Volume 25,
Issue 12,
2009
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特集
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脳神経疾患患者の症例で学ぶ 生活の再構築のためのケア
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ブレインナーシング 25巻12号, 19-19 (2009);
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ブレインナーシング 25巻12号, 20-26 (2009);
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[ 脳神経センター大田記念病院は広島県東部福山市中心部に位置し,病床数180 床,平均在院日数,15.7 日の急性期病院であり,年間約1,300 人の脳卒中患者の治療を担っています.ICU・SCU・一般病棟・亜急性期で構成され,連携医療機関と共に,備後脳卒中ネットワークに参画し,備後脳卒中地域連携クリティカルパスを運用しています. 当院では,入院時より病棟看護師がスクリーニングを行うことによって,独居,経済的問題,老老介護などの問題を把握し,多職種による連携にて退院支援を行ってきました.とくに“ 老老介護” は,本人・家族の意向のみでなく,おもな介護者以外の家族との調整や地域との連携が必須と言えます., 脳神経センター大田記念病院は広島県東部福山市中心部に位置し,病床数180 床,平均在院日数,15.7 日の急性期病院であり,年間約1,300 人の脳卒中患者の治療を担っています.ICU・SCU・一般病棟・亜急性期で構成され,連携医療機関と共に,備後脳卒中ネットワークに参画し,備後脳卒中地域連携クリティカルパスを運用しています. 当院では,入院時より病棟看護師がスクリーニングを行うことによって,独居,経済的問題,老老介護などの問題を把握し,多職種による連携にて退院支援を行ってきました.とくに“ 老老介護” は,本人・家族の意向のみでなく,おもな介護者以外の家族との調整や地域との連携が必須と言えます.]
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ブレインナーシング 25巻12号, 27-33 (2009);
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[ 脳血管障害を発症した患者は,後遺症として片麻痺や高次脳機能障害など,さまざまな障害を抱え生活していくことになります.そのため,時にこれまでの日常生活の過ごし方や役割を変え,生活を再構築していくことが必要となります. 退院後に復職を希望する患者もおり,入院中から復職に向けた介入が必要になることがあります.脳血管障害患者の復職に関して,佐伯らは復職を規定する要因としておもに6つの項目を挙げており,それら各要因の総合的判断が必要であると述べています(図)1).障害を抱えながら復職するための患者の要因としては,自宅でのADL だけでなく,職場までの通勤や職場環境における安全なADL・IADL ※が遂行できること,健康の自己管理ができることなど,さまざまな能力が求められると考えます. しかし,それらの能力を獲得・発揮することは,患者にとって容易なことではありません.復職を可能にするためには,患者自身の取り組みだけでなく,家族や会社の同僚など周囲の人々の理解と支援が必要不可欠です.また,患者にかかわる各専門職者,医師(以下,Dr)・理学療法士(以下,PT)・作業療法士( 以下,OT)・言語聴覚士( 以下,ST)・臨床心理士(以下,PSY)・医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)などと連携し,復職を可能にするための目標・介入について検討し,それを目指してチーム医療を実践していくことが重要になります. ここでは,復職に向けて入院中からチームでかかわった事例を紹介します., 脳血管障害を発症した患者は,後遺症として片麻痺や高次脳機能障害など,さまざまな障害を抱え生活していくことになります.そのため,時にこれまでの日常生活の過ごし方や役割を変え,生活を再構築していくことが必要となります. 退院後に復職を希望する患者もおり,入院中から復職に向けた介入が必要になることがあります.脳血管障害患者の復職に関して,佐伯らは復職を規定する要因としておもに6つの項目を挙げており,それら各要因の総合的判断が必要であると述べています(図)1).障害を抱えながら復職するための患者の要因としては,自宅でのADL だけでなく,職場までの通勤や職場環境における安全なADL・IADL ※が遂行できること,健康の自己管理ができることなど,さまざまな能力が求められると考えます. しかし,それらの能力を獲得・発揮することは,患者にとって容易なことではありません.復職を可能にするためには,患者自身の取り組みだけでなく,家族や会社の同僚など周囲の人々の理解と支援が必要不可欠です.また,患者にかかわる各専門職者,医師(以下,Dr)・理学療法士(以下,PT)・作業療法士( 以下,OT)・言語聴覚士( 以下,ST)・臨床心理士(以下,PSY)・医療ソーシャルワーカー(以下,MSW)などと連携し,復職を可能にするための目標・介入について検討し,それを目指してチーム医療を実践していくことが重要になります. ここでは,復職に向けて入院中からチームでかかわった事例を紹介します.]
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ブレインナーシング 25巻12号, 34-39 (2009);
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[ 脳梗塞は梗塞部位によりさまざまな症状をきたし,障害の程度も違うため患者一人ひとりに合わせたケアが必要となります.また,合併症として排泄障害による尿路感染症や嚥下障害に伴う肺炎など感染症のリスクも高く,入院早期から合併症の予防に取り組む必要があります.近年,高齢化や複数の基礎疾患を有する患者,独居世帯,老老介護など患者を取り巻く社会背景の複雑多様化が進んでおり,個々に応じたケアや退院支援なども求められます. 当院は,400 床の急性期病院で臓器別センター制による救急高度医療に取り組んでいます.脳卒中センターは脳神経外科と神経内科から成り,2008 年度は脳動脈瘤クリッピング術167 例,rt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲンアクチベーター)22 例など専門性の高い治療・ケアを行っています.また714 名の脳梗塞患者を受け入れ,その平均在院日数は16.3 日でした.熊本では,回復期病院との地域連携のネットワークが充実しており,約60%がリハビリテーション(以下,リハビリ)などの目的で転院しています. 本稿では,入院中に排尿障害をきたした高齢の脳梗塞患者の排尿コントロールへ向けたケアについて述べます., 脳梗塞は梗塞部位によりさまざまな症状をきたし,障害の程度も違うため患者一人ひとりに合わせたケアが必要となります.また,合併症として排泄障害による尿路感染症や嚥下障害に伴う肺炎など感染症のリスクも高く,入院早期から合併症の予防に取り組む必要があります.近年,高齢化や複数の基礎疾患を有する患者,独居世帯,老老介護など患者を取り巻く社会背景の複雑多様化が進んでおり,個々に応じたケアや退院支援なども求められます. 当院は,400 床の急性期病院で臓器別センター制による救急高度医療に取り組んでいます.脳卒中センターは脳神経外科と神経内科から成り,2008 年度は脳動脈瘤クリッピング術167 例,rt-PA(遺伝子組み換え組織型プラスミノーゲンアクチベーター)22 例など専門性の高い治療・ケアを行っています.また714 名の脳梗塞患者を受け入れ,その平均在院日数は16.3 日でした.熊本では,回復期病院との地域連携のネットワークが充実しており,約60%がリハビリテーション(以下,リハビリ)などの目的で転院しています. 本稿では,入院中に排尿障害をきたした高齢の脳梗塞患者の排尿コントロールへ向けたケアについて述べます.]
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ブレインナーシング 25巻12号, 40-47 (2009);
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[ 当院は,山口県宇部市にある大学病院(病床数736 床,平均在院日数約16.6 日)です.高度救命救急センターを持ち,山口県全域およびその近県をおもな診療地域とする急性期病院です.多くの患者は,病状が落ち着けば近隣の病院へ転院します.当病棟には,回復期リハビリテーション病棟を持つ病院へ転院する患者が多くいます.本稿では,重症のくも膜下出血による半身麻痺と高次脳機能障害を患いながらも,徐々に生活を再構築し,回復期リハビリテーション病棟へ転院となった症例を紹介します., 当院は,山口県宇部市にある大学病院(病床数736 床,平均在院日数約16.6 日)です.高度救命救急センターを持ち,山口県全域およびその近県をおもな診療地域とする急性期病院です.多くの患者は,病状が落ち着けば近隣の病院へ転院します.当病棟には,回復期リハビリテーション病棟を持つ病院へ転院する患者が多くいます.本稿では,重症のくも膜下出血による半身麻痺と高次脳機能障害を患いながらも,徐々に生活を再構築し,回復期リハビリテーション病棟へ転院となった症例を紹介します.]
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ブレインナーシング 25巻12号, 48-53 (2009);
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[ 本稿では小児脳腫瘍について解説し,一事例の看護計画と退院までの経過を紹介します.小児における脳腫瘍は,白血病に次いで死亡原因の第2 位を占めています.小児の固形がんのなかでは最も頻度が高く,発生する腫瘍の組織や部位に成人との差が認められます.また,発育途上にある小児特有の症状があり,これらを理解することが大切です., 本稿では小児脳腫瘍について解説し,一事例の看護計画と退院までの経過を紹介します.小児における脳腫瘍は,白血病に次いで死亡原因の第2 位を占めています.小児の固形がんのなかでは最も頻度が高く,発生する腫瘍の組織や部位に成人との差が認められます.また,発育途上にある小児特有の症状があり,これらを理解することが大切です.]
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巻頭カラー
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いのちの輝き〜脳腫瘍の子どもたち〜
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ブレインナーシング 25巻12号, 1-1 (2009);
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短い時間で楽しく読める・じっくりわかる 神経解剖ナビゲーション
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ブレインナーシング 25巻12号, 2-3 (2009);
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拝見!ちょいわざくふうモノ
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ブレインナーシング 25巻12号, 6-6 (2009);
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忘れ得ぬナース&ドクター
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ブレインナーシング 25巻12号, 7-7 (2009);
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緊急提言
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ブレインナーシング 25巻12号, 62-63 (2009);
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第2特集
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脳神経疾患病棟でも必要な心電図の知識
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ブレインナーシング 25巻12号, 85-85 (2009);
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ブレインナーシング 25巻12号, 86-93 (2009);
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心電図とは心臓の動きによって生じている電気の流れを記録したものです.その電気の流れ方や流れ具合などを見て,心臓で何が起きているかを推測します.
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ブレインナーシング 25巻12号, 94-98 (2009);
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[ 一方で,脳神経外科単独ですべての心電図異常に対処が可能なわけではなく,急性心筋梗塞や致死的不整脈(特発性心室頻拍や徐脈性不整脈)などのように専門的加療が必要な症例については,循環器科専門医にその加療を委ねなければならないことも少なくありません.本稿では,循環器科の高度な専門的加療を要するような心電図所見について触れるのではなく(専門的事項については循環器科のしかるべき成書を参照),脳神経疾患の急性期管理において遭遇する頻度が高いか,もしくは当科疾患に特異的であり,その対処が疾患の転帰を左右するような心電図所見について述べることにします., 一方で,脳神経外科単独ですべての心電図異常に対処が可能なわけではなく,急性心筋梗塞や致死的不整脈(特発性心室頻拍や徐脈性不整脈)などのように専門的加療が必要な症例については,循環器科専門医にその加療を委ねなければならないことも少なくありません.本稿では,循環器科の高度な専門的加療を要するような心電図所見について触れるのではなく(専門的事項については循環器科のしかるべき成書を参照),脳神経疾患の急性期管理において遭遇する頻度が高いか,もしくは当科疾患に特異的であり,その対処が疾患の転帰を左右するような心電図所見について述べることにします.]
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ブレインナーシング 25巻12号, 99-102 (2009);
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[ 本特集の目的は,脳神経疾患の急性期管理において,その転帰を左右するような重要な合併症を,心電図所見から早期に発見して迅速に対処する知識を付けることであり,循環器病棟で遭遇するような心電図の専門的知識については触れられておりません.皆さんはここまでに,脳神経疾患の急性期管理に必要となる心電図の基本的所見ならびに心電図異常について学んでこられました.実際の臨床現場でそれらの知識を活用できるように,以下の問題でチェックしてみてください., 本特集の目的は,脳神経疾患の急性期管理において,その転帰を左右するような重要な合併症を,心電図所見から早期に発見して迅速に対処する知識を付けることであり,循環器病棟で遭遇するような心電図の専門的知識については触れられておりません.皆さんはここまでに,脳神経疾患の急性期管理に必要となる心電図の基本的所見ならびに心電図異常について学んでこられました.実際の臨床現場でそれらの知識を活用できるように,以下の問題でチェックしてみてください.]
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エッセイ・読みもの
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脳をくすぐる一冊
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ブレインナーシング 25巻12号, 18-18 (2009);
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ドラマ・映画にみる脳の疾患 シネマホスピタル
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ブレインナーシング 25巻12号, 104-108 (2009);
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お勉強
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病棟薬剤師に聞く 脳神経疾患ナースのためのくすりの知識
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ブレインナーシング 25巻12号, 69-74 (2009);
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前号に引き続き,抗血栓療法中の上部消化管出血回避策を解説します.
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スッキリ解決!Q&A
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ブレインナーシング 25巻12号, 75-75 (2009);
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知らなきゃソンソン!やらなきゃドンドン!高次脳機能障害の看護〜急性期から回復期まで〜
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ブレインナーシング 25巻12号, 76-82 (2009);
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[ 近年の高齢化社会の進展とともに認知症患者数も急増し,一般身体科においても認知症を合併した患者の治療を行う機会は増えています.その際,「聞いたことを忘れ同じことを繰り返し尋ねる」,「自室に戻れない」,「入院の目的を理解できていない」など対応に難渋する場合が多いと思われます.本稿では,アルツハイマー病の事例を通して物忘れを持つ患者への対応を概説します., 近年の高齢化社会の進展とともに認知症患者数も急増し,一般身体科においても認知症を合併した患者の治療を行う機会は増えています.その際,「聞いたことを忘れ同じことを繰り返し尋ねる」,「自室に戻れない」,「入院の目的を理解できていない」など対応に難渋する場合が多いと思われます.本稿では,アルツハイマー病の事例を通して物忘れを持つ患者への対応を概説します.]
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看護に生かせる海外文献この1本!
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ブレインナーシング 25巻12号, 103-103 (2009);
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全国施設情報
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NURSE STATION
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ブレインナーシング 25巻12号, 8-11 (2009);
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[ 香川大学医学部附属病院は1983 年に開設され,四国地区の中核病院のひとつとして,質の高い医療を提供し続けている.脳神経外科は病院開設と共に発足し,ナビゲーション・モニタリングシステムを用いた手術やPET(ポジトロン断層撮影法)による検査など,最先端の高度な医療を行っている.医師・他職種とのチームワークも良く,良質な看護を実践する脳神経外科病棟を取材した., 香川大学医学部附属病院は1983 年に開設され,四国地区の中核病院のひとつとして,質の高い医療を提供し続けている.脳神経外科は病院開設と共に発足し,ナビゲーション・モニタリングシステムを用いた手術やPET(ポジトロン断層撮影法)による検査など,最先端の高度な医療を行っている.医師・他職種とのチームワークも良く,良質な看護を実践する脳神経外科病棟を取材した.]
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おしえて!全国脳神経疾患病棟 看護のくふう
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ブレインナーシング 25巻12号, 56-61 (2009);
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[ 脳神経外科病棟においては,理学・作業・言語療法を併用し,機能全般でのリハビリテーション(以下,リハビリ)療法を必要とする場合が多く,多職種との連携が重要となります. 当院では,病棟・リハビリ部の円滑な情報交換がスムーズな連携につながると考え,リハビリに関する情報を1 カ所にまとめた“ リハビリ日誌” を独自に作成し使用しました.その結果,連絡事項の伝えやすさからリハビリプランの継続につながり,円滑な情報共有が実現しました.しかし欠点として,診療録とは別立てにしたため診療録,リハビリ日誌の両方に情報の記載を要するなど,業務量の増加が指摘されました.そこで,リハビリ日誌に含まれる情報を電子カルテに集約し,電子カルテを情報共有の手段として活用しました. 本稿では病棟とリハビリ部との連携を目指した,リハビリ日誌の電子カルテでの活用の取り組みについて述べます., 脳神経外科病棟においては,理学・作業・言語療法を併用し,機能全般でのリハビリテーション(以下,リハビリ)療法を必要とする場合が多く,多職種との連携が重要となります. 当院では,病棟・リハビリ部の円滑な情報交換がスムーズな連携につながると考え,リハビリに関する情報を1 カ所にまとめた“ リハビリ日誌” を独自に作成し使用しました.その結果,連絡事項の伝えやすさからリハビリプランの継続につながり,円滑な情報共有が実現しました.しかし欠点として,診療録とは別立てにしたため診療録,リハビリ日誌の両方に情報の記載を要するなど,業務量の増加が指摘されました.そこで,リハビリ日誌に含まれる情報を電子カルテに集約し,電子カルテを情報共有の手段として活用しました. 本稿では病棟とリハビリ部との連携を目指した,リハビリ日誌の電子カルテでの活用の取り組みについて述べます.]
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BRAIN NURSING 第25巻総目次
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ブレインナーシング 25巻12号, 109-118 (2009);
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