・対象: 2002年1 月からの5 年間に癌研有明病院化学療法科において根治切除不能進行・再発胃癌で全身化学療法を行った全症例を対象とし,後方視的に化学療法開始から最終投与30 日以内での消化管出血・血栓塞栓症・消化管穿孔(CTCAE v3.0 Grade 3 以上)の頻度を調査した。結果:対象症例は計292 例。患者背景は年齢中央値63.5(28〜87)歳,性別は男/女206/86。59例(20%)に糖尿病,高血圧,脳心血管疾患を合併していた。化学療法開始時のperformance status(PS)は0/1/2/3: 129/129/31/3 例。組織型は分化/未分化/分化度不明腺癌/その他: 91/139/58/4 例。Grade 3 以上の消化管出血は7 例(2.4%)であった。出血源は,原発巣からが5 例,DICに伴う消化管出血(出血源不明)が1 例,空腸が1 例であった。手術を施行し原発巣切除し得た2 例は化学療法を継続することができた。血栓塞栓症は5 例(1.7%)であり,部位は脳梗塞が2 例,肺塞栓が2例,右内頸静脈血栓塞栓症が1 例であった。カテーテル留置との関連は認めなかった。55歳未満の若年発症が有意(p=0.0046)に多かった。消化管穿孔は3 例(1.0%)であった。部位はS 状結腸,上行結腸,空腸であった。穿孔症例は全例腹膜播種の影響が考えられた。結語:胃癌化学療法症例における化学療法副作用と関連しないものも含めた上記有害事象の頻度の報告はこれまでに少なく,意義があると思われる。今回示された発症頻度を念頭において胃癌化学療法の診療に当たる必要がある。
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癌と化学療法 37巻11号, 2137-2141 (2010);
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tegafur,gimeracil,oteracil potassium(S-1)/irinotecan hydrochloride(CPT-11)療法は,手術不能または術後再発大腸癌に対する治療の一つである。しかし,本治療によって発現するgrade 3 以上の骨髄抑制は,投与の延期や投与量の減量の原因となる。そこでわれわれは,S-1/CPT-11 療法施行後の骨髄抑制発現に関与する危険因子を明らかにすることを目的とした。また,抽出された因子と回帰係数よりtoxicity index(TI)を算出し,リスク分類を作成した。対象は2005 年4月〜2009 年5 月までの間に当院に入院し,S-1/CPT-11 療法を施行した進行再発大腸癌患者87 例とした。平均年齢66.1歳,男性56 例,女性31 例で,grade 3 以上の骨髄抑制発現は16.1%に認められた。多変量解析を行った結果,S-1/CPT-11療法施行後に発現する骨髄抑制の危険因子として,治療前の白血球数,血清クレアチニン,女性が抽出された(p<0.05)。全患者のTI を算出し3 群に層別したところ,TI が低値の群より高値の群で骨髄抑制発現率が高かった(4.2%vs 57.1%,p=0.004)。リスク分類は,進行再発大腸癌患者における化学療法施行後の骨髄抑制発現リスクを容易に予測することが可能であった。
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症例
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癌と化学療法 37巻11号, 2143-2146 (2010);
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当院で経験した食道類基底細胞癌4 切除例を報告するとともに,癌組織中の5-FU 関連酵素(TS,DPD,OPRT)活性を測定し扁平上皮癌のそれと比較検討した。類基底細胞癌4 例中術前に診断されたのは1 例のみであった。胸部操作は全例胸腔鏡下に,2 例で腹部操作は腹腔鏡下に行った。術後合併症では縫合不全を1 例に認めた。リンパ節転移はなく,リンパ管侵襲は1 例に,血管侵襲は2 例に認めた。2 例に縦隔リンパ節再発を認めた。類基底細胞癌と扁平上皮癌の5-FU 関連酵素活性を比較すると,DPD 活性・OPRT 活性に差がなく,TS 活性は類基底細胞癌で有意に高かった。5-FU 関連酵素よりみると,類基底細胞癌は扁平上皮癌より5-FU 抵抗性である可能性が示唆された。
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癌と化学療法 37巻11号, 2147-2149 (2010);
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症例は71 歳,女性。検診での胸部異常陰影を指摘され受診となり,精査にて肺腺癌,cT4N2M1,stageIVの診断に至った。一次治療としてcarboplatin+gemcitabine 投与を3 コース行いSD,二次治療としてgefitinib 投与を7 か月投与しSD,三次治療としてdocetaxel投与を6 コース行いSDであった。四次治療としてS-1 100 mg/day(80 mg/m2/day)28 日間投与14 日間休薬を開始した。1コース後の縮小率は29.2%,5 コース後62.5%,1 年2 か月経過後の10 コース後は83.3%と徐々に腫瘍の縮小を認めた。副作用についてはgrade 2 以上の血液毒性,非血液毒性ともに認めなかった。S-1 は長期にわたり奏効する症例があり,経口剤でありQOL を損なわずに外来治療を継続できるため,既治療非小細胞肺癌の長期治療において重要な選択肢の一つの可能性が考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2151-2153 (2010);
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今回われわれはnedaplatin(CDGP)とirinotecan(CPT-11)により完全奏効を得,根治的手術が可能であった横隔膜浸潤肺扁平上皮癌の1 例を経験した。肺癌個別治療が進むなかで,扁平上皮癌に対する抗癌剤治療はいまだ確立されていない。今後症例の積み重ねが必要であるが,CDGP/CPT-11が扁平上皮癌に対する治療に有用である可能性があると考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2155-2160 (2010);
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症例は73 歳,男性。胃びまん性大細胞性B 細胞性リンパ腫の診断で,rituximab,cyclophosphamide,hydroxydaunorubicin,vincristine,prednisolone(R-CHOP 療法)を施行していたが,1 コース5 日目に胃穿孔を起こし,胃全摘術を施行した。化学療法の再開を拒否したため経過観察していたが,術後13 か月に腹膜播種および腹腔内リンパ節転移が確認された。R-CHOP 療法を開始し,4 コース終了後には腹腔内の腫瘤は消失したため,化学療法をいったん中止した。化学療法中止後2 か月のCT にて腫瘍の再燃が確認され,etoposide単剤による化学療法を施行したが,腫瘍は急速に進行し,胃全摘術より21 か月目に原病死した。
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癌と化学療法 37巻11号, 2161-2163 (2010);
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症例は56 歳,男性。1995 年に胸腺癌の診断で胸腺全摘術を施行。2008 年に胸部異常陰影にて当院を受診。胸部CTで前縦隔腫瘤と肺転移,胸膜播種を認め,CT ガイド下生検にて胸腺癌再発(正岡分類IV期)と診断した。cisplatin,vincristine,doxorubicin and etoposide(CODE)による併用化学療法にて部分奏効が得られるも抵抗性となり,二次治療としてcarboplatin(CBDCA),paclitaxel(PTX)療法を4 サイクル施行しstable disease(SD)が確定された。毒性はgrade 4 の貧血以外に重篤な毒性は認められなかった。CBDCA,PTX 併用療法は既治療胸腺癌に対して有望な薬剤であると考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2165-2168 (2010);
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症例1: 59 歳,女性。2000 年4 月左乳癌に対して乳房切除術,リンパ節郭清術を施行。病理組織診断は,invasive ductal carcinoma(scirrhous carcinoma),浸潤径3.5 cm,n(3/15),ER(+: 40%),PgR(+: 70%),HER2(3+)であった。術後補助化学療法,ホルモン療法を施行。2005 年4 月,肝転移再発を来した。trastuzumab にpaclitaxel(PTX),vinorelbine,docetaxel,cyclophosphamide,methotrexate,5-fluorouracil(CMF)を併用して治療したが,肝転移巣の増大を認めた。2009 年9 月よりlapatinib+capecitabine を投与した。5コース終了後,肝転移巣の縮小を認め,partial response(PR)と判定した。症例2: 74 歳,女性。2005 年1 月に左乳癌と診断。初診時より肺転移を認めた。病理組織診断は,invasive ductal carcinoma,ER(−),PgR(−),HER2(3+)であった。2005 年3 月よりPTX+trastuzumab 投与開始。2006 年1 月よりtrastuzumab 単剤へ変更した。肺転移巣は徐々に増大を示した。2010 年2 月よりlapatinib+capecitabine 投与開始。1 コース終了後より呼吸困難の改善を認めた。胸部X 線検査上,腫瘍の縮小および胸水の減少を認め,PRと判定した。
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癌と化学療法 37巻11号, 2169-2171 (2010);
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高度進行食道胃接合部癌は極めて予後不良であり,根治切除困難症例も多く認められる。今回,高度進行食道胃接合部癌に対し放射線化学療法を施行した後,根治切除を施行した5 例を経験したので報告する。放射線化学療法の適応は,多数個の集塊をなすリンパ節転移を伴う高度進行食道胃接合部癌で,出血や狭窄により内服での抗癌剤投与継続が困難な症例とした。レジメンは,cisplatin(CDDP 25 mg/m2)/paclitaxel(PTX 60 mg/m2)を週1回で4 週間投与し,照射線量計45 Gy を併せて施行した。治療終了後から4 週間後に効果判定を行い,手術を施行した。加療後の効果判定では,全例PR で手術の根治度は根治度A/B が4/1 であった。病理所見においてdown staging を4 症例で認め,組織学的効果判定は全例Grade 2 であった。また,術後の縫合不全などの合併症は認めなかった。比較的限局した進行胃癌に対し,放射線化学療法の有効性は期待でき,今後さらに検討されるべき治療法の一つと思われる。
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癌と化学療法 37巻11号, 2173-2176 (2010);
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症例は63 歳,男性。黄疸を主訴に来院。精査の結果3 型進行胃癌(tub 2,cT3,cN3,cH0,cM1,cStageIV),リンパ節転移による閉塞性黄疸と診断した。根治術は不可能と判断し,S-1/CDDP(S-1 120 mg/day 3 週間内服2 週間休薬,CDDP 60 mg/m2を第8 日目に点滴投与)による化学療法を行った。9 コース施行後の上部内視鏡検査では病変は瘢痕のみであり,生検でも異型細胞は認めなかった。胸腹部造影CT 上も左鎖骨上リンパ節腫大・腹腔内リンパ節腫大は消失しており開腹手術を行った。胃全摘およびD1 郭清術を施行し,術中所見では腹膜播種の所見は認めなかった。切除標本では胃・リンパ節には腫瘍細胞は認めず薬物治療の組織学的効果判定基準のGrade 3 と判断した。Virchow 転移を伴う進行胃癌の組織学的CR 例はまれでありS-1/CDDP の進行胃癌に対する有効性を示した1 例と考え報告する。
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癌と化学療法 37巻11号, 2177-2179 (2010);
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今回,当院において術前にdocetaxel(DOC)+cisplatin(CDDP)+S-1(DCS)併用による化学療法施行後に切除術を施行した高度進行胃癌症例の治療成績について検討したので報告する。対象症例は当院にて高度進行胃癌の診断にてDCS療法を施行した14 例のうち,胃切除術を施行した4 例で,全症例に対して審査腹腔鏡を施行し臨床診断を行った。施行した化学療法の内容はS-1 80 mg/m2/day・分2 を14 日間連続投与とその後の14 日間休薬,DOC 35 mg/ m2とCDDP 35 mg/m2のday 1,15 の投与を1 コースとした。投与コース数は2 コースが2 例,3 コースが2 例であった。有害事象は,grade 3以上の好中球減少が3 例(75%)に認められた。各種画像検査上の効果判定では全症例にPR(100%)が得られた。胃全摘術が3 例,幽門側胃切除術が1 例に施行され,3 例に根治手術が行われた。病理組織学的効果はgrade 1a が3 例,grade 2 が1 例であった。術後合併症は認められなかった。全症例に術後補助化学療法を施行し経過観察中であるが,現在までに再発を認めていない。DCS療法と胃切除術の組み合わせは,高度進行胃癌に対する集学的治療における有用な選択肢と思われる。
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癌と化学療法 37巻11号, 2181-2184 (2010);
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症例は53 歳,男性。2005 年8 月,胃gastrointestinal stromal tumor(GIST)に対し噴門側胃切除術を施行。2006年2 月,左副腎転移を認めimatinib mesilate(imatinib)400 mg/day の内服を開始。4月のCTで腫瘍はほぼ消失したが,全身にかゆみを伴う皮疹が出現し内服中止。8月,左副腎再発を認め膵体尾部,脾,左副腎切除術を施行。術後よりimatinib 200mg/dayの内服を開始したが内服後すぐに発熱,かゆみ,手掌・足底の発赤が出現し内服中止。2007 年2 月局所再発,腹膜播種を認めimatinib 100 mg/dayをprednisolone(PDL)5 mg/day と併用し再開。内服2 日目でかゆみ,目や口周囲の皮膚炎が出現し中止。4月腫瘍の増大認め,imatinib 200 mg/day をPDL 40 mg/day と併用し再開。副作用はほぼ認めず内服継続可能であった。PDL を10 mg/day まで漸減しながらimatinib 内服継続し2008 年5 月のCT で腫瘤は消失,2009 年8 月現在CR を維持している。
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癌と化学療法 37巻11号, 2185-2188 (2010);
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化学療法施行に伴い一過性に血清鉄が上昇する例があることが知られているが,その原因についての詳細な検討はない。今回われわれは,irinotecan を含むセカンドライン大腸癌化学療法後に血清鉄が一過性に上昇した2 例を報告する。2例とも血清鉄上昇と同時にトランスフェリン(Tf)飽和率が上昇しており,血中にTf 非結合鉄が遊離し,急速にTf と結合していることが疑われる。また血清鉄の上昇と同期して症例1 では間接ビリルビンの上昇,症例2 では貧血を認めた。以上より,irinotecan 投与に伴う血清鉄の一過性上昇には赤血球に由来するTf 非結合鉄の遊離が関与している可能性があると考える。
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癌と化学療法 37巻11号, 2189-2191 (2010);
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標準治療が不応で全身状態とperformance status が低下したEGFR 陽性切除不能大腸癌肝転移症例に対しcetuximabが奏効した2 例を報告する。症例1: 49 歳,女性。fifth-lineとしてcetuximab単剤を投与した。投与後から疼痛の軽減がみられた。ジクロフェナクナトリウムを中止,フェンタニルパッチも減量し,PSも3 から0へ改善した。肝転移も縮小しPR と判定した。症例2: 67 歳,女性。fourth-line としてCPT-11+cetuximab 療法を施行した。投与後から疼痛は軽減し,PS は2 から0 へ改善した。肝転移も縮小しPR と判定した。2 症例とも原発巣のKRAS 遺伝子は野生型で,このような症例ではcetuximabは有用な治療と考えられる。
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癌と化学療法 37巻11号, 2193-2198 (2010);
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症例は60 歳台,男性。心肺疾患の既往はない。再発大腸癌に対するcetuximab 療法中1 コース目施行中に胸部圧迫感がみられた。精査で冠攣縮性狭心症と診断され,冠拡張薬内服を行った。その後胸部症状は認めず,化学療法を続行した。3 コース終了後,発熱,胸痛,呼吸困難がみられた。胸部X 線検査,胸部CT 検査では,両肺にびまん性間質性肺炎を認めた。ステロイドパルス療法,人工呼吸器管理下での集中治療を行ったが,呼吸不全で死亡した。病理解剖所見では,両側肺に主として癌性リンパ管症の形態をとった高度の癌転移が認められた。また背景の肺組織には,びまん性肺胞障害の像を伴った急性〜亜急性の間質性肺炎像がみられた。cetuximab 療法の有害事象では,皮膚障害の他に心肺障害を念頭におくことが望ましい。
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癌と化学療法 37巻11号, 2199-2201 (2010);
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症例は65 歳,男性。直腸癌に対し低位前方切除術を施行した。病理診断は粘液癌,深達度pSS,pN0であった。その4 か月後に下痢と血便が出現し,腹部CT 検査と大腸内視鏡検査にて直腸癌局所再発の診断となった。完全切除は困難と判断し,S-1 100 mg/day とPSK 3 g/day の併用による4 週投与2 週休薬のプロトコールで治療を開始した。2 コース終了の時点で腹部CT 検査と大腸内視鏡検査を行ったところ,腫瘍の完全消失が確認された。計9 コースの治療を行い,以後は無治療で経過観察を続けているが完全寛解後5 年4 か月を経過した現在,無再発生存中である。S-1 とPSK の併用療法は進行再発大腸癌症例に対する有用な選択肢の一つとなり得ると考えられた。
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癌と化学療法 37巻11号, 2203-2207 (2010);
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多発切除不能大腸癌に対し,化学療法により腫瘍縮小効果を得た後,完全切除し得た場合には予後が改善されることが報告されているが,標準的な初回治療に抵抗性であった場合,その後完全切除に持ち込めることは極めてまれである。今回,われわれはFOLFOX 療法に抵抗性となった切除不能直腸癌同時性多発肝転移に対し,FOLFIRI+cetuximab 療法を導入し,原発巣および転移巣ともに完全切除し得た1 例を経験したので報告する。症例:患者は41 歳,男性。切除不能直腸癌同時性多発肝転移に対し,first-lineとしてFOLFOX4 療法を開始した。FOLFOX4療法に治療抵抗性となった後,second-lineとしてFOLFIRI+cetuximab療法を導入したところ腫瘍の著しい縮小が得られ,原発巣および肝転移巣とも完全切除し得た。
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癌と化学療法 37巻11号, 2209-2211 (2010);
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症例は66 歳,男性。発熱と腰痛が持続し,CT検査で全身リンパ節腫脹を指摘された。鼠径部のリンパ節生検から腺癌と診断され,当科に紹介された。直腸診で肛門に全周性の硬結を触れ,下部内視鏡検査の所見と併せて肛門管癌と診断した。多発骨転移,骨髄癌腫症および高度の播種性血管内凝固症候群(DIC)を伴っており,mFOLFOX6 療法を導入した。経過中にDICに関連すると思われる脳梗塞を発症したものの,腫瘍は縮小しDICは改善した。以後,ADLを保った状態で,外来化学療法を継続することが可能であった。6か月後に小脳出血で永眠された。
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癌と化学療法 37巻11号, 2213-2215 (2010);
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慢性期慢性骨髄性白血病(CML)の第一選択はBCR-ABL 特異的なチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)imatinibであるが,耐性もしくは不耐容のケースには第二世代TKIが用いられる。現在nilotinibとdasatinibが臨床使用可能であるが,前者にリパーゼ上昇や膵炎,耐糖能障害,後者には胸水などの体液貯留,また両者ともQT 延長などの心機能に対する副作用などの非血液毒性が知られており,特に高齢者では慎重な投与が必要な場合がある。今回われわれは,87 歳のimatinib不耐容のCML移行期患者に移行期通常量の1/7(20 mg/ day)でdasatinibを開始したところ,18 日目に血液学的完全寛解(CHR)を認めた。非血液毒性は認めず,その後,血球減少進行のため減量し,週2 回のdasatinib投与にて6 か月以上CHR を維持している。本症例では細胞遺伝学的効果は認めていないが,このような少量dasatinibでCHR を得た症例の報告はなく,高齢のimatinib 耐性患者の移行期などで他に有効な治療がなく,通常量の第二世代TKI も投与が困難と考えられる症例には試みる価値がある投与法と思われた。どのような症例で少量dasatinib によるCML のコントロールが可能か,また急性転化への進展を抑制できるのかは明らかでなく,今後の症例の集積が望まれる。
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癌診療レポート
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癌と化学療法 37巻11号, 2217-2220 (2010);
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当院では癌の治療と並行して緩和ケアを行っている。癌患者は疼痛や麻薬の副作用に関する悩みだけでなく,抗癌剤の副作用である悪心や嘔吐,下痢,口内炎による食事の悩みを抱えている。食事は栄養補給と同時に患者の楽しみや家族とのだんらんの機会でもあり,食事をおいしく食べることは生きる希望や闘病意欲にもつながる。そこで薬剤師と管理栄養士が連携し,より適切な食事を患者に提供するため,対象患者39 名に嗜好調査を実施し,栄養管理を行った。嗜好調査の回収率は76%,回答者の77%は抗癌剤の副作用である嘔気や嘔吐,味覚変化や嗅覚変化の症状により嗜好が変化し,食事がつらいと訴えていた。そのため,体調変化を十分に考慮した栄養管理が重要と考え,経口摂取が良好な時期と,食思不振が強く咀嚼力も低下した時期に対応できるよう,二通りの「化学療法食」を考案した。これにより食欲増進は心理状態を向上させ,疼痛緩和に対する相乗効果が期待される。
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国際がん情報
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癌と化学療法 37巻11号, 2221-2223 (2010);
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第69 回日本癌学会学術集会総会は去る2010 年9 月22 日〜24 日にかけて,大阪市の国際会議場とリーガロイヤルホテルの2 会場を用いて盛大に開催された。大会会長は大阪大学外科(理事・副学長)の門田守人教授であった。この日本癌学会はわが国で最初に組織されたがん研究専門の学会であり,日本癌治療学会とともに日本のがんの研究・治療の中核をなしている。多くの特別講演,シンポジウム,ワークショップ,一般講演の他にも,今回は会員のみならず,患者会代表,市民,企業,国会議員,行政関係,メディア,腫瘍関連学会,日本医師会などの代表を含めた“がん研究に関する提言”のセッションが2 日目の午後に開催され,参加者に大きな感銘を与えたことを特筆せねばならない。
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Journal Club
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癌と化学療法 37巻11号, 2120-2120 (2010);
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癌と化学療法 37巻11号, 2124-2124 (2010);
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癌と化学療法 37巻11号, 2172-2172 (2010);
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用語解説
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癌と化学療法 37巻11号, 2212-2212 (2010);
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